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■既刊・近刊メモ(2016年2月版)

201512月と20161月に刊行された(はずの)本と、20162月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売(予定)日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。

●:前回掲載分から追加した本。

なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。

次の行は私的メモ。

■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)

 

 

【2015年12月に出た本から】

 

■高槻真樹 『映画探偵:失われた戦前日本映画を捜して』 河出書房新社、12/12500円+税 〔詳細〕

 *埋もれた日本の戦前映画を見つけたい! 映画に心奪われたフィルム・アーカイブの探偵たちのユニークな活動とドラマを追いかける初の試み。


■荒川裕子 『ジョン・エヴァレット・ミレイ:甘やかなる夢情』 東京美術、12/12600円+税 〔詳細〕

 *英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠。ラファエル前派時代のみでなく、対象の個性を巧みにつかみ取った肖像画、清澄な大気を湛えた風景画、創意に富んだ挿絵など多様な表現を紹介。


■ジェームズ・ウォード 『最高に楽しい文房具の歴史雑学』 エクスナレッジ、12/12200円+税 〔詳細〕

 *個々の文房具の、古代から現代までの歴史、発明にかかわった人々、制作会社の創業から没落の日々まで、文房具をありとあらゆる側面から語りつくす。→『文房具をめぐる冒険:ペンケースの中の小宇宙』の仮題から変更。


■越智啓太 『ワードマップ 犯罪捜査の心理学:凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイリングの最先端』 新曜社、12/12300円+税 〔詳細〕

 *本書の前半では、犯人像や行動を推定して検挙するための最新の科学的知見に基づくプロファイリング手法と考え方とを網羅し、後半では犯罪の実例を取り上げながら、注意すべき凶悪犯の心理と行動を罪種別にわかりやすく解説しました。


織原義明、長尾年恭 『地震前兆現象を科学する』 祥伝社新書、12/2800円+税 〔詳細〕

 *本書では、民間の予知情報に加え、最新の地震予知の成果と、その情報発信の問題や、地震流言といった「地震発生のうわさ」についても、実例を挙げて紹介していきます。 


■神永曉 『悩ましい国語辞典:辞書編集者だけが知っていることばの深層』 時事通信出版局、12/21600円+税 〔詳細〕

 *長年『日本国語大辞典』の編集に携わってきた著者が、言葉の変化の過程をスリリングに書いた日本語エッセイ。


■ダニエル・スミス/小野智子・片山美佳子訳 『絶対に明かされない世界の未解決ファイル99:ファティマ第三の予言からチュパカブラまで』 日経BP社、12/32200円+税 〔詳細〕

 *超古代文明やUFOなどの定番ミステリーから、血なまぐさい犯罪や王室スキャンダルまで、99の未解決事件を追う。


■葛金芳、顧蓉/尾鷲卓彦訳 『宦官:中国四千年を操った異形の集団』 徳間書店、12/31100円+税 〔詳細〕

 *国家と歴史を裏から支配した「宦官」の実像を、その肉体と生理、異常心理、野望、謀略など全角度から描き切った驚愕の書。


■ベルント・シュティーグラー/竹峰義和、柳橋大輔訳 『写真の映像』 月曜社、芸術論叢書、12/43400円+税 〔詳細〕

 *世界言語としての写真という記号をめぐる事典――黎明期からデジタルメディア時代まで、アルファベット順に55項目のキーワードで写真作品(ニエプス~アーバス)を読み解く。数々の写真論(ベンヤミン~クレーリー)の引証を交えつつ、〈映像=表象〉をめぐる隠喩の星座がもつ写真史的布置を浮かび上がらせる、光と影のアルバム。→本書に登場するキーワードで興味深いのは、邪視/ドッペルゲンガー/女神/真性幻覚/黒魔術/-文字//死への警告/殺人/幻影/魔法のランプ、など。


■星野保 『菌世界紀行:誰も知らないきのこを追って』 岩波科学ライブラリー、12/41300円+税 〔詳細〕

 *北極、南極、そしてシベリア。大の男が這いつくばって、世界中の寒冷地にきのこを探す。大型動物との遭遇、酔っぱらいとの遭遇、泥酔、泥酔、そして拘束。幾多の艱難辛苦の果てに、菌たちとの感動の対面はかなうのか……!?雪や氷の下でしたたかに生きる菌たちの生態とともに綴る、爆笑・苦笑・失笑必至のとっておき〈菌道中〉.


■岩合光昭 『いい猫だね:僕が日本と世界で出会った50匹の猫たち』 ヤマケイ新書、12/4900円+税 〔詳細〕

 *岩合光昭さんが旅先で出会った忘れられない猫50匹について語るフォト&エッセイ。


■都築響一 『圏外編集者』 朝日出版社、12/51650円+税 〔詳細〕

 *編集に「術」なんてない。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。


■アンドレ・バザン/堀潤之訳 『オーソン・ウェルズ』 インスクリプト、12/51700円+税 〔詳細〕

 *1950年フランス、毀誉褒貶の只中からウェルズを救い出すべく、若き批評家がついに筆を執る。ウェルズ作品の革新性を主題の深さから画面の深さへと論じ抜く、「作家主義」批評の先駆け。→11月刊行予定が12月に延期。


高橋明也 『美術館の舞台裏:魅せる展覧会を作るには』 ちくま新書、12/7780円+税 〔詳細〕

 *カネ、人脈、才能、情報……展覧会では決して見れない美術館の素顔に迫る。盗難・贋作から展覧会の収支、コレクション作りまで、美の殿堂はこうなっている。


■村上宣寛 『あざむかれる知性:本や論文はどこまで正しいか』 ちくま新書、12/7800円+税 〔詳細〕

 *基本的なスタンスは、実証科学の成果を正当に評価するには、メタ分析を行ったシステマティック・レビューに基づくべきだという本です。ちまたにあふれる科学評論は、たんなるつまみ食い的評論で、自分の気に入った研究論文をピックアップして、書いたたけです。本では、まず、Part 1で方法論を書き、Part 2でダイエット、健康、仕事、幸福に関するメタ分析を取り上げて、評論したものです。著者による案内はこちら


■三上修 『身近な鳥の生活図鑑』 ちくま新書、12/7940円+税 〔詳細〕

 *愛らしいスズメ、人間を利用する賢いカラス、求愛でくるくる踊るハト。身近な鳥たちの生活には、発見がたくさん。


■松田行正 著・造本デザイン 『2の冒険』 牛若丸、12/72048円+税 〔詳細〕

 *この本で月に行く方法は? 本文用紙の厚さ0.16mmを基に、0乗から102乗まで2の累乗の世界を、さまざまな数や図で紹介する。


■チャック・ウィルズ/ 山口昇監修 『図解 世界の武器の歴史:石斧から自動火器まで』 グラフィック社、12/72800円+税 〔詳細〕

 *バーマン世界史博物館が所蔵する全世界、3500年以上にまたがる武器のコレクションを収録。600点を超える選び抜かれた稀少で貴重な逸品たちを、歴史的視点を踏まえた専門的な解説と共に掲載。


■尾崎彰宏監修・解説・著 『ネーデルラント美術の魅力』 ありな書房、12/75000円+税 〔詳細〕

 *あまり知られていない15世紀から18世紀までのネーデルラント/オランダ美術の魅力を紹介する。


■雪朱里+グラフィック社編集部編 『もじ部:書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ』 グラフィック社、12/72500円+税 〔詳細〕

 *パソコンに入っているあのフォントも、普段目にするこの文字も、必ずだれかがデザインしている。人気書体デザイナーに聞いたフォントデザイン・設計秘話、フォントをよりうまく使いこなすヒントが満載。


■藤脇邦夫 『出版アナザーサイド:ある始まりの終わり1982-2015 本の雑誌社、12/81600円+税 〔詳細〕

 *出版業界のメインストリームではなく、バックストリートでもない、アナザーサイドを一貫して歩み続け、この11月に定年退職する著者が在職中に出会った様々な業界人とのエピソードを満載した回想録であり、出版界の一面史です。


■戸矢学 『郭璞 「風水」の誕生:東晋建国を支えた方術士』 河出書房新社、12/81800円+税 〔詳細〕

 *古代中国で「風水」を開いたひと・郭璞の評伝小説。王城の地の設計理念に大きく関わった風水の知恵とは――異能の人の活躍を描く。


■室井尚 『文系学部解体』 角川新書、12/8800円+税 〔詳細〕

 *下村文科大臣は国立大学に対し「文系学部・学科の縮小や廃止」を要請した。成果主義の導入、職業訓練校化——所属学科の廃止を通告された大学教授が、新自由主義の波に翻弄される現場を描く衝撃のレポート。


小林繁子 『近世ドイツの魔女裁判:民衆世界と支配権力』 ミネルヴァ書房、MINERVA 西洋史ライブラリー、12/96500円+税 〔詳細〕

*本書は、近世ドイツの国家による支配とはいかなるものであったのかを、魔女裁判という実践を通じて明らかにする。魔女迫害を可能とした枠組みとは何か。魔女迫害を求める民衆はどのような論理と手段を用いたのか。当局は民衆の迫害要求にどのように応えたのか。民衆の声を反映する「請願」と、それに対する君主の「ポリツァイ条令」との循環的な働きを検討することで、相互応答的なヨーロッパの近世的支配のダイナミズムを描き出す。


■宮下規久朗 『しぐさで読む美術史』 ちくま文庫、12/9760円+税 〔詳細〕

 *西洋美術では、身振りや動作で意味や感情を伝える。古今東西の名画を「しぐさ」から解き明かす『モチーフで読む美術史』姉妹編。図版200点以上。


■朴 美暻 『韓国の「鬼」:ドッケビの視覚表象』 京都大学学術出版会、12/93000円+税 〔詳細〕

 *韓国の妖怪「ドッケビ」の視覚イメージの変遷を時系列でたどる。ドッケビは韓国の政治・経済・社会における変容を映す鏡としての性格をもってきた。もともと目に見えないものであったドッケビを、植民地時代に定着した日本的なオニのイメージから脱却させ、今日では韓国を代表するキャラクターとして、新たな視覚化が試みられている。


Stephen T. Becett/古谷野哲夫訳 『チョコレート:カカオの知識と製造技術』 幸書房、12/94200円+税 〔詳細〕

 *チョコレートの歴史から、原料、カカオ豆処理、液体チョコレートの流動特性制御、チョコレート中の油脂結晶化、チョコレート製品の製造、栄養と健康まで、チョコレートの科学を解説する。


■春日武彦 『鬱屈精神科医、占いにすがる』 太田出版、12/91600円+税 〔詳細〕

 *精神科医は還暦を迎えて危機を迎えていた。無力感と苛立ちとよるべなさに打ちひしがれる。しかし、同業にかかるわけにもいかない。それならいっそ街の占い師にかかってみようと思い立つ。はたして占いは役に立つのか。幾人もの占い師にあたっていって、やがて見えてきたもの……。人間が“救済”されるとはいったいどういうことなのか。私小説的に綴られる精神科医の痛切なる心の叫び。


■ジョン・G・ゲイジャー編著/志内一興訳 『古代世界の呪詛板と呪縛呪文』 京都大学学術出版会、12/105400円+税 〔詳細〕

 *愛、復讐、金…。欲望のままに鉛板に刻む。古代ギリシア・ローマ世界で1200年にわたり間断なく続けられていた呪縛呪文。1600以上にのぼる呪詛板の発見例から、古代世界に生きた民衆の生のありようを明らかにする。


■アリス&クロード・アスキュー/田村美佐子訳 『エイルマー・ヴァンスの心霊事件簿』 アトリエサード(発売:書苑新社)、ナイトランド叢書、12/102200円+税 〔詳細〕

