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■2015年5月展覧会総括

20155月に見た、主に美術関連の展覧会8件(1月から通算25件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は見た順であって、会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
5月
 
 Hosomi1505 001
日本橋高島屋 「細見美術館 琳派のきらめき:宗達・光琳・抱一・雪佳」 会期:4/29~5/11
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*琳派の小品がほとんどだが、俵屋宗達の「双犬図」、酒井抱一や鈴木其一の軸物、そして神坂雪佳の「四季草花図」など、展示作品の多くを楽しめた。ただし、会期が短いためか、非常に混雑。途中で抜けて遅いランチをとり、再び入って途中から見たのだが。
 
◆ランチ◆
日本橋高島屋の特別食堂で野田岩のうな重を食べる。もう何十年ぶりだろう(昔は、釣り針が入っているかもしれません、という警告文があったものです)。うな重としてはそれなりに美味しかったのだが、やはりうなぎだけという単調さは好みではない。

 Bridgestone1505 001
ブリヂストン美術館 「ベスト・オブ・ザ・ベスト」 会期:1/31~5/17
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆
*いつでも大丈夫と思っていたら、閉館ぎりぎりのタイミングに。518日からはビルの建て直しで、当分見ることができなくなる。かなり混んでいて、チケットを持っていなかったら、外で並ぶところだった。
展示作品はさすがに見たことのあるものがほとんど。それでもやはりいいものはいいものだ、と再確認。
 
 Tatebayashi1 001YamanaJunior1005 001 YamanaZuroku 001
群馬県立館林美術館 「山名文夫とアール・デコ:資生堂スタイルの確立者」 会期:4/25~6/28
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆  ■図録購入
*とても良い展示。資生堂での仕事にやや偏重気味だが、戦前の新青年、戦後の宝石(香山滋の「海鰻荘奇談」も!)などの挿絵の仕事といった、これまで(多分)あまり語られることの少なかった分野も突っ込んでもらいたかった。ちなみに、資生堂入社の昭和4年には、山名の名声は高く、「山名文夫の文字を紙に書いて呑み込むと、モダンガールになれる」とまで称されていたらしいが、既にそこまで有名だったのだろうか。
予算が少なかったので展示装飾をシンプルにしたそうだが、むしろ過剰に装飾した昨今の展覧会(無駄に無用な金をかけているだけ)に比べて、はるかに山名文夫らしい簡素でかつ清楚な展示で心地よい。山名の基本は白と黒のコントラストなので、すべてが白を基調としているのが正解だったと思う。ただ、作品表示の上下が赤線の作品は山名の作ということは、学芸員の解説を聞いて初めて気がついた。これは入口のどこかに表示してあったのだろうか。
ジュニアガイドは、ジュニア向けなんてもったいないくらいのいい出来栄え。
 
◆ランチ◆
館林駅前の花山うどんで食べる。昨年も館林に来たときはここで食べたのだが、今回食べ終わってふと壁を見たら、「うどん天下一決定戦2014完全優勝二連覇」とか大書したポスターがかかっていた。そんなに凄い店とは知りませんでした。まあそこそこ美味しかったですが。

 Tobi1 001
東京都美術館 「大英博物館展:100のモノが語る世界の歴史」 会期:4/18~6/28
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*期待したほどの展示内容ではなかった。「ウルのスタンダード」の現物確認ができたこと、よくぞ残っていたものだと感心してしまう「ミトラス神像」、セイウチの牙やクジラの歯で作られた「ルイス島のチェス駒」くらいか。しかし、昔の金貨はとても薄いのだが、純度が高ければ柔らかいし、あれでよく通用していたものだと思う。残念ながら、超キッチュな「柿右衛門の象」など展示意図がずれているようなものも多かった。点数は100点と少数なので、解説はかなり丁寧。ただし、解説の位置が悪く、読みにくい。
 
