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■2016年4月&5月&6月展覧会メモ

20164月&5月&6月に見た、主に美術関連の展覧会5件+5件+4件(1月から通算28件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。また騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。

配列は見た順であって、会期順ではない。なお、しばらく掲載しそびれていたので、見た順の通し番号をつけた。

 

◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・(1)までの5段階評価

A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質

B:展示方法・動線設計・照明

C:雰囲気・騒音・混み具合

 

4月

 

 Caravaggio_Seibi_1603NEW 001

15国立西洋美術館 「カラヴァッジョ展」  会期:3/16/12

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*人を殺めた後の作品が暗くなっていったことで、あたかも殺人の重荷のせいであるかのように言う人がいるが、それが光を際立たせる技法だから、それに突き進んで完成させたということではないか。いい作品もあれば、そこそこレベルの作品もあり。

 

◆ランチ◆

国立西洋美術館を見た後、東京文化会館にある精養軒が運営するフォレスティーユへ。ただの洋食屋さんだった。


KurodaSeiki_201603 001  

16東京国立博物館 生誕150 黒田清輝:日本近代絵画の巨匠」  会期:3/235/15

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*晩年には貴族院議員になって、画壇のボス的存在になっていたらしいので今一つ興味が薄かったのだが、その前の明治期は意外にもいい絵を描いていたんだというのが実感。それにしてもパリにおける師であったラファエル・コランの絵は、自然の中の裸婦という不自然極まりないわけで、どうしてこんな絵を評価していたのだろう。参考出品のミレーの《羊飼いの少女》などはとても良かった。最後に展示されていた《昔語り》という戦災で焼失してしまった作品の下絵や画稿の数々は、作品を形作る過程を教えてくれるいい展示だった。この作品や裸体画論争で有名な《朝妝》は、実は何日か後に見た泉屋博古館分館での展覧会で見たバロン住友の須磨邸にあって焼失してしまっていたのだが。

BaronSumitomo1_Senoku_201602 001  

17泉屋博古館分館 住友春翠生誕150年記念特別展 バロン住友の美的生活―美の夢は終わらない。第1「バロン住友春翠―邸宅美術館の夢」」  会期:2/275/8

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*かつての須磨の豪邸(本邸ではなく別邸)を、精緻な模型といくつかの当時の写真や映像などで紹介。この邸宅を飾っていた絵画や陶磁器類などの一部によって、失われた美術品の往時を偲ぶことになる。戦災で焼け落ちなかったら、いまごろ庭園美術館の朝香宮邸のように、まさに邸宅美術館にでもなっていたのかもしれない。

 

◆ランチ◆

泉屋博古館分館を見た後、コレド室町1階にあるカフェ・エメ・ヴィベールで、軽くランチ。まあまあといったところ。12時過ぎても全然客が入らないところを見ると、恐らく間もなく撤退せざるをえないか。

 Jyakuchu_Tobi_1604 001      Jakuchu_201604Zuroku.jpg 
18東京都美術館 「生誕300年記念 若冲展」  会期:4/225/24 ◆図録購入

A★★★★ B☆☆☆☆ C☆☆☆☆

*超混雑必至と思い、初日の朝10時頃に行くも、既に長蛇の列で入場までで約30分強経過。作品の前に陣取って全く動こうとしない人が多すぎ、ほとんどすべて肩越しに見るだけ。それでも若冲の代名詞のような濃密な極彩色の絵画はともかく、水墨画はまだしもゆっくり見ることはできた。《動植綵絵》全30幅は何と言っても壮観。今にして気がついたのだが、一部の作品で背景を描かないものがあったのはどうしてだったのだろうか。

最後にショップのレジが最悪で、入場時よりもさらに長時間並ばされた。間近で見ているとレジ打ちに関して全くの素人のアルバイトらしく、クレジットカードの扱い方を知らないは、釣銭を揃えるのにもたつくは、誘導はできないはで、どうしようもない。カミさんが目撃したところでは、この事態で何人かの担当者らしき者たちがカラス会議を通路で始めたあげく、結局のところ図録だけ外でも販売するとしただけ。大混雑となるのは十分予測できていた筈なのだから、これは主催者の責任だろう。どうも京博もそうだったが、混雑をいかに予測し、それの解消策を事前に考えておき、さらに適切に誘導することがどうしてできないのか。展覧会の内容でなく、運営に対する批評がないから、アホな主催者が安住しているのではないか。美術関係者は空いている内覧会(さすがに若冲展は混雑だったそうだが)にしか行かないからか。

→その後の大混乱ぶりはさまざまに報じられた通り。結局混乱することを事前に予測できず、さらに大行列になっても何も手を打たなかった主催者がアホなだけだったことが証明された。