 *弁護士デクスターが休暇中に出会ったのは、瑠璃色の瞳で霊を見るエイルマー・ヴァンス。この不思議な男に惹かれた彼はいつしか助手となり、ともに怪奇な事件を追うことに……。シャーロック・ホームズの時代に登場した幻の心霊探偵小説。


■奥修 『珪藻美術館』 旬報社、12/101300円+税 〔詳細〕

 *「こんな世界があったのか」と誰もが驚かずにはいられない、珪藻アートの写真集です。0.1ミリに満たない珪藻をひとつひとつ手作業で並べ、デザインするという究極の職人技。漆黒の中に輝く宝石のような珪藻は、息をのむほどの美しさで、見る人すべてを魅了します。


■リチャード・シッケル/南波克行、大久保清朗訳 『スピルバーグ:その世界と人生』 西村書店、12/103800円+税 〔詳細〕

 *『激突!』から『リンカーン』までの全28作を400枚以上の迫力ある美しいカラー図版とともに解説する。初めて明かされる貴重な発言の数々――スピルバーグの言葉は、すべて著者のシッケル自身が直接インタビュー。


■佐藤直樹 『犯罪の世間学:なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか』 青弓社ライブラリー 8612/101600円+税 〔詳細〕

 *日本独特の秩序で法のルール以前に私たちを縛る「世間」が、その排他性を強めて犯罪を生み出している。1990年代以降の犯罪の厳罰化、2000年代以降の殺害事件や脅迫事件を「世間」の視点から読み解き、息苦しさや閉塞感が増す日本の「空気」に迫る時代診断の書。


■金子信久 『めでる国芳ブック おどろかす』 大福書林(発売:パイ インターナショナル)、12/101800円+税 〔詳細〕

 *絵草紙屋の店先で気に入った絵を選ぶように、1枚の絵をB5判の1ページ大で楽しむ趣向の「めでる国芳ブック」シリーズ。第2弾は、愛嬌たっぷりの妖怪・化物や、ユーモアに富んだ狂画・狂筆、だるまや駒・鬼瓦・化粧道具・てるてる坊主など、命なきものに命を吹き込んだ、国芳の魅力炸裂の1冊。


■古田雄介 『故人サイト:亡くなった人が残していったホームページ達』 社会評論社、12/111700円+税 〔詳細〕

 *更新直後に殺害、ツイート直後に事故死、リアルタイム闘病記録、自殺実況中継、ファン巡礼慰霊碑サイト。それは遺書なのか、あるいはダイイングメッセージなのか!?意図せざる「ネット墓標」を徹底調査。4ケタにも上る「故人サイト」を6つの類型に分け、それぞれの特徴や内容、運営者、運営者の亡くなり方などを分析・紹介しています。


■谷川彰英 『戦国武将はなぜその「地名」をつけたのか?』 朝日新書、12/11760円+税 〔詳細〕

 *福岡、仙台、浜松など現代の都市名の多くが戦国武将によってつけられていたことは案外知られていない。そこには、繁栄や平和を夢見た彼らの願いが込められていた。


■木宮泰彦 『日本古印刷文化史(新装版)』 吉川弘文館、12/1112000円+税 〔詳細〕

 *奈良時代の創始期から江戸時代の活字版興隆期まで850年の印刷文化を、近隣諸国との文化交流も絡ませて系統的に叙述した稀覯書。→元版は、富山房、1932年刊行。


■森誠 『なぜニワトリは毎日卵を産むのか:鳥と人間のうんちく文化学 (〈私の大学〉テキスト版)』 こぶし書房、12/112000円+税 〔詳細〕

 *毎日食べているものなのに、意外と知られていないニワトリと人間の長ーい歴史。卵の構造やニワトリの進化から鶏肉食の歴史まで、家禽学の専門家が古今東西の文献を渉猟して語るオトナの面白授業!


■岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美  『『罪と罰』 を読まない』 文藝春秋、12/121500円+税 〔詳細〕

 *抱腹必至。読まずに語り、読んで語る読書会。翻訳家、作家、作家であり装丁家の四人が名著 『罪と罰』 の内容を僅かな手がかりから推理、その後みっちり読んで朗らかに語り合う。


■中川右介 『オリンピアと嘆きの天使:ヒトラーと映画女優たち』 毎日新聞出版、12/121500円+税 〔詳細〕

 *ナチスに翻弄された4人の女優――ディートリッヒ、リーフェンシュタール、ヘップバーン、原節子の歩みを通し、権力と芸術の関係を考察。


『薬草の博物誌:森野旧薬園と江戸の植物図譜』 LIXIL出版、12/151800円+税 〔詳細〕

 *江戸時代に遡り、人々の薬草、植物に寄せる探究心や愛着を、それぞれ精緻な観察眼で描かれた様々な植物図譜と、日本最古の私設薬草園、森野旧薬園(奈良県宇陀市)とその創設者、森野賽郭が描いた1003種を収める「松山本草」をとおして色鮮やかに表現しようとするものである。→LIXILギャラリー大阪では「薬草の博物誌:森野旧薬園と江戸の植物図譜」展を開催中(後に東京でも開催)。


■文化庁国語課 『文化庁国語課の勘違いしやすい日本語』 幻冬舎、12/151000円+税 〔詳細〕

 *文化庁が調査した「国語に対する世論調査」でわかった、36の言葉の意味のとらえ方を用例とともに紹介。言葉の正しい意味を知ることができる一冊。


中野三敏 『書誌学談義 江戸の板本』 岩波書店、12/161300 +  〔詳細〕

 *江戸の板本を手にとって理解するための基礎知識を、長年の経験をもとに、豊富な図版と用語解説をまじえてわかりやすく伝授する。和本リテラシーを育むための最良の入門書。「板本書誌学関係文献一覧」(鈴木俊幸作成)を収録。→元版は、岩波書店、199512月刊行、後に岩波人文書セレクションの一冊として201012月に再刊。


■船山信次 『民間薬の科学:病気やケガに効く……民間の言い伝えはどこまで科学的か!?』  SBクリエイティブ、サイエンス・アイ新書、12/161100円+税 〔詳細〕

 *この本は、民間薬の基礎知識からその由来となった動植物の紹介、さらに民間薬から近代薬にどう発展していったかなど、民間薬にまつわるさまざまな話を展開します。


■阿部希望 『伝統野菜をつくった人々:「種子屋」の近代史』 農山漁村文化協会、12/163500円+税 〔詳細〕

 *今日のF1品種につながる固定種野菜を作出し、その品質維持、流通を担った明治から昭和戦前期までの「種子屋」たちの足跡を、経営帳簿・注文ハガキ・種苗カタログなど貴重な一次史料をもとに辿る。


■高橋輝次編著 『誤植文学アンソロジー:校正者のいる風景』 論創社、12/172200円+税 〔詳細〕

 *誤植も読書の醍""味? 一字の間違いが大きな違いとなる誤植の悲喜劇。活字に日夜翻弄される校正者の苦心と失敗。→こちらのブログに紹介と収録作目次がある。


■小谷賢 『インテリジェンスの世界史:第二次世界大戦からスノーデン事件まで』 岩波現代全書、12/172000円+税 〔詳細〕

 *諜報活動の主目的は、第二次大戦では対独・対日戦の勝利、冷戦期はソ連対策、冷戦後は湾岸戦争と同時多発テロを契機としてのテロ対策であった。国を越えた情報協力が緻密化しビッグデータの活用が拡大するなか、スノーデン事件は情報戦の危険性を警告している。通信傍受技術の飛躍的な発展と米英を中心とした通信傍受網の現代史。


■柴尾英令、清水節 『スター・ウォーズ学』 新潮新書、12/17700円+税 〔詳細〕

 *「新作」を100倍楽しむために。なぜこの映画だけが「特別」なのか? 誕生史から撮影秘話、世界観や物語の構造、新作の解釈まで、この素晴らしき〈サーガ〉の世界を徹底解説。


■イアン・ドースチャー/河合祥一郎訳 『もし、シェイクスピアがスター・ウォーズを書いたら 帝国、逆襲す』  講談社、12/171500円+税 〔詳細〕

 *名セリフをすべて古韻文で再現し、AT-ATたちとワンパはセリフを与えられ、ヨーダはふりふりの襟をつけて5-7-5の俳句を詠み、ベイダーとルークの親子対決は美しくドラマチックなポエムに!?


■浅見克彦 『時間SFの文法:決定論/時間線の分岐/因果ループ』 青弓社、12/173000円+税 〔詳細〕

 *古今東西で描かれてきた時間SF200作品以上読み解きながら、基本的なアイデアと物語パターンを整理して紹介する。タイム・トラベル、タイム・スリップ、並行世界への跳躍、自己の重複、枝分かれする世界、ループし反復する時間……。作品がもつその独特の時間世界を理解したうえで、諸作品を深く読み込み、時間SFのシニカルさやアイロニーがもつ魅力を抽出する。


■デイヴィド・ターナー/別宮貞徳監訳 『やぶにらみ 鳥たちの博物誌:鳥とりどりの生活と文化』 悠書館、12/172800円+税 〔詳細〕

 *鳥類学上の知見に加え、文学・絵画・音楽・大衆文化などの該博な知識を縦横に駆使して、鳥たちが、地球の歴史と文化に果たした驚くべき役割と、鳥にとりつかれた人間の数奇な人生を、軽妙でひねりを効かせた文章で語りつくす。


■ルーシー・ワースリー/中島俊郎、玉井史絵訳 『イギリス風殺人事件の愉しみ方』 NTT出版、12/183400円+税 〔詳細〕

 *なぜ「殺人」が、読み物として広く享受されるのか? 殺人事件/犯罪事件を手掛かりにイギリス文化の変容を論じた文化史。


■コリン・グレイ/奥山真司訳 『現代の戦略』 中央公論新社、12/184000円+税 〔詳細〕

 *古今東西の戦争と戦略論を分析、陸海空、宇宙、サイバー空間を俯瞰し戦争の文法と本質について論じる泰斗による主著、待望の完訳。


■櫻田大造 NORAD 北米航空宇宙防衛司令部』 中央公論新社、12/181900円+税 〔詳細〕

 *米国とカナダの軍事同盟NORAD。その活動は日本の防衛にも関連する。この国際政治の一大アクターを、おもに両国間の協定の交渉プロセスに焦点を当てて、歴史的アプローチから分析する。


BMFT編 sizzle word シズルワードの現在:「おいしいを感じる言葉」調査報告』 BMFT出版部、12/182800円+税 〔詳細〕

 *食べた料理のおいしさを人に伝えたい時、どういう言葉を口にしているのだろうか。おいしさを表現する言葉のどこにおいしいを感じ、お昼に食べるものを選んでいるのだろうか。「おいしそう」、あるいは「食べたい」、「飲みたい」を感じる言葉、飲食の欲求を喚起する単語を、ここでは「シズルワード」と呼びます。「シズルワード」のことを広く知るために、この本をつくりました。

■デイヴィッド・トゥーミー/越智典子訳 『ありえない生きもの:生命の概念をくつがえす生物は存在するか? 白揚社、12/182500円+税 〔詳細〕

 *近年、深海の熱水噴出孔や原子炉など、生存不可能と考えられていた場所で微生物が発見され、生物の定義の再検討が迫られている。地球だけでなく、火星や土星の衛星タイタン、太陽系外惑星などの地球外生命探査、 さらには量子宇宙論が予測する多宇宙や地球外知的生命まで視野に入れ、生命にまつわる型破りな理論も紹介しながら、先入観にとらわれることなく「ありえない生きもの」の可能性を探る。