 2015J 001
国立西洋美術館 「グエルチーノ展:よみがえるバロックの画家」 会期:3/3~5/31
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★★☆☆
*カラヴァッジョ風の明暗の差が激しいドラマチックな絵画が多い。つらつら見ながら、こんなことを考えた。ヨーロッパの絵画工房は、狩野派のように粉本で学ばせていたのではないだろうか。キリスト教や神話の限られたテーマに対し、似たような構図や描き方、一種パターン化した作画は、単に師匠を真似するだけでなく、同じ流派・系列には同じ粉本でもあったのではないだろうか。そんなことをぼんやり考えながら、グエルチーノの誇張した、だがマンネリ気味の作品を眺めていった(ちなみに、後で知ったのだが、グエルチーノ自身はほぼ独学で絵画を学んだそうだ)。
なお常設展には、フェルメールに帰属するとされる作品「聖プラクセディス」が展示されていた。フェリーチェ・フィケレッリの作品の模写だが、署名・年記・銘文からフェルメールによると推定され、さらに同位体分析で同時代のものとされるなど、フェルメールの作である可能性もないわけではない。今後、何か別な決定的証拠でもでない限りは、可能性で留まるのだろうか。
 
 Bunkamura1.jpg
Bunkamuraザ・ミュージアム 「ボッティチェリとルネサンス:フィレンツェの富と美」 会期:3/21~6/28
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★★☆☆
*さほど期待はしていなかったのだが、なかなかいい作品も多く、狭い会場なのに充実していた。過度な装飾さえなければもっとよかったのだが。ちなみに、聖母子像というものは、どうして聖母と幼子の視線がずれているのだろう。もちろん今回展示されていたボッティチェリ「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」のようにお互いを見つめている作品もあるのだが、多くは二人が別々な方向を向いているような気がする。発注者を向いているせいか。ひょっとして単にモデルのせいだろうか。
 
◆ランチ◆
渋谷に出かける前にフィオッキで食べる。実は今年だけで4回目なのだが、いつ行っても気持ちよく頂ける。とりわけ何よりも前菜が美味。難を言えば、だいぶ以前なら行きたくなったらまず大丈夫だったのに、最近は満席が多いため行きにくくなったことくらい。
今回は食事ついでに、前回試飲させてもらったチョコレート・リキュールとカシューナッツ・リキュールを分けていただいた。来年のチョコ作りの際に使ってみたい。

 
 2015P 001LouvreJunior1505 001
国立新美術館 「ルーヴル美術館展:日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」 会期:2/21~6/1
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*会期の終わり頃に行ったこともあって、かなりの混み具合。眼玉がフェルメールの「天文学者」だったが、幸いにさほどの混み具合ではなかったし、間近で見たい人は止まってはいけないが、立ち止まって見たければ下がって見ることができるようにしたのはよかった(照明が暗く、壁にかかった絵の図柄など全く見えなかったが)。風俗画というテーマなので、基本的には大作はない。とくに前半は、オランダの画家が多かった。作品としては、マセイスの「両替商とその妻」がやはり一番よかった。
ジュニアガイドは名探偵コナンを登場させて、いかにも金をかけている作りだけれども、掛け合い漫才風のつくりで内容に乏しいし、そもそもキャラクターを使ってやったぞというだけの代物。
 
 Magritte1505 001
国立新美術館 「マグリット展」 会期:3/25~6/29
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*一時、マグリットについては画集などを集中的に見ていたので、さすがに初めて知るような作品はごくわずかだった。それでも実際に展示されている作品を見ると、実際の大きさと、筆触の様子などがよくわかる。昔は、マグリットの作品はリアルな写実なのに、どこか非現実的なリアルさと思っていたものだが、こうして間近で見ると、粗い筆触だったり、あまり写実的なリアルさに欠けていたり、意外だった。
マグリットは何度も同じ絵柄の作品を描いている。今回「白紙委任状」ではワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵のもの(1965年)と、宮崎県立美術館所蔵のもの(1966年)が展示されていた。鳥の身体が白い雲と青空の「大家族」(宇都宮美術館所蔵、1963年)と、よく似た「空の鳥」(ヒラリー&ウィルバー・ロス所蔵、1966年)もあった。その辺の同じモチーフの流用含め、解説しておくべきだったと思う。
 

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隠居生活続行中。

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