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■2013年読書総括

2013年には以下に示すように210冊読んだことになる。この中には一般書籍のみならず、ムック、図録なども含む。また再読のものも含まれる。読んだとするのは、原則として巻頭から巻末の奥付に至るまで目を通したもので、部分的に読んだもの、飛ばし読みしたものなどは含まない。佐藤優氏の言う「超速読」および「普通の速読」(48参照)は含まないことになるが、すべてが熟読というわけでもない。ただし、上下巻は2冊とカウントしている。
読書記録をつけ始めたのが2001年からで、通算すると2013年末で2602冊読了した結果となった。したがって、年平均200冊(月平均16.7冊)となる。最も多かった年は2012年で245冊(次点の2006年は244冊)、最も少なかった年は2001年で147冊であった。

グラフ_2013年読書  

購入記録も並行してつけているが、2001年をピーク(297冊)として年々減少してきており、ここ数年は100冊を切るほど少ない(最近では書店に行くことすら稀だし、オンライン書店で購入するのは好きではないので、ますます購入減となっている)。最も少なかったのは2012年(85冊)で読書量と反比例しているかのようである。実は、読んでいる本の多くは購入した本ではなく、むしろ図書館から借りた本が多い。2013年では210冊中、191冊は図書館の本である(91%)。購入した本はレファレンス用や公共図書館にはあまり置かないであろう本が主という傾向はある。読むためには返却期限があったほうが適度なプレッシャーとなって効率的(?)でもある。さらにはすぐに読みたくなった時に、持っている本であることを知りながら、すぐに見つからないという理由で借りることも多い(岡崎武志『蔵書の苦しみ』光文社新書173にも、<あるとわかっていて見当たらない本を借りる。これが私の図書館利用法の極意だ>(p.197)とある)。図書館の本を読んでから、所持していたことに気づくこともよくあるのだが。したがって所持している本のほとんどは未読となっている(仮にあと20年生きるとして、年に200冊ずつ読んだとしても4000冊。ということは今後一切購入もせず、図書館にも行かなくとも、十分まかなえるという計算になるのだが)。
読書のジャンルなどは、長年の惰性もあるが、かなり狭いと言えよう。2013年前半ではまだ多少仕事絡みの本も少なくなかったので、やや傾向は見えにくいが、本人としてはいくつかのテーマを持って読んでいこうとはしている(拡散気味だが)。フィクションはほとんど読まないし(2013年で17冊)、読んでもミステリかファンタジー、ホラー、SFに限られる。間違っても村上春樹なぞ読まない。他のジャンルでもかなり偏っているが…。
 
下記のリストはほぼ読了順に記載して、通し番号を付した。読書記録の出版情報は簡易であるため、多くは発行年月止まりとなっており、年月日表示は少ない。一部の本には、*以下に簡単なコメントを付記した。ただし、ほとんどは忘却のかなたである。
はフィクション。は本ブログで取り上げた本。
 
1月                                                                
1とんじ、けんじ共著『トン考:ヒトとブタをめぐる愛憎の文化史』アートダイジェスト、20015
 *このころ猪と豚に関する文献を少々読む。ほかに5][10][11][15][19][21なども。ただし、2012年に読んだ菊屋奈良義『イノシシ母ちゃんにドキドキ』(白水社、201210月)と福井栄一『イノシシは転ばない:「猪突猛進」の文化史』(技報堂出版、200612月)がいちばん面白くためになった。内澤旬子『飼い喰い:三匹の豚とわたし』(岩波書店、20122月)もありましたね。
2中西輝政、小谷賢編著『インテリジェンスの20世紀:情報史から見た国際政治〔増補新装版〕』千倉書房、20122
 *インテリジェンス関係文献の読書については、ごくわずかしか着手できていないので、とりあえずのアウトラインを把握するため。にもかかわらずノートもとらなかったため、内容をきれいさっぱり忘れている。その後、50][51][101][183][195などを読む。
3スティーヴン・グリーンブラット/河野純治訳『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』柏書房、201212
 *15世紀のイタリアのブックハンター、ポッジョ・ブラッチョリーニが、紀元前50年頃に書かれた詩人ルクレティウスの『物の本質について』を発見する。これがルネサンスの底流となっていく。これは本が世界を変えうることの事例の一つだ。
4河原啓子『「空想美術館」を超えて』美術年鑑社、20116
 *展覧会の変質について示唆が得られるかと期待したが、はずれ。
5H.-D.ダネンベルク/福井康雄訳『ブタ礼讃』博品社、19957
6山口晃『ヘンな日本美術史』祥伝社、201211
7立木鷹志『夢と眠りの博物誌』青弓社、201212
 *随分前に読んだ著者の本が感心できなかったのだが、これはなかなか面白かった。
8榎本まみ『督促OL修行日記』文藝春秋、20129
 *壮絶な督促コールセンター業務の実情。これもまた一種のブラック職業か。
9金子信久『旅する江戸絵画:琳派から銅版画まで』ピエブックス、201010
 *それなりに構成の工夫や関連作品の収集はしているものの、期待したほどではなかった。どうもこの版元の本は、外観の印象・期待感と、読んだ後の虚しさが反比例する。
10ライアル・ワトソン/福岡伸一訳『思考する豚』木楽舎、200911
11武田雅哉『猪八戒の大冒険:もの言うブタの怪物誌』三省堂、19959
 *再読。
12福田浩至『企業のためのソーシャルメディア安全運用とリスクマネジメント』翔泳社、20128
 *情報セキュリティ関連書については必要箇所のみ目を通すことがほとんどで、こういった軽い本以外は読了していないことが多かった。この関連では、13][20][38][164なども。
13大石哲也SNSが会社をツブす!:分ったフリする上司たち』双葉社、双葉新書、201212
 *読了後もタイトルが意味不明のまま。
14ベアント・ブルンナー/山川純子訳『月:人との豊かなかかわりの歴史』白水社、201212
 *月の文化史。人工物の文化史とともに、自然界の文化史についても、もう少し勉強してみないと。
15田中智夫『ブタの動物学』東京大学出版会、アニマルサイエンス 4200110
16井出彰『書評紙と共に歩んだ五〇年』論創社、「出版人に聞く」シリーズ9201212
 *このシリーズはインタビュアーがでしゃばらなければいい企画なのだが。本によっては情報量がものすごく薄っぺらなことがある。本書も期待外れ。
17乾石智子『闇の虹水晶』朝日新聞出版、201212
 *和製ファンタジー。この著者の本はだいたい読んでいるが、最近では同工異曲の感が強い。その後も41][114などを読む。
18トマス・レヴェンソン/寺西のぶ子訳『ニュートンと贋金づくり:天才科学者が追った世紀の大犯罪』白揚社、201212
 *こういった人文系の読ませる本は、やはり海外の書物に限る。日本人の著作はともすると出典・典拠が不明・不確かで、さらに言えば勉強不足が多いし、読ませる本づくりとなると全くだめ。
19高橋春成編『イノシシと人間:共に生きる』古今書院、200112
20デロイトトーマツリスクサービス株式会社編『「炎上リスク」に備えるWebモニタリングのすすめ方』中央経済社、201212
 *コンサル会社の宣伝本。
21ジェフリー・ムセイエフ・マッソン/村田綾子訳『豚は月夜に歌う:家畜の感情世界』バジリコ、20053
 *菜食主義者の弁。
22大森望『新編SF翻訳講座』河出書房新社、河出文庫、201210
 *元版は所有しているが当然読んでいない。図書館で借りると返却期限があるので読む。
 