■フランシス・ケアリー/小川昭子訳 『図説樹木の文化史:知識・神話・象徴』 柊風舎、12/186500円+税 〔詳細〕

 *大英博物館所蔵の樹木の標本帳や標本箱、スケッチ帳、水彩画帳、工芸品などを手がかりに、科学と芸術、旅行と交易、詩文と散文、神話や宗教、儀式において、樹木が人間の歴史にいかに重要な意味を持ってきたかを解き明かす。


■笠谷和比古 『歴史の虚像を衝く』 教育出版、12/192400円+税 〔詳細〕

 *「大坂の陣」と「関ケ原合戦」をめぐる誤解と真実。歴史の虚像はいかにして形成されるか?そのメカニズムを解明する。


■八坂書房編 『フローラの庭園:アンティーク・ボタニカルアートの愉しみ』 八坂書房、12/191800円+税 〔詳細〕

 *写真がない時代に薬草の植物図鑑として始まったボタニカルアート(植物画)は、17世紀頃からは王侯貴族の庭園に咲く珍しい植物コレクションを記録する花の肖像画として描かれるようになりました。世界各国の美術館・図書館に収蔵され、日本ではあまり紹介されていない作品を含む植物画100点余をコンパクトに集成。

http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=670

■ジラルデッリ青木美由紀 『明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく』 ウェッジ、12/202700円+税 〔詳細〕

 *19023月から19056月まで、国費で世界旅行を単身敢行。日露戦争が勃発するも、敵国・ロシア船で地中海を渡り、時にスパイと疑われつつ、オスマン帝国スルタンから勲章を拝領する。気鋭の美術史家が、初公開・新発見資料とともに、日本の近代化の一翼を担った建築家の知られざる旅の見聞録を繙く。→伊東忠太の野帳は建築博物館のデジタイルアーカイブスで見ることができる。 


森信勝編 『松本清張索引辞典』 日本図書刊行会(発売:近代文藝社)、12/2015000円+税 〔詳細〕

 *広範かつ精力的な作家活動の限界に挑んだ、清張の全軌跡を網羅。著書、関連文献、映像、音声など、延べ5,300事項、3,300人を収録。


《ユリイカ》20161月臨時増刊号、春画 SHUNGA、青土社、12/211600円+税 〔詳細〕

 *人びとを魅了する「春画」とは何なのか。各分野の泰斗から気鋭の若手まで、縦横無尽に語りつくす「春画」のすべて。ここから「春画」学があらたにはじまる。


新紀元社編集部 『幻想人名辞典』 新紀元社、12/211300円+税 〔詳細〕

 *本書の人名は、神話・英雄物語や宗教書などの古い時代の文献と、各地の王名、王族名から収集しました。 人間の名前に加え、神、人型の非人間(巨人や小人、悪魔など)の名前も「人名」として扱います。本書は「カタカナの名前を楽しむ」ための人名辞典なので、ほとんど説明のない人名や、脇役ですらない「名前だけ」の人名も多く収集しました。


■本郷恵子 『怪しいものたちの中世』 KADOKAWA12/221600円+税 〔詳細〕

 *社会事業や公共事業を請け負った勧進聖、祈祷師や占い師、芸能者、ばくち打ちや山伏――。夢見る喜びや生きる意味を考える機会を与えていた中世の宗教者の知られざる役割を、豊富な事例から解き明かす新しい中世史。


■ナショナル ジオグラフィック編 『ナショナル ジオグラフィック 秘密の地下世界』 日経BP社、12/221800円+税 〔詳細〕

 *都市の地下、紛争地の密輸路、地中にひそむマグマ、地下墓所等、私たちの足下や地中にあるものを、ナショジオならではの視点で紹介。


■ハリー・エドワーズ/梅原伸太郎監修、近藤千雄訳 『〔新装版〕 ジャック・ウェバーの霊現象』 国書刊行会、12/223600円+税 〔詳細〕

 *史上最高の霊的治療家エドワーズの手による、降霊会での心霊実験の貴重な詳細記録。浮揚現象・物質化現象などのエクトプラズムの諸相を解き明かした、物理的心霊現象の本質を理解するための必読書。→元版は国書刊行会、198511月刊行。


■ナイジェル・ウォーバートン/森村進、森村たまき訳 『「表現の自由」入門』 岩波書店、12/221900円+税  〔詳細〕

 *「表現の自由」とは何か? われわれはなぜそれを大切にすべきなのか? 暴力をかきたてる言論やポルノグラフィに対して、どこで限界の線引きがなされるべきか? 表現の自由をめぐる思想史からアクチュアルな難問まで、具体例を多用しつつ平易な文章で説いた画期的な本。


■植田弘隆 『文人、ホームズを愛す。』 青土社、12/221800円+税 〔詳細〕

 *田山花袋、尾崎紅葉、谷崎潤一郎、稲垣足穂、坂口安吾・・・。コナン・ドイルのホームズ譚は日本近代文学の錚々たる作家たちに愛好され続けてきた。さまざまな資料から、作家たちとホームズの秘められた関係を明らかにするとともに、古くは明治時代から読まれていたホームズ譚の魅力を再確認し、活気をもって迎えられた当時の状況を描く画期の書。


ASIOS 『「新」怪奇現象41の真相』 彩図社、12/24780円+税 〔詳細〕

 *『謎解き超常現象』シリーズで数々のオカルト事件を解明してきたASIOS が、ネットで話題の最新怪奇現象の謎解きに挑戦。41 の真相を解き明かす。


■ロン・ミラー/日暮雅通、山田和子訳 『宇宙画の150年史:宇宙・ロケット・エイリアン』 河出書房新社、12/243800円+税 〔詳細〕

 *ヴェルヌの『月世界旅行』挿絵からギーガーの『エイリアン』まで、人類の夢と叡智が生んだ科学的「想像宇宙」のすべてを、320作品以上のカラー絵画で見せる初めてのヴィジュアル本。


■佐藤健寿 『奇界紀行』 KADOKAWA12/241800円+税 〔詳細〕

 *タイの海中に石像を探し、インド最高の聖者を訪ね、廃墟チェルノブイリに彷徨い、澁澤龍彦の足跡を辿り、謎の古代遺跡に呪われ、アフリカの呪術師と対峙し、南米のUFO村で人々の優しさに触れる……そこには世にも奇妙な世界、「奇界」が広がっていた。


■白水智 『古文書はいかに歴史を描くのか:フィールドワークがつなぐ過去と未来』 NHKブックス、12/241500円+税 〔詳細〕

 *甲州早川や信州秋山でのフィールドワークを通して、歴史研究の舞台裏としての史料調査と、その収集・整理について具体的に論じる。蔵や古い箪笥に眠る古文書から、いかにして隠された歴史を紐解くのか。その方途を長年の現場経験から明かす。


■ロード・ダンセイニ/中野善夫訳 『ウィスキー&ジョーキンズ:ダンセイニの幻想法螺話』 国書刊行会、12/252400円+税 〔詳細〕

 *4半世紀にわたって書き続けられたダンセイニの人気シリーズ、待望の邦訳。初老の紳士ジョーキンズがウィスキーを片手に、実話と称して語り出す若かりし日の思い出――幻獣に出会い、魔術に驚異し、一獲千金に胸躍らせる、奇想天外な冒険の数々。香り豊かで軽やかなテイスト、心地よい後味にほろ酔い気分。どこから読んでも楽しめる愉快な短篇23作。→『よいどれジョーキンズの幻想法螺話』の仮題から変更。


■シャーマン・ケント/並木均監訳、熊谷直樹訳 『シャーマン・ケント 戦略インテリジェンス論』 原書房、12/253000円+税 〔詳細〕

 *アメリカで「情報分析の父」と呼ばれたシャーマン・ケントによるインテリジェンス論。「情報」をどのように考えるか。インテリジェンスの意味から分類、そしていかに活用するかを明解に示した名著、大望の邦訳。


■スクリブナー思想史大事典翻訳刊行委員会、野家啓一訳 『スクリブナー思想史大事典 10巻』 丸善出版、12/25300,000円+税 〔詳細〕

 *人文、社会、自然科学の学問の枠を超え、時代の知の形態・変容に関心をもつ、全ての研究者必須の40年ぶりに全面刷新した総合辞典。


■松岡正剛監修 『インタースコア:共読する方法の学校』 春秋社、12/252200円+税 〔詳細〕

 *松岡正剛が「自らの最高傑作」と自信をもって語る、「イシス」(ISIS)とは何か。イシスのコンセプトと歴史、稽古の現場で実際に行われていること、その秘密を開陳。


■ジェラルド・オニール、ディック・レイア/古賀弥生訳 『ブラック・スキャンダル』 角川文庫、12/251120円+税 〔詳細〕

 *ボストンを拠点にしていた実在のギャング、ホワイティー・バルジャーと、彼の幼馴染みでFBIボストン支局の実力者、ジョン・コナリーの間で結ばれた禁断の密約は、FBI史上最大のスキャンダルだった。ピュリッツアー賞ジャーナリストが描く衝撃のクライム・ノンフィクション。


京極夏彦 『妖怪の宴 妖怪の匣』 KADOKAWA12/261700円+税 〔詳細〕

 *誰もが知っている"妖怪"。この不思議な存在は、どのように人々の心に育まれたのだろうか。化け物やお化けとの違いは? 幽霊と妖怪の関わりは――? さまざまな例を引きながら、"妖怪"の真実に迫る!→《怪》連載の書籍化。


『映画秘宝EX 映画の必修科目14 新世紀SF映画100 洋泉社、12/261200円+税 〔詳細〕

 *スター・ウォーズからスーパーヒーローまでSF映画の進化を読み解く絶景100本!


■フィン・ブラントン/成原慧・生貝直人監訳 『スパム[spam]:インターネットのダークサイド』 河出書房新社、12/282400円+税 〔詳細〕

 *「迷惑メール=スパム」は誰が、どのように、何のために送っているのだろうか? 何気ない題材から広がるインターネットの影の歴史。


■アンジェラ・アッカーマン、ベッカ・パグリッシ/滝本杏奈訳 『感情類語辞典』 フィルムアート社、12/281600円+税 〔詳細〕

 *本書は、人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた、創作者のための新しい「類語辞典」です。本書が手元にあれば、お決まりの表現に頼らずに、登場人物をより人間らしくリアルに描き、物語を引っ張っていく魅力的なキャラクターを生み出すことが可能になります。


■谷川渥 『江戸のバロック:日本美術のあたらしい見かた』 河出書房新社、12/292500円+税 〔詳細〕

 *16世紀末からヨーロッパを席巻したバロック様式。同時期に日本にも、こってりと過剰な美を追求した芸術家たちがいた。その代表的作品をオールカラーで紹介する、かつてない江戸美術入門。


■宮沢章夫、大森望、泉麻人、輪島裕介、都築響一、さやわか、NHKニッポン戦後サブカルチャー史製作班 『NHKニッポン戦後 サブカルチャー史深堀り進化論』 NHK出版、12/311600円+税 〔詳細〕

 *豪華講師陣が誘う、めくるめくサブカルチャーの世界。→11月刊行予定が12月に延期。


 

【2016年1月に出た本から】

 

■上田篤盛 『戦略的インテリジェンス入門:分析手法の手引き』 並木書房、1/52700円+税 〔詳細〕

 *30年以上にわたり防衛省および陸上自衛隊で情報分析官などとして第一線で勤務した著者が、インテリジェンスの分析手法を具体的な事例をあげながらわかりやすく紹介。インテリジェンスの作成から諜報、カウンターインテリジェンス、秘密工作、諸外国の情報機関等々、情報分析の基礎知識を網羅。


