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■既刊・近刊メモ(2015年6月版 Ver.1)

20155月に刊行された(はずの)本と、20156月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載分から追加した本。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【2015年5月に出た本から】
 
フラヴィオ・フェブラロ/神原正明・内藤憲吾訳 『エロティック美術の読み方』 創元社、5/13800円+税 〔詳細〕
 *西洋美術を中心に、世界のエロティック美術を古代から現代まで通観し、その表現を当時の性愛観、性習俗、社会構造、世界観などから読み解く「西洋美術の読み方」シリーズの別巻。西洋美術の名画だけでなく、スケッチ、版画、彫刻、挿絵、写本、無名画家の作品まで取り上げ、性表現の多彩で豊饒な世界を紹介する。常に美術の中心にありながら本格的に取り上げられることの少なかったエロティック美術を俯瞰できる好著。

■エドゥアール・ブラゼー/松平俊久監修 『西洋異形大全』 グラフィック社、5/53800円+税 〔詳細〕
 *不思議な西洋の異形たちの起源や真の姿などを知りたいすべての人へおくる、学術的資料性の高い1冊。西洋における250以上の異形を、「光の住人たち」「幻想動物たち」「闇の住人たち」の3つに分類し、文献上の記述、出生地・棲息地域、姿形、習性、歴史、神話・伝説・伝承上の逸話等、あらゆる角度から紹介。

倉島節尚 『辞林探究:言葉そして辞書』 おうふう、5/59000円+税 〔詳細〕
 *国語学と、「辞書編集を巡る二、三の覚書」など辞書学の論考を収める。

海野和男 『自然のだまし絵 昆虫の擬態:進化が生んだ驚異の姿』 誠文堂新光社、5/73000円+税 〔詳細〕
 *1993年に写真集『昆虫の擬態』を出してから12年。そして海野氏が擬態写真を撮るようになってから45年になった。今回の写真集は、海野氏自ら「私の決定版と言えるものにしたい」という意気込みから生まれた新版の擬態の写真集。

『タイポグラフィ07 活字の現在』 グラフィック社、5/72000円+税 〔詳細〕
 *特集「活字の現在」では、活字を組んで印刷している活版工房や活字を収蔵する博物館など、国内外の15施設を紹介。活版印刷を頼むときに役立つ活字書体見本帳や活版印刷で刷ったポストカードつき。

R. U. シュナイダー/石浦章一・宮下悦子訳 『狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験』 東京化学同人、5/72100円+税 〔詳細〕
 *本書は、科学史上の大発見(ともいえない小発見も多いが)が見つかったときや実験時のエピソード集。分野も生命科学,物理学から心理学に至るまで幅広く、研究の醍醐味、研究ともいえないちょっとした試み、異分野の偉人の発想など、一読に値するものが多い。

鈴木光太郎 『増補 オオカミ少女はいなかった:スキャンダラスな心理学』ちくま文庫、5/8840円+税 〔詳細〕
 *サブリミナル効果は捏造だった? 虹が3色にしか見えない民族がいる? 否定されているのによみがえる、心理学の誤信や迷信を読み解く。

■菊地章太『日本人とキリスト教の奇妙な関係』 角川学芸出版、角川新書、5/8800円+税 〔詳細〕
 *キリスト教の書籍はベストセラー、結婚式はチャペルで挙げる、しかし信者は国民の1%――日本人とキリスト教の特異な関係はなぜ生まれたのか。歴史をひもときながら、日本人固有の宗教観を浮き彫りにする。

■中谷伸生 『耳鳥齋アーカイヴズ:江戸時代における大阪の戯画』 関西大学出版部、関西大学東西学術研究所資料集刊、5/85500円+税 〔詳細〕
 *江戸時代の大坂が生んだ、奇矯で滑稽な戯画作者・耳鳥齋(にちょうさい)。「仮名手本忠臣蔵」(掛幅)をはじめ、多数の作品をカラーで紹介するほか、制作時期をめぐる分類試論、作品解説、資料「上方趣味」なども収録する。→3月刊行予定だったようだが、どうやら5月に刊行の運びに。

■ベン・マッキンタイアー/小林朋則訳 『キム・フィルビー:かくも親密な裏切り』 中央公論新社、5/102700円+税 〔詳細〕
 *誰からも愛されながら、その全員を裏切っていた男――MI6長官候補にして、ソ連側の二重スパイ。衝撃の亡命までの30年に及ぶ離れ業を、MI6同僚との血まみれの友情を軸に描く。

■加藤秀俊 『メディアの展開:情報社会学からみた「近代」』 中央公論新社、5/103300円+税 〔詳細〕
 *「江戸時代=暗黒」史観は正しいか。近代社会の出発点が明治維新ではなく徳川時代にあったことを説く「加藤メディア論」の集大成。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス/柳瀬尚紀訳 『幻獣辞典』 河出文庫、5/111100円+税 〔詳細〕
 *セイレーン、八岐大蛇、一角獣、古今東西の竜といった想像上の生き物や、カフカ、CS・ルイス、スウェーデンボリーらの著作に登場する不思議な存在をめぐる博覧強記のエッセイ120篇。→元版は晶文社、1974年刊行。

ミステリー文学資料館編 『古書ミステリー倶楽部 III 光文社文庫、5/12 800円+税 〔詳細〕
 *ひとたび指紋のついた本には、往々にドラマがつきまとい、ミステリアスな雰囲気を醸します。そんな謎に充ちた傑作ばかりを収めた好評の推理アンソロジー第三集!五木寛之、井上雅彦、北村薫、宮部みゆき、小沼丹、山本一力、曽野綾子、法月綸太郎、長谷川卓也。

《ナイトランド・クォータリー》vol.01 吸血鬼変奏曲、発行=アトリエサード/発売=書苑新社、5/131700円+税 〔詳細〕
 *新創刊号の特集テーマは、「吸血鬼」! 翻訳8編、日本作家3編の厳選傑作短編を掲載した他、エッセイやブックガイドで吸血鬼の魅惑に迫ります。

■小倉孝保 『三重スパイ:イスラム過激派を監視した男』 講談社、5/141800円+税 〔詳細〕
 *発端は祖国を救うためだった。アルジェリアからフランス、そしてイギリスのMI5へ――。3ヵ国の諜報機関を渡り歩いた「トリプル・エージェント」レダ・ハセインの数奇な50年。イスラム過激派との興亡、そして諜報機関の裏切り……。

■エリカ・ラングミュア/石井朗・伊藤博明訳 ロンドン・ナショナル・ギャラリー アレゴリー』 ありな書房、5/141600円+税 〔詳細〕
 *アレゴリーとは「愛は盲目」や「光陰矢のごとし」などの抽象的な表現を、絵画などの具体的な表象を用いて古代の神話や聖書、あるいは中世の占星術に範をとり、比喩的かつ暗喩的に表わす方法のことである。絵画的には、その概念を明らかにするアトリビュートをともなう、擬人像として表現されることが多い。たとえば、本書で説かれる、西欧美術に表わされたアレゴリーの主要なタイプである〈美徳〉と〈悪徳〉のように。

■今野真二 『盗作の言語学:表現のオリジナリティーを考える』 集英社新書、5/15720円+税 〔詳細〕
 *コピペやパクツイが氾濫する今、オマージュやパロディーなどの表現形態から、寺山修司、北原白秋の詩、短歌・俳句、辞書の語釈まで、日本語学の第一人者が表現のオリジナリティーの意味を徹底考察。

■定延利之編 『私たちの日本語研究:問題のありかと研究のあり方』 朝倉書店、5/152200円+税 〔詳細〕
 *「日本語」はこんなに面白い。「私たち」が何気なく話して書いて読んでいる「日本語」は、学問的な目線で見るとツッコミどころ満載である。「面白がる」ことで、日本語学の今日的なテーマを洗い出す。

■阿古真理 『小林カツ代と栗原はるみ:料理研究家とその時代』 新潮新書、5/16780円+税 〔詳細〕
 *家庭料理の革命家&カリスマ! 小林カツ代と栗原はるみを中心に、百花繚乱の料理研究家を大解剖。彼女たちは時代を映す鏡であり、その歩みは日本人の暮らしの現代史である。本邦初の料理研究家論。

■伊東ひとみ 『キラキラネームの大研究』 新潮新書、5/16780円+税 〔詳細〕
 *苺苺苺と書いて「まりなる」、愛夜姫で「あげは」、心で「ぴゅあ」……。珍奇な難読ネームが日本を席巻しつつある。その意外なルーツは日本語の本質、漢字を取り入れた瞬間に背負った宿命の落とし穴だった。目からウロコの日本語論。

