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■2016年読書メモ(9月)

今年の1月から8月までの8か月間で91点。9月は9点だったので、通算100点(月平均11.1点)。依然としてこれまでの平均値(16.5点)より大幅に少ない。映画ばかり見ているためか。

便宜的にほぼ読了した順に通し番号を付しているが、メモし忘れたりしているので、読んだすべてではない可能性もある。なお、一応巻頭から奥付まで目を通したもののみとする。

 

記載方法は、かつても記したことがあるので、こちらを参照されたい。



9月

 

92 小林朋道 『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!:鳥取環境大学の森の人間動物行動学』 築地書館、2016530日、1600円+税  [注×文×索×]

※先生!シリーズも10冊目。珍しくすべて読んでいる。しかし、本書巻末にある「先生!シリーズ思い出クイズ」はどれも思い出せなかったが。

 

93 スティーヴ・シャンキン/梶山あゆみ訳 『原爆を盗め!: 史上最も恐ろしい爆弾はこうしてつくられた』 紀伊國屋書店、2015319日、1900円+税  [注◎文◎索○]

Steve Sheinkin, Bomb: The Race to Build –and Steal- the World’s Most Dangerous Weapon, 2012

※なによりもノンフィクションの要諦である情報の出所を明記してあるのが素晴らしい(当たり前のことなのだが、日本人によるノンフィクションのほとんどはそれがない故に、信用ならない)。とりわけ本書の場合、元々ヤングアダルト向けということで会話体が多いのだが、すべて既存の書籍や資料からの引用で出典も明記されている。創作ノンフィクションもどきとは違う。

<本書は三つの物語を縒り合せた構成になっている。ひとつ目は原爆を製造しようとするアメリカの物語、ふたつ目はそれを盗もうとするソ連の物語、そして三つ目はドイツの原爆開発を妨害しようとする連合国の物語だ。>(p.347)この三つの物語が過不足なく実にうまく語られている。先月読んだ79山崎啓明『NHKスペシャル 盗まれた最高機密:原爆・スパイ戦の真実』(NHK出版、2015115日)は、本書の乱雑なダイジェスト版程度の代物だったことがよくわかる。

それにしても、最も重要な情報をソ連に提供した若き天才テッド・ホールが、戦後にソ連の暗号解読によりスパイと判明したにもかかわらず、それ以外に証拠がないと察して、冷静さを失わずに逃げおおせたのには妙に感心する(pp.307-9)。

 

94 山田英春編 『美しいアンティーク鉱物画の本』 創元社、2016720日、1500円+税  [注×文×索×]

19世紀初頭から1930年代の博物学書、図鑑、百科事典などに掲載されていた鉱物画を集めたもの。ただB6判の本なので、せっかくの図版がどれも小さい。巻末に図版データとして、一つ一つを和名で記してあるのは助かる。

 

95 モリー・グプティル・マニング/松尾恭子訳 『戦地の図書館:海を越えた一億四千万冊』 東京創元社、2016531日、2500円+税  [注◎文×索○]

Molly Guptill Manning, When Books Went to War: The Stories That Helped Us Win World War II, 2014

※アメリカでは最初に戦地の軍人向けに図書を寄贈する運動を行ない、それが不要な書籍の集まりになってしまったために、特別製の軽量・小型のペーパーバック(大半はホッチキス止め)の兵隊文庫が大量に作られ供給された。1322点、12000万冊にのぼる。このシリーズがこれまで読書経験の乏しかった若者を知的に目覚めさせ、戦後の就職や学業へ進む際に大いに力になったという。本書ではナチスの焚書に対抗してさまざまな種類の本を提供したというストーリーになっているが、むしろ兵隊の無聊を慰めるのに最も役に立つ役割だったというところだろう。<甚だしい士気の低下を確実に防げるのは、兵隊文庫しかなかった。>(p.212)それにしてもサイパン島を占拠すると4日後には兵隊文庫が送られてくるなんてやはり凄い(p.157)。巻末に付録Bとして「兵隊文庫リスト」が載る。2002年~03年に7点が同じ体裁で復刊されたらしい。

 

96 池上英洋 監修・著、深田麻里亜 著 『あやしいルネサンス』 東京美術、2016730日、1600円+税  [注×文△索○]

※「あやしい生きもの」「あやしい女たち」「あやしいからだ」「死のあやしさ」「あやしいキリスト教」の5章に分けて、ルネサンス期における現代の目からは「あやしい」と映る(主に)絵画を紹介。解説はごく簡単であまり内容がない。

 

97 吉野孝雄 『外骨戦中日記』 河出書房新社、2016530日、2000円+税  [注×文×索×]

※宮武外骨の昭和199月から212月までの『日記』を紹介。メモ的な記録から、その時々の外骨の動向を推測する。『絵葉書類別大集成』の写真は何点か掲載されているが、それ以上に『日記』本体の写真を掲載すべきでは? ページ数とかサイズとか書誌情報が欠落。例えば井上和雄の『控帳』(p.57)や、同『杉並日記』(p.108)、井上の長女・美子の題不明の回想記録(p.107)等々、引用した文献くらいきちんと書誌情報を表示すべき。

 

98 早川タダノリ 『「日本スゴイ」のディストピア:戦時下自画自賛の系譜』 青弓社、2016630日、1800円+税  [注×文○索×]

1925年ごろから45年までに刊行された「日本スゴイ」本を紹介。基本的には、<「やればできる!」という軍国コーチングにほだされるのも、現在の「日本人スゴイ」本に気持ちよくなってしまうのも、恣意的に誘導された勘違いという点では似たようなものなのだろう。遺伝学と統計学にナショナリズムが結合した奇怪な読み物は、いまも新たに刊行され続けているのである。>(p.73)というのが本書の結論。

 

99 森昭彦 『身近にある毒植物たち:“知らなかった”ではすまされない雑草、野菜、草花の恐るべき仕組み』 SBクリエイティブ、サイエンス・アイ新書、2016625日、1000円+税  [注×文△索△]

※トリカブトのように毒植物として有名なものばかりでなく、普通に食べている野菜や、園芸品種などでも毒があることには驚く。自然のものなら安心・安全と錯覚している人達ほどではなかったのだが。巻末の参考文献に載っていない文献が本文中に頻出すれど、著者名と年次のみなので、文献名がわからず。

 

100 岡西政典 『深海生物テヅルモヅルの謎を追え!:系統分類から進化を探る』 東海大学出版部、フィールドの生物学202016530日、2000円+税  [注×文○索○]

※珍しい生物に出会いたいという気持ちから、クモヒトデの分類にはまり、研究者となってしまうビルドゥングス・ロマン。実に詳しく研究のいろはから書いてくれているので、とても面白い。研究のスタートは文献をひたすらコピーすること。これがボディブローのように後からじわじわ効いてくる(p.23)わけだ。これが素人と研究者の違いの一つだろう。

なお、本文中に文献表示があるものの、巻末の引用文献に未記載のものが結構あった。記載漏れなのか、孫引きなので記載に当たらずということか。

 

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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