■シャーリイ・ジャクスン/渡辺庸子訳 『日時計』 文遊社、1/52700円+税 〔詳細〕

 *ハロラン家にもたらされた“お告げ”。それは世界が天災に見舞われ、たった一晩のうちに破壊されてしまうというものだった。そして「屋敷」は新世界への方舟となる。シャーリイ・ジャクスンの長篇、本邦初訳。


高槻成紀 『タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』 誠文堂新光社、1/62000円+税 〔詳細〕

 *なぜ「化かす」と思われていた? ポンポコはどこからきている? 津波後の海岸にヒトより早く戻ってきたって本当? 野生動物とうまく共存していくために知っておきたい、長い間人のそばで生きてきたタヌキの真実


■宮澤正典 『近代日本のユダヤ論議』 思文閣出版、1/75000円+税 〔詳細〕

 *本書は、大正期から1990年代までの、日本における「ユダヤ論議」をたどる。特に、昭和戦前期を中心に、日本と上海におけるユダヤ避難民対策についてもその実態を論証。付録として70頁におよぶ「ユダヤ・イスラエル関係文献目録20052015」を収録。→これ以前の文献目録は、『日本におけるユダヤ・イスラエル論議文献目録 18771988』新泉社、1990.6、および『日本におけるユダヤ・イスラエル論議文献目録 19892004』昭和堂、2005.12として刊行。


白石晃士 『フェイクドキュメンタリーの教科書:リアリティのある“嘘”を描く映画表現 その歴史と撮影テクニック』 誠文堂新光社、1/72000円+税 〔詳細〕

 *架空の人物や事件といったフィクションを“ドキュメンタリータッチ”で描く「フェイクドキュメンタリー」。本書では、この映像手法・ジャンルにおける第一人者である著者が、本テーマについて徹底解説。


■床井雅美 『ピストル弾薬事典』 並木書房、1/73900円+税 〔詳細〕

 *本書は、ピストルで使用される代表的な270種類の弾薬およびバリーエーション、さらにそれを使用するピストルについて、1300点以上の写真・図版をもとに詳解。世界に類を見ないピストル弾薬を識別するためのリファレンス・ブックである。さらに弾薬の歴史とメカニズム、その名称についても詳しく解説。


早川書房編集部編 『新冒険・スパイ小説ハンドブック』 ハヤカワ文庫NV1/81000円+税 〔詳細〕

 *冒険小説、スパイ小説に興味はあるけれど、どの作品から読めばいいんだろう? そんな疑問に、本書が答えます。北上次郎氏らによる座談会「架空の冒険・スパイ小説全集をつくる」をもとに国内外の傑作百冊を徹底紹介。作家論、エッセイ、映画論も収録。入門者からマニアまで、すべての読者に贈る、新たな必携ガイドブック。


■サキ/和爾桃子訳 『けだものと超けだもの』 白水Uブックス、1/81400円+税 〔詳細〕

 *生前最後の短篇集。名作「開けっぱなしの窓」「お話上手」他、軽妙な話術とウィットが冴えわたるサキの名短篇集を初の全訳。挿絵エドワード・ゴーリー。


■リン・パイケット/白井義昭訳 『ウィルキー・コリンズ』 彩流社、時代のなかの作家たち71/83800円+税 〔詳細〕

 *『白衣の女』、探偵小説『月長石』などで1860年代に一躍人気作家となったウィルキー・コリンズ。変化する時代のなかで、作家はどのように生き、どのように書いたのか。多彩な作品群と当時の思想、社会システムなどのコンテクストの関係を明らかにする。→12月刊行予定が20161月に延期。


■夫馬信一 『幻の東京五輪・万博1940 原書房、1/83500円+税 〔詳細〕

 *1940(昭和15)年に開催予定だった東京五輪、日本万博について、豊富な写真や図版を駆使してビジュアルに読み解く。五輪マークを意匠登録した男、五輪・万博ポスターを作った人物、建設された施設、挫折に至った真相など、その全貌に迫る。


■戸田山和久 『恐怖の哲学:ホラーで人間を読む』 NHK出版新書、1/9860円+税 〔詳細〕

 *人間存在の複雑さを読み解くのに格好の素材がホラーだ。おなじみのホラー映画を鮮やかに分析し、感情の哲学から心理学、脳科学まで多様な知を縦横無尽に駆使、恐怖の正体に迫る。


G・K・チェスタトン/南條竹則・坂本あおい訳 『ブラウン神父の知恵』 ちくま文庫、1/9760円+税 〔詳細〕

 *独特の人間洞察力と鋭い閃きでブラウン神父が逆説に満ちたこの世界の有り方を解き明かす。全12篇を収録。新訳シリーズ第二弾。解説・甕由己夫。


■乾石智子 『滅びの鐘』 東京創元社、1/91900円+税 〔詳細〕

 *二つの民族の平和の象徴だった鐘が砕かれ、闇の魔物が解き放たれた。封じることができるのは、古の呪歌のみ。圧倒的なスケールと筆致で送る、本格ファンタジーの金字塔。


畝山智香子 『「健康食品」のことがよくわかる本』 日本評論社、1/121600円+税 〔詳細〕

 *従来の特定保健用食品(トクホ)と異なる機能性表示食品が登場した。巷に氾濫する「いわゆる健康食品」とともに、その真実を暴く。


秋成研究会編 『上田秋成研究事典』 笠間書院、1/152800税 〔詳細〕

 *本書は、文人秋成の業績を総体として捉え、あらゆる角度から分析するために編まれた事典であり、また同時に、文学作品を読んで「なんとなく面白かった」という地点から、その作品の魅力や豊かさを自分のことばで最大限引き出していく、「研究」に向かうための入門書です。


小林忠編 『歌麿 THE BEAUTY 小学館、1/15120,000 〔詳細〕

 *美人画は歌麿にとどめ」と言わしめた浮世絵師・喜多川歌麿の美人画を100図厳選。通常の美人画50図と、歌麿のもうひとつの偉業である春画50図を一冊に凝縮して紹介。


■相田洋 『中国妖怪・鬼神図譜:清末の絵入雑誌『点石斎画報』で読む庶民の信仰と俗習』 集広舎、1/153500円+税 〔詳細〕

 *空前絶後の中国オカルト図鑑。天界の神々から妖怪、呪術、仙人まで、激動の世紀末中国を騒がせた神秘事件を通し、四千年の歴史が生んだ百鬼諸神の実像を細密なイラストで活写した、宗教民俗大全。


■美篶堂 『美篶堂とつくる美しい手製本:本づくりの教科書 12のレッスン』 河出書房新社、1/152700円+税 〔詳細〕

 *「本づくり学校」の製本レッスンが1冊に。基本となる角背上製本から革装スケッチブック、コーネル装、活版印刷……より美しい本を作りたい、製本知識を身につけたい方も満足できる決定版。


■ジョン・ポールフリー/雪野あき訳 『ネット時代の図書館戦略』 原書房、1/183500円+税 〔詳細〕

 *ネット検索で手軽に情報を入手できるこの時代に、公共図書館はなぜ必要なのか、どうあるべきか。すべての人が情報にアクセスし、知識を得る権利を守るための図書館の変革と未来像を米国デジタル公共図書館設立委員長が提唱。


ウィリアム・ウィルフォード/高山宏訳 『道化と笏杖』 白水社、《高山宏セレクション/異貌の人文学》第2シリーズ、1/196400円+税 〔詳細〕

 *中世の愚者文学、シェイクスピア劇から現代のサーカス・映画まで、秩序と混沌の間に立ち、世界に混乱と豊饒をもたらす 〈道化〉 の元型的イメージを探り、その機能を論じた道化論の決定版。→元版は晶文社、19833月刊行。→原書(1969年)を発表同年に逸早く紹介・援用した山口昌男氏の記念碑的エッセー「道化と幻想絵画」(単行本初収録)他を追加収録。新版・訳者あとがきには晶文社版以後の注目すべき道化論・研究書リストも。


前田亮一 『今を生き抜くための 70年代オカルト』 光文社新書、1/19820円+税 〔詳細〕

 *UFOUMA、超能力、心霊写真、ピラミッドパワー、ムー大陸などの70年代オカルトは、どこから来て、どこに向かったのか? 著者が子ども時代に体験した昭和オカルトブールの検証から始まり、その発祥をたどり、日本で“オカルト”と呼ばれているものの実態に迫ろうというものである。


■池上英洋 『かわいいルネサンス』 東京美術、1/191800円+税 〔詳細〕

 *天使や聖母、美少年と美少女、動物たち……ルネサンス美術には西洋絵画の「かわいい」イメージソースがあふれています。イタリア・ルネサンスの巨匠を中心に、かわいい作品を厳選。気軽に親しめるルネサンス芸術の入門書として最適。


■ノア・ストリッカー/片岡夏実訳 『鳥の不思議な生活 ハチドリのジェットエンジン、ニワトリの三角関係、全米記憶力チャンピオンVSホシガラス』 築地書館、1/192400円+税 〔詳細〕

 *フィールドでの鳥類観察のため南極から熱帯雨林へと旅する著者が、ペンギン、アホウドリ、純白のフクロウなど、鳥の不思議な生活と能力についての研究成果を、自らの観察を交えて描く。


■大津真作 『異端思想の500年:グローバル思考への挑戦』 京都大学学術出版会、学術選書0731/202000円+税 〔詳細〕

 *異端思想家たちは時代の既存の概念をどのように打ち破ったのかを明らかにすることで、現代に生きる我々に対して発想の転換をせまる。→201510月刊行予定だったが20161月に変更。


■乃至政彦 『戦国の陣形』 講談社現代新書、1/20760円+税 〔詳細〕

 *魚鱗、鶴翼、車懸…。なぜ大河ドラマ等では説得力に乏しい会戦シーンがまかり通るのか。陣形の変遷を辿ってわかった衝撃の中世軍事史。


■原田宏二 『警察捜査の正体:市民のための犯罪捜査学入門』 講談社現代新書、1/20840円+税 〔詳細〕

 *本書は、まず、警察の犯罪捜査をめぐる法律を徹底的に点検、幹部が増加し捜査能力が落ちている警察組織を検証する。心ある警察官と、平穏な生活を送り冤罪に巻き込まれたくない市民のための必読書。同時に警察の健全化、民主化、透明化をライフワークとする元警察幹部の集大成となる1冊である。


■田中周紀 『巨悪を許すな!:国税記者の事件簿』 講談社+α文庫、1/20880円+税 〔詳細〕

 *脱税に絡む「わるいやつら」の巧妙な手口をベテラン国税記者が徹底的に解き明かす。新人税務署員や国税担当新米記者らの入門書、東京地検特捜部・新人検事の参考書として関係者の間で大いに“活用”されているという伝説の本(著者は国税局内で講演できる唯一の記者)が、新章を含む大幅加筆で待望の文庫化。→元版は『国税記者実録マルサの世界』講談社、201112月刊行であろうか。


クリストフ・ポンセ/ヒロ・ヒライ監修、豊岡愛美訳 『ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎:ルネサンスの芸術と知のコスモス、そしてタロット』 勁草書房、1/212500円+税 〔詳細〕

 *妖精クロリスと西風の神ゼピュロス、春の女神フローラと愛の女神ウェヌス、三女神を矢で狙うクピードー、学知の神メルクリウス。これらの人物は何を意味しているのか? 何のために描かれたのか? 秘密の鍵をにぎるのは一枚のタロット・カード 《恋人》。愛と詩情あふれるルネサンスの「知のコスモス」を豊かに描きだす快著!→編集の経緯はこちら


■マーティン・J・ドアティ/角敦子訳 『世界の無人航空機図鑑:軍用ドローンから民間利用まで』 原書房、1/213800円+税 〔詳細〕

 *無人航空機(ドローン)の登場で、現代戦は新たな次元に突入した。軍用以外でも空撮、救助、観測など活用の幅が広がっている。本書はドローンの歴史、飛行原理、機能、運用展開と代表的なモデルについて200点以上のカラー図版により解説する。