■篠田航一 『ナチスの財宝』 講談社現代新書、5/19760円+税 〔詳細〕
*ヒトラーが強奪した「消えた宝」10万点のゆくえを追うルポルタージュ。略奪美術品から、ナチスと戦後ドイツの裏歴史を読み解く。

■ジャンニ・A・サルコーネ/北川玲訳 『謎解き錯視傑作135選』 創元社、5/191500円+税 〔詳細〕
 *古くから人は「謎」を好んできた。だまし絵に潜む「隠されたもの」を探し出す喜びは、今も変わらず生き続けている。本書は時代を越え、世界中で人々を魅了し続けてきたさまざまなタイプの錯視芸術の傑作を135点厳選し、クイズ形式の解説文を付した一冊。

■ヴィンセント・F・ホッパー/大木富訳 『中世における数のシンボリズム:古代バビロニアからダンテの『神曲』まで』 彩流社、5/203700円+税 〔詳細〕
 *古代文明、キリスト教、神秘主義、カバラ、魔術、民間伝承、世俗的著作などあらゆる領域における、様々な数の象徴の意味と用法を、豊富な具体的資料を用いて詳細に分析することを通して明らかにする。

■佐野秀太郎 『民間軍事警備会社の戦略的意義:米軍が追求する21世紀型軍隊』 芙蓉書房出版、5/205800円+税 〔詳細〕
 *基地支援、警護・警備、通訳、兵站支援、通信など非戦闘活動を請け負う民間軍事警備会社(PMSC)は
いまや米軍の部隊規模を上回るほど大きな存在になっている。イラク、アフガニスタンでの事例を徹底検証し、その影響力の大きさと米軍のあり方を分析した論考。

■木村元彦、大泉実成、梶田陽介、加藤直樹 『さらば、ヘイト本!:「嫌韓反中本」ブームを蘇らせないために』 ころから、5/20900円+税 〔詳細〕
 *他民族を嘲笑したり、排外主義を煽る「ヘイト本」は、すでにオワコン(終わったコンテンツ)となっている。しかし、それらがどのようにして量産されたかを明らかにせずに、「再燃」を防ぐことはできない。出版業界に生きるジャーナリストたちが、自ら立ち上がり、そのカラクリを暴く。

■安田浩一 『ヘイトスピーチ:「愛国者」たちの憎悪と暴力』 文春新書、5/20800円+税 〔詳細〕
 *はたして、被害者を生み出すばかりの「排外主義」、この拡大を食い止める術は、あるのだろうか?

■今野真二 『言語の揺れ』 清文堂出版、日本語学講座105/203500円+税 〔詳細〕
 *さまざまに変化することば。「揺れる」言語事象を、さまざまな文献から読み解く。

■長村洋一 『長村教授の正しい添加物講義』 ウェッジ、5/201300円+税 〔詳細〕
 *無添加はナチュラルで安全?添加物を摂るとがんになる?長らく食と健康の現場に携わってきた著者が明かす、添加物のホントの話。日頃、自身が感じている一般消費者の添加物に対する誤解を解く。

ましこ・ひでのり編 『ゴジラ論ノート:怪獣論の知識社会学』 三元社、5/201700円+税 〔詳細〕
 *戦後日本列島に「襲来」するゴジラをめぐる知識社会学――「ゴジラ」シリーズはじめ特撮怪獣映画・テレビドラマ、これらの作品群のかかえる寓意や政治性 - 思想性をめぐりさまざまな言説がくりひろげられてきた。制作陣・観衆が共有した戦争体験・戦争観や「南方幻想」など地政学感覚や、歴史意識を整理しながら、軍事大国化への夢想やオリエンタリズムなど、批評家たちの無自覚な自己投影をえぐりだす。

新保博久 『ミステリ編集道』 本の雑誌社、5/212000円+税 〔詳細〕
 *今の編集者は夜、寝るでしょ? 作家も編集者も眠らなかった草創期から読者を眠らせなくなった現代まで、編集者13人の証言でたどる戦後ミステリ出版史

『完全復刻版「本の雑誌」創刊号~10号BOXセット』 本の雑誌社、5/215000円+税 〔詳細〕
 *創刊40周年記念。幻の創刊号から10号までの10冊を出来うる限り当時のまま完全復刻し、10冊まとめて箱に入れた愛蔵版となります。

中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5/226400税 〔詳細〕
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した秘伝書。知謀計略から天文、薬方、忍器まで、忍びの業の全てを明らかにする。初の全文現代語訳、詳細な注のついた読み下し文に加え、資料として原本の復刻を付す。

■山﨑久道 『情報貧国ニッポン:課題と提言』 日外アソシエーツ、5/222200円+税 〔詳細〕
 *情報を〈蓄積流通〉させる仕組みが弱体な日本では、データベースや電子ジャーナルを活用するシステムが貧弱なため、学術の研究成果を産業・科学技術分野に貢献させることが難しい。国家戦略として西欧型情報ストック装置をつくり、デジタルアーカイブの展開を図るべきであると説く。

『美術品所蔵レファレンス事典日本絵画篇(近現代)』 日外アソシエーツ、5/2236000円+税 〔詳細〕
 *明治以降(近現代)の日本の絵画作品がどの美術館・博物館(海外含む)などの機関や団体に所蔵されているかがわかるレファレンス事典。美術全集・個人全集、主要作品集に収録された作品2万点を作家別に一覧できる。「所蔵別索引」「作品名索引」付き。

■島薗進、高埜利彦、林淳、若尾政希編 『書物・メディアと社会』 春秋社、シリーズ日本人と宗教、5/223200円+税 〔詳細〕
 *近世の出版事業に焦点を当てて、それが宗教に与えた影響を検討し、あわせて、近代におけるメディアとの関係を論じる。

■ベン・ゴールドエイカー/忠平美幸・増子久美訳 『悪の製薬:製薬業界と新薬開発がわたしたちにしていること』 青土社、5/223400円+税 〔詳細〕
 *規制機関と業界の癒着、治験結果の改ざんと隠ぺい、研究論文の代筆とねつ造、臨床試験のアウトソーシング化、巧妙なマーケティング戦略……。これはなにも特別な犯罪の話ではない、日常茶飯に製薬業界で行われていることなのだ!知るのが恐ろしい、でも知らないほうがもっと恐ろしい製薬業界の闇。信じていた医療の裏切りの実態に、気鋭のジャーナリストが切り込む。注意!この本を読んだらクスリはもう飲めません。

■大内裕和 『ブラック化する教育』 青土社、5/221600円+税 〔詳細〕
 *奨学金、就活、ブラックバイト…。学生も親も先生も、教育に関わるみんなが困っている。このようなブラックな社会はどのように出現してきたのか。教育の現場はどのように崩壊しつつあるのか。教育問題を基点に、私たちが直面している社会のリアルを暴き出す。

■平野甲賀 『きょうかたるきのうのこと』 晶文社、5/231500円+税 〔詳細〕
 *文字や装丁のこと、舞台美術やポスターのこと。劇場プロデュースや展覧会のこと。先輩や後輩のこと、友人のこと、そして家族のこと……。昨日から今日、そして明日を気ままに行き来しながら綴るエッセイ集。→秀英丸ゴを本文用に使っているが、読みにくいことおびただしい。

■鳥集徹 『新薬の罠:子宮頸がん、認知症…10兆円の闇』 文藝春秋、5/231600円+税 〔詳細〕
 *ディオバン事件で明らかにされた「製薬会社」と「医療」の近すぎる関係とは!?  徹底取材で「利益相反」の実態と癒着の核心に迫る。

■藤原書店編集部編 『名伯楽:粕谷一希の世界』 藤原書店、5/252800円+税 〔詳細〕
 *『中央公論』『東京人』などの名編集長として、また高杉晋作、吉田満、唐木順三らの評伝を手がけた評論家として、時代と人物の本質に迫る仕事を残した粕谷一希(1930-2014)。一周忌を記念し、粕谷一希を知る人々が、その「人」と「仕事」を描く。

■木村俊介 『漫画編集者』 フィルムアート社、5/251800円+税 〔詳細〕
 *漫画編集者は何をつくりだしているのか? 何かと何かのあいだに立ってものをつくる仕事に関わるすべての人へ。喜び、苦しみ、逡巡、充実感が息衝く、「私たちの時代」のインタビュー・ノンフィクション! ふみふみこ、平本アキラ、ゆうきまさみ、枢やな、松本大洋による描き下ろし特別マンガ「私の担当編集者」収録!

