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■既刊・近刊メモ(2015年5月版 Ver.1)

20154月に刊行された(はずの)本と、20155月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載分から追加した本。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
 
【2015年4月に出た本から】
 
■宮木慧子 『陶磁器ワラ包装技術の文化史』 吉川弘文館、4/112000円+税 〔詳細〕
 *ヨーロッパに輸出され、高い評価を受けた中国の景徳鎮や日本の伊万里・有田などの陶磁器は、なぜ壊れずに海を渡れたのか。陶磁器生産と流通過程で発達したワラによる包装加工技術を、豊富な図版とともに探り、各地域に根ざした独特の方法を考察。日本はもとより、中国や韓国の事例も検討し、現代に通じるデザイン性や造形的特質を明らかにする。

■サキ/和爾桃子訳 『クローヴィス物語』 白水Uブックス、4/21300円+税 〔詳細〕
*サキが短篇の名手としての評価を確立した第三短篇集(1911)の全訳。皮肉屋で悪戯好きの青年クローヴィス登場作を中心に全28篇を収録。人語を話す猫「トバモリー」やイタチの神様「スレドニ・ヴァシュタール」も。

■塩村耕 『文学部の逆襲』 風媒社、4/3800円+税 〔詳細〕
 *時代の要請とやらで大学も実学重視の風潮。そんななかでますます旗色悪い文学部だが、人文学の疲弊は国の潜在力の低下を招くのではないか。混迷を深める現代社会にとって、まさに、いまこそ文学部の出番である。文学部の文明史的な意義をも考察したブックレット。

■クリスティナ・ロセッティ:詩/ローレンス・ハウスマン:画/濱田サチ訳 『ゴブリン・マーケット』 レベル、4/31800円+税 〔詳細〕

■西原一幸 『字様の研究:唐代楷書字体規範の成立と展開』 勉誠出版、4/39800円+税 〔詳細〕
 *文字の「正しさ」は如何に規定されてきたか。「字様」とは字形、字音などの類似によって錯誤に至る可能性のある楷書を広く弁別するために撰述された典籍である。「字様」は、主に隋・唐代に盛行し、科挙制度とも深く結びつきながら、「開成石経」にまで至る楷書字形のあるべき姿を決めていった。一方で、「正しさ」が規定される中で、所謂通行字体としての「俗体」という概念を浮かび上がらせていく。隋・唐代における文字への意識の体系を、実証的研究により明らかにしていく刺激的な一書。文・史・哲すべてに関わる重要な研究成果。

■クリストフ・グリューネンベルク、ダレン・ダレン・ビー編著/野崎武夫訳 『マグリット事典』 創元社、4/43600円+税 〔詳細〕
 *ルネ・マグリットの作品と彼の世界観を明らかにする百科事典。各国の美術館所蔵作品や資料をもとに、国際的なマグリット研究家たちが丁寧に解説。レファレンスとしてきわめて有用な一冊であり、マグリットを中心にシュルレアリスムを理解するうえで必携の書である。2011年から12年にかけてテート・リバプールおよびアルベルティーナ美術館で開催された展覧会に際して刊行されたテキストの翻訳出版。

■中央大学人文科学研究所編 『フランス民話集Ⅳ』 中央大学出版部、中央大学人文科学研究所翻訳叢書144/45400円+税 〔詳細〕
 *フランス全土二十二地方のうち、バスク、オーヴェルニュ、ブルゴーニュ、アルデンヌ、ノルマンディー、プロヴァンス、コルシカ島など七地方の民話を集録。魔法民話やケルト的な妖精譚、冒険譚、幽霊譚、巨人伝説、動物民話、笑話など多彩な説話の翻訳叢書。「三つのオレンジの愛」など代表的なフランスの民話が採録されている。

■ヴィクショナリー編 『痛快!亜細亜の文字デザイン』 グラフィック社、4/63800円+税 〔詳細〕
 *漢字を中心とした日本、韓国、台湾、中国、香港などから集めたアジアのタイポグラフィデザインの秀作100点以上を掲載。

■佐藤健寿 『空飛ぶ円盤が墜落した町へ:X51. ORG THE ODYSSEY 北南米編』 河出文庫、4/7820円+税 〔詳細〕
 *北米に「エリア51」「ロズウェルUFO墜落事件」の真実を、南米へナチスUFO秘密基地「エスタンジア」の存在を求める旅の果てに見つけたのは……。『奇界遺産』の著者による“奇”行文学の傑作!→元版『X51.ORG THE ODYSSEY』(夏目書房、20075月→講談社、200812月)の大幅増補改訂&改題&分冊&文庫化。

■佐藤健寿 『ヒマラヤに雪男を探す:X51. ORG THE ODYSSEY アジア編』 河出文庫、4/7820円+税 〔詳細〕
 *『奇界遺産』の写真家による“行くまでに死ぬ”アジアの絶景の数々! 世界で最も奇妙なトラベラーがヒマラヤの雪男、チベットの地下王国、中国の謎の生命体を追う。それは、幻ではなかった――。

■塚田穂高 『宗教と政治の転轍点:保守合同と政教一致の宗教社会学』 花伝社、4/73500円+税 〔詳細〕
 *「政教分離」を謳う戦後日本社会において、宗教運動は国家をどう考え、何を目指して政治に関わろうとするのか。なぜ既成政党を支持し、あるいはなぜ独自の政治団体をつくって選挙に出るのか。自民党政権を支える宗教運動の保守合同から、創価学会=公明党、オウム真理教、幸福の科学まで。

■山本弘 『ニセ科学を10倍楽しむ本』 ちくま文庫、4/8950円+税 〔詳細〕
 *「血液型性格診断」「ゲーム脳」など世間に広がるニセ科学。人気SF作家が会話形式でわかりやすく教える、だまされないための科学リテラシー入門。→元版は楽工社、2011年刊行。

■G.フーケー、G.ツァイリンガー/小沼明生訳 『災害と復興の中世史:ヨーロッパの人びとは惨禍をいかに生き延びたか』 八坂書房、4/84500円+税 〔詳細〕
 *洪水、高潮、地震、飢餓、疫病…。災害が日常でもあった中世後期ヨーロッパの人びとは、それらとどのように向き合い、どのように克服してきたのか。史料を丹念に掘り起こし、災害の現場を臨場感あふれる筆致で再現する。

■牧野智和 『日常に侵入する自己啓発:生き方・手帳術・片づけ』 勁草書房、4/92900円+税 〔詳細〕
 *自己啓発書はどのように生み出され、誰によってどのように読まれているのか。自己啓発書には結局のところ何が書かれてあるのか。各年代の生き方指南書、「手帳術」ガイド、掃除・片づけで人生が変わるとする書籍、さらには自己啓発書の作り手と読者へのインタビュー、質問紙調査の分析から「自己啓発の時代」を総合的に考究する。
■河西瑛里子 『グラストンベリーの女神たち:イギリスのオルタナティヴ・スピリチュアリティの民族誌』 法藏館、4/103500円+税 〔詳細〕
 *グラストンベリーで始まった女神運動を事例に、イギリス社会に見られる新しい宗教現象の意義を考察。新発見、新感覚のレポート。

■田口かおり 『保存修復の技法と思想:古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで』 平凡社、4/104800円+税 〔詳細〕
 *これまで乖離していた技法と思想をつなぎ直し、現代美術にまで射程を広げることで新たな芸術の批評言語をも創造せんとする意欲作。

■トゥオノ・ペッティナート、フランチェスカ・リッチョーニ/竹内薫訳 『マンガエニグマに挑んだ天才数学者チューリング』講談社、4/101500円+税 〔詳細〕
 *計算可能性理論を確立し、人工知能の父とも謳われる天才数学者。暗号機「エニグマ」を解読し世界を救った天才の知られざる素顔とは?

■山岸順一、徳田恵一、戸田智基、みわよしこ 『おしゃべりなコンピュータ:音声合成技術の現在と未来』 丸善出版、丸善ライブラリー、4/10760円+税 〔詳細〕
 *現在の音声合成は、いったいどこまで進んでいるのか?どんなふうに利用されているのか?どのような人の、どのような夢を現実にしてきたのか?これから、どのような応用がなされていく可能性があるのか?その応用は人類の将来をどのように変えていくのか?「音声合成」の現在と未来に迫ります。

■デイヴィッド・ヒーリー/田島治・中里京子訳 『ファルマゲドン:背信の医薬』 みすず書房、4/113400円+税 〔詳細〕
 *『抗うつ薬の功罪』の著者が、薬に依存する医療の背景にある医薬業界の巨大な錯誤を明らかにする。とくに臨床試験データの不適切な操作や改ざん、医学論文のゴーストライティングなどの実態を、本書は徹底して暴いている。科学的な医薬への信頼を逆手にとったトリックが特許薬とその需要をつくりだし、医療・医薬のあらゆる側面が人間よりもその経済に奉仕させられる──こうしたディストピア的様相からどうすれば脱却できるのか。

『日本怪獣侵略伝;ご当地怪獣異聞集』 洋泉社、4/111700円+税 〔詳細〕
 *映画で度々怪獣に壊される街。東京タワー・名古屋城・大阪城・・・「ご当地怪獣シリーズ」とは、村井さだゆき氏がバックストーリーを考え、寒河江弘氏が造形を担当する怪獣プロジェクト。その怪獣たちをモデルに、当代きっての人気特撮脚本家とイラストレーターがタッグを組んだ短編小説集。

ウラヌス星風 『西洋占星学研究集成 神秘への扉タローカード入門』 虹星人叢書、4/122500円+送料 〔詳細〕
 *《奇想天外》(1974年)において、「タロット」ではなく「タロー」だと種村季弘と論争したウラヌス星風の著作が初めてまとまった。他にも間羊太郎名義の「悪魔考」なども収録。A5判・並製・モノクロ212頁(モノクロ口絵2頁付)。

谷川渥 『幻想の花園:図説 美学特殊講義』 東京書籍、4/132500円+税 〔詳細〕
 *古今東西の芸術家たちが描いた花々による「幻想の花園」。その謎多き花園を美学の泰斗・谷川渥とともに彷徨う。カラー図版100点以上収録。

■アイデア編集部編 『欧文書体デザインの世界:アイデア・ドキュメント』 誠文堂新光社、4/133000円+税 〔詳細〕
 *2000年以降にデザイン誌「アイデア」で掲載された欧文書体デザイン関連の特集記事約20本を、約350ページにわたる大ボリュームで採録したコンピレーション。90年代のデジタル技術による革新にはじまって高度な発展と多様化を見せてきた欧文書体デザインの世界を、各プロジェクトの詳細な解説、タイプデザイナーへのインタビューや研究者による論考を通じて紹介。

