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■2015年10月展覧会総括

201510月に見た、主に美術関連の展覧会12件(1月から通算62件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。また騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。

10月は恒例の京都へ行ったので、京都での展覧会がいくつかある。

配列は見た順であって、会期順ではない。

 

◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価

A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質

B:展示方法・動線設計・照明

C:雰囲気・騒音・混み具合

 

10

 Sonpo_saigonoinsyouha1509 001

東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 「最後の印象派 1900-20s Paris:もうひとつの輝き」 会期:9/511/8

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C☆☆☆☆

19世紀末の印象派の影響下にあった、エピゴーネンとも言えるややマンネリ気味の作品群なのだが、象徴派的なアンリ・ル・シダネルの《日曜日》(1898)や、アンリ・デュエムの《羊飼いと羊の帰還》、エミール・クラウスの《リス川の夕陽》(1911)など佳品もあった。気になったのはガストン・ラ・トゥーシュの《聖アントニウスの誘惑》。暗くて良く見えなかったのではあるが。

さほどの混み合いでもなかいにもかかわらず、展示室内の空気が汚れており、非常に埃っぽかった。

Bulgari_Tohaku201509 001  

東京国立博物館 「アート オブ ブルガリ:130年にわたるイタリアの美の至宝」 会期:9/811/29

A★★☆☆☆ B☆☆☆☆ C☆☆

*混雑した暗い会場(宝飾品なのでやむをえないのかもしれないが)で、よく見えないくらいに小さい字で書かれたプレートと、不親切極まりない展示。蛇をモチーフにしたブレスレット(大英博物館によく似た古代エジプトのものがあったはず)や、古代ローマのコインを宝石のようにあしらったネックレスなど、ちょっと面白いものも。会場である表慶館の中の階段でプロジェクション・マッピングもどきをやっていたが、誰も見ていないし、絵柄もずれていて痛々しい。

Monet_Tobi_201509 001

東京都美術館 マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」 会期:9/1912/13

A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C☆☆

*とんでもない混みようで、40分以上待ってやっと中に(正確に言えば、チケット買うだけでさらに10分以上待って)。会場内も非常に混んでいたが、マルモッタン・モネ美術館所蔵に限定なので、《印象、日の出》以外はさして見るべきものもなし。面白かったのは若書きのカリカチュア。数点はよく紹介されているが、いままで知らなかったものも随分あり。

 NoguchiTetsuya_201510 001

ギャラリー玉英 「野口哲哉ノ作品展 別世界旅行」 会期:10/510/24

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*小品ばかりではあるが、絵画・フィギュアなどによって物語を形成するような仕掛け。なかなかよく考えられていて、そのままでパッケージングすれば一冊の素敵な絵本ができそう。ちなみに展示作品は初日に完売してしまった由。ギャラリーの方からお聞きした話では、『侍達ノ居ル処。:野口哲哉ノ作品集』(青幻舎、20142月)に掲載されている全作品を買いたいとわざわざ海外から飛んできた人物がいたが、すでに売り切れていたのでお断りしたそう。

 ggg_Rinpa_201510 001

ギンザ・グラフィック・ギャラリー 21世紀琳派ポスターズ」 会期:10/510/27

A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C☆☆

*次の11月展をもって改装休館とのことで、展示は実に簡素。もともとさして広くないのに、通常の壁面を使わず、さらに狭くなるよう内側に木組みをして大判ポスターを貼る。10名のデザイナーの競作という設定だが、いずれもあまりやる気を感じさせない。世間で琳派が注目されているので、それに倣ったのだろうが、デザイナー全員が何をしたらいいのかわからなかったようだ。

 Anghiari_Kyoubun_201508 001

京都文化博物館 「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展:日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎」 会期:8/2211/23

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C☆☆

*失われたレオナルドの壁画の一部を描いた《タヴォラ・ドーリア》。さまざまな模写作品や関連する資料などによって、もしかしてレオナルドの真作かもしれないと期待を持たせるが、果たしてどうなのだろうか。

最後に展示されていた藝大の手になる再現模型は、この絵の実際の構造を実によく示してくれた。できれば絵と一緒に並べてくれたほうがよかったのだが。

 

◆ランチ◆

京都駅からコム・シェ・ミシェル」へ直行。すぐ近くに京都文化博物館があるので、便利さから店を決めたのだが、とても美味しいフレンチ。


◆ディナー◆

夜は京都で勤めている姪と、地下鉄五条駅近くの「ア・プ・プレ」で。3年目でようやく予約が取れる。期待に背かない優しい味。最初に入って、最後になる。


 Koetsuhuri_Rakubi_201510 001

樂美術館 琳派400年記念 光悦ふり:光悦名碗と様式の展開」 会期:9/512/23

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*光悦の楽茶碗と、樂家歴代はじめ表千家6代覚々斎、川喜田半泥子など光悦に影響を受けた作品が展示される。さすがに光悦の黒楽茶碗《朝霧》や飴釉楽茶碗《紙屋》などはとてもいい(仁阿弥道八がこの紙屋を写した作品も展示)。半泥子などは所詮趣味人の駄作に過ぎない。

 

◆ランチ◆

河原町の「しゅん逢(あい) 紗々木」で関西に住む姉夫婦・兄夫婦と食事。やはり最初に入って、最後に出る。ここは2回目だが、やはり良い。


 Vermere_Kyoushibi_201510 001

京都市美術館 「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち-世界劇場の女性」 会期:10/2416/1/5