2月
23森耕治『マグリット光と闇に隠された素顔』マール社、20131
 *マグリットについてさほどの新しい知見は得られず。
24横浜美術館企画・監修『はじまりは国芳:江戸スピリットのゆくえ』大修館書店、201211
*同題の展覧会図録を兼ねる本だが、展覧会には結局行けなかった。これはぜひ見たかった。最近は随分図録を一般書として作成・販売することが増えている。2013年でも64][81][115][208などがある。
25川畑秀明『脳は美をどう感じるか:アートの脳科学』筑摩書房、ちくま新書、201210
26高宮利行『本の世界はへんな世界』雄松堂書店、201211
 *稀覯本との出会いなどを記した雑文集。
27田村俊作編『文読む姿の西東:描かれた読書と書物史』慶應義塾大学出版会、200712
 *このころ読書する姿の図像を集めていた。29][30はその関連。
28伊藤計劃、円城塔『屍者の帝国』河出書房新社、20128
 *伊藤計劃が書きかけて亡くなったため、円城塔が書き継いだもの。ゾンビ、フランケンシュタイン、吸血鬼などのありふれたギミックを強引に料理。
29アルベルト・マングェル/原田範行訳『読書の歴史あるいは読者の歴史』柏書房、19999
 *これも所有しているが見つからなかったので、図書館で借りる。
30石井美樹子『聖母のルネサンス:マリアはどう描かれたか』岩波書店、20049
 *聖母の読書像は膨大に描かれているので参考に。
31『いしいひさいち:総特集 仁義なきお笑い デビュー40周年・『バイトくん』から『ののちゃん』まで』KAWADE夢ムック、20126
 *まんが・コミックは全く見ないが、いしいひさいちだけが例外。
32サラ・モス、アレクサンダー・バデノック/堤理華訳『チョコレートの歴史物語』原書房、お菓子の図書館、20131
33菊地章太『妖怪学の祖井上圓了』角川学芸出版、角川選書、20131
 *内容の乏しい本。
34森洋子『子供とカップルの美術史:中世から18世紀へ』日本放送出版協会、NHKブックス、200210
 *子供の図像を勉強。35はその関連で。
35柴田純『日本幼児史:子どもへのまなざし』吉川弘文館、20131
36『深海世界』パイインターナショナル、201211
 
3月
37サンディ・ネアン/中山ゆかり訳『美術品はなぜ盗まれるのか:ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い』白水社、20132
 *前半はターナーの作品が盗まれたテート・ギャラリー学芸員による不屈の調査、後半は美術品盗難全般について論じる。特にフィクションの世界にまで論及して、美術品盗難が映画などで描かれるような格好の良いものではないことを力説。
38西本逸郎、三好尊信『国・企業・メディアが決して語らないサイバー戦争の真実』中経出版、20122
 *それほどの内容ではなかった。
39ジャック・ラング/塩谷敬訳『ルーヴル美術館の闘い:グラン・ルーヴル誕生をめぐる攻防』未来社、20132
 *ミッテラン社会党政権時代の当時まだ30代の若手文化大臣ジャック・ラングによる文化政策推進の紆余曲折。政治家の本でありながら、なかなか読ませる。
40西野嘉章『モバイルミュージアム 行動する博物館:21世紀の文化経済論』平凡社新書、201212
 *どうもこの著者の本は胡散臭い印象が拭えない。
41乾石智子『太陽の石』東京創元社、201210
42中村圭志『宗教のレトリック』トランスビュー、201212
 *かなり期待して読んだが、レトリック分析が不十分。
43石川九楊『日本の文字:「無声の思考」の封印を解く』ちくま新書、20132
44内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』論創社、「出版人に聞く」シリーズ1020133
 *もっと出版活動について詳しく聞いてほしかった。巻末の薔薇十字社の目録はありがたい。
45三井秀樹『琳派のデザイン学』NHK出版、NHKブックス、20132
 *琳派について勉強不足だったので、とりあえず軽いものから。
46宇佐和通『都市伝説の正体』祥伝社、20094
47堀江貴文『刑務所なう。:PRISON DIARY from Nagano-シーズン2前歯が抜けたぜぇ。ワイルドだろぉ?の巻)』文藝春秋、20132
 *前年に『刑務所なう。:ホリエモンの獄中日記195日』(文藝春秋、20123月)を読んでいたので、その続き。刑務所生活の実態が具体的にわかる。最近、『刑務所わず。:塀の中では言えないホントの話』(文藝春秋、20141月)という本も出たようなので、機会があったら読んでみよう。
48佐藤優『読書の技法:誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』東洋経済新報社、20128
                  