東雅夫編 『文豪山怪奇譚:山の怪談名作選【明治・大正編】』 山と渓谷社、1/22900円+税 〔詳細〕

*近代の文豪から現代の人気作家まで数多くの作家が、深山幽谷を舞台とする神秘と怪異の物語を手がけてきた。本書は、山を愛し読書を愛する人々にとって必読の名作佳品を集大成した史上初のアンソロジー企画。


■平井紀子 『図書館員のための解題づくりと書誌入門』 日外アソシエーツ、1/221850円+税 〔詳細〕

 *解題づくりとはどういうことか、解題の意義や機能、解題執筆の心得、文献渉猟の楽しみなど、自著を題材として解説する図書館員のための手引き書。研究と書誌の深いつながりが理解でき、広く文献に係わる人たちにも役立つ。


『西洋美術作品レファレンス事典 個人美術全集・絵画篇Ⅱ(20世紀以降)』 日外アソシエーツ、1/2285000円+税 〔詳細〕

 *西洋の個人美術全集・全作品目録(レゾネ)、主要個人画集など124145冊に掲載された絵画作品の図版を探せるツール。「Ⅱ」では20世紀以降に活躍した人物の全集を調査し、作品図版情報22,000点を収録。作品名ごとに作家・収載全集名・制作年代・素材・技法・所蔵機関を記載。


■ねこシネマ研究会 『ねこシネマ。』 双葉社、1/221200円+税 〔詳細〕

 *愛嬌タップリなねこ達が登場するシネマを1冊にまとめました。ねこが主役、また主役でなくても重要なファクターだったり、印象的だったり……。ねこ好きであれば必ず見ておきたい作品ばかり。


■安松みゆき 『ナチス・ドイツと〈帝国〉日本美術:歴史から消された展覧会』 吉川弘文館、1/254500円+税 〔詳細〕

 *ナチス政権下で開かれた伯林日本古美術展覧会。日独メディアの報道内容から展覧会の全貌に迫り、美術と政治が交錯する世界を描く。


■ベス・シャピロ/宇丹貴代実訳 『マンモスのつくりかた:絶滅生物はクローンで再生するか』 筑摩書房、1/252200円+税 〔詳細〕

 *絶滅したマンモスのクローンを、野生に放つ──復活は本当に可能なのか?危険はないか? 第一線の科学者が現状と展望を熱く語る。


■中野三敏 『師恩:忘れ得ぬ江戸文芸研究者』 岩波書店、1/262400円+税 〔詳細〕

 *近世文学研究の泰斗が、謦咳に接した先師・先学、啓発された畏友・学友たちの思い出を心情あふれる筆で細やかに綴ったエッセイ集。著者ならではの交流の広がりから、人びとを通して近世文学研究のあゆみが描かれる。


■トラヴィス・マクデード/矢沢聖子訳 『古書泥棒という職業の男たち:20世紀最大の稀覯本盗難事件』 原書房、1/262500円+税 〔詳細〕

 1931年ニューヨーク。厳重に守られた図書館の保管庫から稀少本が次々と姿を消した。本泥棒という禁断の職業に手を染めた男たちと、消えた蔵書の捜査に全てを捧げる図書館特別捜査員の熱き攻防を描く。


■リー・ネヴィル/龍和子訳 『図説 現代の特殊部隊百科』 原書房、1/262800円+税 〔詳細〕

 *特殊部隊の活動を、9・11後から現在まで、アメリカ特殊部隊を中心にまとめた。200点以上におよぶ臨場感あふれる写真とともに描きだす。写真、作戦マップ、実際の作戦を図解したイラスト、特殊部隊の編成、装備、戦術などを解説する囲み記事も多数。 


デトレフ・リュスター/石丸昭二訳 『外科医:名声と忘却のあわいに揺れる職業』 法政大学出版局、1/263000円+税 〔詳細〕

 *学識と技倆のある手術師か、災厄をもたらす放浪のいかさま師か。外科医という職業は、魔術と宗教的迷信に取り巻かれ、曖昧で謎多き存在であった。古代から近代まで、数千年にわたる職人的開業医の興味深い生態を描く医療文化史。


《ユリイカ》20163月臨時増刊、出版の未来:書店・取次・出版社のリアル、青土社、1/271300円+税 〔詳細〕

 *緊急特集!!自ら分析し、自らで切り開く。出版業界に未来はあるのか。


■秋篠宮文仁、小林忠、小宮輝之、湯浅浩史著・監修 『若冲の描いた生き物たち』 学研プラス、1/294200円+税 〔詳細〕

 *若冲の絵の素晴らしさを余すところ無く解説した「美術画集」の部分と、そこに描かれた生き物の生態や、そこから想像される人々の文化的側面にも触れた「図鑑」的な部分からなる、若冲の「生物観」に迫る一冊。


■ウィリアム・デレズウィッツ/米山裕子訳 『優秀なる羊たち:米国エリート教育の失敗に学ぶ』 三省堂、1/292500円+税 〔詳細〕

 *一様に賢く、才能に溢れた米国エリート学生たち。だが実は同時に、小心で不安に怯えた「優秀なる羊たち」だった。現状を様々な観点から分析。大学教育のあるべき姿を問い、若者たちを真の学びへと誘う。


■浦西和彦編 『谷沢永一 二巻選集 精撰文学論』 言視舎、1/304500円+税 〔詳細〕

 *精緻な書誌学者として知られる文学研究家、辛辣な書評で鳴る文芸評論家、「人間通」という言葉を広めた張本人で人生論の達人。多岐にわたる谷沢永一の仕事の精髄を、上巻は文学論、下巻は人間論の二巻に凝縮した決定版。下巻は鷲田小彌太編で「精撰人間通」、2016年春刊行の予定。


■大瀧啓裕編著 『ヴァージル・フィンレイ幻想画集』 青心社、1/301600円+税 〔詳細〕

 *伝説の幻想小説誌『ウィアード・テイルズ』を中心に、そうそうたる幻想・SF作家たちの挿絵を手がけ、その精緻を極めた流麗な画風で幻想・SFイラストの最高峰と讃えられたヴァージル・フィンレイの画業を収録した『Virgil Finlay幻想画集』を34年ぶりに復刻刊行!→『Virgil Finlay幻想画集』青心社、1981.6の復刻版(その後、2巻本で『ヴァージル・フィンレイ 幻想画集』(青心社、1986.911)も出ている)。


山本真司 『《シェイクスピア》と近代日本の図像文化学:エンブレム、ジェンダー、帝国』 金星堂、1/315000円+税 〔詳細〕

 *シェイクスピア没後400年の記念すべき年に、日本人が《シェイクスピア》に向きあう意味を改めて問いなおす。→「第四章 1四折本(Q1)『リア王』における悪魔祓いとジェンダー・クライシス」は気になる。


菅原壽清編訳 『シャーマニズムとはなにか:シベリア・シャーマニズムから木曽御嶽信仰へ』 岩田書院、1月、11800円+税 〔詳細〕

 *先に、ローエルの『オカルト・ジャパン』を翻訳した訳者が、今回は、ツァプリカ(1884-1921)、シロコゴロフ(1887-1939)の著書を翻訳し、また、ファースとルイスの著書を読み解き、さらに木曽御嶽信仰および中国雲南の調査に基づく研究成果により、従来、エリアーデの理論に従って誤解され理解されてきた「シャーマニズム」とは何かを、問い直す。


 

【2016年2月上旬に出た本から】

 

■ガイ・ヘンリー/日本語版監修:北島明弘 『SF大クロニクル』 KADOKAWA2/15500円+税 〔詳細〕

 *スター・ウォーズ ブレードランナー アべンジャーズ バットマン エイリアン 猿の惑星・・・ 壮大かつ緻密な作品世界の全貌。250以上の名作と1700以上の項目で SF史をビジュアルに紹介。→どうもSF映画に偏っているみたい。


■永原康史 『インフォグラフィックスの潮流:情報と図解の近代史』 誠文堂新光社、2/12800円+税 〔詳細〕

 *複雑な情報を視覚化し理解を促すためのインフォグラフィックが、いま大きな注目を集めている。黎明期から現代にいたるインフォグラフィックの発展史を豊富な図版とともに辿り、その視点や方法論を丁寧に読み解く。


■佐藤健二 『浅草公園凌雲閣十二階:失われた〈高さ〉の歴史社会学』 弘文堂、2/24200円+税 〔詳細〕

 *稀代の郷土史家にして考証家、喜多川周之。遺された膨大な資料をもとに、関東大震災前の東京・盛り場=浅草にたつ凌雲閣十二階とそこに集う有名無名の群衆を描く。 


■山田順子 『絵解き「江戸名所百人美女」:江戸美人の粋な暮らし』 淡交社、2/21600円+税 〔詳細〕

 *歌川国貞作「江戸名所百人美女」に描かれた、美女100人の人生とは? 浮世絵から読み解く、十人十色の江戸暮らし。


東北学院大学震災の記録プロジェクト金菱清(ゼミナール)編 『呼び覚まされる霊性の震災学:3.11 生と死のはざまで』 新曜社、2/22200円+税 〔詳細〕

 *霊を乗せて走るタクシー タクシードライバーの幽霊体験、その真相とは? わが子は記憶のなかで生きていると慰霊碑を抱きしめる遺族、700体もの遺体を土中から掘り起こして改葬した葬儀社、津波のデッドラインを走る消防団員、骨組みだけが残った防災庁舎を震災遺構として保存するかなど、被災地の生と死の現場に迫るノンフィクション。亡くなった肉親や津波犠牲者の存在をたしかに感じるという、目にみえない霊性の世界に迫ります。


菊池良生 『貴賤百態大公戯:超説ハプスブルク家』 エイチアンドアイ、2/31800円+税 〔詳細〕

 *「何もしない王朝」最大の武器、それは王家同士の婚姻だった。背けば貴賤婚と差別されるハプスブルク家の鉄の掟に、命を賭けて抗った大公・大公女たちの狂乱の態をハプスブルク研究の泰斗が語り尽くす。


永田郁 『古代インド美術と民間信仰:中世美術史料』 中央公論美術出版、2/414000円+税 〔詳細〕

 *古代インド美術は民間信仰の土壌の中でどのように発生し、展開していったのか。民間信仰の神・ヤクシャ(夜叉)の造形分析を通じ、仏像や菩薩像の生成に民間信仰やその造形が果たした役割を明らかにする。


■王永寛/尾鷲卓彦訳 『酷刑:血と戦慄の中国刑罰史』 徳間文庫カレッジ、2/51050円+税 〔詳細〕

 *中国四千年は、残虐きわまりない刑罰の歴史でもあった。厖大な史料を駆使し、刑罰を通じて「中国」の底知れなさと人間存在の魔性に迫った衝撃の書。


■牧野隆夫 『仏像再興:破損仏に命を吹き込む』 山と渓谷社、2/51800円+税 〔詳細〕

 *三十数年にわたり、無名の仏像修復を中心に手掛けてきた「仏像の町医者」こと、吉備文化財修復所代表・牧野隆夫氏による仏像修復の記録。


■マーク・グッドマン/松浦俊輔訳 『フューチャークライム:サイバー犯罪からの完全防衛マニュアル』 青土社、2/53400円+税 〔詳細〕

 *技術の進歩は計り知れない犯罪を生んでいる。世界でトップクラスのセキュリティの権威が、デジタル世界のアンダーグラウンドの実態を克明に描き、犯罪者、企業、さらには国家が開発を進める成長途上にある技術を紹介し、誰もがかつてないほど攻撃を受けやすくなっていることを白日のもとにさらけ出す。


島本浣 『日仏「美術全集」史:美術(史)啓蒙の200年』 三元社、2/85600円+税 〔詳細〕

 *美術全集をあなどるな。美術全集を再考して見えてくる美術(史)のはらむ問題圏。19世紀初頭から20世紀末までに出版された日本とフランスの「美術全集」年代史を縦糸に、美術(史)受容、近代美術史観生成、美術啓蒙のエクリチュ―ル、加えて全集企画者、美術出版社、図版印刷史など多様な問題群を横糸として織り上げた、過去に類例のない研究書。資料として本書に収録している「日仏美術全集リスト」に各全集の監修者や巻構成等を加えた詳細なカタログを公開。


太田尚樹 『尾崎秀実とゾルゲ事件:近衛文麿の影で暗躍した男』 吉川弘文館、2/102400円+税 〔詳細〕

 *「売国奴」か、それとも「世界平和のために戦った殉教者」か。新資料によって人間関係をたどり、評価が多様化する尾崎の実像に迫る。


藤本貴之 『だからデザイナーは炎上する』 中公新書ラクレ、2/10780円+税 〔詳細〕

 *五輪エンブレム騒動は、業界に潜む「勘違い」や「内輪感」を浮き彫りにし、デザイナー周辺を炎上し尽くした。その焼け野原にやってきたのが「デザイナー・冬の時代」だ。インターネット時代に生き残るデザイナーの「条件」とは? デザインに関わる人、必読!