■大澤俊彦・木村修一・古谷野哲夫・佐藤清隆 『チョコレートの科学』 朝倉書店、食物と健康の科学シリーズ、5/253200円+税 〔詳細〕
 *世界中の人々を魅了するお菓子の王様、チョコレートについて最新の知見をもとにさまざまな側面から解説。

■ガナナート・オベーセーカラ/中村忠男訳 『キャプテン・クックの列聖:太平洋におけるヨーロッパ神話の生成』 みすず書房、5/256800円+税 〔詳細〕
 *ハワイ諸島を発見したキャプテン・クックはなぜ殺され、聖なる者として祀られたのか。残された航海日誌からその謎を明らかにする。

アンドレア・ディ・ロビラント/堤けいこ訳 『ヴェネツィアのチャイナローズ: 失われた薔薇のルーツを巡る冒険』 原書房、5/252500円+税 〔詳細〕
 *ヴェネツィアのある田舎町だけに咲く謎の薔薇「ローザ・モチェニーガ」。この薔薇はどこからきたのか? そして本当の品種は何なのか?19世紀パリ社交界から、現代の品種改良にまでつらなる、薔薇に魅入られた人々の想いとは?

■ロバート・クナップ/西村昌洋監訳、増永理考・山下孝輔訳 『古代ローマの庶民たち:歴史からこぼれ落ちた人々の生活』 白水社、5/264800円+税 〔詳細〕
 *エリートによる歴史記述に現れない庶民の実態をさぐる。古典作家の著作、墓碑をはじめとする金石文、キリスト教関係の資料、パピルスなど多岐にわたる資料を駆使して、一般民衆、奴隷、解放奴隷など、歴史の表には現れない庶民の生活を描き出す。

■都筑道夫/日下三蔵編 『都筑道夫ドラマ・ランド 完全版』 上下、河出書房新社、5/27、各2900円+税 〔上:詳細〕〔下:詳細〕
 *推理作家・都筑道夫の遺した脚本を集成。〈読物としても、成立する。そういう映画脚本を書いてみたい、と思っているうちに…機会がおとずれた〉。上巻にはアクション映画「パリから来た男」他。下巻には「夜のミステリー」と銘打たれた「幽霊屋敷」他ラジオドラマ、特撮アクションテレビドラマ「スパイキャッチャーJ3」等。特別資料も付した完全版。→元版は徳間書店、19843月だが、大幅増補して2冊組に。

■岩井宏實監修 『ビジュアル版 日本の妖怪百科』 河出書房新社、5/273800円+税 〔詳細〕
 *鬼、天狗、一つ目小僧、コナキ爺、河童、小豆洗い、海坊主、雪女、塗り壁、化け猫、ザシキワラシ……古来描かれてきた妖怪画の数々とともに、伝承や古典文学に現れたもののけの世界を探る。→子供向け。かつて出た『日本の妖怪百科』全5巻(河出書房新社、20004月)の再編集ものか?

■横田冬彦編 『読書と読者』 平凡社、本の文化史15/272800円+税 〔詳細〕
 *近世初頭の出版業の開始以降を中心に、書籍を読む歴史を多角的に明らかにする論集の第1弾。→amazonでは「一時的に在庫切れ」表示(11/17現在)だが、そもそも未刊なのだから、明らかな嘘。刊行予定に間に合わないと、未刊とは認識できずamazonのコンピュータが異常反応してしまうのか。→11/12刊行予定だったが、未刊。平凡社のサイトは刊行予定の管理がしっかりしていないのが問題。→3月刊行予定に変更。→4月に予定変更。→さらに5月に変更。

■鈴木俊幸編 『書籍の宇宙:広がりと体系』 平凡社、本の文化史25/273000円+税 〔詳細〕
 *版本を中軸に据えて、書籍メディアのさまざまなあり方を紹介、社会・歴史のなかでそれらが持っていた力を鮮明に描き出す。→こちらも同様に11/12刊行予定だったが、未刊。→3月刊行予定に変更。→4月に予定変更。→さらに5月に変更。

『なぜ蝶は美しいのか』 エクスナレッジ、5/271900円+税 〔詳細〕
 *生き生きとした描写と美しい写真を通して、蝶や蛾のリアルな姿を新しい視点でみせる。蝶の羽の魅惑的な色やデザインはなぜ進化したのか。多種多様な興味深い行動・擬態・カムフラージュはどんな意味があるのか。

植村峻 『日本切手の凹版彫刻者たち:切手とお札を彫った人々』 日本郵趣協会、郵趣モノグラフ、5/274000円+税〔詳細〕
 *明治以降今日までの主な凹版切手を対象に、その彫刻者に焦点を合わせて、彫刻技術の特徴や推移を、豊富な資料・図版を交えて紹介する。凹版切手の鑑賞法などを解説したコラムも収録。

■ジェリー・トナーマルクス・シドニウス・ファルクス/橘明美訳 『奴隷のしつけ方』 太田出版、5/281800円+税 〔詳細〕
 *奴隷なくして回らない古代ローマ社会の現実と、来る格差社会を生き抜くためのヒントを学べる一冊。古代ローマ貴族が教える、究極の“人を使う技術”。

■伊藤敏樹 『十字軍「聖戦」秘譚:対立と融合の真実』 原書房、5/282600円+税 〔詳細〕
 *聖地をめぐってキリスト教とイスラム教がしのぎをけずるという構図に欠けていたもの。それは古くから中東にあるバール神、女神アタルガティス信仰の根の深さではないのか。これまでにない視点で十字軍と人々の姿を俯瞰した意欲作。

磯崎康彦 『亜欧堂田善の生涯と蘭学』 玲風書房、5/2830000円+税 〔詳細〕
 *江戸時代の腐蝕銅版画の完成者、亜欧堂田善のすぐれた銅版画技術は、国防、医学、芸術など、いろいろな領域で活かされた。田善の75年の生涯をふり返る。作品もカラーで多数収録。

F・ブラウン、S・ジャクスン他/中村融編訳 『街角の書店:18の奇妙な物語』 東京創元社、創元推理文庫、5/29940円+税 〔詳細〕
 *おばあちゃんの買い物メモがもたらす、ささやかで温かな奇蹟とは――シャーリイ・ジャクスン「お告げ」。書かれることがなかった『傑作』ばかりが集まる書店を訪れた作家の数奇な運命を描く、ネルスン・ボンド「街角の書店」。雪降る夜、バス発着所での男女の対話が思わぬ結末を迎える、ケイト・ウィルヘルム「遭遇」など、文豪の異色作から知られざる作家の傑作まで、奇妙で愛しい18の物語。目次はこちら

■植村峻 『紙幣肖像の近現代史』 吉川弘文館、5/293500円+税 〔詳細〕
 *偽造防止などのために不可欠な紙幣の肖像画。神功皇后から福沢諭吉まで、肖像が選ばれた時代背景を明らかにし紙幣の歴史を描き出す。

■大野寿子編 『カラー図説グリムへの扉』 勉誠出版、5/282400円+税 〔詳細〕
 *ドイツ・グリム兄弟博物館所蔵の貴重資料や古今東西の挿絵など、250点を超えるカラー図版を掲載。グリム兄弟の思想や人となり、挿絵の変遷と影響関係、日本における受容史、他文化圏の民話との比較研究など、「グリム」を通して、異文化やメルヒェンの多彩な学びの方法とその楽しみを提示する。

■永冨青地編訳 『中国書籍史のパースペクティブ:出版・流通への新しいアプローチ』 勉誠出版、5/296000円+税 〔詳細〕
 *広く東アジアに伝播し、文字や学問、思想、技術を伝える媒体となった漢籍。その出版・流通・蒐書など、書物をめぐるコミュニケーションを担う人びとの営みを描き出した、研究の第一線を示す本邦初公開の必読論文を収載。

■工藤美代子 『ノンフィクション作家だってお化けは怖い』 KADOKAWA5/301400円+税 〔詳細〕
 *ノンフィクション作家である著者には、日常的に霊や不思議なものが視えてしまう。雑踏を匍匐前進する青年兵、生首の髪を切る美容室、深夜に階段を上がる衣擦れの音…じんわり怖くて、味わい深い怪談実話エッセイ第2編。

ヴェリタ 『校正という仕事:文字の森を行き言葉の海を渡る』 世界文化社、5/301500円+税 〔詳細〕
 *現役・OBを含め第一線で働く校正者たちが語る「校正という仕事」。校正者を志す人、出版関係者、読書好きに向けて。→ヴェリタは校正・校閲の派遣会社らしい。