■倉原優 『本当にあった医学論文2 中外医学社、4/152000円+税 〔詳細〕
 *大好評の『本当にあった医学論文』が帰ってきた! 今回も「ヘッドバンギングで脳出血」「力士の左室肥大は発見しにくい」「浮気の予防薬が存在する?」「結婚すると女性の体重は何kg増える?」「ネギを用いた導尿」「手術と満月の関係」などなど、実在する驚きの症例報告、大真面目なだけにどこか笑える論文、臨床に役立つ(かもしれない)論文を紹介。

■ロバート・スティーヴン・ビアンキ監修・著 『古代エジプト美術の世界 魔術と神秘』 平凡社、4/152315円+税 〔詳細〕
 *古代エジプト人の神々への崇拝と魔術的――。ビジュアルを駆使して読み解く、古代エジプト美術の謎。全国巡回する同名展覧会の図録。

■石橋毅史 『口笛を吹きながら本を売る:柴田信、最終授業』 晶文社、4/151600円+税 〔詳細〕
 *85歳の今も岩波ブックセンターの代表として、神保町の顔として、日々本と向きあう柴田信さん。19654月、芳林堂書店に入社以来、書店の現場から〈本・人・街〉を見つめつづける名翁に、『「本屋」は死なない』(新潮社)の石橋毅史が3年にわたり密着した渾身書き下ろし。柴田さんの書店人生を辿ると、本屋と出版社が歩んできた道のり、本屋の未来を考える礎、これからの小商いの姿が見えてくる……。

■サキ/井伊順彦・今村楯夫・他訳 『レジナルド (サキ・コレクション) 風濤社、4/152400円+税 〔詳細〕
 *皮肉屋で少しばかり傲慢。批判精神あふれる痛快キャラクター、われらがレジナルド!

飯間浩明 『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』 PHP新書、4/15780円+税 〔詳細〕
 *『辞典編纂のため、活字・放送・インターネット、さらには街の中などから、あらゆる日本語を「用例採集」し、日々ことばと向き合いながら暮らしている。ちょっと工夫した表現の提案など、人付き合いもよくなることばの使い方を本書にまとめた。

永田生慈監修 『肉筆浮世絵:美の競艶 シカゴウェストンコレクション』 小学館スクウェア、4/162500円+税 〔詳細〕
 *シカゴの実業家であり日本美術のコレクターでもあるロジャー・ウェストン氏による、「肉筆浮世絵」コレクションの日本初公開にあわせて制作された公式図録。

日経サイエンス編集部編 『別冊日経サイエンス205 食の探究』 日経サイエンス、4/162000円+税 〔詳細〕
 *食欲と味覚、健康維持の観点から食を捉え、おいしさの背景にあるサイエンスや持続可能かつ安全な食糧提供、農作物を取り巻く環境変化など、さまざまな話題を取り上げる。「間違いだらけのカロリー計算」「超音波フライドポテト」「チョコレートの木を救う」など、これまでに《日経サイエンス》に掲載された記事の再録。

■神山典士 『ゴーストライター論』 平凡社新書、4/17740円+税 〔詳細〕
 *佐村河内守問題をスクープする一方、自ら数十冊のライティングを手掛けてきた著者によるゴーストライター論。自分の名前を出せないのに、文章を紡ぐことは幸せなのか? その実態を描く。

■小松和彦監修 『大人の探検妖怪』 実業之日本社、4/171600円+税 〔詳細〕
 *大ブームの妖怪だが、実は奥が深い。日本の生活文化に深く根差した妖怪ワールドを民俗学の権威・小松先生と巡る知的冒険の旅。

■金森修 『科学の危機』 集英社新書、4/17760円+税 〔詳細〕
 *職業人としての科学者が誕生した19世紀前半以降の科学史をひも解くことで、科学がいかに変質し、その中で研究者の規範がどう変化したかを解明。〈科学批判〉を通して、暴走する科学へ警鐘を鳴らす。

植田康夫 『「週刊読書人」と戦後知識人』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ174/181600円+税 〔詳細〕
 *安保闘争後の60年代、三島由紀夫・大宅壮一の死に始まる70年代を、書評紙『週刊読書人』編集者として疾走した著者が、書評を通して〈戦後史〉を活写する。→論創社はなぜかこの「出版人に聞く」シリーズを刊行予定に入れようとしないのだが、何か理由があるのか。なお、『「週刊読書人」と戦後の書評史』の仮題だったが、変更になった。

ブレット・ウィルコックス/船瀬俊介監訳 『日本では絶対に報道されないモンサントの嘘:遺伝子組み換えテクノロジー企業の悪事』 成甲書房、4/181700円+税 〔詳細〕
 *モンサントの社員食堂は、遺伝子組み換え食品を使わない。モンサントは贈賄と政治汚職、資金10億ドルを投じた嘘で世界帝国を築き上げた。政治家、規制当局、消費者、さらには自社の従業員にさえ日常的に嘘をつく。立証された事実、実例と写真でモンサント流の嘘を徹底的に暴く告発書。→出版社が出版社なので、かなり胡散臭いのだが。

■徳永聡子編著 『出版文化史の東西:原本を読む楽しみ』 慶應義塾大学出版会、4/212700円+税 〔詳細〕
 *「書物」は、時代を映す鑑である――。書物は時代に応じて書替、挿入、抜粋が行われ、そのテクストも時代と共に変容してきた。本書では、「出版文化」をテーマに、変わりゆく古今東西の書物とその歴史をひも解くことで、そのおもしろさに迫る。

■ホームライフ取材班編 『レシピはときどきウソをつく』 青春出版社、青春新書プレイブックス、4/21980円+税 〔詳細〕
 *料理本や料理サイト、テレビの料理番組など、世の中には料理のレシピに溢れている。しかし中には、「?」と首をかしげるものも、実は少なくない。昔の常識がいまや非常識になっていたり、もっとおいしくなる方法があるのに伝えていなかったり、簡略化するために不親切だったり…。本書では、そんな“レシピのウソ”を白日の下に公表して、おいしく作れるレシピのホントを提供する。

樋口淳 『妖怪・神・異郷:日本・韓国・フランスの民話と民俗』 悠書館、4/212000円+税 〔詳細〕
 *カトリックのフランス、儒教の韓国、そして何でもありの日本。まったく違うように見えても、〈この世〉から〈あの世〉へという構造は同じ。神、妖怪、幽霊、ご先祖さまと、色々かたちを変えてあの世とこの世を生きる〈ひとの世〉の不思議にせまる。日・韓・仏3ヵ国の民話や民間信仰のなかの〈異郷〉を読み解き、妖怪・幽霊・神・祖霊を語り伝えてきた物語の構造と世界観をさぐる、比較民俗学の試み。

■土屋大洋 『サイバーセキュリティと国際政治』 千倉書房、4/212600円+税 〔詳細〕
 *市民社会の自由は国際安全保障の下に制限されるべきなのか。インテリジェンスの視点で近年のサイバーセキュリティの動向を追うとともに、アメリカとイギリスのサイバーセキュリティ政策と組織について検討する。

江戸遺跡研究会編 『江戸築城と伊豆石』 吉川弘文館、4/216000円+税 〔詳細〕
 *江戸城の石垣や城下の建設に用いられた伊豆石はいかに切り出され江戸まで運ばれたのか。江戸城普請に関わった人びとの姿にも迫る。

■中野美代子 『日本海ものがたり:世界地図からの旅』 岩波書店、4/222000円+税 〔詳細〕
 *『西遊記』、『ガリヴァ―旅行記』、ラペルーズの大航海……。他者の視線をたどってみれば、新たな日本海の姿が浮びあがってくる。斬新な切り口で思考を広やかな地平へと誘う、トポグラフィックなエッセイ。

■ジョアン・エクスタット、アリエル・エクスタット/赤尾秀子訳 『世界で一番美しい色彩図鑑』 創元社、4/223600円+税 〔詳細〕
 *色彩の物理と化学を皮切りに、地球から宇宙、植物から動物、人類の領域へと、世界を彩る「色」の姿をあきらかにしていく。

ハンス・ビーダーマン/藤代幸一監訳 『図説世界シンボル事典 普及版』 八坂書房、4/233900円+税 〔詳細〕
 *世界各地の神話・宗教・民間伝承から魔術・錬金術・秘密結社に至る幅広い領域を対象に、繰り返し現れる重要なシンボルを紹介、解説する。検索機能も充実した、シンボル図像の一大データベース。→元版は八坂書房、200011月刊行(7800円+税)。

■千森幹子 『表象のアリス:テキストと図像に見る日本とイギリス』 法政大学出版局、4/245800円+税 〔詳細〕
 *ルイス・キャロルが創造した少女アリスは、その誕生から今日まで、挿絵画家や翻訳者たちによってどのように描かれてきたか。原作のノンセンス世界を見事に解釈・構築したテニエルの挿画や、明治以降の日本の翻訳・翻案作品に現れた多様な少女像を、アリス図像研究の第一人者が初めて詳細に比較分析した労作。

■齋藤桂 『〈裏〉日本音楽史:異形の近代』 春秋社、4/242400円+税 〔詳細〕
 *西洋化と日本らしさの確立に揺れた近代。その過程で神話、都市伝説、怪談を持出して大真面目に「日本音楽とは何か」を説く音楽家、学者も登場した。非合理なのに魅惑的な言説の数々。そこから何が見えるのか。伝統音楽、軍歌、唱歌、民謡を題材に近代を捉え直す。

■ダイアン・ヘイルズ/仙名紀訳 『モナ・リザ・コード』 柏書房、4/242400円+税 〔詳細〕
 *2014年、ある遺骨がDNA鑑定でモナ・リザ本人のものと特定された。彼女が生きたルネッサンス期フィレンツェ、ダヴィンチやメディチ家をとりまく人間関係を徹底追跡し、そこから浮かび上がった2つの謎に挑む。

■ジョン・コーンウェル/松宮克昌訳 『ヒトラーの科学者たち:科学・戦争と悪の協定』 作品社、4/243800円+税 〔詳細〕
 *ロケット、ジェット機、原子力、自動車、情報通信、抗がん研究、バイオテクノロジー、物理学、数学、精神分析、健康科学、暗号システム、コンピュータ……21世紀のいま、私たちを支える科学技術は、ナチス・ドイツと戦争から生まれてきた。戦争と科学が結びつくとき、いったい、何が起きるのか? 総勢100人以上の科学者たちの葛藤と絶望、抵抗を描き切った傑作ノンフィクション。

