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『悪徳商法』◆悪徳商法について

某月某日、こんな本を読んだ。
 
大山真人『悪徳商法:あなたもすでに騙されている』文藝春秋、文春新書、2003620日、690円+税 [注×文△索×]
 
本書は、悪徳商法の数々を列挙・紹介する本であり、それぞれについて特徴的な事例を掲出している。以下に目次から書き出してみよう。
・電話による勧誘(恋人商法、資格商法、当選商法、自己啓発商法、携帯電話による悪徳商法)
・訪問販売(次々商法、見本工事商法、点検商法、浄水器販売トラブル、エアコン・室内クリーニング格安トラブル、新聞拡張団トラブル)
・チラシ・DM商法(内職商法、原野商法の二次被害、エステトラブル、脱毛・増毛・育毛・カツラのトラブル、体験談商法、ネガティブオプション[送り付け商法])
・路上キャッチ商法(SF[催眠]商法、会員権キャッチセールス、手相占い、化粧品トラブル)
・マルチ商法・ねずみ講(ホームパーティ商法、ネットワークビジネス)
・インターネット商法(インターネット通信販売、インターネットオークション、インターネットマルチ商法)
・悪徳消費者金融・ヤミ金融・クレジット犯罪(ヤミ金融、クレジットカード被害)
ちなみに本書が出た当時は、いわゆるオレオレ詐欺は登場していなかった。同じ著者の『騙されたがる人たち:善人で身勝手なあなたへ』では、実際のオレオレ詐欺録音をCD-ROMで紹介もしている。
 
悪徳商法は特に年寄りが狙われる。<「年寄りを騙すには人情話に限る。」これは業者に直接聞いた話だ。彼らほど実によく人間(カモ)の心理を研究している人たちを僕は知らない。悪徳商法に引っ掛からない方法は、悪徳商法の手口と業者の気持ちを考えることだと思う。難しいことだとは思うけど。>(p.101
 
悪徳商法に関する本は、下記のブックリストにもあるように、これまでにも大量に出版されてはいる。だが、おそらく悪徳商法に引っ掛かる人たちはその中の1冊も読んではいないし、読もうともしないのであろう。しばしば新聞をにぎわす悪徳商法事件もその多くは上記の項目のどれかが大半。もちろん、著者のように、悪徳商法を詳しく知っている人間ですら、引っ掛かりしそうになるくらいなのだが。
<信じられないかもしれないが話し相手になって欲しい余り、騙されたことを知りつつ次々と業者のいいなりに商品を買い求め、リフォームを続ける高齢者もいるのだ。…だから始末に負えない。>(p.80)悪徳業者が家に入り込むマニュアルには、「部屋の掃除」「お土産」とともに「疑似親子関係」があるそうだ(p.63-4)。
 
日本には1970年代から上陸してきたマルチ商法(Multi Level Marketing)は、問題が発生したために規制され、資格商法や自己啓発商法、内職商法などの<悪徳商法の集大成>ともいうべき「ネットワークビジネス商法」と名を変えて跋扈している(p.138)。ちなみに、著者はマルチ商法とネットワークビジネス商法を分けて記述しているが、ともに特定商取引法第33条で定義される販売形態である「連鎖販売取引」のはず。
なお、アルバニアはねずみ講に人口の実に半分が参加したため、暴動が発生して国が亡びそうになったとのこと(p.140)。
 
クーリング・オフ制度があっても、あるいは法令等で規制し、罰則を強化しても、悪徳商法の業者ははるかにその先を進んで、規制を回避するような新しい悪徳商法を生み出していくだけで、根絶などありえない。安愚楽牧場事件(特定商品預託法違反事件)すら結局立件もできないで終わりそうなくらいだから、法的な救済は頼み薄と考えるべきだろう。
世の中にうまい話はころがっているわけはないし、マルチ商法のように場合によっては被害者がいつのまにか加害者側に回ってしまうことすらある。結局は、怪しい商法にはひたすら近づかないことだろう。ちなみにマルチ商法自体は非合法ではないので、ご注意を。
 