 
【2015年6月上旬に出た本から】
 
三原穂編訳 『学術研究と文学創作の分化:18世紀後半イギリスの古詩編集』 音羽書房鶴見書店、6/12400円+税 〔詳細〕
 *事実と虚構との間で葛藤することになるシェンストンを始めパーシーなどの18世紀後半の古詩編集者とその業績を考察する。編集者の目的いかんによって、編集の結果が単なる事実の提示か創造的文学創作になるか、の重要性を帯びることになる問題性を提起する。

■堀川大樹 『クマムシ研究日誌:地上最強生物に恋して』 東海大学出版部、フィールドの生物学156/22000円+税 〔詳細〕
 *クマムシは緩歩動物門に分類される体長1mm以下の小さな生き物。一番の特徴は耐性力で、-273度の低温から100度の高温下、人の致死量の1,000倍相当の線量の放射線下など、様々なストレスに耐えられるとされる。著者はクマムシによる人類救済に役立つシステムを探るべく研究にあたっている。

■A・スコット・バーグ/鈴木主税訳 『名編集者パーキンズ』上・下、草思社文庫、6/2、各1200円+税  〔上詳細〕 〔下詳細〕
 *ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、トマス・ウルフ、SS・ヴァン・ダイン――アメリカの文学史に名を残すことになる若き作家たちを発掘し、その才能を引き出した伝説の編集者パーキンズの評伝。作家に寄り添う編集者として、時にはカウンセラーとなり、恋愛相談役となり、マネージャー、金貸しの役割まで果たした。その熱意溢れる仕事ぶりを支えたのは「この世に書物ほど大切なものはない」という信念だった。→元版は草思社、19877月刊行。


 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆2015年6月刊行予定
MdN20157月号(VOL.255)、特集:絶対フォント感を身につける、エムディエヌコーポレーション、6/51380円+税 〔詳細〕
 *絶対フォント感とは、目にした書体が何かを言い当てられる能力。無意識に見ているその文字の、その書体が情報として飛び込んでくる。日常世界が一気に拡張していくようなそんな感覚です。

田中康弘 『山怪:山人が語る不思議な話』 山と溪谷社、6/61200円+税 〔詳細〕
 *交流のある秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとからから、実話として聞いた山の奇妙な体験談を多数収録。話者が自分で経験したこととして語る物語は、リアリティがあり、かつとらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれる。

小林朋道 『先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!:鳥取環境大学の森の人間動物行動学』 築地書館、6/61600円+税 〔詳細〕
 *雌ヤギばかりのヤギ部で、なんと新入りメイが出産。スズメがツバメの巣を乗っとり、教授は巨大ミミズに追いかけられ、コウモリとアナグマの棲む深い洞窟を探検……。自然豊かな大学を舞台に起こる動物と人間をめぐる事件の数々を人間動物行動学の視点で描く。

■ロベルト・ボラーニョ/野谷文昭訳 『アメリカ大陸のナチ文学』 白水社、シリーズ:ボラーニョ・コレクション、6/62500円+税 〔詳細〕
 *存在しない文学の存在しない作者たちの人生と作品に捧ぐ、おぞましくもどこか切なく滑稽な〈架空の文学事典〉。『野生の探偵たち』『2666』の到来を予見する、初期の恐るべき傑作。

荒木浩編 『夢見る日本文化のパラダイム』 法蔵館、6/68000円+税 〔詳細〕
 *文学・歴史・心理学から見た「夢」の姿とは。各界第一線の研究者が読みとく夢の表象世界。各論者独自の視点が、読者を夢幻の旅へといざなう――。

アモス・ギルボア准将、エフライム・ラピッド准将編/佐藤優監訳、河合洋一郎訳 『イスラエル情報戦史』 並木書房、6/82700円+税 〔詳細〕
 *本書は、世界で最も優秀かつ経験豊富なイスラエルのインテリジェンス・コミュニティの真の姿を明かした政府公認の初の情報戦史である。執筆者は軍情報機関アマン、モサド、シャバックの元長官、ヒューミント、シギント、オシント各部隊の指揮官、上級アナリストなど全員がその分野のエキスパートであり、37の論文と貴重な資料がおさめられている。

小峯隆生/筑波大学ネットコミュニティ研究グループ 『「炎上」と「拡散」の考現学:なぜネット空間で情報は変容するのか』祥伝社、6/81500円+税 〔詳細〕
 *ネット空間での“祭り”を学問的に解析・分析・評価・論考する、いまだかつてない試みを書籍化。

池上俊一 『増補 魔女と聖女:ヨーロッパ中・近世の女たち』 ちくま学芸文庫、6/101100円+税 〔詳細〕
 *魔女狩りの嵐が吹き荒れた中世、美徳と超自然的力により崇められる聖女も同時に急増する。両極の女性像が噴出した西洋中世とは何なのか? 謎に迫る。→元版は講談社現代新書、199211月発行。

■古沢和宏 『痕跡本の世界』 ちくま文庫、6/10780円+税 〔詳細〕
 *古本には前の持ち主の書き込みや手紙、袋とじなど様々な痕跡が残されている。そこから想像がかきたてられる。新たな古本の愉しみ方。

■竹下節子 『フリーメイスン:もうひとつの近代史』 講談社選書メチエ、6/101650円+税 〔詳細〕
 *謎めいた存在ゆえに、陰謀論の格好の対象となるフリーメイスン。秘密に包まれたイニシエーションの実態とは?「自由、平等、兄弟愛」などキリスト教ルーツの価値観を政治から切り離し、「普遍価値」として復権させることが彼らの使命である。アメリカ独立戦争、フランス革命から『シャルリー・エブド』事件まで、フリーメイスンの誕生と変容を辿りながら、西洋近代をもうひとつの視点からとらえなおす。

■樺山紘一 『ヨーロッパ近代文明の曙:描かれたオランダ黄金世紀』 京都大学学術出版会、学術選書70 諸文明の起源106/102400円+税 〔詳細〕
 *巨大な覇権国家スペインから独立を勝ち取ったオランダの「黄金世紀=17世紀」がもたらした、ユニークで豊かな絵画作品群。市民絵画ともいうべき特異な流派が描く風景画・静物画・肖像画・生活風俗画から、来たるべきヨーロッパ近代文明の開放的な諸相が垣間見られる。

■山田英春 『インサイド・ザ・ストーン:石に秘められた造形の世界』 創元社、6/103600円+税 〔詳細〕
 *「石の科学」から「石の美学」へ。『不思議で美しい石の図鑑』の著者にして世界的瑪瑙コレクターが新たに撮り下ろした瑪瑙など、美しい石の断面写真で編んだ、ミクロな世界に展開する、ネイチャー・ミュジアム。石の中に隠されていた草花、抽象画、寺院や塔など、<悠久の時>という筆が描いた無限の色彩と模様が繰り広げるアートの世界。

■福間良明 『「聖戦」の残像:知とメディアの歴史社会学』 人文書院、6/103600円+税 〔詳細〕
 *近代日本における戦争・知・メディアの編成と力学を多様なテーマで描き出す、歴史社会学の濃密なエッセンス。主要論考1000枚。

《アイデア》370号、特集:思想とデザイン、誠文堂新光社、6/102829円+税 〔詳細〕
 *思想を人に伝えるためには,なんらかの素材や形に定着させなければならない。したがって思想は無形のものとしては存在しえず,インターフェイスとしての書物とそのデザインに大きく規定されてきた。またメディアの広がりとともに,思想は活字ではなく音や図像も含めた空間のなかに展開されるようになってきた。時代と共に移り変わってきた思想とデザインの関係に,気鋭の若手研究者,評論家とともに切り込む特集。

片桐洋一 『平安文学の本文は動く:写本の書誌学序説』 和泉書院、6/102300円+税 〔詳細〕
 *現在のような印刷がない時代にも、本は作られていた。書き写され、読まれ、楽しみ続けられて来たのである。現在に比べれば、不便なことである。しかし、印刷がなかった時代であるゆえの「本作りのおもしろさ」「本の成り立ちのおもしろさ」「本に向い合う人々の楽しさ」もまた格別だったのではないか。

ウィリアム・リリー/田中要一郎監修、田中紀久子訳 『クリスチャン・アストロロジー3書』 太玄社、6/103500円+税 〔詳細〕
 *西洋占星術史屈指の重要な古典がついに刊行。現代占星術のルーツとなる書として占星術家・研究者達に邦訳を渇望されていた古典占星術の集大成。→監修者のブログによれば、今回は出生図の判断を扱う第3書からの発売となり、第1書、第2書は合本で引き続き出版される予定となっている。