ヴィリ・ザイデル/垂野創一郎訳 『世界最古のもの』 沖積舎、4/242500円+税 〔詳細〕
 *伝統的怪奇小説の恐怖が、戦争の新しいモード、機械装置による大量殺戮がもたらす現実の恐怖に出会ったときの衝撃を生々しく感受させる、「すさんで、ぼろぼろになった極彩色の物語」。アルフレート・クビーンの挿画も収録。→訳者のブログ「プヒプヒ日記」も参照。なお、元版のエディション・プヒプヒ(私家版)版は1000円だった。

■伊藤隆 『歴史と私:史料と歩んだ歴史家の回想』 中公新書、4/25880円+税 〔詳細〕
 *近現代史研究を牽引した歴史学者が、これまでの歩みを語る。史料収集からオーラル・ヒストリーまで、歴史学の醍醐味の詰まった一冊。史料を駆使して、近現代史を切り開いた泰斗の稀有な回想録。→ただし、伊藤隆『日本近代史:研究と教育』という私家版がかなり前に刊行されている。

■唐澤太輔 『南方熊楠:日本人の可能性の極限』 中公新書、4/25880円+税 〔詳細〕
 *百科事典を丸ごと暗記、二十以上の言語を解したなど虚実多くの伝説に彩られた南方熊楠。その破天荒な生涯をたどり、思想と業績を紹介。

モートン・マイヤーズ/小林力訳 『セレンディピティと近代医学:独創、偶然、発見の100年』 中公文庫、4/251100+税 〔詳細〕
 *〈常識はずれ〉が命を救う――ピロリ菌、心臓カテーテル、抗うつ剤、バイアグラ……みんな予期せぬ発見だった! 失敗を進歩に結びつけた科学者たちのドラマチックな逸話の数々。→元版は中央公論新社、2010年3月刊行。

■高野明彦 『検索の新地平』 KADOKAWA、角川インターネット講座8、4/252500円+税 〔詳細〕
 *知の蓄積の歴史はすなわち「検索」の歴史でもある。文章、画像、動画など多様で膨大なインターネット上のデータを利用するために進化し、今やゲノム解析にも応用され人工知能の基礎となる検索技術の最新状況とは。

■マイク・ゴールドスミス/府川由美恵・泉流星訳 『騒音の歴史』 東京書籍、4/252500円+税 〔詳細〕
 *「騒音」とは何か? 音に関する科学技術の進歩と騒音問題との歴史的かかわりを追究し,やっかいな騒音問題をさまざまな視点から解説する。私たちにとっての騒音に関する知見や考察をまとめた世界初の書である。

■藤井聡 『〈凡庸〉という悪魔:21世紀の全体主義』 晶文社、犀の教室、4/251600円+税 〔詳細〕
 *「思考停止」した「凡庸」な人々の増殖が、巨大な悪魔=「全体主義」を生む。21世紀の全体主義は、ヒトラーのナチス・ドイツの時代と違い、目に見えない「空気」の形で社会を蝕む。思考停止が蔓延する危機の時代に読まれるべきテキスト。

■水木しげる/村上健司編 『改訂・携帯版日本妖怪大事典』 角川文庫、4/251400円+税 〔詳細〕
 *古から現代まで、全国津々浦々に跳梁跋扈し、語り継がれてきた妖怪たちを、この一冊に収めた“妖怪事典の決定版”。総項目数1592、水木しげるの妖怪画を多数収録。待望のハンディ版。

■山口晃 『山口晃前に下がる下を仰ぐ』 青幻舎、4/252200円+税 〔詳細〕
 *山口晃の「今」が凝縮した待望の最新作品集! 『山口晃大画面作品集』以降の新作から、独自の人気コンテンツまで掲載。

神山修一 『世界偉人変人博物館:77のよりすぐりの人生』 エンターブレイン、4/251300円+税 〔詳細〕
 *レオナルド・ダ・ヴィンチ、ジャンヌ・ダルクなど超有名人の知られざる裏の顔から、勝手にアメリカ皇帝を名乗りだしたり、潔癖過ぎて裸のマネキンまで猥褻物だと提訴したり、世間からズレた方向へつっぱしっちゃう奇人まで。

■ジュリアン・アングゥイン/三浦和子訳 『ドラグネット 監視網社会:オンライン・プライバシーの守り方』 祥伝社、4/271650円+税 〔詳細〕
 *今や、急速に発達したテクノロジーを利用して、政府や企業が一般市民の個人データを無差別に収集する時代になっている。現代社会は、自宅から一歩も出なくても、常に監視され情報が盗まれる、ドラグネット(監視網)社会なのだ。このドラグネットから身を守るにはどうしたらいいのか。本書では、オンライン・プライバシー問題を専門とするITジャーナリストである著者が、一般市民の立場から一年間、現実的な範囲でさまざまな策を試みてゆく。                       

■ルイス・キャロル/高山宏訳、佐々木マキ絵 『不思議の国のアリス』 亜紀書房、4/281600円+税 〔詳細〕
 *ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』初版刊行150周年記念出版! 高山宏の完全新訳と佐々木マキの描き下ろしイラスト約50枚で贈る、日本語版『不思議の国のアリス』の決定版! 装丁は祖父江慎+cozfish

■小池寿子 『謎解きヒエロニムス・ボス』 新潮社、とんぼの本、4/281600円+税 〔詳細〕
 *こんな絵見たことない! 500年前に描かれた驚異の天国&地獄絵巻。最新研究に基づいて未だ謎多き画家の全真作20点を読み解く。→たぶん《芸術新潮》20149月号、特集「中世の大画家 ヒエロニムス・ボスの奇想天国」の再編集もの。

■ロデリック・ケイヴ/樺山紘一日本語版監修 『世界を変えた100の本の歴史図鑑:古代エジプトのパピルスから電子書籍まで』 原書房、4/283800円+税 〔詳細〕
 *時代や地域、ジャンルを問わず、「本の発展の歴史」においてターニングポイントになった100冊から、さまざまな文化や時代で本がどう変遷し、どう関連したかを300点以上の貴重な図版とともにわかりやすく解説する。

情景師アラーキー(荒木智) 『凄い!ジオラマ:超リアルなミニチュア情景の世界』 アスペクト、4/281980円+税 〔詳細〕
 *模型のすき間に物語がある。映画のセットを再現した「ゴッサムシティ」、昭和の風景、トタン壁の造船所、西瓜の夏…。超リアルなミニチュア情景の作品集。作り方などを取り上げたコラムも収録。→HONZサイトには本書をプロデュースした石黒謙吾氏による紹介がある。

■ヘレナ・アトレー/三木直子訳 『柑橘類と文明』 築地書館、4/292700円+税 〔詳細〕
 *オレンジのふるさとであるヒマラヤ山麓の村から、古代ローマ、ルネッサンス期フィレンツェのレモン庭園、シチリア島のブラッドオレンジ――ゲーテの詩作から、イギリス海軍、香水産業まで。ヨーロッパ文化に豊かな残響を届け続ける柑橘類の文明史をイタリアの明るい陽光のもとで香り高く描く。

■大田俊寛 『宗教学』 人文書院、ブックガイドシリーズ 基本の30冊、4/301900円+税 〔詳細〕
 *オウム真理教事件の蹉跌を越えて、宗教について体系的に思考するための30冊。古今東西の基本書からカルト宗教論まで幅広く丁寧に解説します。宗教とは何かを根本的に論じた序文にも注目下さい。初学者に最適であることはもちろん、宗教問題に揺れる現代世界を考える上でも必読です。序文はこちら

《メディア史研究》VOL.37、ゆまに書房、特集=技術から見たメディア史:メディア機能が求める技術/技術が作るメディア機能、2400円+税 〔詳細〕
 *技術から見たメディア史への問題提起(有山輝雄)/木版から活版へ~官版と揺籃期新聞社の対応(山口順子)/技術から見たメディア史―量的拡大と省力化の技術―(有山輝雄)/『漢城旬報』を創った印刷技術者―真田謙蔵に関する覚え書き―(乾 照夫)/戦争がもたらした製版印刷術の技術革新―大正期の日本印刷界と第一次世界大戦ポスター―(田島奈都子)/明治前期の京都新聞史(上)―木版印刷から活版印刷へ―(樋口摩彌)など。

■久保田一洋 『北斎娘・応為栄女集』 藝華書院、4/302000円+税 〔詳細〕
 *稀代の浮世絵師葛飾北斎娘にして女浮世絵師葛飾応為。その作風は妖艶にして繊細、怜悧にして大胆で見るものを魅了してやまない。本書は初紹介作品・特別掲載作品も含め、各作品の来歴を抑えると共に、父子の作風の類似点・相違点に注目し、新たな研究視点を提示する。

TEAS事務所 『萌える!ヴァンパイア事典』 ホビージャパン、4/301500円+税 〔詳細〕
 *夜の貴族“ヴァンパイア”には、キケンで妖しい魅力がいっぱい! ファンタジーや現代伝奇モノでも人気を集める「吸血鬼」ヴァンパイアを、「萌える!事典シリーズ」が徹底解剖!かわいくてちょっとエッチなイラストと、真剣なのにわかりやすい解説で、吸血鬼を丸ハダカにします!