大嶽幸彦 『探検家と地理学者:18世紀フランスの啓蒙思想と地誌学』 古今書院、2/103200円+税 〔詳細〕

 *地誌学が受けてきた様々な批判の諸相を内外の文献をもとに考察。さらに、18世紀における世界の地理的諸相を概観する。

 

【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)

 

◆2016年2月中旬以降刊行予定

■石上阿希 『へんてこな春画』 青幻舎、2/112300円+税 〔詳細〕

 *歌舞伎から文学、医学書までを元ネタに、当時流行した風俗や文化をパロディ化し、その「見立て」をめぐり、描き手と読み手が高度な知性のバトルを愉しんだ「春画」。本書は、男女の交わりばかりが注目される「春画」のもうひとつの世界を、元ネタ図版+解説とともに紹介する初の本。


山根明弘 『ねこはすごい』 朝日新聞出版、朝日新書、2/12760円+税 〔詳細〕

 * 熊より強い、3メートル以上跳ぶ、人の死を予知、家電も使えるetc. 知られざる「ねこのすごい力」に迫る。ねこ研究の第一人者が「猫島」での長年のフィールドワークで得た、ねこのふしぎな生態や行動などの最新情報を紹介。


氏家幹人 『増補 大江戸死体考:人斬り浅右衛門の時代』 平凡社ライブラリー、2/131300円+税 〔詳細〕

 *刀剣の試し斬りと鑑定を家業とし、生き肝から作った「霊薬」で富を築いた山田浅右衛門を軸に、屍でたどる江戸のアンダーワールド。人斬りの家・山田家の女性たちに関する論考を増補。


伊藤慎吾編 『妖怪・憑依・擬人化の文化史』 笠間書院、2/152200円+税 〔詳細〕

 *古代から現代、『日本書紀』から『妖怪ウォッチ』まで文学・絵画・民俗資料や、小説・マンガ等の中で異類たちはどのように表現され、背後にどのような文化的要素があったのか。異類の文化を解き明かす、初の入門書。


石川幹人 『なぜ疑似科学が社会を動かすのか:ヒトはあやしげな理論に騙されたがる』 PHP新書、2/15800円+税 〔詳細〕

 *企業の採用で使われる性格診断、放射能除染ができると信じられたEM菌……なぜあやしい科学が社会を動かす? 進化生物学で考える。


佐藤健太郎 『健康になれない健康食品:なぜニセ情報はなくならないのか』 春秋社、2/171800円+税 〔詳細〕

 *がん療法、サプリメント、美容法、母乳育児、有機農法……。メディアに踊る、企業のご都合主義のエセ情報から、身を守るには? 医薬品会社の研究者からサイエンスライターに転身した著者が、ニセ科学の常套句から、ナチュラル志向の意外な落とし穴まで、健康情報の「表と裏」をわかりやすく徹底解説。


和田秀樹 『学者は平気でウソをつく』 新潮新書、2/17778円+税 〔詳細〕

 *臓器を診て患者を診ない医者、金持ちばかり味方する経済学者、教育現場を知らない教育学者、何にでもコメントする社会学者……。信じる者は、バカを見る!


■クライブ・ギフォード 『だまされる脳』 ゆまに書房、2/182500円+税 〔詳細〕

 *私たちの脳は完璧なものではありません。本書は脳の働きと変化に関するしくみを、豊富な図版を用いて科学的に解説します。 64ページの薄い本。


■ウィルヘルム・ヴォリンガー/中野勇訳 『ゴシック美術形式論』 文春学藝ライブラリー、2/191140円+税 〔詳細〕

 *ヨーロッパ中世に花開いたゴシック美術はなぜどのように生まれたのか? ドイツを代表する美術史家が、その根源に迫った歴史的名著。→元版は座右宝刊行会、1944年、後に岩崎美術社、1968年刊行。


■樋口広芳 『鳥ってすごい!』 山と渓谷社、ヤマケイ新書、2/19900円+税 〔詳細〕

 *200日間飛び続ける鳥、飛ぶための徹底した体の軽量化と構造の強化、極寒に耐えられる羽毛のすごさ、美しすぎる鳥、北極から南極まで渡る鳥、恐るべきカラスの知能、巧みに他の鳥に子育てさせる鳥、シカの糞をシカの耳に詰めたり滑り台で遊ぶ鳥などなど、鳥たちのたくみですばらしい技や興味深いエピソードを余す所無くご紹介。


荒俣宏、松岡正剛 『月と幻想科学』 リットーミュージック、立東舎文庫、2/19800円+税 〔詳細〕

 *稀代の碩学2人が語った月にまつわる文学、科学、神秘主義、そしてタルホ。→元版は、工作舎プラネタリー・ブックス、197910月刊行。


■横山茂雄 『神の聖なる天使たち:ジョン・ディーの精霊召喚15821607 研究社、2/204500円+税 〔詳細〕

 *エリザベス朝における知の巨人ジョン・ディーと錬金術師エドワード・ケリーが水晶球の中に見出したのは、神の遣いか、魔界の使者か? 世界の真理と富を追求する果てに現れた精霊は、はたして実在したのか? 天使の言語「エノク語」は解読可能なのか? 著者みずからディーの膨大な手稿を読み解き、余白の書き込みや抹消部分に至るまで丹念に目を通し、さらに同時代の資料を博捜することで明らかにする、驚愕の真相。構想四十年、畢生の大作。図版多数収録。


伊藤龍平 『ネットロア:ウェブ時代の「ハナシ」の伝承』 青弓社、2/202000円+税 〔詳細〕

 *ネット以前からネット黎明期、そして現在と、ウェブ発達の端境期を体験してきた著者が、「都市伝説」「オカルト」「噂話」などの奇妙な「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みを「2ちゃんねる」などの掲示板を中心に、SNSや動画共有サイトも視野に入れて明らかにする。


ウンベルト・エーコ橋本勝雄訳 『プラハの墓地』 東京創元社、2/223500円+税 〔詳細〕

*ユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモーネ・シモニーニ。偽書作りの名手であるシモニーニがいかにしてユダヤ迫害のもととなった偽書『シオン賢者の議定書』を生み出し、どのように世界にそれが広まり憎しみの渦を作り上げたか?


T.ピーターズ、RJ.ラッセル、M.ヴェルカー編/小河陽訳 『死者の復活:神学的・科学的論考集』 日本キリスト教団出版局、2/225600円+税 〔詳細〕

 *キリスト教信仰の根幹である「死者の復活」。神学、宗教学、自然科学、工学など、多彩な学問領域の研究者18名が考究。科学が予告する宇宙の終末と神学的終末論の関係、体の復活の可能性、「同一人格の復活」の定義など、キリスト教神学と自然科学とを対話させる創造的相互交流。


佐々木太郎 『革命のインテリジェンス:ソ連の対外政治工作としての「影響力」工作』 勁草書房、2/234500円+税 〔詳細〕

 *ソ連の対外革命戦略のすがたとは? 本書は、影響力のある個人を使って標的国の世論や政策を秘密裡に誘導する政治工作、すなわち「影響力」工作を、ソ連が戦間期から1940年代半ばにかけて世界各地で展開していたことを明らかにする。


マーク・マゼッティ/小谷賢・池田美紀訳 『CIAの秘密戦争:「テロとの戦い」の知られざる内幕』 ハヤカワ・ノンフィクション、2/242200円+税 〔詳細〕

 *インテリジェンスと安全保障分野に精通し、CIAと対テロ戦争の最前線を追い続ける《ニューヨーク・タイムズ》のトップ・ジャーナリストが、膨大な取材をもとに劇的に変貌を遂げつつある世界最大の情報機関と「影の戦争」の実態に光を当てる。


■加藤隆則 『習近平暗殺計画:スクープはなぜ潰されたか』 文藝春秋、2/241600円+税 〔詳細〕

 *中国駐在10年の敏腕記者に、前代未聞の特ダネ禁止令! 読売本社に何が起きたのか?「習近平暗殺計画」をスクープした筆者が問う。


《ナイトランド・クォータリー》vol.04 異邦・異境・異界、アトリエサード(発売:書苑新社)、2/251700円+税 〔詳細〕

 *身近なところから秘境まで、異界に遭遇する物語の特集!!ランズデール、ホジスン、ラヴクラフトほか翻訳7編、日本作品は朝松健と友成純一を掲載。


■ジャイルズ・ミルトン/築地誠子訳 『レーニン対イギリス秘密情報部』 原書房、2/253500円+税 〔詳細〕

 *ロシア革命前夜の1916年から革命後の1921年まで、インドにも革命を起こそうとするロシアと、これを防ごうと決死の諜報活動をするイギリス情報部との息詰まる戦いの記録。あらゆる人間の思惑を濃密に描いたロシア革命裏面史!→20151023日刊行予定だったが、未刊。→『ロシアンルーレット』から訳題変更。


■塩谷清人 『ジョナサン・スウィフトの生涯:自由を愛した男』 彩流社、2/252800円+税 〔詳細〕

 *『ガリヴァー旅行記』の作者スウィフトとはいったい何者だったのか。作品を繰り出しては物議をかもしつづけたスウィフトの、痛烈な諧謔と風刺の精神の源とは? 作品や書簡などもひもときながら、思うに任せぬ環境のなか、徹底的にあがき、自由に生きようとした男の生涯をたどる。


■原田実 『江戸しぐさの終焉』 星海社新書、2/26840円+税 〔詳細〕

 *日本の教育をむしばんだ「江戸しぐさ」を終わらせるために。創作者・芝三光の人となり、推進団体のお家騒動、そして教育界の混乱。新史料をもとに、作られた伝統・江戸しぐさに引導を渡す一冊。


山口謠司 『日本語を作った男:上田万年とその時代』 集英社インターナショナル、2/262300円+税 〔詳細〕

 *明治にはまだ「日本語(標準語)」はなかった。近代言語学をはじめて日本に導入し、仮名遣いの統一などを通じ近代日本語の成立にきわめて大きな役割を果たした国語学者・上田万年の生涯を描く。