■殊能将之 『殊能将之 読書日記 20002009TheReadingDiaryofMercySnow 講談社、6/112700円+税 〔詳細〕
 *2001年から2009年の間に殊能将之氏のホームページ「mercy snow official web site」に書きつづられた読書記録。フランスの本格ミステリに惹かれ未翻訳作品を原語で読んだり、自らが編者となる短編集のために原書を読み漁ったり。読書の楽しみが蘇る縦横無尽の読書本。

■太田文雄 『国際情報戦に勝つために:情報力強化の提言』 芙蓉書房出版、6/121800円+税 〔詳細〕
 *周辺諸国からの悪意に満ちた情報発信戦に勝てない日本、「情報」に疎い日本の現状を豊富な事例で紹介し、情報力強化の具体策を提言。情報戦で完敗した近・現代史を見直し、そこから学べる教訓を示す。

■マイク・ホリングスヘッド、エリック・グエン/小林文明監訳、小林政子訳 『スーパーセル:恐ろしくも美しい竜巻の驚異』国書刊行会、6/153600円+税 〔詳細〕
 *二人の写真家がアメリカ中西部全域にわたって撮影した、恐ろしくも美しい息をのむ竜巻の写真340枚をオールカラーで収録した、気象写真集であり、気象図鑑であり、竜巻追跡の記録。

染森健一、吉村伸、ビーコムプラス SF・ファンタジー メカと乗り物を描く:発想法・描画法を豊富なステップ画で解説』マール社、6/152300円+税 〔詳細〕
 *SFやファンタジーに登場する空想上の乗り物はどのように発想し描くのか?  プロダクトデザインの図法をもとにした基本技法を解説。

■川本三郎 『サスペンス映画ここにあり』 平凡社、6/172400円+税 〔詳細〕
 *暗黒街の男たちと妖しいファム・ファタールたちが彩る、ミステリの世界へようこそ――。F・ラングからR・フライシャーまで、往年の名作から未公開の衝撃作まで、その魅力をたっぷり紹介する、ファン必携の大著。→タイトルが『ミステリ映画大全』から変更になった。

■狩野博幸 『江戸の動植物画譜』 河出書房新社、6/172400円+税 〔詳細〕
 *花鳥、獣、虫、魚介、迷鳥・珍獣……江戸期に盛んとなった、確かな観察眼にもとづいた精緻な動植物画の世界を、ビジュアルたっぷりに紹介。ユニークな日本美術史の一ページ。オールカラー。

宮下規久朗 『オールカラー版 美術の誘惑』 光文社新書、6/17940円+税 〔詳細〕
 *美術を生み出す原動力はどこにあるのか。美術史上の重要な問題をさまざまな角度から考える。

南條竹則 『吾輩は猫画家である:ルイス・ウェイン伝』 集英社新書、6/171200円+税 〔詳細〕
 *1920世紀のイギリスで爆発的な人気を誇り『吾輩は猫である』に登場する絵葉書の挿絵画家でもあった、ルイス・ウェイン。日本では殆ど目にすることのできない貴重なイラストと共に彼の半生を辿る。

キャシィ・ウイリスほか/川口健夫訳 『キューガーデンの植物誌』 原書房、6/173500円+税 〔詳細〕
*世界中から集められた700万の標本と知識がキューには蓄えられている。市民、植物学、環境保護、生薬研究を結ぶネットワークとしての植物園の役割とは何か。植物からの恩恵と未来戦略など、英国BBCで好評を博した上質な25の植物譚を紹介していく。

■新垣隆 『音楽という「真実」』 小学館、6/191300円+税 〔詳細〕
 *20142月、佐村河内守氏の「ゴーストライター」であることを告白し、日本中に衝撃を与えた作曲家、新垣隆氏は、幼少のころから天才少年と呼ばれ、日本の現代音楽界で最も期待されてきた人物だ。幼少期から現在までに出会ったさまざまな音楽と恩師や音楽仲間とのエピソードを紹介し、佐村河内事件の顛末を振り返りつつ、人間を救う「音楽」の力を語る。

■相良嘉美 『香料商が語る東西香り秘話』 山と溪谷社、ヤマケイ新書、6/19880円+税 〔詳細〕
 *西洋にはじまる香料商の歴史、アラブの商人がもたらした素材の数々、そして縄文に始まる日本の香り。香料商として世界の海を見てきた著者が、東西の香り文化に纏わるさまざまなトピックスを語る。

河原理子 『戦争と検閲:石川達三を読み直す』 岩波新書、6/19820円+税 〔詳細〕
 *発禁処分を受けた小説「生きてゐる兵隊」。一体、何がどう問題とされたのか? 実は、戦後もGHQの検閲を受けていた石川達三。公判資料や本人の日記、編集長宛ての手紙など貴重な資料を多数駆使し、言論統制の時代の実像に迫る。

スティーブン・ヘラー、ジェイソン・ゴッドフリー/アートディレクション・デザイン・監修協力:白井敬尚/和田侑子訳 『世界のデザイン雑誌100:グラフィック,広告,タイポグラフィの歴史を変えた雑誌たち』DuBOOKS6/195000円+税 〔詳細〕
 *100年以上におよぶグラフィックデザインの発展史がわかる。印刷・広告業界誌からデザイン誌まで。各誌が何のために、何をしたのか? 商業芸術としてのポスター、広告、グラフィックデザインというジャンルを築き、時代をリードした主要な100誌を紹介。

■アドリアン・フルティガー/小泉均監訳、越朋彦訳 『図説サインとシンボル』 研究社、6/205500円+税 〔詳細〕
 *モダン・タイポグラフィの名匠が長年の実践と思索を経て完成させた「記号の形態学」。視覚的表現としてのサインとシンボルが、人間の思考の記録と伝達にとって本質的かつ不可欠な手段であることを、多彩な実例を挙げながら詳説する。巻頭はテーマ別「サインとシンボル総覧」80頁、2色刷。

小松和彦監修 『京都魔界地図帖』 宝島社、別冊宝島、6/22950円+税 〔詳細〕
*平安京にさかのぼる古都の伝承、怪奇譚等を、今昔の地図や雰囲気あふれる絵図とあわせ紹介。誌面で“魔界”を散歩します。

佐藤卓己編 『ヒトラーの呪縛:日本ナチ・カルチャー研究序説』 上・下、中公文庫、6/231000円+税 〔上:詳細〕〔下:詳細〕
 *総統は日本で勝利した?!日本のカルチャー、サブカルチャーにかくも浸透しているナチスの「文化」。メディア、海外冒険小説、映画、ロック、プラモデルまで。各章に「二一世紀追補」を付す。→元版は、飛鳥新社、20007月刊行。

井ノ口馨 『記憶をあやつる』 角川学芸出版、6/231800円+税 〔詳細〕
 *あなたの記憶は、本物か!? 実際には経験していない記憶を作ることに成功した人類は、どこへ向かうのか――。記憶の形成に関与する分子を発見した気鋭の分子脳科学者が、SF世界を彷彿させる最新の脳科学に迫る!

大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』1巻、国書刊行会、6/2415000円+税 〔詳細〕
 *19世紀末のボルヘス」として大きな注目を浴びる、夭折の天才作家シュオッブの初の邦訳全集。『架空の伝記』『モネルの書』『少年十字軍』『黄金仮面の王』『二重の心』をはじめ、評論や単行本未収録短編までを収録。

『マップマニア:デザイナーのための地図のデザイン』 パイインターナショナル、6/245800円+税 〔詳細〕
 *カードなどのアクセスマップから、フリーペーパーで使われるイラスト地図、さらに広告からエディトリアルまで、優れた地図のデザインを多数紹介します。

■野村哲也 『カラー版イースター島を行く:モアイの謎と未踏の聖地』 中公新書、6/25920円+税 〔詳細〕
 *1000体ものモアイが眠る絶海の孤島。失われた文明の謎を追い、隠された聖地を求める。島に立つすべてのモアイをカラーで紹介。

■フランソワ・フュレ/浜田道夫・木下誠訳 『歴史の仕事場(アトリエ)』 藤原書店、6/253600円+税 〔詳細〕
 *社会・人文諸科学と歴史学の新しい関係 フランス革命、マルクス主義革命などを「脱神話化」してきたフュレが、『アナール』の歴史学者たちの間にあったある種の一体性を超克し、“科学としての歴史学を追求”、事実と歴史との関係を定義し、さらに新しい歴史の仕事場(アトリエ)を切り拓こうと試みる画期的論集。