■鹿島茂 『アール・デコの挿絵本:ブックデザインの誕生』 東京美術、4/302800円+税 〔詳細〕
 *優れた画家と、高度な技術を持った職人、富裕なパトロンが同時代に存在したことで生まれた、20世紀初頭フランスの造本芸術。ありとあらゆる細部に至るまで、こだわり抜いて制作され、史上最高の域に到達したデザインの美の真髄に迫る。

■上野友愛、岡本麻美 『かわいい絵巻』 東京美術、4/301800円+税 〔詳細〕
 *「鳥獣人物戯画」絵巻を筆頭に、日本の絵巻の「かわいい」作品(場面)を取りあげ、日本人になじみ深い「かわいい」という感性が「絵巻」の中でどのように表現され、需要されたかを、見て楽しく、読んでわかりやすく提示する。

■式貴士著/五所光太郎編 『虹のジプシー 完全版』 論創社、4/303000円+税 〔詳細〕
 *本書の目玉は「ほどほどに長いあとがき」に書かれていた幻の習作『アステロイド』版『虹のジプシー』が初めて活字になることです。その他、関連エッセイと、土屋裕氏による角川文庫版解説を収録。SF雑誌『奇想天外』で発表された『虹のジプシー』が、単行本とどう違うか調査した資料も巻末に収めました。単行本版、同人誌版、文庫版、雑誌版の全てを堪能できる「完全版」です。

原田安啓 『中世イスラムの図書館と西洋:古代の知を回帰させ,文字と書物の帝国を築き西洋を覚醒させた人々』 日本図書刊行会(発売・近代文藝社)、4/302500円+税 〔詳細〕
 *知の保存と伝播に重要な役目を果たしてきた図書館。その歴史を振り返ると、決して平坦な道ではなかった。イスラム地域に存在した知と図書館の探求を進めるとき、私たちはそこが「文字と書物の国」であったことを思い知らされる。

■黒田泰三 『思いがけない日本美術史』 祥伝社新書、4/30880円+税 〔詳細〕
 *日本画の魅力は、刺激的な色や形が織り成す造形美ではなく、むしろありふれて何でもないモノや出来事を描き、刺激的ではない色や形であらわされた面白さにあります。 本書では、従来の時代順の美術史では見えてこなかった、そのおもしろさを画題ごとに見ることであぶりだします。

■臼田捷治 『書影の森:筑摩書房の装幀1940-2014 みずのわ出版、4/3010000円+税 〔詳細〕
 *本書は、筑摩書房の装幀に携わった幾多のデザイナー、編集者、社内デザイナーの仕事の紹介をとおして、魅力あふれる豊かな実りの系譜を展望しようと企図した。そのことで、わが国の出版文化史に類いない光芒を放つとともに、出版界のひとつの指標となっている同社の装幀が果たしている役割を多角度から浮き彫りにできれば、と思う。林哲夫氏のブログにも紹介あり。初校段階の紹介もあり。→ただし版元自体のサイトにある「限りなく閉店に近い経営縮小のお知らせ」によれば、自費出版は継続するそうなので、その形態か?

 
◆2015年5月上旬刊行
フラヴィオ・フェブラロ/神原正明・内藤憲吾訳 『エロティック美術の読み方』 創元社、5/13800円+税 〔詳細〕
 *西洋美術を中心に、世界のエロティック美術を古代から現代まで通観し、その表現を当時の性愛観、性習俗、社会構造、世界観などから読み解く「西洋美術の読み方」シリーズの別巻。西洋美術の名画だけでなく、スケッチ、版画、彫刻、挿絵、写本、無名画家の作品まで取り上げ、性表現の多彩で豊饒な世界を紹介する。常に美術の中心にありながら本格的に取り上げられることの少なかったエロティック美術を俯瞰できる好著。

■エドゥアール・ブラゼー/松平俊久監修 『西洋異形大全』 グラフィック社、5/53800円+税 〔詳細〕
 *不思議な西洋の異形たちの起源や真の姿などを知りたいすべての人へおくる、学術的資料性の高い1冊。西洋における250以上の異形を、「光の住人たち」「幻想動物たち」「闇の住人たち」の3つに分類し、文献上の記述、出生地・棲息地域、姿形、習性、歴史、神話・伝説・伝承上の逸話等、あらゆる角度から紹介。

倉島節尚 『辞林探究:言葉そして辞書』 おうふう、5/59000円+税 〔詳細〕
 *国語学と、「辞書編集を巡る二、三の覚書」など辞書学の論考を収める。

海野和男 『自然のだまし絵 昆虫の擬態:進化が生んだ驚異の姿』 誠文堂新光社、5/73000円+税 〔詳細〕
 *1993年に写真集『昆虫の擬態』を出してから12年。そして海野氏が擬態写真を撮るようになってから45年になった。今回の写真集は、海野氏自ら「私の決定版と言えるものにしたい」という意気込みから生まれた新版の擬態の写真集。

『タイポグラフィ07 活字の現在』 グラフィック社、5/72000円+税 〔詳細〕
 *特集「活字の現在」では、活字を組んで印刷している活版工房や活字を収蔵する博物館など、国内外の15施設を紹介。活版印刷を頼むときに役立つ活字書体見本帳や活版印刷で刷ったポストカードつき。

R. U. Schneider/石浦章一・宮下悦子訳 『狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験』 東京化学同人、5/72100円+税 〔詳細〕
 *本書は、科学史上の大発見(ともいえない小発見も多いが)が見つかったときや実験時のエピソード集。分野も生命科学,物理学から心理学に至るまで幅広く、研究の醍醐味、研究ともいえないちょっとした試み、異分野の偉人の発想など、一読に値するものが多い。

鈴木光太郎 『増補 オオカミ少女はいなかった:スキャンダラスな心理学』ちくま文庫、5/8840円+税 〔詳細〕
 *サブリミナル効果は捏造だった? 虹が3色にしか見えない民族がいる? 否定されているのによみがえる、心理学の誤信や迷信を読み解く。

■菊地章太『日本人とキリスト教の奇妙な関係』 角川学芸出版、角川新書、5/8800円+税 〔詳細〕
 *キリスト教の書籍はベストセラー、結婚式はチャペルで挙げる、しかし信者は国民の1%――日本人とキリスト教の特異な関係はなぜ生まれたのか。歴史をひもときながら、日本人固有の宗教観を浮き彫りにする。

■中谷伸生 『耳鳥齋アーカイヴズ:江戸時代における大阪の戯画』 関西大学出版部、関西大学東西学術研究所資料集刊、5/85500円+税 〔詳細〕
 *江戸時代の大坂が生んだ、奇矯で滑稽な戯画作者・耳鳥齋。「仮名手本忠臣蔵」(掛幅)をはじめ、多数の作品をカラーで紹介するほか、制作時期をめぐる分類試論、作品解説、資料「上方趣味」なども収録する。→3月刊行予定だったようだが、どうやら未刊。

■ベン・マッキンタイアー/小林朋則訳 『キム・フィルビー:かくも親密な裏切り』 中央公論新社、5/102700円+税 〔詳細〕
 *誰からも愛されながら、その全員を裏切っていた男――MI6長官候補にして、ソ連側の二重スパイ。衝撃の亡命までの30年に及ぶ離れ業を、MI6同僚との血まみれの友情を軸に描く。

■加藤秀俊 『メディアの展開:情報社会学からみた「近代」』 中央公論新社、5/103300円+税 〔詳細〕
 *「江戸時代=暗黒」史観は正しいか。近代社会の出発点が明治維新ではなく徳川時代にあったことを説く「加藤メディア論」の集大成。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス/柳瀬尚紀訳 『幻獣辞典』 河出文庫、5/111100円+税 〔詳細〕
 *セイレーン、八岐大蛇、一角獣、古今東西の竜といった想像上の生き物や、カフカ、CS・ルイス、スウェーデンボリーらの著作に登場する不思議な存在をめぐる博覧強記のエッセイ120篇。→元版は晶文社、1974年刊行。

■ミステリー文学資料館編 『古書ミステリー倶楽部 III 光文社文庫、5/12 800円+税 〔詳細〕
 *ひとたび指紋のついた本には、往々にドラマがつきまとい、ミステリアスな雰囲気を醸します。そんな謎に充ちた傑作ばかりを収めた好評の推理アンソロジー第三集!五木寛之、井上雅彦、北村薫、宮部みゆき、小沼丹、山本一力、曽野綾子、法月綸太郎、長谷川卓也。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆2015年5月中旬以降刊行予定
《ナイトランド・クォータリー》vol.01 吸血鬼変奏曲、発行=アトリエサード/発売=書苑新社、5/131700円+税 〔詳細〕
 *新創刊号の特集テーマは、「吸血鬼」! 翻訳8編、日本作家3編の厳選傑作短編を掲載した他、エッセイやブックガイドで吸血鬼の魅惑に迫ります。

■小倉孝保 『三重スパイ:イスラム過激派を監視した男』 講談社、5/141800円+税 〔詳細〕
 *発端は祖国を救うためだった。アルジェリアからフランス、そしてイギリスのMI5へ――。3ヵ国の諜報機関を渡り歩いた「トリプル・エージェント」レダ・ハセインの数奇な50年。イスラム過激派との興亡、そして諜報機関の裏切り……。

エリカ・ラングミュア/石井朗・伊藤博明訳 ロンドン・ナショナル・ギャラリー アレゴリー』 ありな書房、5/141600円+税 〔詳細〕
 *アレゴリーとは「愛は盲目」や「光陰矢のごとし」などの抽象的な表現を、絵画などの具体的な表象を用いて古代の神話や聖書、あるいは中世の占星術に範をとり、比喩的かつ暗喩的に表わす方法のことである。絵画的には、その概念を明らかにするアトリビュートをともなう、擬人像として表現されることが多い。たとえば、本書で説かれる、西欧美術に表わされたアレゴリーの主要なタイプである〈美徳〉と〈悪徳〉のように。

■植村峻 『紙幣肖像の近現代史』 吉川弘文館、5/153500円+税 〔詳細〕
 *偽造防止などのために不可欠な紙幣の肖像画。神功皇后から福沢諭吉まで、肖像が選ばれた時代背景を明らかにし紙幣の歴史を描き出す。

■今野真二 『盗作の言語学:表現のオリジナリティーを考える』 集英社新書、5/15720円+税 〔詳細〕
 *コピペやパクツイが氾濫する今、オマージュやパロディーなどの表現形態から、寺山修司、北原白秋の詩、短歌・俳句、辞書の語釈まで、日本語学の第一人者が表現のオリジナリティーの意味を徹底考察。

■定延利之編 『私たちの日本語研究:問題のありかと研究のあり方』 朝倉書店、5/152200円+税 〔詳細〕
 *「日本語」はこんなに面白い。「私たち」が何気なく話して書いて読んでいる「日本語」は、学問的な目線で見るとツッコミどころ満載である。「面白がる」ことで、日本語学の今日的なテーマを洗い出す。

阿古真理 『小林カツ代と栗原はるみ:料理研究家とその時代』 新潮新書、5/16780円+税 〔詳細〕
 *家庭料理の革命家&カリスマ! 小林カツ代と栗原はるみを中心に、百花繚乱の料理研究家を大解剖。彼女たちは時代を映す鏡であり、その歩みは日本人の暮らしの現代史である。本邦初の料理研究家論。

伊東ひとみ 『キラキラネームの大研究』 新潮新書、5/16780円+税 〔詳細〕
 *苺苺苺と書いて「まりなる」、愛夜姫で「あげは」、心で「ぴゅあ」……。珍奇な難読ネームが日本を席巻しつつある。その意外なルーツは日本語の本質、漢字を取り入れた瞬間に背負った宿命の落とし穴だった。目からウロコの日本語論。

