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■2016年1月展覧会総括

20161月に見た、美術関連の展覧会3件について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。また騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。

配列は見た順であって、会期順ではない。

 

◆評価ポイント (5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価

A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質

B:展示方法・動線設計・照明

C:雰囲気・騒音・混み具合

 

1月

 

 NikuhitsuUkiyoe_201511 001

○上野の森美術館 「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵-美の競艶:浮世絵師が描いた江戸美人100選」 会期:2015/11/202016/1/17

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*肉筆浮世絵の見所はやはり線だろう。手練れの絵師が、版木用の下絵ではなく、最終の仕上がりを目指して線を描いているのだから。そうした眼からは、初期浮世絵師の線は意外にも流れるような勢いに乏しく、ぶつぶつと切れているのに対し、さすが北斎の《美人愛猫図》などは勢いよくスーッと引いた線がなによりも素晴らしい。それ以外にも、松野親信の《立姿遊女図》、鍬形蕙斎の《江戸鳥瞰図》、河鍋暁斎の《一休禅師地獄太夫図》、小林清親の《頼豪阿闍梨》などがとりわけ良かった。

それからコレクションのどれもが素晴らしい保存状態で、原装のままなのだろうか、表装もとても良い。

最終日であったのに何とか外で並ばずに入ることができた会場は動線設計の悪い美術館なのだが、かろうじてまあまあうまく展示していた。ただ、中がひどく暑かったのと、やけにうるさかったのには閉口した。

 

○上野の森美術館 「江戸から東京へ 上野の森美術館所蔵浮世絵版画展」 会期:2015/12/262016/1/17

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*上記展示と併設して開催されていた。上野に題材を限定して、江戸期から昭和20年代に至るまでの、錦絵や木版画を展示。描かれた地域限定というのはなかなか面白い企画なのだが、バラエティ豊かに構成するのは意外に難しいのかもしれない。これは上野だからこそ幅広く作品を集めることができたと言える、いい企画だった。初代広重の名所江戸百景の《上野山内月のまつ》から始まって、戊辰戦争、内国勧業博覧会、上野公園、不忍池などが、溪斎英泉・小林清親・川瀬巴水らによってさまざまに描かれていた。こうして一堂に並べてみると、時代の激変と描き方そのものの激変もよくわかる。

 

 PreRaphaelite_Bunkamura_201512 001

Bunkamuraザ・ミュージアム 「英国の夢:ラファエル前派展 リバプール国立美術館所蔵」 会期:2015/12/222016/3/6

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★★

*このところ毎年のようにラファエル前派の展覧会が開かれているような気がする(昨年は三菱一号館美術館で開催)。今回はリバプール国立美術館所蔵品に限定されているため、画集では見たことがあっても、実物は初めて見る作品ばかり。出来栄えはまちまちだが、なかなか楽しめる作品も多かった。気になった作品のなかで、ジョン・エヴァレット・ミレイの《ブラック・プランズウィッカーズの兵士》は、服の質感表現の超絶技巧はうならされたのだが、題材となった兵士はナポレオンに対抗する側だと言う。ならば、画面左上になぜルイ・ダヴィッド《サン・ベルナール峠のナポレオン》を元にした銅版画が飾ってあるのだろうか。フレデリック・レイトンの《ペルセウスとアンドロメダ》では、ゴルゴンの首で怪物を石に変えるのではなく、矢を怪物に向けて射ている。剣とか槍はよく描かれている気がするけど、矢は初めて。

とりわけ面白かったのは額縁。上記の肉筆浮世絵は表装の妙を愉しめたのだが、こちらは額縁の豪華さや奇抜さを楽しむことができた。図録では、まず確実に額縁などはカットされてしまうので、こればかりは実物を見るしかない。ただし、額縁は近現代作家の一部以外、恐らく所蔵者(美術館含め)によってしつらえられたであろうが、最初の所蔵者によるものとは限らないだろうし、場合によっては展示段階で適当な額縁に入れられた可能性もあるので、できれば注記しておいてほしいのだが。それでもグロテスクなばかりの重厚な額縁を見ると、肝腎の絵よりも力を込めている場合もありそうだ。

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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