4月
49今野真二『百年前の日本語:書きことばが揺れた時代』岩波新書、2012920
 *明治期の日本語において、漢字・仮名の表記などは大きな「揺れ」の中にあった。その揺れは<むしろ「豊富な選択肢があった」と捉えたい>(p.iii)とする。字形、語形、語の書き方、仮名字体などの揺れが次第に統一されてゆく。しかし著者の本は、このところ毎月のように刊行されているのだが、筆が荒れていませんか?
50デイヴィッド・ワイズ/石川京子・早川麻百合訳『中国スパイ秘録:米中情報戦の真実』原書房、2012228
 *アメリカにおける中国スパイの実態。中国人はどこに住んでいても、常に中国につながっているがゆえに(例:中国の発展のためにこれこれの情報を集めてほしい、と言われれば断れないようだ)、スパイになる可能性は高いという。
51柏原竜一『中国の情報機関:世界を席巻する特務工作』祥伝社新書、2013310
 *なぜか参考文献に50がない。
52仁科邦男『犬の伊勢参り』平凡社新書、2013315
 *以前、平岩米吉『犬と狼』(築地書館、199012月、元版1942年刊)だったかを読んでいたら、犬の伊勢参りの記述があったので気になっていた。江戸時代でも虚説とされたりしていたようだが、村々の送り状なども残っており、人について伊勢へ行ったのが実情だったようだ。豚や牛まで伊勢参りをするなど、本書で多数の事例が紹介されている。
53田村圭介『迷い迷って渋谷駅:日本一の「迷宮ターミナル」の謎』光文社、2013320
 *渋谷駅周辺の昔話はとても興味深いが、直近のことについては調査不足。渋谷の地形を右手上のx,yで示す説明はわかりやすい(p.44)。
54繁田信一『陰陽師:安倍晴明と蘆屋道満』中公新書、20064
 *京都に遊びに行くにあたって、清明神社に行こうと思って読む。
55佐藤優『野蛮人のテーブルマナー:ビジネスを勝ち抜く情報戦術』講談社、2007123
 *何でもインテリジェンスと唱えれば済むといった粗製濫造の本。傑作なのは、巻末に河合洋一郎が、《諸君》20075月号に書かれた柏原竜一の佐藤優批判(情報のプロとは思えないほど脇が甘かった、とする)に対し、一生懸命反論しようとしているところ。
56森達也『虚実亭日乗』紀伊國屋書店、2013117
 *ノンフィクション・エッセイと思わせて(実在の人物多数登場)、実はフィクション。
57安村敏信『江戸絵画の非常識:近世絵画の定説をくつがえす』敬文舎、日本文化私の最新講義012013323
 *江戸絵画の13の常識を検証するというスタイル。面白いのは巻末にある言葉。<展覧会を開催して図録をつくると、それ以降、奇跡か魔法のように作品が出てくる。ワラワラと出てくれば、当然、重要な作品や代表作なども出てくる。>(p.299)そういうものですかね。
58ヒヨコ舎編『本棚』アスペクト、2008131
 *雑な作りの本。肝腎な本棚の中身を見せず、斜めだったりピンボケだったり、前に人が立っていたりブーツで隠れていたり。
59ケネス・L.フィーダー/福岡洋一訳『幻想の古代史』上、楽工社、20091120
 *本来は教育(特に考古学)目的で執筆された疑似科学、捏造考古学批判の優れた書。アメリカの話題がやや多いか。下巻は60
 
5月
60ケネス・L.フィーダー/福岡洋一訳『幻想の古代史』下、楽工社、20091120
61ティモシー・ライバック/赤根洋子訳『ヒトラーの秘密図書館』文藝春秋、2010110
 *ヒトラーの生涯に大きな影響を与えたであろう10冊を中心に、ヒトラーの読書傾向、思想形成、本の来歴などを語る。ヒトラーの旧蔵書を内容だけでなく、欄外の書き込み、アンダーラインまで読み込み、恐らく読んでいないであろう本の判別も。<ヒトラーの読書は余暇とか楽しみとかはまったく無縁のものだった。それは、「死ぬほど真剣な仕事」だった。>(pp.191-2
62高山宏『「夢十夜」を十夜で:『新人文感覚1風神の袋』『新人文感覚2雷神の撥』副読本』羽鳥書店、はとり文庫、201112
 *副読本(?)だけ読んで、『新人文感覚』の2冊はあまりに分厚すぎて置いたまま。
63宮田珠己『おかしなジパング図版帖:モンタヌスが描いた驚異の王国』パイインターナショナル、20134
 *来日経験のないオランダ人モンタヌスが1669年に出した『日本誌』。当然とんでもない図版の数々。
64中村圭子『魔性の女挿絵集:大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち』河出書房新社、2013330
 *弥生美術館で開催した展覧会の本。サブタイトルに「大正」とあるが「明治末」からの内容。
65《骨董「緑青」》Vol.29 特集:世界を魅了した明治の七宝 その技と美-清水三年坂美術館、マリア書房、200665
 *京都から帰ってきたら、清水三年坂美術館に行かなかったことを悔やんだ(12月に京都再訪時に行くことができたが)。ムックの特集などを何冊か慌てて見る。関連は66][68][69][141など。
66村田理如『幕末・明治の工芸:世界を魅了した日本の技と美』淡交社、2006214
 *清水三年坂美術館館長による、七宝・京薩摩・印籠・根付・刀装具・金工・蒔絵などのコレクションのエッセンス紹介。それにしてもすごい作品ばかり。20144月には、三井記念美術館で「超絶技巧!明治工芸の粋:村田コレクション一挙公開」が開かれる。
67田中淳『中国ニセモノ観光案内』講談社+α文庫、2008520
 *中国のニセモノ事情。<もはや「ニセモノは文化」であり、中国の国民性、政治システムと切っても切れない縁で結ばれている>(p.3)。中国の偽装食品・危険食材78][176や偽装義歯166などニセモノには事欠かない。
68《骨董「緑青」》Vol.35 特集森田藻己の世界-根付・提物と細密彫刻、マリア書房、20071215
69《骨董「緑青」》Vol.32 特集:世界を驚かせた幕末・明治の金工、マリア書房、200735
70中島誠之助『ニセモノ師たち』講談社、講談社文庫、2005715
 *ニセモノをつかまされる<いちばん大きな条件としていえることは、ダマサレタあなたが権威に弱い人間であったということです。>(p.50)基本的には骨董商なので、ニセモノを見極められないのが悪いという立場。
71菊池聡『超常現象をなぜ信じるのか:思い込みを生む「体験」のあやうさ』講談社ブルーバックス、1998920
 *「信じる心」を生む「体験」のあやうさを詳しく解説。<「私は体験したのだから、不思議現象(霊でも超能力でも)はたしかに存在するのだ」と考えるとしたら、その考えが誤りだと言いたいだけなのです。>(p.208
72須藤靖『主役はダーク:宇宙究極の謎に迫る』毎日新聞社、20133
 *漫談調の天文学。
73山本芳明『カネと文学:日本近代文学の経済史』新潮社、新潮選書、2013330
 *「日本近代における文学の経済史」を目指した本。明治後期から昭和40年代までの文学作家の商品化の歴史。
74中島誠之助『「開運!なんでも鑑定団」の十五年』平凡社、2008916
 *表題作のみ書き下ろしで、他は既発表のエッセイを収録。
 