フランソワ・フュレ/浜田道夫・木下誠訳 『歴史の仕事場(アトリエ)』 藤原書店、5月中旬、3600円+税 〔詳細〕
 *社会・人文諸科学と歴史学の新しい関係 フランス革命、マルクス主義革命などを「脱神話化」してきたフュレが、『アナール』の歴史学者たちの間にあったある種の一体性を超克し、“科学としての歴史学を追求”、事実と歴史との関係を定義し、さらに新しい歴史の仕事場(アトリエ)を切り拓こうと試みる画期的論集。

■篠田航一 『ナチスの財宝』 講談社現代新書、5/19760円+税 〔詳細〕
*ヒトラーが強奪した「消えた宝」10万点のゆくえを追うルポルタージュ。略奪美術品から、ナチスと戦後ドイツの裏歴史を読み解く。

■ジャンニ・A・サルコーネ/北川玲訳 『謎解き錯視傑作135選』 創元社、5/191500円+税 〔詳細〕
 *古くから人は「謎」を好んできた。だまし絵に潜む「隠されたもの」を探し出す喜びは、今も変わらず生き続けている。本書は時代を越え、世界中で人々を魅了し続けてきたさまざまなタイプの錯視芸術の傑作を135点厳選し、クイズ形式の解説文を付した一冊。

■ヴィンセント・F・ホッパー/大木富訳 『中世における数のシンボリズム:古代バビロニアからダンテの『神曲』まで』 彩流社、5/203700円+税 〔詳細〕
 *古代文明、キリスト教、神秘主義、カバラ、魔術、民間伝承、世俗的著作などあらゆる領域における、様々な数の象徴の意味と用法を、豊富な具体的資料を用いて詳細に分析することを通して明らかにする。

■佐野秀太郎 『民間軍事警備会社の戦略的意義:米軍が追求する21世紀型軍隊』 芙蓉書房出版、5/205800円+税 〔詳細〕
 *基地支援、警護・警備、通訳、兵站支援、通信など非戦闘活動を請け負う民間軍事警備会社(PMSC)は
いまや米軍の部隊規模を上回るほど大きな存在になっている。イラク、アフガニスタンでの事例を徹底検証し、その影響力の大きさと米軍のあり方を分析した論考。

木村元彦、大泉実成、梶田陽介、加藤直樹 『さらば、ヘイト本!:「嫌韓反中本」ブームを蘇らせないために』 ころから、5/20900円+税 〔詳細〕
 *他民族を嘲笑したり、排外主義を煽る「ヘイト本」は、すでにオワコン(終わったコンテンツ)となっている。しかし、それらがどのようにして量産されたかを明らかにせずに、「再燃」を防ぐことはできない。出版業界に生きるジャーナリストたちが、自ら立ち上がり、そのカラクリを暴く。

安田浩一 『ヘイトスピーチ:「愛国者」たちの憎悪と暴力』 文春新書、5/20800円+税 〔詳細〕
 *はたして、被害者を生み出すばかりの「排外主義」、この拡大を食い止める術は、あるのだろうか?

今野真二 『言語の揺れ』 清文堂出版、日本語学講座105/203500円+税 〔詳細〕
 *さまざまに変化することば。「揺れる」言語事象を、さまざまな文献から読み解く。

新保博久 『ミステリ編集道』 本の雑誌社、5/212000円+税 〔詳細〕
 *今の編集者は夜、寝るでしょ? 作家も編集者も眠らなかった草創期から読者を眠らせなくなった現代まで、編集者13人の証言でたどる戦後ミステリ出版史。

『完全復刻版「本の雑誌」創刊号~10号BOXセット』 本の雑誌社、5/215000円+税 〔詳細〕
 *創刊40周年記念。幻の創刊号から10号までの10冊を出来うる限り当時のまま完全復刻し、10冊まとめて箱に入れた愛蔵版となります。

中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5/226400税 〔詳細〕
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した秘伝書。知謀計略から天文、薬方、忍器まで、忍びの業の全てを明らかにする。初の全文現代語訳、詳細な注のついた読み下し文に加え、資料として原本の復刻を付す。

■山﨑久道 『情報貧国ニッポン:課題と提言』 日外アソシエーツ、5/222200円+税 〔詳細〕
 *情報を〈蓄積流通〉させる仕組みが弱体な日本では、データベースや電子ジャーナルを活用するシステムが貧弱なため、学術の研究成果を産業・科学技術分野に貢献させることが難しい。国家戦略として西欧型情報ストック装置をつくり、デジタルアーカイブの展開を図るべきであると説く。

『美術品所蔵レファレンス事典日本絵画篇(近現代)』 日外アソシエーツ、5/2236000円+税 〔詳細〕
 *明治以降(近現代)の日本の絵画作品がどの美術館・博物館(海外含む)などの機関や団体に所蔵されているかがわかるレファレンス事典。美術全集・個人全集、主要作品集に収録された作品2万点を作家別に一覧できる。「所蔵別索引」「作品名索引」付き。

■島薗進、高埜利彦、林淳、若尾政希編 『書物・メディアと社会』 春秋社、シリーズ日本人と宗教、5/223200円+税 〔詳細〕
 *近世の出版事業に焦点を当てて、それが宗教に与えた影響を検討し、あわせて、近代におけるメディアとの関係を論じる。

平野甲賀 『きょうかたるきのうのこと』 晶文社、5/231500円+税 〔詳細〕
 *文字や装丁のこと、舞台美術やポスターのこと。劇場プロデュースや展覧会のこと。先輩や後輩のこと、友人のこと、そして家族のこと……。昨日から今日、そして明日を気ままに行き来しながら綴るエッセイ集。

鳥集徹 『新薬の罠:子宮頸がん、認知症…10兆円の闇』 文藝春秋、5/231600円+税 〔詳細〕
 *ディオバン事件で明らかにされた「製薬会社」と「医療」の近すぎる関係とは!?  徹底取材で「利益相反」の実態と癒着の核心に迫る。

藤原書店編集部編 『名伯楽:粕谷一希の世界』 藤原書店、5/252800円+税 〔詳細〕
 *『中央公論』『東京人』などの名編集長として、また高杉晋作、吉田満、唐木順三らの評伝を手がけた評論家として、時代と人物の本質に迫る仕事を残した粕谷一希(1930-2014)。一周忌を記念し、粕谷一希を知る人々が、その「人」と「仕事」を描く。

木村俊介 『漫画編集者』 フィルムアート社、5/251800円+税 〔詳細〕
 *漫画編集者は何をつくりだしているのか? 何かと何かのあいだに立ってものをつくる仕事に関わるすべての人へ。喜び、苦しみ、逡巡、充実感が息衝く、「私たちの時代」のインタビュー・ノンフィクション! ふみふみこ、平本アキラ、ゆうきまさみ、枢やな、松本大洋による描き下ろし特別マンガ「私の担当編集者」収録!

■大澤俊彦・木村修一・古谷野哲夫・佐藤清隆 『チョコレートの科学』 朝倉書店、5/253200円+税 〔詳細〕
 *世界中の人々を魅了するお菓子の王様、チョコレートについて最新の知見をもとにさまざまな側面から解説。

伊藤敏樹 『十字軍「聖戦」秘譚:対立と融合の真実』 原書房、5/252600円+税 〔詳細〕
 *聖地をめぐってキリスト教とイスラム教がしのぎをけずるという構図に欠けていたもの。それは古くから中東にあるバール神、女神アタルガティス信仰の根の深さではないのか。これまでにない視点で十字軍と人々の姿を俯瞰した意欲作。

ガナナート・オベーセーカラ/中村忠男訳 『キャプテン・クックの列聖:太平洋におけるヨーロッパ神話の生成』 みすず書房、5/256800円+税 〔詳細〕
 *ハワイ諸島を発見したキャプテン・クックはなぜ殺され、聖なる者として祀られたのか。残された航海日誌からその謎を明らかにする。

ロバート・クナップ/西村昌洋監訳、増永理考・山下孝輔訳 『古代ローマの庶民たち:歴史からこぼれ落ちた人々の生活』 白水社、5/264800円+税 〔詳細〕
 *エリートによる歴史記述に現れない庶民の実態をさぐる。古典作家の著作、墓碑をはじめとする金石文、キリスト教関係の資料、パピルスなど多岐にわたる資料を駆使して、一般民衆、奴隷、解放奴隷など、歴史の表には現れない庶民の生活を描き出す。

■都筑道夫/日下三蔵編 『都筑道夫ドラマ・ランド 完全版』 上下、河出書房新社、5/27、各2900円+税 〔上:詳細〕 〔下:詳細〕
 *推理作家・都筑道夫の遺した脚本を集成。〈読物としても、成立する。そういう映画脚本を書いてみたい、と思っているうちに…機会がおとずれた〉。上巻にはアクション映画「パリから来た男」他。下巻には「夜のミステリー」と銘打たれた「幽霊屋敷」他ラジオドラマ、特撮アクションテレビドラマ「スパイキャッチャーJ3」等。特別資料も付した完全版。

■岩井宏實監修 『日本の妖怪百科』 河出書房新社、5/273800円+税 〔詳細〕
 *鬼、天狗、一つ目小僧、コナキ爺、河童、小豆洗い、海坊主、雪女、塗り壁、化け猫、ザシキワラシ……古来描かれてきた妖怪画の数々とともに、伝承や古典文学に現れたもののけの世界を探る。

■川本三郎 『サスペンス映画ここにあり』 平凡社、5/272400円+税 〔詳細〕
 *暗黒街の男たちと妖しいファム・ファタールたちが彩る、ミステリの世界へようこそ――。F・ラングからR・フライシャーまで、往年の名作から未公開の衝撃作まで、その魅力をたっぷり紹介する、ファン必携の大著。→タイトルが『ミステリ映画大全』から変更になった。

■横田冬彦編 『読書と読者』 平凡社、本の文化史15/272800円+税 〔詳細〕
 *近世初頭の出版業の開始以降を中心に、書籍を読む歴史を多角的に明らかにする論集の第1弾。→amazonでは「一時的に在庫切れ」表示(11/17現在)だが、そもそも未刊なのだから、明らかな嘘。刊行予定に間に合わないと、未刊とは認識できずamazonのコンピュータが異常反応してしまうのか。→11/12刊行予定だったが、未刊。平凡社のサイトは刊行予定の管理がしっかりしていないのが問題。→3月刊行予定に変更。→4月に予定変更。→さらに5月に変更。

■鈴木俊幸編 『書籍の宇宙:広がりと体系』 平凡社、本の文化史25/273000円+税 〔詳細〕
 *版本を中軸に据えて、書籍メディアのさまざまなあり方を紹介、社会・歴史のなかでそれらが持っていた力を鮮明に描き出す。→こちらも同様に11/12刊行予定だったが、未刊。→3月刊行予定に変更。→4月に予定変更。→さらに5月に変更。