植田康夫 『出版の冒険者たち。:活字を愛した者たちのドラマ』 水曜社、2/262200円+税 〔詳細〕

 *本と雑誌。活字を愛した者たちのドラマ。出版社創業時の苦労話、大型企画の誕生秘話、新雑誌創刊のきっかけなどを紹介する一冊。


クリス・マクナブ/角敦子訳 SAS・特殊部隊式図解サバイバル・テクニック』 原書房、2/262000円+税 〔詳細〕

 *「自分の身は自分で守ろう」と考える人びとに、最悪の状況下で生きのびるテクニックを、SAS・精鋭部隊が実際に用いている方法にもとづき、豊富なイラストとともに具体的に伝授する。


《幻影城 終刊号》20161月号、2/271500円+税 〔詳細〕

*泡坂妻夫・田中文雄・栗本薫・連城三紀彦・二上洋一の再録作品や新作エッセイ、影の会通信のエッセイ、《幻影城》をめぐるエッセイと書誌などで構成。盛林堂書房/三省堂書店神保町本店/ジュンク堂池袋本店/ジュンク堂渋谷店/ブックファースト新宿店などで販売。


荒俣宏 『脳内異界美術誌:幻想と真相のはざま』(仮) KADOKAWA2/272400円+税 〔詳細〕

 *アウトサイダー・アート、幻想美術、抽象画…。精神が生み出す特異な作品群は、いかにして生み出されたのか。スペシャリストとの対談を通じその歴史やメカニズムにまで踏み込み、脅威の芸術の正体に迫る!→雑誌《怪》での連載対談「荒俣宏の脳内異界探偵」を書籍化したものらしい。→1月刊行予定が2月に。


ジョン・マッケイド/中里京子訳 『おいしさの人類史:人類初のひと噛みから「うまみ革命」まで』 河出書房新社、2/292400円+税 〔詳細〕

 *人類の祖先による最初のひと噛みから、遺伝学や脳科学に基づく最新研究、そして現在進行中の「グルメ」革命まで。謎につつまれた「味覚」に関するあらゆる最新情報を紹介する5億年の歴史。


■浜田幸絵 『日本におけるメディア・オリンピックの誕生:ロサンゼルス・ベルリン・東京』 ミネルヴァ書房、MINERVA社会学叢書、2月、7000円+税 〔詳細〕

 *メディア・イベントとしてのオリンピックによってナショナリズムが高揚し、極限に至るまでの過程を描いた力作。→11月から12月刊行予定に変更。→20161月に延期。→さらに2月に延期。


ヴェロニカ・デ・オーサ/八坂書房訳 『図説 動物シンボル事典』 八坂書房、2月、2800円+税 〔詳細〕

 *神話、宗教、神秘学、錬金術、占星術、民俗学、紋章学など、文化史全般に幅広く目配りをきかせつつ、人と動物とのかかわりの歴史を、一望のもとに鳥瞰する、画期的な事典。


■徳田和夫 『室町の妖怪:説話伝承と図像』 せりか書房、2月?

 

◆2016年3月以降刊行予定

奥野宣之 『図書館「超」活用術』 朝日新聞出版、3/71204円+税 〔詳細〕

 *集中力、発想力、思考力、教養力を得るためのすべてがあった! 一人ひとりが「答えなき問題」への解を出し、自己決定しなければならない時代。司書資格ももつ著者が、最強の使い倒し方を伝授。


乾石智子 『炎のタペストリー』 筑摩書房、3/81600円+税 〔詳細〕

 *幼い頃〈火の鳥〉に魔法を奪われたエヤアルに突然生じた能力。その力が彼女を陰謀と戦火渦巻く世界に誘う。ひとりの少女の成長を描いた本格ファンタジー。


コードウェイナー・スミス/伊藤典夫・浅倉久志訳 『スキャナーに生きがいはない:人類補完機構全短篇1』 ハヤカワ文庫SF3/91200円+税 〔詳細〕

*伝説の作家の未来史作品を年代順に収録する短篇全集第1巻。本邦初訳2篇を含む全15篇を収録。 〈続巻〉2アルファ・ラルファ大通り/3三惑星の探求


■伊藤龍也写真・文 『妖怪の棲む杜:国立市 一橋大学』 現代書館、3月上旬、1000円+税 〔詳細〕

 *一橋大学の構内では石造りの妖怪たちが100体以上もひっそり棲息している。設計は、築地本願寺を設計したことで知られる建築家の伊東忠太。武蔵野の面影を残す構内の美しい風景と、建物に潜む妖怪の数々を写し出した写真集。→20159月刊行予定が10月に延期。→さらに11月に。→さらに20161月に。→さらに3月に。


中村浩、青木豊編 『観光資源としての博物館』 芙蓉書房出版、3/152500円+税 〔詳細〕

 *時代と地域のニーズに合った博物館のあり方を「観光資源」の視点で提言する。26人の専門家が豊富な事例を紹介し、これからの博物館づくりの課題も分析する。


根崎光男 『犬と鷹の江戸時代:〈犬公方〉綱吉と〈鷹将軍〉吉宗』 吉川弘文館、歴史文化ライブラリー、3/181800円+税 〔詳細〕

 *動物好きな将軍の鳥獣政策に翻弄される庶民生活。両者の諸政策を対比し、元禄~享保年間に揺れ動いた政治や文化を動物を通して描く。


小島道裕 『洛中洛外図屏風:つくられた〈京都〉を読み解く』 吉川弘文館、歴史文化ライブラリー、3/181700円+税 〔詳細〕

 *室町から江戸にかけて、多くの作品が描かれ続けたのはなぜか。絵に込められた情報から描かせた人々の思いを読み解き、魅力に迫る。


円満字二郎 『漢字の使い分けときあかし辞典』 研究社、3/182300円+税 〔詳細〕

 *「同訓異字」の漢字の使い分けについて、詳しく、柔軟に、親しみやすい読み物ふうに解説。


一般社団法人デジタル文化財創出機構 『デジタル文化革命!:“日本を再生する文化力”』 東京書籍、3/181500円+税 〔詳細〕

 *デジタル文化資産のメリット、日本文化とデジタルの融合の可能性、文化資源とデジタル技術をめぐる世界の動き、デジタル文化財をめぐる日本の民間企業や国家機関等の現状と課題などについて、文化資産のデジタル化の具体例を挙げつつ、解説する。


内堀弘 『予感の本棚:一九ニ七年の現在』(仮) 紀伊國屋書店、3月中旬、2000円+税 〔詳細〕

 *1927年、21歳の青年が新宿の一角に15坪の書店(紀伊國屋書店)を開く。旧来の因習にはとらわれないその書店は、階上をギャラリーとし、喫茶室を併設、リトルマガジンを扱い、その発行所ともなった。作家やモダニズム詩人、画家、そして小出版社の担い手たちがつどい、「新鮮な交差がふんだんに起きた」その場所を軸に、南天堂、文化学院など同時代の「周辺」を描く。→紀伊國屋書店のPR誌《scripta》連載をまとめたもの。


■G・K・チェスタトン/田口俊樹訳 『ブラウン神父の無垢なる事件簿』 ハヤカワ文庫HM3/24840円+税 〔詳細〕

 *ブラウン神父が鋭い推理を繰り出す傑作短篇シリーズ〈第1集〉の新訳版。全12篇収録。


長山靖生 『奇異譚とユートピア:近代日本驚異<SF>小説史』 中央公論新社、3/245800円+税 〔詳細〕

 *明治期以降、ヴェルヌやロビダの影響を受けながらも、独自に発展した科学小説や政治小説の夢想力と生成過程を当時の世相から考察。


岡田温司 『天使とは何か』 中公新書、3/25800円+税 〔詳細〕

 *エンジェルとキューピッドは同じ? キリストや悪魔は天使だった? キリスト教美術に登場する天使たちを追いながら、その正体に迫る。


佐々淳行 『私を通りすぎたスパイたち』 文藝春秋、3/251500円+税 〔詳細〕

 *ゾルゲ、ラストボロフ、レフチェンコ、瀬島龍三、秘密メモ全公開。日本に侵入した様々なスパイたちの捜査秘話を含め、自らがアメリカでスパイ特訓を密かに受け、時にはスパイを操った事実を初告白。 


中村宏之 『世界を切り拓くビジネス・ローヤー:西村あさひ法律事務所の挑戦』 中央公論新社、3/251204円+税 〔詳細〕

 *世界を揺るがす企業の合併・買収(MA)や企業生命にかかわる訴訟事件を解決に導くビジネス・ローヤー(企業弁護士)の仕事術とは。


水口義朗 『『週刊コウロン』波乱・短命顛末記』 中央公論新社、3/251600円+税 〔詳細〕

 *新潮、文春に続けと老舗出版社が週刊誌を創刊。異色の編集方針を掲げ、60万部を刷ったが…。当時の新入部員が綴る55年目の敗戦記。


飯倉章 『第一次世界大戦史:諷刺画とともに見る指導者たち』 中公新書、3/25760円+税 〔詳細〕

 *第一次世界大戦では、戦意高揚や敵国を揶揄するための風刺画が、各国メディアで多用された。複雑な大戦史を絵を織り交ぜながら追う。


関誠 『日清開戦前夜における日本のインテリジェンス:明治前期の軍事情報活動と外交政策』 ミネルヴァ書房、3月、6500円+税 〔詳細〕

 *近代日本情報史の通史的考察の出発点となる明治前期日本の情報活動を明らかにする。


榎本博明 『中高年がキレる理由(わけ)』 平凡社新書、3月、760円+税 〔詳細〕

 *公共の場で突然キレる中高年(男性)が増えたのはなぜか? 実例を示し、行動の背後に潜む心理、社会的背景、対処法などを考える。


安田敏朗 『漢字廃止の思想史』 平凡社、3月、4200円+税 〔詳細〕

 *「文字に思想はない」はずなのに、効率論や西洋型先端思想やナショナリズムに基づいて漢字を制限もしくは廃止する思想を思想史として総括した意欲作。


山口建治 『オニ考:コトバでたどる民間信仰』 勁草書房、3月、2800円+税 〔詳細〕

 *オニは日本語の中にどのように登場したか。オニとは何だったか。語源を辿り、歴史に伏流する中国民間信仰「瘟神」伝来の真相に迫る。


谷口祥一、緑川信之 『知識資源のメタデータ 2版』 勁草書房、3月、3400円+税 〔詳細〕

 *体系的な説明で好評を博した初版に、知識(情報)資源の組織化にかかわる近年の最新情報を加えて改訂。図書館情報学関係者必携の書。


ジャン・ストレフ加藤橋本訳 『フェティシズム大全』 作品社、3月、3200 〔詳細〕

 *1月刊行予定が3月に延期。


藪亨 『近代デザイン史』 作品社、3月、3800円+税 〔詳細〕


■篠田知和基・丸山顕徳編 『世界神話伝説大事典』 勉誠出版、3月、25,000円+税 〔詳細〕

 *全世界50におよぶ地域を網羅した画期的大事典。言語的分布や文化的分布、モチーフの共通性など、さまざまな観点からの比較から神話の持つ機能や人間と他者の関係性などを考えるヒントを与える。従来取り上げられてこなかった地域についても、最新の研究成果を反映。→201511月刊行予定が20161月に延期。→さらに3月に。


井上浩義 『からだによいオイル』 慶應義塾大学出版会 3月、1600円+税 〔詳細〕

 *昨今注目が集まっている亜麻仁油、エゴマ油、オリーブオイル、ココナッツオイルなどオイルはどのようにからだによいのか。オイル研究の第一人者である著者が、オイルと私たちのからだの関係を多数のイラストとともにわかりやすく、科学的に解説する。