6月
75ベン・アーロノヴィッチ/金子司訳『女王陛下の魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課 1ハヤカワ文庫FT20134
 *魔術ミステリのジャンルが好み。本書は実際のロンドンを少しずらした設定。2146
76トレヴァー・ノートン/赤根洋子訳『世にも奇妙な人体実験の歴史』文藝春秋、2012710
 *「マッド・サイエンティスト」ではなく、皆「シリアス」かつ冷静に自らを被験体とすることにためらいを感じなかった科学者たちの物語。
77福井健太『本格ミステリ鑑賞術』東京創元社、キーライブラリー、2012330
 *なかなかうまくまとめている。
78富坂聰『中国ニセ食品のカラクリ』角川学芸出版、20071215
 *これでもかと登場してくるニセ食品の数々。ただし、ほとんどが中国メディアからの引用。
79高島俊男『漢字雑談』講談社現代新書、2013320
 *いつまでも似たような調子の雑文なのだが、はまると心地いいのだろうか。
80菊池良生『検閲帝国ハプスブルク』河出ブックス、2013430
 *<独創的なまでに非独創に徹してきた>ハプスブルク家の混乱に満ちた検閲政策の歴史。女帝マリア・テレジアの跡継ぎであるヨーゼフ2世は<「検閲の唯一の利点は発禁となったすべての本がウィーンで手に入ることだ」と書いている。>(pp.167-8
81町田市立国際版画美術館編『空想の建築:ピラネージから野又穫へ展』エクスナレッジ、2013425
 *この展覧会も行かず。図録のみ読む。編集が粗雑でカタログNo,の誤記が目立つ。本文書体の選択が悪く、非常に読みにくい。サブタイトルは「『エジプト誌』から…」とすべきだったが、町田市立国際版画美術館の所蔵品自慢の故か。
82飯間浩明『辞書を編む』光文社新書、2013420
 *国語辞典編纂者による『三省堂国語辞典(第7版)』(2013年末刊行予定)編集過程をリアルタイムに紹介。著者は、佐々木健一『辞書になった男:ケンボー先生と山田先生』(文藝春秋、2014210日)にも随所に登場している。
83西崎憲編訳『短篇小説日和:英国異色作家傑作集』ちくま文庫、20133
 *奇妙な味の小説集。
84鈴木浩三『江戸の風評被害』筑摩選書、2013515
 *「風評」に対する幕府側の対応・規制(特に経済分野中心)が描かれている。しかし、「風評被害」という言葉に危うさを感じる。あたかも実体がないかのように、単なる「風評」に過ぎないかのように。
85原田実『オカルト「超」入門』星海社新書、20125 24
 *さまざまなオカルト・テーマに関する、ごく簡単な早わかり。
86山村修『増補 遅読のすすめ』ちくま文庫、20118 10
 *福田和也や立花隆のような速読派を批判。もっとも、読む本のジャンルや読む目的がそもそも違うのだが。
87宮田昇『図書館に通う:当世「公立無料貸本屋」事情』みすず書房、20135 17
 *「当世「公立無料貸本屋」事情」という副題に惹かれて読んだが、「公立無料貸本屋」議論に関しては何もなし。単にリタイア後に図書館でエンターテインメントを借りるようになったという話。
88古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』河出書房新社、20135
 *長く雑誌に書き継いできたらしいが、長いばかりで構成は破綻。「輪廻転生(ロックンロール)」が主題か。
 