『なぜ蝶は美しいのか』 エクスナレッジ、5/271900円+税 〔詳細〕
 *生き生きとした描写と美しい写真を通して、蝶や蛾のリアルな姿を新しい視点でみせる。蝶の羽の魅惑的な色やデザインはなぜ進化したのか。多種多様な興味深い行動・擬態・カムフラージュはどんな意味があるのか。

堀川大樹 『クマムシ研究日誌:地上最強生物に恋して』 東海大学出版部、フィールドの生物学155/282000円+税 〔詳細〕
 *クマムシは緩歩動物門に分類される体長1mm以下の小さな生き物。一番の特徴は耐性力で、-273度の低温から100度の高温下、人の致死量の1,000倍相当の線量の放射線下など、様々なストレスに耐えられるとされる。著者はクマムシによる人類救済に役立つシステムを探るべく研究にあたっている。

ジェリー・トナーマルクス・シドニウス・ファルクス/橘明美訳 『奴隷のしつけ方』 太田出版、5/281800円+税 〔詳細〕
 *奴隷なくして回らない古代ローマ社会の現実と、来る格差社会を生き抜くためのヒントを学べる一冊。古代ローマ貴族が教える、究極の“人を使う技術”。

F・ブラウン、S・ジャクスン他/中村融編訳 『街角の書店:18の奇妙な物語』 東京創元社、創元推理文庫、5/29940円+税 〔詳細〕
 *おばあちゃんの買い物メモがもたらす、ささやかで温かな奇蹟とは――シャーリイ・ジャクスン「お告げ」。書かれることがなかった『傑作』ばかりが集まる書店を訪れた作家の数奇な運命を描く、ネルスン・ボンド「街角の書店」。雪降る夜、バス発着所での男女の対話が思わぬ結末を迎える、ケイト・ウィルヘルム「遭遇」など、文豪の異色作から知られざる作家の傑作まで、奇妙で愛しい18の物語。目次はこちら

工藤美代子 『ノンフィクション作家だってお化けは怖い』 KADOKAWA5/301400円+税 〔詳細〕
 *ノンフィクション作家である著者には、日常的に霊や不思議なものが視えてしまう。雑踏を匍匐前進する青年兵、生首の髪を切る美容室、深夜に階段を上がる衣擦れの音…じんわり怖くて、味わい深い怪談実話エッセイ第2編。

■木本至 『明治の諷刺雑誌かく闘えり:「団団珍聞」「驥尾団子」がゆく』 白水社、5/302800円+税 〔詳細〕
 *創刊者は『西洋見聞録』の著者、記者は戯作者・漢学者等の鬼才揃い。激動の明治時代に対し二つの反骨雑誌がどんな諧謔諷刺の矢を放ったかを、多数の図版 (123) と共に鮮やかに再現。

吉田洋子 『小林清親:失われた東京を描く光と影の絵師』 平凡社、別冊太陽 日本のこころ 2295月、2400円+税 〔詳細〕
 *変貌する明治の東京を描き、“光線画”と呼ばれるジャンルを創り出した清親。全93点の光線画全点に加え、動植物画やポンチ絵など、その画業の全体像に迫る。

大野寿子編 『カラー図説グリムへの扉』 勉誠出版、5月、2400円+税 〔詳細〕
 *ドイツ・グリム兄弟博物館所蔵の貴重資料や古今東西の挿絵など、250点を超えるカラー図版を掲載。グリム兄弟の思想や人となり、挿絵の変遷と影響関係、日本における受容史、他文化圏の民話との比較研究など、「グリム」を通して、異文化やメルヒェンの多彩な学びの方法とその楽しみを提示する。

永冨青地編訳 『中国書籍史のパースペクティブ:出版・流通への新しいアプローチ』 勉誠出版、5月、6000円+税 〔詳細〕
 *広く東アジアに伝播し、文字や学問、思想、技術を伝える媒体となった漢籍。その出版・流通・蒐書など、書物をめぐるコミュニケーションを担う人びとの営みを描き出した、研究の第一線を示す本邦初公開の必読論文を収載。

宮崎揚弘 『ペストの歴史』 山川出版社、5月、2500円+税 〔詳細〕
 *かつて「黒死病」の名で恐れられ、ヨーロッパ社会に大きな影響を与えたペストの歴史を概観し、疫病大流行の恐怖とその克服の試みを明らかにする。

ベン・ゴールドエイカー/忠平美幸・増子久美訳 『悪の製薬:製薬業界と新薬開発がわたしたちにしていること』(仮) 青土社、5月下旬、3400円+税 〔詳細〕
 *規制機関と業界の癒着、治験結果の改ざんと隠ぺい、研究論文の代筆とねつ造、臨床試験のアウトソーシング化、巧妙なマーケティング戦略……。これはなにも特別な犯罪の話ではない、日常茶飯に製薬業界で行われていることなのだ!知るのが恐ろしい、でも知らないほうがもっと恐ろしい製薬業界の闇。信じていた医療の裏切りの実態に、気鋭のジャーナリストが切り込む。注意!この本を読んだらクスリはもう飲めません。

鹿島茂 『大読書日記』 青土社、5月下旬、3600円+税 〔詳細〕
 *純文学、人物伝、世界史・日本史、ビジネス、サイエンス、絵画、マンガ、エロティシズム……。激動する時代には、ありとあらゆる本が人生の導き手となる! 稀代の愛書家が神保町やパリの書店を探訪し、古今東西の膨大な知見を渉猟した読書録2001-2015

大内裕和 『ブラック化する教育』 青土社、5月下旬、1600円+税 〔詳細〕
 *奨学金、就活、ブラックバイト…。学生も親も先生も、教育に関わるみんなが困っている。このようなブラックな社会はどのように出現してきたのか。教育の現場はどのように崩壊しつつあるのか。教育問題を基点に、私たちが直面している社会のリアルを暴き出す。

長村洋一 『長村教授の正しい添加物講義』 ウェッジ、5月、1300円+税 〔詳細〕
 *無添加はナチュラルで安全?添加物を摂るとがんになる?長らく食と健康の現場に携わってきた著者が明かす、添加物のホントの話。日頃、自身が感じている一般消費者の添加物に対する誤解を解く。

■ピーター・バーク/井山弘幸訳 『知識の社会史2:百科全書からウィキペディアまで』(仮) 新曜社、4月下旬?、4600円+税 〔詳細〕
 *「知識を集める」「知識を分析する」「知識を広める」「知識を失う」「知識を分ける」から「知識の地理学/社会学/年代記」まで、探検・冒険・略奪、博物館・美術館・図書館・大学・研究所、暗号解読・スパイ・インテリジェンス……などの広範な話題にわたって、知識をどのように集め、分析し、陳列し、実用化するか──知識をめぐるあらゆる話題を取り上げて論じます。その結果、人間とはいかに「蒐集」する動物であるかが、実感として迫ってきます。

 
◆2015年6月刊行予定
A・スコット・バーグ/鈴木主税訳 『名編集者パーキンズ』上・下、草思社文庫、6/2、各1200円+税  〔上詳細〕 〔下詳細〕
 *ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、トマス・ウルフ、SS・ヴァン・ダイン――アメリカの文学史に名を残すことになる若き作家たちを発掘し、その才能を引き出した伝説の編集者パーキンズの評伝。作家に寄り添う編集者として、時にはカウンセラーとなり、恋愛相談役となり、マネージャー、金貸しの役割まで果たした。その熱意溢れる仕事ぶりを支えたのは「この世に書物ほど大切なものはない」という信念だった。→元版は草思社、19877月刊行。

太田文雄 『国際情報戦に勝つために:情報力強化の提言』 芙蓉書房出版、6/51800円+税 〔詳細〕
 *周辺諸国からの悪意に満ちた情報発信戦に勝てない日本、「情報」に疎い日本の現状を豊富な事例で紹介し、情報力強化の具体策を提言。情報戦で完敗した近・現代史を見直し、そこから学べる教訓を示す。

田中康弘 『山怪:山人が語る不思議な話』 山と溪谷社、6/61200円+税 〔詳細〕
 *交流のある秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとからから、実話として聞いた山の奇妙な体験談を多数収録。話者が自分で経験したこととして語る物語は、リアリティがあり、かつとらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれる。

■ロベルト・ボラーニョ/野谷文昭訳 『アメリカ大陸のナチ文学』 白水社、シリーズ:ボラーニョ・コレクション、6/62500円+税 〔詳細〕
 *存在しない文学の存在しない作者たちの人生と作品に捧ぐ、おぞましくもどこか切なく滑稽な〈架空の文学事典〉。『野生の探偵たち』『2666』の到来を予見する、初期の恐るべき傑作。

池上俊一 『増補 魔女と聖女:ヨーロッパ中・近世の女たち』 ちくま学芸文庫、6/101100円+税 〔詳細〕
 *魔女狩りの嵐が吹き荒れた中世、美徳と超自然的力により崇められる聖女も同時に急増する。両極の女性像が噴出した西洋中世とは何なのか? 謎に迫る。→元版は講談社現代新書、199211月発行。

古沢和宏 『痕跡本の世界』 ちくま文庫、6/10780円+税 〔詳細〕
 *古本には前の持ち主の書き込みや手紙、袋とじなど様々な痕跡が残されている。そこから想像がかきたてられる。新たな古本の愉しみ方。

樺山紘一 『ヨーロッパ近代文明の曙:描かれたオランダ黄金世紀』 京都大学学術出版会、学術選書70 諸文明の起源106/102400円+税 〔詳細〕

福間良明 『「聖戦」の残像:知とメディアの歴史社会学』 人文書院、6/103600円+税 〔詳細〕
 *近代日本における戦争・知・メディアの編成と力学を多様なテーマで描き出す、歴史社会学の濃密なエッセンス。主要論考1000枚。

竹下節子 『フリーメイスン:もう一つの近代史』 講談社選書メチエ、6/10
 
殊能将之 『殊能将之 読書日記 20002009TheReadingDiaryofMercySnow 講談社、6/112700円+税 〔詳細〕
 *2001年から2009年の間に殊能将之氏のホームページ「mercy snow official web site」に書きつづられた読書記録。フランスの本格ミステリに惹かれ未翻訳作品を原語で読んだり、自らが編者となる短編集のために原書を読み漁ったり。読書の楽しみが蘇る縦横無尽の読書本。