松居竜五編 『南方熊楠の謎:鶴見和子との対話』 藤原書店、6/252800円+税 〔詳細〕
 *アカデミックな熊楠研究のフロンティアを拓いた鶴見和子の名著『南方熊楠:地球志向の比較学』から35年余、南方熊楠をめぐる資料の発掘・整理が飛躍的に進んだ今、何が見えてきたのか? 最新資料を踏まえた研究者たちと鶴見ががっぷり四つに組み、多くの謎を残す熊楠の全体像とその思想の射程を徹底討論、熊楠から鶴見へ、そしてその後の世代へと、幸福な知的継承の現場が活き活きと記録された鶴見最晩年の座談会を初公刊。

有馬哲夫 『「スイス諜報網」の日米終戦工作:ポツダム宣言はなぜ受けいれられたか』 新潮選書、6/251400円+税 〔詳細〕
 *1944年、スイスのOSS支局長アレン・ダレスの下、あるインテリジェンス網が作られた。日本の陸・海軍武官、公使、国際決済銀行のスウェーデン人、亡命ドイツ武器商人……日米の両政府中枢の間を取り持ち、暗躍する陰の主役たちの存在をスリリングに描く。

アンドルー・ファインスタイン/村上和久訳 『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』上・下、原書房、6/25、各2400円+税 〔詳細〕
 *武器取引の詳細は、国家機密の名の下に国民の目に触れることはなく、軍産複合の大グループと武器商人たちが莫大な利益を手に暗躍している。これまで明かされなかった「闇の世界」をあばき、戦争の真の動機を解き明かしたドキュメント問題大作。

キャサリン・M・ロジャーズ/伊藤綺訳 『豚肉の歴史』 原書房、「食」の図書館、6/252000円+税 〔詳細〕
 *古代ローマ人も愛した、安くておいしい「肉の優等生」豚肉。豚肉と人間の豊かな歴史を、偏見/タブー、労働者などの視点も交えながら描く。世界の豚肉料理、ハム他の加工品、現代の豚肉産業なども詳述。図版多数。レシピ付。

陰山大輔 『消えるオス』(仮) 化学同人、DOJIN選書、6/25 〔詳細〕
 *オスをメスに性転換させる、役に立たないオスを殺してしまう、オスなしでメスだけを産めるようにする……。「ボルバキア」という、細胞に共生している細菌の仕業によって、昆虫の世界ではこんな現象が実際に発生している。なぜ宿主の性や生殖を操作する必要があるのだろうか。本書では、性と寄生をめぐって近年明らかとなってきた、めくるめく世界に迫る。

高橋明彦 『楳図かずお論:マンガ表現と想像力の恐怖』 青弓社、6/253600円+税 〔詳細〕
 *楳図作品を、作品論・主題論・表現論・文献学を総合して読み解き、その可能性の中心を照らし出す。恐怖マンガの巨匠と称され、多くのマンガ家たちからの尊敬を集めながらも、一面的に批評されがちな楳図作品の評価をくつがえし、その全貌を再評価する大著。楳図かずおの年譜や作品目録、索引など資料も充実。→定価を5000円+税から3600円+税に変更となる。

田中淑恵 『本の夢小さな夢の本』 芸術新聞社、6/252200円+税 〔詳細〕
 *装丁を天職と任じ、同時代の詩人や作家との交流をとおして、また読んだ本の記憶から生まれた、アンティークパーツ、秘蔵の紙や革、布で装われた小さな本の数々を紹介します。そのきっかけとなった思いがけないエピソードや、サプライズに満ちた体験をおさめました。

岩畔豪雄 『昭和陸軍謀略秘史:陸軍「謀略課長」の証言』 日本経済新聞出版社、6/263200円+税 〔詳細〕
 *満州国建国、陸軍中野学校設立、紙幣偽造、日米開戦回避交渉、インド独立運動。舞台裏では何が起きていたのか。関東軍参謀、陸軍省軍事課長などを歴任し、昭和陸軍の謀略を一手に引き受けた将校が明かす裏面史。

四方田犬彦 『犬たちの肖像』 集英社、6/261800円+税 〔詳細〕
 *人間のもっとも古い伴侶にして身近な他者──「犬」。古代叙事詩から現代の小説、SFそして映画と漫画に至るまで、「犬」のイメージの変遷を辿る古今東西文学エッセイ集。

ピーター・メンデルサンド/細谷由依子訳 『本を読むときに何が起きているのか』 フィルムアート社、6/272600円+税 〔詳細〕
 *本を読むときに、何を見て、何を思い描いているのか?読書における想像力の謎を、ブックデザインの名手が解き明かす、世にも不思議な言語とビジュアルの謎解き書。

ルイス・キャロル作/ジョン・テニエル画/安井泉訳・解説 『子ども部屋のアリス』 七つ森書館、6/271600円+税 〔詳細〕
 *150年前、18657月に刊行された『不思議の国のアリス』のカラー版が『子ども部屋のアリス』です。これまで日本で出ていたものは普及版を元にしていました。本書では初版原書からカラー画21点を収録。19世紀ヴィクトリア朝の上品な色調を忠実に再現しました。

ジョン・フィッシャー/開高道子訳 『アリスの国の不思議なお料理』 河出書房新社、6/292000円+税 〔詳細〕
 *『不思議の国のアリス』刊行150周年記念復刊! お飲みなさいスープ、チェシャー猫のひげ風チーズ棒など物語に登場する料理レシピをテニエルの美しいイラストと共に紹介した不朽の名作。→元版は、文化出版局より19788月刊行。

■アンドルー・ホッジス/土屋俊、土屋希和子、村上祐子訳 『エニグマ:アラン・チューリング伝下』 勁草書房、6/302800円+税 〔詳細〕
 *チューリングのエニグマ攻略が大戦を終わらせ、世界が冷戦へと向かう頃、コンピュータ開発競争が熱を帯びた。彼の頭脳もその一角を占める。はたして勝利は誰の手に? さらに彼は動植物の形態研究にも踏み出していく。だが新しい活躍の一方、人生は時代に翻弄される。これは悲劇なのか? 非業の最期まで、著者ホッジスはチューリングの時間に寄り添い続ける。

POISON 毒のある動物たち』 エクスナレッジ、6/301800円+税 〔詳細〕
 *世界中に生息する毒のある生き物を、ユーモラスな文体で、生息域、発見の経緯、進化の過程、毒の程度などについて詳しく紹介。取り上げる生き物は、カモノハシ、ズグロモリモズ、ハネカクシ、クリソミドビートル、ネコメガエル、サザンフランネルモス、センニンフグ、などなど哺乳類から昆虫、両生類、魚類まで多岐にわたる。

並木伸一郎 『ムー的都市伝説』 学研パブリッシング、6/30580円+税 〔詳細〕
 *UFOはUMAはもちろん、都会に出現する異形の怪人から秘密結社の陰謀、さらには宇宙の怪奇現象まで。まことしやかに語られる信じられないような噂話は、どこまで真実なのか。アメージングで、アンビリバボーな都市伝説をムー編集部が厳選して紹介する。

前川久美子 『中世パリの装飾写本:書物と読者』 工作舎、6月下旬、3800円+税 〔詳細〕
*ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』『教訓聖書』…。1315世紀初めのパリでは、美しく豪華な装飾写本が多数生みだされた。それはどのように作られ、読まれたのだろうか。本邦初の本格的手引き登場。→工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載していた。

安村敏信 『線で読み解く日本の名画』 幻戯書房、6月下旬、3000円+税 〔詳細〕
 *私たちの目に見えない(存在していない)線が、東洋の絵画にはある! 日本絵画の要諦は輪郭線にあり。西洋絵画にはない輪郭線で読み解く画期的な美術史。モノをカタチづくる「輪郭線」と、画家たちはいかに格闘してきたのか? 奈良時代の落書きから浮世絵、近代画まで、美術史1200年を新しい視点で読み返す日本絵画案内。

ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール/鳥取絹子訳 『巨大化する現代アートビジネス』(仮) 紀伊國屋書店、6月下旬、2100円+税 〔詳細〕
 *7兆円規模のアート業界を動かしているのは誰か? 現代アート業界はどのように機能しているのか? 人気アーティストはいかに生みだされるのか? なぜ名もない作家の作品に大金が投資されるのか? 現代アートを牛耳る100人の思惑が入り乱れる“アートの現場”に果敢に斬りこんだノンフィクション。

サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド/柴田裕之訳 『その〈脳科学〉にご用心:脳画像だけで心はわかるのか』紀伊國屋書店、6月下旬、2000円+税 〔詳細〕
 *グーグル、フェイスブック、ディズニーといった大手企業はこぞって、神経科学の知見を利用するコンサルティング(ニューロマーケティング)の会社に多額の報酬を支払い、広告効果の向上などを図っている。大衆受けしそうな脳科学的研究をメディアが喧伝することによって、未解明な部分が多いにもかかわらず、「心の働きが解明された!」と曲解されてしまっている現状を、精神科医と心理学者が豊富な事例をもとに解説し、本来あるべき姿を示す。

海部宣男、星元紀、丸山茂徳編 『宇宙生命論』 東京大学出版会、6月下旬、3200円+税 〔詳細〕
 *地球外にも生命の存在が可能な星が見つかり始めたことなどを受けて、宇宙生物学の研究は急速な進展をみせている.生命はどのように生まれ、どのように進化してきたのか? 地球外に生命はいるのか? 生物学・地球進化・惑星科学の第一線の研究者が総力を挙げてこの謎に挑む。

『こわい絵本100:おとなと子どものファンタジー』 平凡社、別冊太陽・日本のこころ2306月、2200円+税 〔詳細〕
 *「こわい」がはらむ豊かな“真理”をさり気なく気づかせる絵本約80冊を、さまざまなジャンルから選んで紹介する。人生を考えるもよし、楽しむもよしの不思議なブックガイド。

岡本真・柳与志夫責任編集 『デジタル・アーカイブとは何か:理論と実践』 勉誠出版、6月、2500円+税 〔詳細〕
 *構築から利活用まで、アーカイブに携わる全ての人へ贈る。増え続けるデジタル・アーカイブ。何を見せればよいのか。どこを探せばよいのか。混迷の中にいる制作者・利用者のために、積み重ねた知恵と実例。Europeanaの起ち上げ、東寺百合文書のWEB公開、電子図書館、そして国立デジタルアーカイブセンター構想……。新たな仕組みは、ここから生まれる。

安村敏信 『絵師別江戸絵画入門』 東京美術、6月、2000円+税 〔詳細〕
 *基礎知識をふまえつつ、常識にとらわれない見かたで江戸300年の美術の精華をコンパクトにまとめる。注目の絵師48人を選び抜き、新知見を交えて見るべきポイントを簡潔に示し、鑑賞に役立つ。

小林英美 『ワーズワスとその時代:『リリカル・バラッズ』と読者層』 勉誠出版、6月、4600円+税 〔詳細〕
 *18世紀中頃から識字率が上昇し、それに比例して趣味としての読書が流行した。英国ロマン派を代表する詩人ワーズワスとコウルリッジの共同詩集『リリカル・バラッズ』は、そんな読者が増大する変革期の作品である。読者を支えた読書施設や出版事情等の文化史的考証をふまえて、詩人ワーズワスと当時の読者の相互影響関係を探る。

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳・解説 『地球から月へ/月をまわって/上を下への』 インスクリプト、6月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始。第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。→20149月刊行予定が延期に。→インスクリプトのサイトには3月末とあるが刊行にならず。→6月刊行予定に変更。

アニー・ジェイコブセン/田口俊樹訳 『ペーパークリップ作戦:アメリカにナチスの科学者を招いた極秘プロジェクト』 太田出版、6月、2400円+税 〔詳細〕

 
◆2015年7月刊行予定
杉之尾宜生 『大東亜戦争 敗北の本質』 ちくま新書、7/6780円+税 〔詳細〕
 *なぜ日本は戦争に敗れたのか。情報・対情報・兵站の軽視、戦略や科学的思考の欠如、組織の制度疲労――多くの敗因を検討し、その奥に潜む失敗の本質を暴き出す。

宮下規久朗 『モチーフで読む美術史2』 ちくま文庫、7/8840円+税 〔詳細〕
 *絵の中に描かれた代表的なテーマを手掛かりに美術を読み解く入門書、第二弾。壁画から襖絵まで和洋幅広いジャンルを網羅。カラー図版250点以上。

植田樹 『諜報の現代史:政治行動としての情報戦争』(仮) 彩流社、7/103500円+税 〔詳細〕
 *本書は「政治行動としての情報戦争」という視点に立って、個々の事件と国際政治や政治権力との関わりを中心にまとめ、国策としての諜報や情報活動の複雑極まりない陰の世界に光をあてる。

ロベール・ド・ボロン/横山安由美訳 『西洋中世奇譚集成 魔術師マーリン』 講談社学術文庫、7/10
 
小松和彦 『妖怪学新考:妖怪からみる日本人の心』 講談社学術文庫、7/10
*元版:小学館単行本(19948月)→小学館ライブラリー(20008月)→洋泉社MC新書(20077月)→講談社学術文庫(20157月)と変遷。
 
ウィニー・WY・ウォン/松田和也訳 『ゴッホ・オンデマンド:中国のアートとビジネス』 青土社、7月上旬、3400円+税 〔詳細〕
 *世界でもっとも複製画をつくりだす村がある――。中国・深圳市大芬村。そこでは一万人もの人びとが日々、絵画を描いている。世界の名画の複製をもとめて世界中のバイヤーが買い付けにやってくる。しかし、なぜ大芬村で複製画が大量につくられるのか。そもそも複製画とはいったい何なのか。そこにはグローバリゼーションと消費社会、さらには芸術の意味や創造の価値といった現代的問題がうずまく。単なるルポルタージュを超え、人類と芸術という文化人類学的な視座を含んだ、知的好奇心に満ちた書。

フランク・スウェイン/西田美緒子訳 『ゾンビの科学:よみがえりとマインドコントロールの探究』 インターシフト(発売:合同出版)、7月上旬、1900円+税 〔詳細〕
 *気鋭のサイエンス・ライターが、<生と死><自己と他者>を超える。脳科学、心理&行動操作、先進医療、進化と寄生……を探究。

オノユウリ 『美術館で働くということ:東京都現代美術館学芸員ひみつ日記』 KADOKAWA7/141000円+税 〔詳細〕
 *アートに囲まれて働く美術館学芸員。優雅な職業のイメージだけど、実際は日々、ドタバタの連続なのです!? 展覧会の舞台裏から、学芸員のお仕事のリアルまで。美術館の知られざる一面を描くコミックエッセイ!

中嶋康裕 『うれし、たのし、ウミウシ。』 岩波書店、岩波科学ライブラリー、7/151300円+税 〔詳細〕

ジョン・ゲヘーガン/秋山勝訳 『伊400型潜水艦最後の航跡』 上・下、草思社、7月中旬、2200円+税 〔上詳細〕 〔下詳細〕
 *終戦後まで米側も知らなかった極秘かつ世界最大・世界初の攻撃型潜水空母。米国・ソ連に衝撃を与えた極秘兵器の誕生から最期までをドラマチックに追う!

樋口州男 『将門伝説の歴史』 吉川弘文館、歴史文化ライブラリー、7/211700円+税 〔詳細〕
 *平将門の敗死後の評価は叛逆者と英雄を両極とし、また荒ぶる彼の魂を鎮めるべく大手町の首塚や神田神社が築かれた。佐倉惣五郎を題材とした歌舞伎や明治期の復権運動など、将門がさまざまな伝説となり今日まで語りつがれてきたのはなぜなのか。時代と地域に育まれた将門伝説の世界へと誘う。

ダニエル・スミス 『絶対に見られない世界の秘宝99』 日経BP社、7/212200円+税 〔詳細〕
 *戦争、革命、盗難、災害、そして忘却などにより、二度と目にすることができなくなった世界の秘宝や財宝、美術品を収録。世界からこつ然と姿を消した秘宝の、失われた当時の記録をたどり探索の手がかりを探る。<掲載予定の秘宝等>失われた化石/ストラディバリウスの名器「ダビドフ・モリーニ」/ジョン・F・ケネディの脳/聖杯/テンプル騎士団の財宝/ピタゴラスの著作目録/18番格納庫のUFO/海底に沈んだ都市/ブルボン朝の秘密の財宝 ほか。

小林宏明 『銃を読み解く23講:見る、読む、訳すGUNの世界』 東京創元社、キイ・ライブラリー、7/241500円+税〔詳細〕
 *「銃」について、主にミステリ読者に向け、基礎的な知識から最先端の銃エピソードを、小説や映画や海外ドラマなどを参照しながらお届けします。名翻訳家にして銃研究家が案内する、すばらしき「GUN」の世界。「ミステリーズ!」連載に大幅増補を加えた、読書家・創作者のためのやさしい銃講座!→早川書房では、新入社員教育にモデルガンを使っての銃器講義があるそう。

■アンドルー・ペティグリー/桑木野幸司訳 『印刷という革命:ルネサンス時代の本と日常生活』(仮) 白水社、7月、4800円+税 〔詳細〕
*書籍のみならず、印刷メディア全般および出版業についての本でもあり、単なるメディア史を超えて、当時を重層的に捉えられる一冊。

有馬哲夫 『歴史とプロパガンダ』(仮) PHP研究所、7/231800円+税 〔詳細〕
 *開戦はやはり仕組まれていた。占領政策は巧妙なブラック・プロパガンダだった。中国の謀略の淵源はここにある……。驚愕の歴史開封!