7月
89吉川敏明『ホントは知らないイタリア料理の常識・非常識』柴田書店、20103
90秦郁彦『陰謀史観』新潮新書、20124
 *日本近代史上のいくつかのターニングポイントの見方について。陰謀論についてはその後も99][134][139などを読む。
91岡田剛『十三番目の王子』東京創元社、20135
 *タイトルにある「十三番目の王子」の存在と登場が、本来中核であるべきだろうが、あまりにもいい加減。お粗末な破綻だらけの粗製ファンタジー。
92岡照雄『官僚ピープス氏の生活と意見』みすず書房、201361
 *『日記』に即して、「官僚」としてのサミュエル・ピープスの行動を描く。
93川上新一著/伊沢正名写真『変形菌ずかん:森のふしぎな生きもの』平凡社、201365
 *かつて南方熊楠が変形菌の研究に打ち込んだことを知ったときは、どのような生物なのか定かではなかった。変形菌の入門書としてうってつけ。107の粘菌も変形菌と同じ(厳密にいえば「真性粘菌」が変形菌)。
94『若冲の衝撃:ザプライスコレクションと江戸絵画』小学館、和樂ムック、201011
 *盛岡にプライスコレクションを見に行ったので、再読。雑誌《和樂》掲載記事をそのまま寄せ集めたため、何度もプライス氏の略歴が出てきたりする、お手軽編集ムック。
95大熊肇『文字の骨組み:字体/甲骨文から常用漢字まで』彩雲出版、200944
96安斎育郎『だまし世を生きる知恵:科学的な見方・考え方』新日本出版社、20101020
 *「だまし」の種々相を述べているが、表面的になため、その対比としての「科学的な見方・考え方」も皮相的。
97秋山豊解説『直筆で読む「坊っちやん」』集英社新書ヴィジュアル版、200710
 *厳密には読了したとはいえない。というのは、直筆原稿の写真版は途中でリタイアしてしまい、ひたすら注釈を読んだだけなので。
98アレックス・ボーズ/小林浩子訳『ウソの歴史博物館』文春文庫、20067
 *古代から現代までの「ウソ」の出来事史。
99竹下節子『陰謀論にダマされるな!』ベスト新書、20107
 *内容の薄い本。
100辻口博啓『辻口スタイル』中央公論新社、20133
 *どうも著者の多角化戦略は危ういのではないのか。傘下の店から食中毒が起きたりしているところからも、目が行き届かなくなっているような気がする。
101小谷賢編『名著で学ぶインテリジェンス』日経ビジネス人文庫、200810
 *インテリジェンス関係の勉強用。
102溝口敦・荒井香織編著『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム:大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相』宝島社、宝島NF201356
 *猪瀬直樹のツィートでの盗作指摘がきっかけとなったという。盗作問題についてはその後も105などを読む。
103小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!』築地書院、鳥取環境大学の森の人間動物行動学、20135
 *このシリーズも7冊目。どれも鳥取環境大学の自然環境に囲まれたキャンパスにおいて、ヤギ部のヤギやさまざまな動物たちがいろいろな事件を引き起こし、著者や学生たちが飛び回る。
104原田実『もののけの正体:怪談はこうして生まれた』新潮新書、2010820
105栗原裕一郎『〈盗作〉の文学史:市場・メディア・著作権』新曜社、2008630
 *<文芸における盗作事件のデータをここまで揃えた書物は過去に例がなく、類書が絶無にちかいことだけは自信をもって断言できる。>(p.11)と宣言するだけあって、情報の出所も明示されている労作。
106村松美賀子、伊藤存『標本の本:京都大学総合博物館の収蔵室から』青幻舎、20133
*一方、東大は西野嘉章編『インターメディアテク:東京大学学術標本コレクション』(平凡社、201311月)を出したが、京大のこの本の方が好ましい。
107中垣俊之『粘菌:その驚くべき知性』PHPサイエンス・ワールド新書、2010517
 *<粘菌が最短経路をとることは、生存タスク実現にうまく貢献しています。>(p.76)ということで、粘菌が迷路を解くという論文が話題になり、イグ・ノーベル賞(113参照)を受賞。
108武田康男『世界一空が美しい大陸南極の図鑑』草思社、201082
109大島真生『公安は誰をマークしているか』新潮新書、2011820
 *公安警察の中核をなす警視庁公安部の活動を、部署ごとに解説。エピソード中心。
110宮下規久朗『欲望の美術史』光文社新書、2013520
 *内容の乏しい軽いエッセイ。日本の文学者による自画像解釈を批判。
111彦坂裕『夢みるスケール:スケール・寸法・サイズの博物誌』彰国社、2013330
 *中心は第II編「スケール千一夜」。意外性のある組み合わせをシュルレアリスムの異化原理に則って60通り考案。次第にスケールが大きくなっていくのだが、やや組み合わせが無理かつマンネリに。
112笹原宏之『方言漢字』角川学芸出版、角川選書、2013225
 *<漢字のさまざまな地域差>(p.236)を、地域別に現地調査から紹介。<地域の独自性を表すもの>なのだから、<日本の漢字の多様性を生み出す>(p.243)と「方言漢字」を擁護する。果たしてそうなのだろうか。単なる誤字を容認しているだけということはないのか。
113志村幸雄『笑う科学イグ・ノーベル賞』PHPサイエンス・ワールド新書、2009114
 *イグ・ノーベル賞のあらましを知る。
                  
8月
114乾石智子『オーリエラントの魔道師たち』東京創元社、2013628
 *<異なる四つの魔法に絡む魔道師たちの物語四篇>(カバー袖の紹介文より)。
115巖谷國士監修・著『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』平凡社、コロナ・ブックス、2013424
 *同題の展覧会図録を兼ねた本。これも行かず。正誤表がついていて、ダリの版画のサイン部分をカットせよと、ガラ-サルヴァドール・ダリ財団が指摘してきたらしい。
116七尾和晃『銀座の怪人』講談社、講談社BIZ2006529
 *イライ・サカイというユダヤ系イラン人による数々の贋作事件ノンフィクション。構成が冗漫で、肝腎の内容は最後までおぼろげ。最近、改題して『世紀の贋作画商』(草思社文庫、2014210日)文庫化された。
117ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳『もうひとつの街』河出書房新社、2013228
 *破綻した貧相な想像力、シュルレアリスム的な紛い物の味付け、単なる夢オチの構成力のなさ、安易な展開。
118安斎育郎『霊はあるか:科学の視点から』講談社ブルーバックス、2002920
 *著者は幽霊をあくまでも「物質系」でとらえることしかできない。霊の存在を非物質系で信じている者の蒙を拓くことはこれでは困難。
119ブリギッテ・シテーガ/畔上司訳『世界が認めたニッポンの居眠り:通勤電車のウトウトにも意味があった!』阪急コミュニケーションズ、2013621
 *着眼点はよかったのだが、腰砕け。<日本人の睡眠習慣には明白な意味があるのだということもはっきりした。>(p.15)というわりには、いつまでもはっきりしない。
120武田正倫・西田賢司『世界の美しい透明な生き物』エクスナレッジ、201371
 *主に海洋生物を中心とした美しい写真集。透明生物がこれほど多種多様に存在しているとは驚き。
121河鍋暁斎記念美術館編『河鍋暁斎絵日記:江戸っ子絵師の活写生活』平凡社、コロナ・ブックス、201373
 *日記を絵で描くなんて、やはり河鍋暁斎は達者な絵師だったと思う。非常にマメに描き尽しているかと思うと、人物をハンコにして省力化を図ったりしてもいるのはさすが。
122小林雅一『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』文春新書、2003520
 *マスコミ騙し屋ジョイ・スカッグスは、メディアが外部からの情報操作に意外に脆いことを、身をもって示した。こういった事例を挙げて、マスコミの危うさを警告。
123箱田裕司、仁平義明編『嘘とだましの心理学:戦略的なだましからあたたかい嘘まで』有斐閣、2006730
 *教科書的な本なので、各テーマが短い内容。参考文献は充実。このあとも「嘘」について144][152などを読む。
124東雅夫編『怪獣文藝』メディアファクトリー、幽BOOKS2013311
 *2編以外はすべて書下ろし。<怪奇に象徴される閉塞感が怪獣にはない。怪獣は開放的なんです。>(p.298
125池田清彦『科学とオカルト:際限なき「コントロール願望」のゆくえ』PHP研究所、PHP新書、199916
126松本清張『真贋の森』中公文庫、2009625
 *贋作をテーマにした表題作と他に4篇の短篇を収録。
127小山進『丁寧を武器にする:なぜ小山ロールは11600本売れるのか?祥伝社、20121110
128クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ/木村博江訳『錯覚の科学:あなたの脳が大ウソをつく』文藝春秋、2011210
129菊池誠『科学と神秘のあいだ』筑摩書房、双書Zero2010325
 *軽いエッセイ風の漫談。著者自身のどうでもいい性向やロック好き・テルミン演奏など無駄な与太話ばかり。
130藤井非三四『「レアメタル」の太平洋戦争:なぜ日本は金属を戦力化できなかったのか』学研パブリッシング、2013716
 *戦争を<爆発物を詰めた鋼鉄の塊を投げつけ合う行為>(p.3)と定義したのは卓見。こうした認識から、レアメタルに限らない金属資源や金属関連技術を戦前期の日本で軽視していたことがよくわかる。
131シェリー・シーサラー/今西康子訳『「悪意の情報」を見破る方法:ニセ科学、デタラメな統計結果、間違った学説に振り回されないためのリテラシー講座』飛鳥新社、20128
132フェデリコ・ゼーリ/大橋喜之訳『イメージの裏側:絵画の修復・鑑定・解釈』八坂書房、200014
133皆神龍太郎UFO学入門:伝説と真相』楽工社、20083
 *UFOについて、少し読み始める。
134辻隆太朗『世界の陰謀論を読み解く:ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ』講談社現代新書、20122
 *コンパクトに陰謀論の基本をまとめあげている重要文献。きちんと陰謀側の論者と陰謀批判論者の文献を読みこなしている。
135静嘉堂文庫美術館『国宝等収蔵品概要』静嘉堂文庫美術館、1998411
136千足伸行『隠れ名画の散歩道』論創社、2013515
 *掲載されているモノクロの作品画像が不鮮明。《図書》(岩波書店)の表紙エッセイを収録したものだが、同じ言い回しの繰り返しに辟易。
 