■山田英春 『インサイド・ザ・ストーン:石に秘められた造形の世界』 創元社、6/123600円+税 〔詳細〕
 *「石の科学」から「石の美学」へ。『不思議で美しい石の図鑑』の著者にして世界的瑪瑙コレクターが新たに撮り下ろした瑪瑙など、美しい石の断面写真で編んだ、ミクロな世界に展開する、ネイチャー・ミュジアム。石の中に隠されていた草花、抽象画、寺院や塔など、<悠久の時>という筆が描いた無限の色彩と模様が繰り広げるアートの世界。

マイク・ホリングスヘッド、エリック・グエン/小林文明監訳、小林政子訳 『スーパーセル:恐ろしくも美しい竜巻の驚異』国書刊行会、6/153600円+税 〔詳細〕
 *二人の写真家がアメリカ中西部全域にわたって撮影した、恐ろしくも美しい息をのむ竜巻の写真340枚をオールカラーで収録した、気象写真集であり、気象図鑑であり、竜巻追跡の記録。

狩野博幸 『江戸の動植物画譜』(仮) 河出書房新社、6/172400円+税 〔詳細〕
 *花鳥、獣、虫、魚介、迷鳥・珍獣……江戸期に盛んとなった、確かな観察眼にもとづいた精緻な動植物画の世界を、ビジュアルたっぷりに紹介。ユニークな日本美術史の一ページ。オールカラー。

新垣隆 『音楽という「真実」』 小学館、6/191300円+税 〔詳細〕
 *20142月、佐村河内守氏の「ゴーストライター」であることを告白し、日本中に衝撃を与えた作曲家、新垣隆氏は、幼少のころから天才少年と呼ばれ、日本の現代音楽界で最も期待されてきた人物だ。幼少期から現在までに出会ったさまざまな音楽と恩師や音楽仲間とのエピソードを紹介し、佐村河内事件の顛末を振り返りつつ、人間を救う「音楽」の力を語る。

相良嘉美 『香料商が語る東西香り秘話』 山と溪谷社、ヤマケイ新書、6/19880円+税 〔詳細〕
 *西洋にはじまる香料商の歴史、アラブの商人がもたらした素材の数々、そして縄文に始まる日本の香り。香料商として世界の海を見てきた著者が、東西の香り文化に纏わるさまざまなトピックスを語る。

アドリアン・フルティガー/小泉均監訳、越朋彦訳 『図説サインとシンボル』 研究社、6/205500円+税 〔詳細〕
 *モダン・タイポグラフィの名匠が長年の実践と思索を経て完成させた「記号の形態学」。視覚的表現としてのサインとシンボルが、人間の思考の記録と伝達にとって本質的かつ不可欠な手段であることを、多彩な実例を挙げながら詳説する。巻頭はテーマ別「サインとシンボル総覧」80頁、2色刷。

佐藤卓己編 『ヒトラーの呪縛:日本ナチ・カルチャー研究序説』 上・下、中公文庫、6/231000円+税 〔上:詳細〕 〔下:詳細〕
 *総統は日本で勝利した?!日本のカルチャー、サブカルチャーにかくも浸透しているナチスの「文化」。メディア、海外冒険小説、映画、ロック、プラモデルまで。各章に「二一世紀追補」を付す。→元版は、飛鳥新社、20007月刊行。


野村哲也 『カラー版イースター島を行く:モアイの謎と未踏の聖地』 中公新書、6/25920円+税 〔詳細〕
 *1000体ものモアイが眠る絶海の孤島。失われた文明の謎を追い、隠された聖地を求める。島に立つすべてのモアイをカラーで紹介。

アンドルー・ホッジス/土屋俊、土屋希和子、村上祐子訳 『エニグマ:アラン・チューリング伝下』 勁草書房、6/302800円+税 〔詳細〕
 *チューリングのエニグマ攻略が大戦を終わらせ、世界が冷戦へと向かう頃、コンピュータ開発競争が熱を帯びた。彼の頭脳もその一角を占める。はたして勝利は誰の手に? さらに彼は動植物の形態研究にも踏み出していく。だが新しい活躍の一方、人生は時代に翻弄される。これは悲劇なのか? 非業の最期まで、著者ホッジスはチューリングの時間に寄り添い続ける。

岩畔豪雄 『昭和陸軍謀略秘史』 日本経済新聞出版社、6月、3200円+税 〔詳細〕
 *満州国建国、陸軍中野学校設立、紙幣偽造、日米開戦回避交渉、インド独立運動。舞台裏では何が起きていたのか。関東軍参謀、陸軍省軍事課長などを歴任し、昭和陸軍の謀略を一手に引き受けた将校が明かす裏面史。

『こわい絵本100:おとなと子どものファンタジー』 平凡社、別冊太陽・日本のこころ2306月、2200円+税 〔詳細〕
 *「こわい」がはらむ豊かな“真理”をさり気なく気づかせる絵本約80冊を、さまざまなジャンルから選んで紹介する。人生を考えるもよし、楽しむもよしの不思議なブックガイド。

岡本真・柳与志夫責任編集 『デジタル・アーカイブとは何か:理論と実践』 勉誠出版、6月、2500円+税 〔詳細〕
 *構築から利活用まで、アーカイブに携わる全ての人へ贈る。増え続けるデジタル・アーカイブ。何を見せればよいのか。どこを探せばよいのか。混迷の中にいる制作者・利用者のために、積み重ねた知恵と実例。Europeanaの起ち上げ、東寺百合文書のWEB公開、電子図書館、そして国立デジタルアーカイブセンター構想……。新たな仕組みは、ここから生まれる。

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳・解説 『地球から月へ/月をまわって/上を下への』 インスクリプト、6月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始。第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。→20149月刊行予定が延期に。→インスクリプトのサイトには3月末とあるが刊行にならず。→6月刊行予定に変更。

ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール/鳥取絹子訳 『巨大化する現代アートビジネス』(仮) 紀伊國屋書店、6月下旬、2100円+税 〔詳細〕
 *7兆円規模のアート業界を動かしているのは誰か? 現代アート業界はどのように機能しているのか? 人気アーティストはいかに生みだされるのか? なぜ名もない作家の作品に大金が投資されるのか? 現代アートを牛耳る100人の思惑が入り乱れる“アートの現場”に果敢に斬りこんだノンフィクション。

サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド/柴田裕之訳 『その〈脳科学〉にご用心:脳画像だけで心はわかるのか』紀伊國屋書店、6月下旬、2000円+税 〔詳細〕
 *グーグル、フェイスブック、ディズニーといった大手企業はこぞって、神経科学の知見を利用するコンサルティング(ニューロマーケティング)の会社に多額の報酬を支払い、広告効果の向上などを図っている。大衆受けしそうな脳科学的研究をメディアが喧伝することによって、未解明な部分が多いにもかかわらず、「心の働きが解明された!」と曲解されてしまっている現状を、精神科医と心理学者が豊富な事例をもとに解説し、本来あるべき姿を示す。

海部宣男、星元紀、丸山茂徳編 『宇宙生命論』 東京大学出版会、6月下旬、3200円+税 〔詳細〕
 *地球外にも生命の存在が可能な星が見つかり始めたことなどを受けて、宇宙生物学の研究は急速な進展をみせている.生命はどのように生まれ、どのように進化してきたのか? 地球外に生命はいるのか? 生物学・地球進化・惑星科学の第一線の研究者が総力を挙げてこの謎に挑む。

大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』1巻、国書刊行会、6月末、10000円+税
 *19世紀末のボルヘス」として大きな注目を浴びる、夭折の天才作家シュオッブの初の邦訳全集。『架空の伝記』『モネルの書』『少年十字軍』『黄金仮面の王』『二重の心』をはじめ、評論や単行本未収録短編までを収録。
 
 
◆2015年7月以降刊行予定
有馬哲夫 『歴史とプロパガンダ』(仮) PHP研究所、7/231800円+税 〔詳細〕
 *開戦はやはり仕組まれていた。占領政策は巧妙なブラック・プロパガンダだった。中国の謀略の淵源はここにある……。驚愕の歴史開封!

西田賢司 『ミラクル昆虫ワールドコスタリカ』 日経BP社、7月、1800円+税 〔詳細〕
 *こんなの見たことない! 昆虫と暮らす著者が撮影した奇妙で面白い写真が満載! 生物多様性の国、コスタリカの驚きの昆虫ワールドを体験しよう!

エレン・フランケル/ベツィ・P・トイチ画/木村光二訳 『図説ユダヤ・シンボル事典』 悠書館、76000円+税 〔詳細〕
 *4千年の歴史のなかでユダヤ民族がはぐくんできた豊かな象徴の数々―言葉とイメージが密接に結びついた、ユダヤ文化の核心を表現するシンボル265項目を厳選し、古代の起源から現代にいたる意味の変遷をたどり、イラストとともに解説した、わが国初の事典!2月刊行予定が4月に延期。→6月に延期。→7月に延期。

■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、7
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
佐藤卓己編 『青年雑誌論』(仮) 岩波書店、8
 
■アンソニー・グラフトン/福西亮輔訳 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 38月中旬 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

佐藤卓己 『「図書」のメディア史』 岩波書店、9
 
《幽》23号、特集=幽霊画大全(仮)、KADOKAWA、夏(7月?)
 
前川久美子 『中世パリ装飾写本 書物と読者』 工作舎、夏 〔詳細〕
*美術史家が書き下ろす装飾写本入門書。工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載中。

権田萬治 『謎と恐怖の楽園で:ミステリー批評55年』 光文社、秋 〔詳細〕
 *来年はミステリー批評を始めて、55年になる。それを記念しての評論集の出版だそうである。

シャーリイ・ジャクスン/市田泉訳 『ただの平凡な日』(仮)、秋 〔詳細〕
 *日本オリジナル短編集。単行本未収録作や未発表原稿が中心。育児エッセイまで入ってるらしい。ファン垂涎のお蔵出し作品集。

風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、10/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。→この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015123日刊行予定に延期!→さらに20151023日刊行予定に延期!

ウンベルト・エーコ/橋本勝雄訳 『プラハの墓地』 東京創元社 〔詳細〕
*史上最悪の“偽書”と呼ばれることもある「シオン賢者の議定書」を書いた男、シモーネ・シモニーニの回想録という形をとった、19世紀ヨーロッパを舞台に繰り広げられる歴史大陰謀小説。

藤井淑禎ほか編 『江戸川乱歩大事典』 勉誠出版
 
紀田順一郎 『日本人と蔵書』
 
 
◆2015年中に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
早川書房創立70周年文庫企画「ハヤカワ文庫補完計画」の第2として発表されている。刊行時期はすべて未定。
早川書房編集部編 『ミステリ・ハンドブック〔新版〕』
早川書房編集部編 『冒険・スパイ小説ハンドブック〔新版〕』
早川書房編集部編 SFハンドブック〔新版〕』
コードウェイナー・スミス/伊藤典夫・浅倉久志訳 『人間の再発見〈人類補完機構〉全短篇』(仮)【初訳】

小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 作品社
 *新潮社から出た単行本の復刻ではなく、初出雑誌の『新青年』を底本にする初の試みです。両者の異同や法水が羅列する固有名詞等にも細かく注をつけます。→垂野創一郎氏の「プヒプヒ日記」参照。

アンドルー・ペティグリー/桑木野幸司訳 『印刷という革命:ルネサンス時代の本と日常生活』 白水社
 *書籍のみならず、印刷メディア全般および出版業についての本でもあり、単なるメディア史を超えて、当時を重層的に捉えられる一冊。
 
■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

ロミ 『自殺の歴史』 国書刊行会
 
■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右社、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?