A★★★★ B★★☆☆☆ C☆☆

*タイトルは文字通り羊頭狗肉。フェルメールは《水差しを持つ女》1点のみで、あまり出来のいいものではない(カミさん曰く、贋作ではと)。レンブラントも2点で、さほどのものはない。むしろオランダ絵画の特徴である風景画(建築画・海洋画も)・静物画・風俗画に優れた作品が多かったので、タイトルを「17世紀オランダ黄金時代の絵画」とでも素直に称すればよかった(サブタイトルの「世界劇場の女性」は意味不明。この時代が女性が主役として生きる時代ですって? ちなみにこの後巡回する東京展では、こんなサブタイトルはついていないようだ)。とりわけ精緻な静物画はもっと数多く見たかった。

なお、会場では木の床が軋んで非常にうるさかった。早急に改善すべき。


 RinpaImage_Kyoukinbi_201510 001

京都国立近代美術館 琳派400年記念 「琳派イメージ」展」 会期:10/911/23

A☆☆☆☆ B★★★☆☆ C☆☆

*琳派エピゴーネン展。お約束はイメージだけなので、どう理解したのか、どう咀嚼できたのか、どう表現できたのかが問われる。大半は真似で終わってしまっており、見るに堪えないのだが、加山又造の《天の川》(1968)、浅井忠の《大原女》(1905)、下村観山の《木の間の秋》(1907)、福田平八郎の《清晨》(1935)などはよくできている。なかでも《大原女》は金地に描かれていて、いわば日本画のベースに洋画の絵が載っているわけで、なかなか面白い。

コレクション・ギャラリーでは「平成27年度第4回コレクション展」をやっていたのでついでに見たが、そこにあった富岡鉄斎ら近代の水墨画など見るからにお粗末。無駄な費用を散財したか。

 

◆ディナー◆

夜は錦に近い「ビストロ・ボン・モルソー」で。家庭的な小さいお店だが、ここも良かった。

 Kyousatsuma_Kiyomizusannen_201510 001

清水三年坂美術館 「京薩摩」 会期:8/2211/15

A★★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*明治期に京都で製作された薩摩金襴手様式である京薩摩。さほど広くはない2階の会場だが、内容は充実。《京都名所図透彫飾壺》をはじめ、蝶・菊尽しの茶碗や鉢、花鳥図の花瓶や壺など、精緻で絢爛豪華な数々。ここのいいところは簡潔に作り方まで実物を掲示してくれていること。それは1階の金工・七宝・蒔絵などでも同様。再び堪能しました。

 

◆ランチ◆

清水から近い「ル・ピックアシェット」でランチ。とても廉価なのに上質なフレンチ。京博にもすぐなので、次回もここに決定!


 Rinpa_Kyouhaku_201510 001

京都国立博物館 琳派誕生400年記念 琳派:京(みやこ)を彩る」 会期:10/1011/23

A☆☆☆☆ B☆☆☆☆ C☆☆☆☆

*昨年の鳥獣戯画展に続き、今年も館外で待たされ、館内に入ってからも延々と待たされた(入口で90分待ちとあったが、さすがに40分程度か)。待たされるのはやむを得ないが、問題は誘導の仕方がどうしようもなく最悪。秋なのに炎天下ではかなり暑い日であったにもかかわらず、さらに会場の平成知新館内で並ぶ人たちにはまだ余裕があったにもかかわらず(ガラス張りなので遠くからでも並んだ人たちがよく見える)、機械的に入場制限をするばかり。ようやく入場できても3階から行けと言うだけで、エレベーターもしくは階段への誘導は一切なく、木偶の坊のような係員が突っ立っているだけ。

展示内容も期待を大きく外し、漫然と琳派関連の作品群を並べたに過ぎず。光琳が実はあまり絵がうまくなかったことを再確認できたが。作品解説の掲示も不適切で、正面から見る場合しか考えずに設置しているため、やや斜めからでは解説プレートに邪魔されて、肝腎の作品が見えにくい。たぶん誰もいない前提で置いたのであろうが。

 

◆ディナー◆

夜は地下鉄四条駅近くの「高松」で和食を。ご夫婦だけで営んでいる様子だが、洗練された懐石料理に感動。なんでも新作料理のアイデアは奥様もだすけれども、作るのは一切ご主人任せだとか。難はゆっくりと料理がでてくること。まあ後の予定があるわけではないのですが。


信行寺 「京都非公開文化財特別公開 伊藤若冲の天井画「花卉図」公開」 会期:10/3011/8

A★★☆☆☆ B★★☆☆☆ C☆☆☆☆

*今回が最初で最後の公開とばかりに宣伝しているため、野次馬的に行ってみた。10時に着くと整理券が配られていて、「1045分」と。しかし、その時間に行くと延々と並んでいる。その時点で配っている整理券が「11時」。整理券の発想はよかったが、発行枚数の読みを誤っている。結局1055分過ぎに入る。

1045分」組を恐らく7080人ごとの34グループに分けて、順次堂内に上げていった。まず座らせて簡単な説明を無理矢理聞かされてから、おもむろに立ち上がって勝手に見ることができる。天井画なので、説明の間も好きなように見ていられるので、最初から有象無象を闇雲に動き回らせず、一旦座らせたのはうまいやり方だった。それにしても大混雑だったが。残念ながら眼が悪いので、あまりよく見えませんでした。

 

◆ランチ◆

京都最後の昼は河原町の「御料理 辰むら」で。偶然、昨年と同じ日に伺うも、もちろん違うメニュー。今年の方がさらに良かったように思う。


◆ティー◆

錦市場での買い出しも済んで、3時に「一の傳」でお茶。何度か食事をしたことはあったのだが、先ごろ菓子席も設けたとの案内を頂いていたので、今回はここで京わらびもちと抹茶ゼリーセットを。靴を脱いでゆったりできるのが助かる。

 

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隠居生活続行中。

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