9月
137川上和人『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』技術評論社、生物ミステリーシリーズ、2013425
 *漫談調の語り口ながら、恐竜学者ではないと宣言して、慎重な学者なら断言を控えるような仮説の数々も、鳥類研究のバックグラウンドゆえに妙に説得力がある。
138芦辺拓『奇譚を売る店』光文社、2013720
139吉本光宏『陰謀のスペクタクル:〈覚醒〉をめぐる映画論的考察』以文社、201221
 *<映画というメディアと陰謀論のあいだに存在する親和性>(p.16)を理解するために、覚醒と睡眠状態との対比で検証しようとする。論のための論というきらいが強い。
140大山真人『悪徳商法:あなたもすでに騙されている』文藝春秋、文春新書、2003620
141《骨董「緑青」》Vol.34 特集:幕末・明治の鐔・刀装金工-清水三年坂美術館コレクション、マリア書房、20079
142今野真二『漢字からみた日本語の歴史』筑摩書房、ちくまプリマー新書、2013710
143芦辺拓『三百年の謎匣』早川書房、ハヤカワ・ミステリワールド、2005430
144若狭勝『嘘の見抜き方』新潮社、新潮新書、2013530
145松井孝典『「わかる」と「納得する」:人はなぜエセ科学にはまるのか』ウェッジ、2007627
 *第2部は著者・山折哲雄・鷲田清一の鼎談。「わかる」と「納得する」がわからず、納得できない二人との支離滅裂なまま終わる。
146ベン・アーロノヴィッチ/金子司訳『顔のない魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課 2ハヤカワ文庫FT2013725
147岩井希久子『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん:修復家・岩井希久子の仕事』美術出版社、2013615
148山田奨治『〈海賊版〉の思想:18世紀英国の永久コピーライト論争』みすず書房、200712
149丁 宗鐵『名医が伝える漢方の知恵』集英社新書、2013722
 *ゴミ本の一つ。
150吉田公一『筆跡鑑定人は見た!:あの大事件の舞台裏』主婦の友インフォス情報社(発売:主婦の友社)、2012520
151松井栄一『出逢った日本語・50万語:辞書作り三代の軌跡』筑摩書房、ちくま文庫、2013810
152荘司雅彦『嘘を見破る質問力:反対尋問の手法に学ぶ』日本実業出版社、2008620
153佐藤眞一『ご老人は謎だらけ:老年行動学が解き明かす』光文社新書、20111220
 *<なぜ、都合のよいことしか覚えていないのか?>(p.13)とか、<なぜキレやすいのか?>(p.129)とか、老人の仲間入りをしているので、老人行動学を学んで老人らしい老人に。
154デイヴィッド・クレイ・ラージ/高儀進訳『ベルリン・オリンピック1936:ナチの競技』白水社、2008810
 *オリンピックの欺瞞性について学ぶ(ソチの冬期オリンピック終了直後、ロシアはウクライナに攻め込んだが、ナチス・ドイツとそっくり)。すぐ続いて156も読むも、本書で十分だった。
155高橋輝次編著『誤植読本 増補版』筑摩書房、ちくま文庫、2013610
 *作家が大半で、プロの編集者・校正者はほとんどいない。
156ダフ・ハート・デイヴィス/岸本完司訳『ヒトラーへの聖火:ベルリン・オリンピック』東京書籍、シリーズ・ザ・スポーツノンフィクション 21988517
157新海均『カッパ・ブックスの時代』河出書房新社、河出ブックス、2013730
158鍛治恵『ぐっすり。:明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60新潮社、2013825
 *怠惰な隠居生活の故か、「ぐっすり」感に乏しい。老化のためとも思うが、快眠処方箋をと読んでみるが、当然何も従わないので、効果なし。他にも168など。
159小鷹信光、逢坂剛『ハードボイルド徹底考証読本』七つ森書館、201395
 *ハードボイルドは昔から読んでいない。にもかかわらず、小鷹信光氏のエッセイだけは比較的よく読んでいるので、つい。
160内堀弘『古本の時間』晶文社、2013910
 