 
なお、文中で触れた本は以下の通り。
大山眞人『騙されたがる人たち:善人で身勝手なあなたへ』講談社CD-ROM付、20133月、1500円+税
 
 
◆[悪徳商法]関連ブックリスト
*詐欺は別項にてまとめる。
 
白橋栄治『悪徳商法の墓碑:投資ジャーナル中江滋樹と豊田商事永野一男の死』青山書房、19859月、980
平野鷹子『かしこい消費者の法律相談:悪徳商法・不快商法消費者トラブル対処法』フジタ、19856月、800
堺次夫『新悪徳商法事情:騙す側の構造・騙される側の構造 マルチまがい商法・先物取引・現物まがい商法』フジタ、19859月、1100 (税込)
勝股美代子『あなたを狙う悪徳商法全手口』講談社、19863月、980 (税込)
情報研究所構成『究極のセールス教本:悪徳商法マニュアル』データハウス、19865月、780→『最新究極のセールス教本:悪徳商法マニュアル』データハウス、20019月、1400〔改装版〕『究極のセールス教本:悪徳商法マニュアル』データハウス、Datahouse book20034月、1400
木村晋介『ご用心!巷にあふれるいい話:「悪徳商法」撃退法』岩波書店、岩波ブックレット76198612月、250
古川和『くたばれ!悪徳商法:クレジット社会の虚構』日本評論社、19889月、1400
青年法律家協会神奈川支部編『悪徳商法にご用心』日本評論社198812月、1500 (税込)
日本消費者連盟編著『悪徳商法と合成洗剤:アムウェイ商法の手口と問題点』日本消費者連盟、19932
悪徳商法研究会編著『悪徳商法のすべて:トラブル解決早わかり これであなたも年収一千万確実といわれて』自由現代社、199411月、1200 (税込)
宗教と消費者弁護団ネットワーク編著『宗教名目による悪徳商法:日弁連報告書にみるその実態と対策』緑風出版、19965月、2575 (税込)
悪徳商法研究会『騙す!!』鹿砦社199612月、2330
野尻義明『なんでだまされるの?:悪徳商法の手口と対策』主婦の友社、19977月、1600
後藤勝利『図解最新悪徳商法撃退マニュアル:キャッチセールス、インターネットカジノから自分で』同文書院199811月、1300
飯塚英明監修、悪徳商法研究会編著『解決!悪徳商法』自由現代社、199911月、1500
藤原義恭監修、天王寺大・郷力也『ミナミの帝王悪徳商法ワルの手口:悪徳業者のだましのテクニックと法的対抗策を教えます!』日本文芸社、20002月、1200→日本文芸社、にちぶん文庫、20022月、524
紀藤正樹『悪徳商法・詐欺と騙しの罠:悪徳業者の巧妙な手口と、トラブルの対処法』日本文芸社、20004月、1200
榊博文『説得と影響:交渉のための社会心理学』ブレーン出版、20025月、6800
                   *悪徳商法の勧誘の背景にある説得と影響について。
村田英幸『事例・Q&Aによる悪徳商法対処法』税務経理協会、200212月、1600
●大山真人『悪徳商法:あなたもすでに騙されている』文藝春秋、文春新書、2003620日、690円+税 [注×文△索×]
多田文明『ついていったら、こうなった:キャッチセールス潜入ルポ』彩図社、200311月、1200
村千鶴子『消費者はなぜだまされるのか:弁護士が見た悪質商法』平凡社新書、20046月、780
村千鶴子監修『私たち、カモられました!:ぜんぶホントの悪徳商法』フィールドワイ、Book of dreams20055月、1140
高田橋厚男『悪徳商法の手口を見抜く!!:住民の消費生活に役立つ事例から学ぶ実戦ノート』ぎょうせい、20059月、2800
西田公昭『まさか自分が…そんな人ほど騙される:詐欺、悪徳商法、マインド・コントロールの心理学』日本文芸社、パンドラ新書、200512月、838
『悪徳商法撃退77の秘密ハンドブック』あおば出版、あおば新書20067月、762
多田文明『ついていったら、だまされる』理論社、よりみちパン!セ、200711月、1200円→〔再刊〕イースト・プレス、よりみちパン!セ、20127月、1200
安斎育郎『あなたは、だまされている!:振り込め詐欺悪徳商法ほか』主婦と生活社、プラチナBOOKS20096月、952
村千鶴子『よくわかるクーリング・オフの仕方:悪徳商法に対処するときの一冊』日本法令20107月、600
『知らずにハマるブラックビジネスの罠:犯人グループが語る悪徳商法の手口』宝島社、別冊宝島1857号、20124月、933
多田文明『おいしい話に、のってみた:"問題商法"潜入ルポ』扶桑社、20129月、1200
◎大山眞人『騙されたがる人たち:善人で身勝手なあなたへ』講談社CD-ROM付、20133月、1500円+税
原英史・真柄昭宏『官僚が使う「悪徳商法」の説得術』講談社、講談社+α新書、20134月、838
▽多田文明『悪徳商法:わざと引っかかってみました』彩図社、20139月、619円+税
 

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