「若冲展待機列SFという新ジャンルが爆誕 #若冲展SFがこの混雑ぶりを笑える。


OugonnnoAfganistan_Tohaku201604 001  

19東京国立博物館 「黄金のアフガニスタン:守りぬかれたシルクロードの秘宝」  会期:4/126/19

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*都美の後に行く。こちらはそこそこの入りで、十分ゆっくりと見ることができた。黄金の装飾品が実に保存よく発掘されていた。これらの金の純度はどの程度だったのだろうか。

 

◆ランチ◆

東京都美術館、東京国立博物館を見た後、上野アトレにあるブラッスリー・レカンへ。昼食どきをだいぶ過ぎていたが、ここでもかなり並んでしまった。



5月

 Fantastic_Fuchu_201603.jpg    Fantastic_Fuchu_201603Zuroku.jpg

20府中市美術館  「ファンタスティック:江戸絵画の夢と空想」 会期:3/125/8 ◆図録購入

A★★★★ B★★★☆☆ C★★★★

*前から行きたかったが、ようやく会期も終わり近くに行くことができたので、後期展示のみ。応挙の《雲峰図》は、墨で立ち昇る入道雲だけを描いているなかなかユニークな作品。岡本秋暉《日々歓喜図》は波間の上を飛ぶ無数の蝶を描く。韃靼海峡を渡る「てふてふ」だろうか、それとも日本本土と沖縄・台湾を往還するアサギマダラだろうか。東東洋の《蓮池図》は、図録の解説では仏の世界を連想させるとするが、画面一杯に描かれた蓮はグラフィックな感じでもっと植物図鑑的な印象を与える。若冲の《亀図》は豪快なタッチの「毛」と可愛らしい亀の目と前足が絶妙なバランスでとても良い。長沢芦雪の《朧月図》は、墨一色と思いきや煌煌とした月の光とそれを横切ろうとする鳥らしき列が、なんともうまい。最後に北斎の《富士越竜図》。絶筆とも言われるが、かなりの大作。さすがと思うが、一説に娘のお栄によるものとも(久保田一洋『北斎娘・応為栄女集』藝華書院、15.4.24)。

図録は金子信久学芸員の単独執筆であり、ほんの少し読んだだけだが、図録というより普通の書籍のように読める。なお、若冲の《乗興舟》の図版が本展出品作(個人蔵)ではなく、京都国立博物館所蔵作品を使ってしまったとのことで、全く同じ場面を同寸で別紙に刷ってはさんであった。見比べても残念ながら発色の違い程度で、どこが根本的に違うのかはわからない。ここはこう違うのですよ、とでも書いておいて欲しかった。

Renoir_KokuritsuShinbi201604 001  

21国立新美術館 オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」  会期:4/278/22

A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆

*以前にオルセー所蔵品を中心としたルノワールのミニカタログを作ったことがあったので、既視感が半端ではなかった。あまり事前に予備知識がありすぎるのも問題か。

動線設計があまりよくなく、右往左往する格好となる。それほどの混雑ではなかったのでよかったが、混み合ったら大変かもしれない。

HiroshigeVivid_Suntory1604 001  

22サントリー美術館 原安三郎コレクション 広重ビビッド」 会期:4/296/12

A★★★★ B★★★★ C★★★★

*初摺りばかりなのか、とてもいい色と摺り上がりのものばかり。特に随所に版木の木目が浮き出ており、そこが川面だったりして実に効果的な使い方。作者である広重以上に、摺り師の力量か。事前にどのような打合せをして効果を表現しようとしたのか。当てなしぼかしや拭きぼかしなど、さまざまな摺りの手法も、作者よりも摺り師次第のところがあるから、後刷りは問題だったりもするわけだが。

今回は広重の《六十余州名所図会》全点、《名所江戸百景》前期と後期で全点(前期に行ったので半分見ただけだが)、北斎の《千絵の海》10点全点(揃いはほとんどないそうだ)、という具合に、揃い物が多かった。

解説は描かれている場所などをピンポイントで示してくれ、とても参考になった。

 

◆ディナー◆

国立新美術館、サントリー美術館を見た後、グランドハイアット東京の2階にあるフレンチキッチンへ。雨の日でもあったし、広い店内でがらがらだったのだが、なぜか先客のすぐそばの席に。この客は夫婦と小学生の男の子三人組。延々と子供の今後の教育方針を夫婦で議論しているのだが、子供は食事中もひたすらゲームに没頭。教育以前の問題として、食事中くらいはゲームをやめさせるのが先決では? 食事はまあまあ。