10月
161山田敏弘『その一言が余計です。:日本語の「正しさ」を問う』ちくま新書、2013510
 *「余計な一言」を正そうとして発した一言が「余計な一言」になる。指摘した者・指摘された者双方の調停することが本書の目的というのだが、なかなか難しい。著者も正書法はない派。
162角田浩司『恐ろしい「振り込め詐欺師」の話術。:携帯電話・ITの進化でさらに猛威! 本書を読めばあなただけは騙されない!マーブルトロン、20081220
 *さまざまな詐欺を再現して紹介。ただし<詐欺の手口は千差万別で、定まった手口はありません>(p.8)し、ある事件が報道されれば、もう別の手口が主流になる(p.154)。
163山本武利GHQの検閲・諜報・宣伝工作』岩波書店、岩波現代全書0072013718
164岡嶋裕史『個人情報ダダ漏れです!』光文社新書、2013920
 *軽いノリの本。情報漏洩のパターンを示して、どのように漏洩してしまうかの仕組みを説明。
165綿貫智人『リストラなう!』新潮社、2010730
166鈴木譲仁『ルポ「中国製品」の闇』集英社新書、2013918
 *ベリリウムという非常に危険な素材を混ぜた中国製義歯は、日本の厚生労働省や歯科業界のまずコストありきの姿勢が助長していると論じる。
167石田収『中国の黒社会』講談社、講談社現代新書、2002420
168菅原洋平『あなたの人生を変える睡眠の法則:朝昼夕3つのことを心がければOK!』自由国民社、2012921
 *著者は作業療法士で、<脳のリハビリテーションに従事。脳の回復には、睡眠が重要であることに着目して臨床実践をする>(巻末「著者紹介」)。<質の良い睡眠に重要なのは、夜ではなく、昼間の過ごし方です。>(p.28)ということで、理論的に睡眠メカニズムを説明してくれる。
169クライヴ・ポンティング/伊藤綺訳『世界を変えた火薬の歴史』原書房、2013430
170岩合光昭『ネコライオン』クレヴィス、2013817
 *ネコとライオンの良く似た生態の写真を並べる。一見簡単そうな編集だが、そっくりな写真で並べるのは膨大なストックと、それを見て選ぶという地道な努力に感心。
171吉田則昭『緒方竹虎とCIA:アメリカ公文書が語る保守政治家の実像』平凡社新書、2012518
172橋本麻里『変り兜:戦国のCOOL DESIGN新潮社、とんぼの本、2013920
 *近い場所で変り兜の展覧会をやってくれないかな。
173岡崎武志『蔵書の苦しみ』光文社新書、2013720
 *<本を必要以上に際限なく溜め込む人は、個人差はあるだろうけど、どこか真っ当な人生を投げてしまっているのではないか。>(p.62)にドキッ。
174宇都宮健児『わるいやつら』集英社新書、2013918
 *サラ金・ヤミ金・振り込め詐欺に整理屋と悪徳提携弁護士ら、貧困者を標的にした悪質な「貧困ビジネス」の実態。<根本的には、「貧困と格差の広がりを解消する政治」こそが求められている。>(p.183)とするが、現在の劣化した政治と愚かな有権者にはそうした視点は皆無だろう。
175トム・ミューラー/実川元子訳『エキストラバージンの嘘と真実:スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界』日経BP社、20121126
 *これを読んだら、安物のエキストラバージン・オリーブオイルは絶対に使えない。古代ローマ以来現代までオリーブオイルの偽装は横行し続けてきた。名の知れた大手食品企業のオリーブオイルは、まずニセモノ。
176『週刊文春』特別取材班編『中国食品を見破れ:スーパー・外食メニュー徹底ガイド』文藝春秋、2013810
 *中国から輸入される食料品はアメリカに次ぐ輸入量。にもかかわらず、残留農薬・水質汚染・成長ホルモン剤や抗生物質の大量投与など危険がいっぱい。しかし、外食産業などでは表示義務はなく、そのまま食べてしまっている。
177堀川大樹『クマムシ博士の「最強生物」学講座:私が愛した生きものたち』新潮社、20139
 *クマムシの記述は半分あるかないか。
 
11月
178大日方純夫『維新政府の密偵たち:御庭番と警察のあいだ』吉川弘文館、歴史文化ライブラリー、2013101
 *サブタイトルの御庭番については全く触れず。密偵たちの報告を受けて、<政府側はこうした内部情報を念頭において制作活動を展開していたものと考えられる。>(p.185)というが、具体的に政策とのつながりを示せないのか。
179トビー・レスター/宇丹貴代実訳『ダ・ヴィンチ・ゴースト:ウィトルウィウス的人体図の謎』筑摩書房、2013911
 *タイトルは原書通り(Da Vinci’s Ghost)なのだが、キワ物としか思えず損している。
180デイヴィッド・ゴードン/青木千鶴訳『二流小説家』早川書房、ハヤカワ・ミステリ文庫HM2013125
181クリス・ターニー/古田治訳『骨・岩・星:科学が解き明かす歴史のミステリー』日本評論社、2013910
182南條竹則『泥鰌地獄と龍虎鳳:中華料理秘話』ちくま文庫、20131010
 *本当に「泥鰌地獄」なる中華料理が存在するのか、といった中華料理にまつわる薀蓄エッセイ。
183ベン・マッキンタイアー/小林朋則訳『英国二重スパイ・システム:ノルマンディー上陸を支えた欺瞞作戦』中央公論新社、20131010
 *第2次世界大戦における英国二重スパイ・システムの詳細な実態。ナチス・ドイツに対しては完璧に実施できたが、対ソ連に関しては、アントニー・ブラント以下ソ連の二重スパイがいることを<一瞬たりとも疑わなかった>(p.99)。195の主人公エディー・チャップマンは、ノルマンディー上陸作戦当時、パリにいて欺瞞作戦には参加できなかった。
184日本経済新聞社編『謎だらけの日本語』日本経済新聞出版社、日経プレミアシリーズ、201399
 *「全然いい」誤用説があるが、<研究者の間ではこれが国語史上の“迷信”であることは広く知られている>(p.121)のだそうだ。
185坂川栄治+坂川事務所『本の顔:本をつくるときに装丁家が考えること』芸術新聞社、2013107
186内澤旬子『内澤旬子のこの人を見よ』小学館、2013826
 *<一応普通の範疇に入る人たち>が、<ふとした瞬間に図らずも見せてしまった“何か”を、捕らえてみた>(p.3)もの。188の続編。
187佐藤栄作『見えない文字と見える文字:文字のかたちを考える』三省堂、2013530
 *手書きすると<動的に文字を把握>(p.148)することができるが、印刷された文字から動きを読み取るのは難しい。そうすると、漢字は選べても漢字の字体は知らないため、<「ぼんやりした字体」の登場です>(p.150)。
188内澤旬子『おやじがき:絶滅危惧種中年男性圖鑑』にんげん出版、2008121
 *186の前身とも言うべき本だが、もともと本にするつもりもなく書き溜めた<落書き>(186p.221)なので、笑える度合いは本書の方が勝る。
189デイヴィッド・ゴードン/青木千鶴訳『ミステリガール』早川書房、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS2013615
190ビー・ウィルソン/高儀進訳『食品偽装の歴史』白水社、2009720
191増井元『辞書の仕事』岩波書店、岩波新書、20131018
192図録『平野甲賀の仕事展』武蔵野美術大学美術館・図書館
 *展覧会自体は、簡単に2013年の展覧会総括に書いた。
 