稲田和浩 『怪談論』(仮) 彩流社、フィギュール彩、7/241800円+税 〔詳細〕
 *季節なんてどうでもいい。いつの季節にも幽霊の出るロケーションはある。怪談は「怪しい」「談」と書く。「談」すなわち「話」だ。誰かが作り、文章にし、語って聞かせたりした。

今田寛 『ことわざと心理学:人の行動と心を科学する』 有斐閣、7月下旬、2000円+税 〔詳細〕
 *目は本当に口ほどに物を言う? 笑う門には福来たる? 親が無くても本当に子は育つ? ことわざに表れた人の心を題材に、心理学ではどういう実証研究がなされてきているのか、そこから何が言えるのかを、噛みくだいて解説する。

西田賢司 『ミラクル昆虫ワールドコスタリカ』 日経BP社、7月、1800円+税 〔詳細〕
 *こんなの見たことない! 昆虫と暮らす著者が撮影した奇妙で面白い写真が満載! 生物多様性の国、コスタリカの驚きの昆虫ワールドを体験しよう!

金子信久 『めでる国芳ブックねこ』 大福書林、7月、1800円+税 〔詳細〕
 *この出版社は今年の5月設立されたばかり。パイインターナショナルから独立した方によるもの。

エレン・フランケル/ベツィ・P・トイチ画/木村光二訳 『図説ユダヤ・シンボル事典』 悠書館、76000円+税 〔詳細〕
 *4千年の歴史のなかでユダヤ民族がはぐくんできた豊かな象徴の数々―言葉とイメージが密接に結びついた、ユダヤ文化の核心を表現するシンボル265項目を厳選し、古代の起源から現代にいたる意味の変遷をたどり、イラストとともに解説した、わが国初の事典!2月刊行予定が4月に延期。→6月に延期。→7月に延期。

■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、7
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
服部良久編著 『コミュニケーションから読む中近世ヨーロッパ史:紛争と秩序のタペストリー』 ミネルヴァ書房、MINERVA 西洋史ライブラリー7月、7000円+税 〔詳細〕
 *様々な領域からコミュニケーションの多様なあり方や紛争解決に果たす役割を考察。西洋中近世史の新たな側面を提示する一冊。→気になるのは、「第16章 彷徨える異端者たちの行方――中世南フランスにおける「カタリ派」迫害と抵抗活動」(図師宣忠)あたりか。

 
◆2015年8月以降刊行予定
ポール・オフィット/ナカイサヤカ訳 『代替医療の光と闇:魔法を信じるかい?』 地人書館、8/12800円+税 〔詳細〕
 *代替医療大国アメリカにおいて、代替医療がいかにして現在の地位を築き、それによって本来助かるべき人々がいかに苦しめられてきたか? メディアと政治と産業が一体となって進められてきた「もう一つの医療産業」の実態を描く。

五十君靜信監修 『図解でよくわかる毒のきほん:毒の科学から、猛毒生物、毒物劇物の取扱方法まで』 誠文堂新光社、8/51600円+税 〔詳細〕
 *毒の分類、毒の強さランキング、食べ物の中に含まれる毒物などちょっと知りたい一般的な知識から、麻酔薬や消毒薬、抗生物質など実用的な毒の活用法、薬事法や薬物5法による規制など専門的な情報までを紹介する本書は、まさに「毒」のすべてがわかる一書となっています。

藤井幹 『世界の美しき鳥の羽根:鳥たちが成し遂げてきた進化が見える』 誠文堂新光社、8/63200円+税 〔詳細〕
 *世界の美しい鳥の羽根を写真とイラストで紹介。色や形、構造など鳥の羽根の美しさの裏側にある進化の謎にせまります。

ヘルムート・シュミット 『タイポグラフィ・トゥデイ 増補新装版』 誠文堂新光社、8/113800円+税 〔詳細〕
 *1980年に「アイデア」別冊として刊行された本書は、タイポグラフィの名著として国際的に高く評価されてきた。2002年の新版では同時代のデザイナーを増補。モダン・タイポグラフィを21世紀に橋渡しする古典として新しい世代の読者を獲得し、韓国版、中国版も出版された。そして2015年、時代とともに新しくあり続けたその名著が、再び生まれ変わる。収録内容のアップデートはもちろん造本仕様も大幅に変更。回顧とは無縁のネクスト・モデルとして、タイポグラフィの神髄を現代にうたいあげる。→2002年版は昔読んだが、全く良さが理解できなかった。

■アンソニー・グラフトン/福西亮輔訳 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 38月中旬 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

佐藤卓己編 『青年雑誌論』(仮) 岩波書店、8
 
佐藤卓己 『「図書」のメディア史』 岩波書店、9
 
《幽》23号、特集=幽霊画大全(仮)、KADOKAWA、夏(7月?)
 
権田萬治 『謎と恐怖の楽園で:ミステリー批評55年』 光文社、秋 〔詳細〕
 *来年はミステリー批評を始めて、55年になる。それを記念しての評論集の出版だそうである。

■シャーリイ・ジャクスン/市田泉訳 『ただの平凡な日』(仮)、秋 〔詳細〕
 *日本オリジナル短編集。単行本未収録作や未発表原稿が中心。育児エッセイまで入ってるらしい。ファン垂涎のお蔵出し作品集。

風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、10/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。→この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015123日刊行予定に延期!→さらに20151023日刊行予定に延期!

ウンベルト・エーコ/橋本勝雄訳 『プラハの墓地』 東京創元社 〔詳細〕
*史上最悪の“偽書”と呼ばれることもある「シオン賢者の議定書」を書いた男、シモーネ・シモニーニの回想録という形をとった、19世紀ヨーロッパを舞台に繰り広げられる歴史大陰謀小説。

 
◆2015年中に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
早川書房創立70周年文庫企画「ハヤカワ文庫補完計画」の第2として発表されている。刊行時期はすべて未定。
早川書房編集部編 『ミステリ・ハンドブック〔新版〕』
早川書房編集部編 『冒険・スパイ小説ハンドブック〔新版〕』
早川書房編集部編 SFハンドブック〔新版〕』
コードウェイナー・スミス/伊藤典夫・浅倉久志訳 『人間の再発見〈人類補完機構〉全短篇』(仮)【初訳】

藤井淑禎ほか編 『江戸川乱歩大事典』 勉誠出版
 
紀田順一郎 『日本人と蔵書』
 
小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 作品社
 *新潮社から出た単行本の復刻ではなく、初出雑誌の『新青年』を底本にする初の試みです。両者の異同や法水が羅列する固有名詞等にも細かく注をつけます。→垂野創一郎氏の「プヒプヒ日記」参照。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

ロミ 『自殺の歴史』 国書刊行会
 
■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右社、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?

東雅夫・下楠昌哉共編 『幻想と怪奇の英文学Ⅱ』 春風社
 
■ピーター・バーク/井山弘幸訳 『知識の社会史2:百科全書からウィキペディアまで』(仮) 新曜社、2015/4下旬?、4600円+税 〔詳細〕
 *「知識を集める」「知識を分析する」「知識を広める」「知識を失う」「知識を分ける」から「知識の地理学/社会学/年代記」まで、探検・冒険・略奪、博物館・美術館・図書館・大学・研究所、暗号解読・スパイ・インテリジェンス……などの広範な話題にわたって、知識をどのように集め、分析し、陳列し、実用化するか──知識をめぐるあらゆる話題を取り上げて論じます。その結果、人間とはいかに「蒐集」する動物であるかが、実感として迫ってきます。→刊行未定。

■木本至 『明治の諷刺雑誌かく闘えり:「団団珍聞」「驥尾団子」がゆく』 白水社、2015/5/30?、2800円+税 〔詳細〕
 *創刊者は『西洋見聞録』の著者、記者は戯作者・漢学者等の鬼才揃い。激動の明治時代に対し二つの反骨雑誌がどんな諧謔諷刺の矢を放ったかを、多数の図版 (123) と共に鮮やかに再現。→あるサイトでは「生産中止」(刊行中止とはどう違う?)という表示も。

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隠居生活続行中。

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