 Kawabata_TokyoStGallery_201604.jpg

23東京ステーションギャラリー 川端康成コレクション 伝統とモダニズム」 会期:4/236/19

A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★★

川端康成が蒐集した雑多なもの。下手な東山魁夷の作品が多い。

 

◆ディナー◆

東京ステーションギャラリーを見た後、マンダリンオリエンタルホテルの37階にあるフレンチ、シグネチャーへ。さすがにフレンチキッチンよりははるかに美味しい。席もゆったりとしていたし。意外に食べログ評価は低いけど。


 Binoshukuten_Edo_Idemitsu_201606.jpg

24出光美術館 開館50周年記念 美の祝典II:水墨の壮美」 会期:5/136/12

A★★★★ B★★★★ C★★★★

*展示数は少ないながらも、簡潔な解説含め丁寧に見せることで、一つ一つの作品の見所や良さがきちんと見る人に伝わるいい展示だった。

 

◆ランチ◆

出光美術館を見た後、銀座三越にオープンしたル・ブール・ノワゼット トウキョウへ。前菜の野菜の上に削り節が乗っていたので、店の人に聞いたら、フランスのシェフが考案したとか。これは一歩間違えば普通の和食のお惣菜になりかねないが、フレンチ風に収まっていました。


6月

Korin_Hatakeyama_201604.jpg  

25畠山記念館 尾形光琳没後300年記念 光琳とその後継者たち」 会期:4/26/12

A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★★☆☆

*日曜美術館のアートシーンで案内されていたので、初めて畠山記念館へ2階のさほど広くはない一室が展示場所。宗達の《蓮池水禽図》はいいが、光琳の《禊図》はお粗末。光琳はデザインのセンスはあったと思うが、とにかく絵が下手。だから《紅葵花蒔絵硯箱》といった工芸品になると俄然うまくなる。酒井抱一の《水草蜻蛉図》は、蜻蛉の的確な描写といい、水草のスッと伸びた描き方といい、本展のなかでもとても優れている。渡辺始興の《四季花木図屏風》は45種類もの草木の描写がいささか過剰気味なのでマニエリスム風とも言えるが、なかなか鮮やかな配色といい、悪くない。

 

◆ランチ◆

畠山記念館を見た後、ピッツァが無性に食べたくて銀座三越のマエストロK'sへ。残念ながら、焼きたてのはずのピッツァがテーブルに来るまでに冷めてしまっていた。店の入口にいろいろな小麦粉の袋がディスプレイのつもりなのか置いてあったが、通り道なのだから食品衛生上褒められたことではない。

Binoshukuten_Edo_Idemitsu_201606.jpg  

26出光美術館 開館50周年記念 美の祝典Ⅲ:江戸絵画の華やぎ」 会期:6/177/18

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*「美の祝典II:水墨の壮美」を5月に見て、その続き。展示方法は同じ。今回は歌麿の《更衣美人図》もよかったが、酒井抱一の《紅白梅図屏風》には驚いた。六曲一双の銀地の屏風だが、全面に銀箔を貼ったにもかかわらず、銀が黒変していなくて銀色に輝いている保存のよさ。同じ抱一の《十二ヵ月花鳥図貼付屏風》も、手慣れた感じの作品ではあるものの、実に観察眼鋭い達者な描き方。絵の下手な光琳とは大違い(ただし、《蹴鞠布袋図》は仙厓の作とも思わせるユーモアたっぷりのもので、何かの席画か)。鈴木其一の2作品は色のコントラストが強いものだった。

Netsuke_Tabaco_201606.jpg  

27たばこと塩の博物館 「根付と提げ物:細密工芸の華」 会期:4/27/3

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*江戸時代・明治期の展示物(古典根付・近代根付というらしい)もそこそこはあったが、量的には現代の作家とおぼしき人々の作品が多かった印象(作品一覧を見直すとそうでもないようなのだが)。現代根付はそれなりには技術もあり、面白い題材や素晴らしい仕上がりの作品も多かったのだが、どこか無理にひねっているような気もする。

Michelangelo_Panaso_201606.jpg  Michelangelo_Panaso_Zuroku.jpg

28パナソニック汐留ミュージアム 「ミケランジェロ展:ルネサンス建築の至宝」 会期:6/258/28 ◆図録受贈

A☆☆☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆

*もっぱらミケランジェロが建築に関わったスケッチなどが主体であるため、赤チョークのよく見えない線のデッサンを見つめるよりも、図録の図版のほうがはっきり見える。作品解説も長々と書いてあるが、それを読まないことにはさっぱりわからない。ルネサンス建築ファンでもないと喜べないかもしれない。

 

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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