12月
193と学会『タブーすぎるトンデモ本の世界』サイゾー、2013811
 *タイトルは大袈裟。「フリーメイソン・おススメ本50連発」(皆神龍太郎)を読みたいために手に取ったが、期待外れ。
194正木香子『文字の食卓』本の雑誌社、20131025
 *著者は書体に対する感性が実に鋭敏。写植の書体に対し、ほとんど妄想に近い思いを抱く。例えば、<私にとって〈石井太明朝ニュースタイル〉は、「言葉を食べる」悦びを与えてくれる書体だ。>(p.20)という具合に。
195ベン・マッキンタイアー/高儀進訳『ナチが愛した二重スパイ:英国諜報員「ジグザグ」の戦争』白水社、2009215
196『図説江戸の幽霊:江戸怪談と幽霊画』洋泉社、洋泉社MOOK20138
197藤森照信、山口晃『藤森照信×山口晃日本建築集中講義』淡交社、201386
 *両者の掛け合いがなかなか面白い。編集者の裏事情も書かれてしまっていたり。
198ポール・ホワイトヘッド、ジョージ・ウィングフィールド/野間ゆう子訳『未確認飛行物体:UFOの奇妙な真実』創元社、アルケミスト双書、20138
 *これはほとんど無駄な本。『兎園小説』に載ったうつろ舟の有名な図版につけたキャプションが、<古代中国の版画には、賢人と着陸した宇宙船のようなものが描かれている。>(p.5)では(加門正一『江戸「うつろ舟」ミステリー』楽工社、2009115日、参照)。
199デイナ・プリースト、ウィリアム・アーキン/玉置悟訳『トップシークレット・アメリカ:最高機密に覆われる国家』草思社、201310
 *情報機関は自己増殖し続けることを裏付けた本。日本もそうしたいのだろう。しかし、民間にもトップ・シークレットの世界が拡大するにつれて、第2・第3のスノーデンが生まれるだけだし、機密が漏れれば中国あたりのスパイ(50参照)が活躍するだけ。
200フランク・M・アハーン、アイリーン・C・ホラン/寺西のぶ子訳『完全履歴消去マニュアル』河出書房新社、20131130
 *元は行方不明の人間を見つけるのが仕事。今は逆に行方をくらまそうとしている人に手を貸す仕事へ。プライバシーを守るためのいろいろな対策や、失踪するための極意などを詳述。履歴を完全に消すのも大変だ。
201谷本真由美『キャリアポルノは人生の無駄だ』朝日新聞出版、朝日新書、2013630
 *キャリアポルノ=自己啓発書。<自己啓発書を買っては読んで、何となく自分が凄い人になったような気になり、実は何もしない>(p.53)人びとにとって、救いはなさそう。
202角川歴彦『グーグル、アップルに負けない著作権法』KADOKAWA、角川EPUB選書、20131010
 *紙面設計もできてなく、読みにくい本(まともな編集者もいないのかね)。「エコシステム2.0」なる珍妙な提案をしているが、始める前から失敗を約束されている代物。第一、著作権で戦おうとしてもグーグルやアップルには太刀打ちできないと書いているのだから。
203今野真二『正書法のない日本語』岩波書店、そうだったんだ!日本語、2013424
 *<「正書法」とはこれ以外の書き方は認めないということ>(p.5)と規定した上で、現代以前は<多様な日本語表記が展開していた>(p.6)のであり、「正書法」などなかったということを延々と述べる。<現代は、具体的な、目に見えるかたちにきわめて敏感である>一方で、<背後にある「原理」にあまり目を向けない>(p.185)とする。著者の持ちネタもだんだん尽きてきた模様。
204今和泉隆行『みんなの空想地図』白水社、20131110
 *子どもの頃から空想地図作成に打ち込んできた著者による、本物とも見紛うほどの出来栄えの地図。
205吉田智子『江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし』洋泉社、2013724
 *東京・本郷に金魚卸問屋がいまもあったことが驚き。
206草森紳一『本の読み方:墓場の書斎に閉じこもる』河出書房新社、2009830
 *<本を読むのは楽しいが、楽しいから読書するというわけではない。…ともかく読むのである。>(p.8
207小林章『まちモジ:日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』グラフィック社、20131125
 *どう見ても1冊の本にするには乏しい内容を無理に増やした水増し本。サブタイトルの疑問に対する答えは、日本では丸ゴシックが多い理由になるのかもしれないが、ヨーロッパ・中国・香港では角ゴシック系なのだから答えになっていない。
208飯沢耕太郎『きのこ文学ワンダーランド』ディスクユニオン、DU BOOKS201371
  *本書も展覧会図録を兼ねたもの。
209山田俊幸編著『年賀絵はがきグラフィティ』青弓社、20131114
 *総じて、個々の絵はがきに付けられた解説はなくもがなのことばかり。コウモリが新年にふさわしい絵柄であること(蝙蝠=福)もわかっていないし(p.32)。
210今橋理子『兎とかたちの日本文化』東京大学出版会、2013926


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