■藤川隆男 『妖獣バニヤップの歴史:オーストラリア先住民と白人侵略者のあいだに』 刀水書房、3月以降、2300+ 〔詳細〕


■アントネッラ・アンニョリ/萱野有美訳 『拝啓 市長さま、図書館の話をしましょう:空間・創造・参画』(仮) みすず書房、4/82800円+税 〔詳細〕

 *司書、館長職を経て、図書館アドバイザーとして世界中の図書館を飛び回り考察を深めてきた著者。図書館を人々が自然に集まってくる「知の広場」にするための機能・空間設計・運営法等を提言。→201512月刊行予定が、20162月に延期。→さらに4月に延期。


ディディエ・オッタンジェ/柏木博監修、遠藤ゆかり訳 『シュルレアリスム辞典』 創元社、4/119000円+税 〔詳細〕

 *1920年代、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが創始したシュルレアリスムは既成の芸術運動をはるかに超え、思想運動にまで発展した。残された数多くの言葉や作品の詳細な解説、約140点に及ぶ図版を網羅した辞典は本邦初。


アレックス・ジョンソン/北川 玲訳 『世界の不思議な図書館』 創元社、4/123200円+税 〔詳細〕

 *本さえあれば、そこは図書館になる。マドリードの地下鉄図書館からモンゴルのラクダの図書館、電話ボックスを活用した小型ライブラリーや個人宅に設けた夢の図書空間まで、世界中のバラエティあふれる変わり種ライブラリーを紹介。


山本夏彦 『私の岩波物語』 文藝春秋、文春学藝ライブラリー、4/201320円+税 〔詳細〕

 *岩波書店、講談社、中央公論社等の版元から広告会社まで、日本の言論と出版の百年を自ら主宰した雑誌「室内」の歴史に仮託して論ず。→元版は、文藝春秋、19945月、後に文春文庫、19975月。


稲葉千晴 『バルチック艦隊ヲ捕捉セヨ:海軍情報部の日露戦争』 成文社、4月、3000円+税 〔詳細〕

 *新発見の史料を用い、日本がどのようにしてバルチック艦隊の情報を入手したかを明らかにし、当時の海軍の情報戦略を解明していく。さらに情報収集の現場を訪れ、集められた情報の信憑性を確認。連合艦隊司令長官東郷平八郎が日本海海戦でどれほどの勝算を有していたか、を導き出していく。


石上三登志 『ヨミスギ氏の奇怪な冒険』(仮) 盛林堂ミステリアス文庫、4  〔詳細〕

 *映画・SF・漫画と多くの場面で活躍した石上三登志氏が 雑誌『奇想天外』に連載していたエッセイ「ヨミスギ氏の奇怪な冒険」全連載を収録。

東雅夫・下楠昌哉共編 『幻想と怪奇の英文学Ⅱ』(仮) 春風社、春

 

風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮) 彩流社、10/251600円+税 〔詳細〕

*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。→この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015123日刊行予定に延期!→さらに20151023日刊行予定に延期!→さらに20161025日に延期!


■ウンベルト・エーコ/中山エツコ訳 『ヌメロ・ゼロ』 河出書房新社、秋  〔詳細〕


■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書、2016年 〔詳細〕

 *2014年予定となっているが未刊。→2016年刊行予定に。


■エルネスト・グラッシ/原研二訳 『形象の力』 白水社、《高山宏セレクション/異貌の人文学》第2シリーズ、2016 〔詳細〕

 *論証では到達できない認識がある。反論証、反デカルトの系譜が古代弁論術から脈々としてあった。真理しか目指さないデカルトの合理主義に対して、形象、ファンタジー、芸術の力の優位を説く、マニエリスム形象論にして人文主義(フマニスム)復興宣言。


■フランシス・M・ネヴィンズ Jr./飯城勇三訳 『エラリー・クイーン 推理の芸術』()  国書刊行会

 *クイーン研究の必携本『エラリー・クイーンの世界』(1974/邦訳:早川書房、19804月)を大幅に増補改訂した "The Art of Detection"2013)の邦訳です。旧著では触れられなかった出版の内幕など、新情報を満載しています。

 

◆2015年中には刊行されなかったようです(時々知らない間に刊行されていることもあります)

■山本貴光 『「百学連環」を読む』 三省堂、2015 〔詳細〕

 *201148日~2013118日まで「三省堂ワードワイズ・ウェブ」で連載されていたものがまとまる模様。


高山宏 『アリスに驚け』 青土社、2015年冬2800円+税

 

藤井淑禎ほか編 『江戸川乱歩大事典』 勉誠出版

 

小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 作品社 〔詳細〕

 *新潮社から出た単行本の復刻ではなく、初出雑誌の『新青年』を底本にする初の試みです。両者の異同や法水が 羅列する固有名詞等にも細かく注をつけます。→垂野創一郎氏の「プヒプヒ日記」参照。


■石坂尚武 『地獄と煉獄のはざまで:中世イタリアの心性と例話の研究』 知泉書館、2015/10以降刊行予定 〔詳細〕

 *出版社のサイトからは削除されている。


アンガス・フレッチャー/伊藤誓訳 『アレゴリー:ある象徴的モードの理論』 白水社、《高山宏セレクション/異貌の人文学》第2シリーズ、2017年 〔詳細〕

 *アレゴリー(寓意)のもつ宇宙的スケールを絢爛と語り、「思考の外交的仲介者」として再評価、18世紀以来のアレゴリー蔑視、シンボル優位の風潮に異議をとなえ、現代におけるアレゴリーの復権を謳った名著。


ウィリアム・マガイアー/高山宏訳 『ボーリンゲン:過去を集める冒険者たち』 白水社、《高山宏セレクション/異貌の人文学》第2シリーズ、2017年 〔詳細〕

 *ユングが世界中の知性を集めたエラノス会議と、彼に傾倒した大富豪が創設したボーリンゲン基金・出版活動。そこに集う人々の交流を描き、20世紀を変えた〈知〉が生成される現場を活写した、知的興奮に満ちた一冊。


■フランチェスコ・コロンナ/高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林

 

フランチェスコ・コロンナ/日向太郎訳 『ポリーフィロの愛の戦いの夢』()  ありな書房

 

伊藤博明+チェーザレ・リーパ /訳 『バロック期の寓意と表象』()  ありな書房

 

紀田順一郎 『日本人と蔵書』

 

■鈴木宏 『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮) 論創社、「出版人に聞く」シリーズ 〔詳細〕


■鏡明 『マンハントとその時代』 (仮)フリースタイル 〔詳細〕

*雑誌《フリースタイル》連載。


ロミ 『自殺の歴史』 国書刊行会

 

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳・解説 『地球から月へ/月をまわって/上を下への』 インスクリプト、2015/10?、3900円+税 〔詳細〕

*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始。第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。→20149月刊行予定が延期に。→インスクリプトのサイトには20153月末とあるが刊行にならず。→6月刊行予定に変更。→10月に変更。→11月になっても「10月刊行」のままで未刊。


■松山俊太郎/安藤礼二編 『松山俊太郎 蓮の宇宙』 太田出版、4000円+税 〔詳細〕

 *201511月刊行予定だったが、未刊。


◆刊行中止の可能性あり

■木本至 『明治の諷刺雑誌かく闘えり:「団団珍聞」「驥尾団子」がゆく』 白水社、2800円+税 〔詳細〕

 *創刊者は 『西洋見聞録』 の著者、記者は戯作者・漢学者等の鬼才揃い。激動の明治時代に対し二つの反骨雑誌がどんな諧謔諷刺の矢を放ったかを、多数の図版 (123) と共に鮮やかに再現。→2015530日刊行予定だったが、あるサイトでは「生産中止」(刊行中止とはどう違う?)という表示も。


■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右社、神戸芸術工科大学レクチャーブックス

 *いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?


U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)

 *いつの間にか刊行予定リストから消えていた。


 

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■2016年1月展覧会総括

20161月に見た、美術関連の展覧会3件について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。また騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。

配列は見た順であって、会期順ではない。

 

◆評価ポイント (5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価

A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質

B:展示方法・動線設計・照明

C:雰囲気・騒音・混み具合

 

1月

 

 NikuhitsuUkiyoe_201511 001

○上野の森美術館 「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵-美の競艶:浮世絵師が描いた江戸美人100選」 会期:2015/11/202016/1/17

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*肉筆浮世絵の見所はやはり線だろう。手練れの絵師が、版木用の下絵ではなく、最終の仕上がりを目指して線を描いているのだから。そうした眼からは、初期浮世絵師の線は意外にも流れるような勢いに乏しく、ぶつぶつと切れているのに対し、さすが北斎の《美人愛猫図》などは勢いよくスーッと引いた線がなによりも素晴らしい。それ以外にも、松野親信の《立姿遊女図》、鍬形蕙斎の《江戸鳥瞰図》、河鍋暁斎の《一休禅師地獄太夫図》、小林清親の《頼豪阿闍梨》などがとりわけ良かった。

それからコレクションのどれもが素晴らしい保存状態で、原装のままなのだろうか、表装もとても良い。

最終日であったのに何とか外で並ばずに入ることができた会場は動線設計の悪い美術館なのだが、かろうじてまあまあうまく展示していた。ただ、中がひどく暑かったのと、やけにうるさかったのには閉口した。

 

○上野の森美術館 「江戸から東京へ 上野の森美術館所蔵浮世絵版画展」 会期:2015/12/262016/1/17

A★★★★ B★★★☆☆ C☆☆

*上記展示と併設して開催されていた。上野に題材を限定して、江戸期から昭和20年代に至るまでの、錦絵や木版画を展示。描かれた地域限定というのはなかなか面白い企画なのだが、バラエティ豊かに構成するのは意外に難しいのかもしれない。これは上野だからこそ幅広く作品を集めることができたと言える、いい企画だった。初代広重の名所江戸百景の《上野山内月のまつ》から始まって、戊辰戦争、内国勧業博覧会、上野公園、不忍池などが、溪斎英泉・小林清親・川瀬巴水らによってさまざまに描かれていた。こうして一堂に並べてみると、時代の激変と描き方そのものの激変もよくわかる。

 

 PreRaphaelite_Bunkamura_201512 001

Bunkamuraザ・ミュージアム 「英国の夢:ラファエル前派展 リバプール国立美術館所蔵」 会期:2015/12/222016/3/6

A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★★

*このところ毎年のようにラファエル前派の展覧会が開かれているような気がする(昨年は三菱一号館美術館で開催)。今回はリバプール国立美術館所蔵品に限定されているため、画集では見たことがあっても、実物は初めて見る作品ばかり。出来栄えはまちまちだが、なかなか楽しめる作品も多かった。気になった作品のなかで、ジョン・エヴァレット・ミレイの《ブラック・プランズウィッカーズの兵士》は、服の質感表現の超絶技巧はうならされたのだが、題材となった兵士はナポレオンに対抗する側だと言う。ならば、画面左上になぜルイ・ダヴィッド《サン・ベルナール峠のナポレオン》を元にした銅版画が飾ってあるのだろうか。フレデリック・レイトンの《ペルセウスとアンドロメダ》では、ゴルゴンの首で怪物を石に変えるのではなく、矢を怪物に向けて射ている。剣とか槍はよく描かれている気がするけど、矢は初めて。

とりわけ面白かったのは額縁。上記の肉筆浮世絵は表装の妙を愉しめたのだが、こちらは額縁の豪華さや奇抜さを楽しむことができた。図録では、まず確実に額縁などはカットされてしまうので、こればかりは実物を見るしかない。ただし、額縁は近現代作家の一部以外、恐らく所蔵者(美術館含め)によってしつらえられたであろうが、最初の所蔵者によるものとは限らないだろうし、場合によっては展示段階で適当な額縁に入れられた可能性もあるので、できれば注記しておいてほしいのだが。それでもグロテスクなばかりの重厚な額縁を見ると、肝腎の絵よりも力を込めている場合もありそうだ。

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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