東雅夫・下楠昌哉共編 『幻想と怪奇の英文学Ⅱ』 春風社

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■2015年4月展覧会総括

20154月に見た、主に美術関連の展覧会9件(1月から通算17件)について個人的な感想と評価を記した(何とか4月はほぼ毎週展覧会へ行くことができた)。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は見た順であって、会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
4月
 
Yamatane1504 001  
山種美術館 「花と鳥の万華鏡:春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥」 会期:2/11~4/12
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*展示57点中1点を除き、すべて山種美術館所蔵品で構成。いろいろな切口で展開しても、余りあるコレクションはさすが。今回は花と鳥をテーマに構成しているが、概ね水準作といえようか。中でも作者不詳《竹垣紅白梅椿図》、鈴木其一《四季花鳥図》、岡本秋暉《孔雀図》、荒木十畝《四季花鳥》、菱田春草《春》(月四題のうち)、川端龍子《牡丹》、小山硬《海鵜》などは好きな作品。とりわけ速水御舟の《牡丹花(墨牡丹)》はさすがと思わせる作。これらにひきかえ上村松篁の何点かの作品はどれも駄作。まず対象をしっかり観察できていないので、写生ができない。そのために描かれたどの鳥も、どれでもない鳥もどきでしかない。
 
 Teien1504 001
東京都庭園美術館 「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」 会期:1/17~4/7
A★★★★B★★☆☆C★★☆☆
*開館30周年であり、本館のリニューアル後初の展覧会。アール・デコ様式を今に残す旧朝香宮邸自体がいわば今回の目玉。これまでは何となく薄暗かった室内も明るくきれいになり、アンリ・ラパン設計のしつらえやルネ・ラリックらの室内装飾の数々が映える。昭和初期(1933年)にフランス人デザイナーたちはいったいどのようにして朝香宮邸の建築に関われたのだろうか。
新館での展示がおそらく本来の「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」展なのだろうが、旧朝香宮邸の当時の生活空間が再現されたかのような室内調度に目が奪われて、新館での展示作品にはさほどの感銘を受けず。
最終日に行ったためか、ものすごい混雑。動線も明確ではないため、皆右往左往。
 
Nisemono 001  
国立歴史民俗博物館 「大ニセモノ博覧会:贋造と模倣の文化史」 会期:3/10~5/6
A★★☆☆☆B★★★☆☆C★★★☆☆  ■図録購入
*<「ニセモノ」と「ホンモノ」との複雑な関係性が、時代や社会的背景によって、どのような原理で振幅してきたのかを明らかにしたい>というのが展覧会趣旨。したがって、さほど驚くような「ニセモノ」が展示されているわけではない。冒頭に展示されていた偽安南陶器は、埋めてからわざと発掘したかのように見せる映像を撮ることで、ホンモノらしくした事件。次の軸物などは曖昧な鑑定結果が書き連ねられているだけで、「ニセモノ」のようなそうでないような説明でお茶を濁している(丁寧に調べることはしていないようだ)。これらの作品群については、むしろニセモノでもいいからそれらを必要としていた事情があった。実は宴席で屏風や掛軸を飾って場を作り上げ、客に見栄をはって「家の格」を自慢するためだったという。当時の宴会写真やそれを再現したものが展示されていた。ちなみにニセモノの歴史は古く、縄文時代にも貝でできた腕輪を装身具にしていたが、内陸に住む人々は貝が入手できないため、それを模した土製の腕輪を作っていた。
人魚のミイラの作り方パネルには笑ったが、常設展にあった河童の解説パネルなども、明らかに架空の奇獣であるにもかわらず、真面目に捉えようとしていて面白かった。
全体的には遠路はるばる行った割には、内容的には空振りかな。
国立歴史民俗博物館には初めて行ったのだが、常設展示の方はひたすら巨大なパノラマの連続で、その壮大な努力は敬服するも、虚しさが先に立つ。近代になって、実際の漁船が横たわっていて、なぜかほっとした。
 
 Senoku0 001
泉屋博古館分館 「小川千甕:縦横無尽に生きる」 会期:3/7~5/10
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆
*キャッチコピーに「千甕を知っていますか?」とあったが、もちろん知りませんでした。仏画師・洋画家・漫画家・日本画家として活躍した小川千甕(「せんよう」が本来の読みだが「ちかめ」として親しまれていたそうだ)。そのさまざまに変化する技は、スタートが仏画だったためか、しっかりした技術を裏付けに、存分に好きな絵を描き続けたように見える。
ちょうど行ったときに、運よく館長自ら何人かの集団を引き連れて説明していたので、勝手に後ろから解説を聞くことができた。後で知ったのだが、本来のギャラリートークではなかったようで、特別なものだったらしい。ともあれ説明を聞きながら作品を見るのと、ただ漫然と見るのとは大違い。的確な解説を得て、得心することができました。
 
◆ランチ◆
ANAインターコンチネンタルホテル東京のMIXXバー&ラウンジに行く。どうもビュッフェ形式の店は苦手。食べ放題の裏でしっかり計算しているはずなので、結局コストに見合ったレベルでしかない。トスカーナ州の代表的な料理を紹介というので、少し期待していたのだが。しかし、自慢の品らしいリゾットのワゴンサービスを頂いたが、驚いたことにトマトケチャップで味付けしたような甘ったるい代物で、とても食べられたものではない。他の席でも何人か残していた。そこそこの料理もありはしたが、残念なお店でした。

 
 Suntory0 001
サントリー美術館 生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」 会期:3/18~5/10
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆
*同い年で、住んでいたところも近かった若冲と蕪村。直接の交流があったかどうかは不明らしい。しかし、こうして2人の作品を並べると、実力の差は歴然。若冲の《象と鯨図屏風》など、全くのフィクションの図柄なのに、何度見ても迫ってくる。おそらく若冲は一般に言われるほど、写実に長けていたわけではないだろう(鶏を飼育して写生に励んだという伝説はあるが、鶏にしてはどれも派手すぎる)。抜群に優れた描写技術はあるが。むしろ対象を徹底的に観察し、その対象物(動植物)の本質的な「らしさ」を抽出して描いたと言えるのではないか。《象と鯨図屏風》の象が象「らしく」なるのも、観察はできなかったかもしれないが、象とは何かという観点でのみ描いたからなのでは。
美術館としても若冲だけでは二番煎じになるので工夫したのであろうが(だからか若冲の作品には極彩色のものは少ない)、やはり蕪村では荷が重すぎたか。蕪村に関しては、各時代の代表作が出品されていたそうなのだが。残念ながら展示期間の関係で、蕪村の《鳶・鴉図》を見ることができなかったので、もしかするとそれを見たら評価も変わったかもしれない。
驚いたのは、普通の版画とは異なったユニークな拓本的な版画(拓版)作品である、若冲の《乗興舟》1767年)の版木があったこと。まだ残っていたんですな。

 
 Nezu0 001
根津美術館 尾形光琳300年忌記念  燕子花と紅白梅:光琳デザインの秘密」 会期:4/18~5/17
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆
*燕子花図屏風と紅白梅図屏風を並べたのは同じでも、MOA美術館での展示とはかなり異なる展示だったようだ。余計な現代作家の作品がなくて、すっきりしていたのではないか。気になったのは相国寺蔵の伝宗達筆《蔦の細道図屏風》の緑が異様に鮮やかだったこと。相国寺で何度か見た印象ではずっと暗い緑だったのだが、今回は照明のせいか非常に明るい緑に見えた。小西家文書として光琳下絵がいくつか展示されていたが、下絵を見ると作家の思考の一端を垣間見ることができるような気がする。
 
◆ランチ◆
南青山のリヴァ・デリ・エトゥルスキに行く。トスカーナ料理。ゆったりとした明るい部屋で、料理もとても美味しかった。満席だったが、どの席も老人ばかり。

 
 Tamagawa 001
玉川高島屋SC 「たまがわ妖怪展:キミもびっくり不思議体験」 会期:4/255/6
A☆☆☆☆B☆☆☆☆C☆☆☆☆
*幼児向けでした。ほとんどはパネル展示であり、妖怪絵を拡大して展示しているのだが、何か所も読みを誤って掲示。かなり手抜きか。チラシにもあった宮川あじゅのしん氏作の妖怪フィギュアはなかなか良かったが。
一番の不思議は、連休直前の平日に行ったにもかかわらず、小学校高学年と思われる子供たちが何人もいたこと。出たときもすれちがいで小学生らしい子供を連れた親子が入っていった。学校は勝手に休暇?

 2015N 001
東京藝術大学大学美術館 「ダブル・インパクト:明治ニッポンの美」 会期:4/4~5/17
A★★★★★B★★★★C★★★
*ボストン美術館と東京藝術大学両者の所蔵品による明治期日本の美術を見せる。何と言っても大迫力なのは、チラシにも大きく出ている小林永濯の《菅原道真天拝山祈祷図》。菅原道真が雷に撃たれて硬直している瞬間なのだが、髪が逆立ち、冠は空高く飛び上がり、両手は震え、爪先立ちしていて、ほとんどマンガチックでいて、実に丁寧に描き込んでいる。
もう一つは高石重義《竜自在》。以前見た東博所蔵品の長さが130cmであるのに対し、194cm(『自在置物』p.7には220cmを超えるとあったが、ボストン美術館の表示に従う)と最大級の大きさで、これもまた大迫力。顎・舌・脚・爪・全身が可動する巨大な鉄製の龍なのだが、レントゲン写真も掲示され、その構造もよくわかるようになっていた。
http://www.mfa.org/collections/object/articulated-model-of-a-dragon-259465
その他にも見どころは多い。例えば、明治宮殿の天井画ために描かれた下絵である柴田是真の《千種之間天井綴織下図》は、さまざまな植物がすべて円形の中に描かれている。同じく是真による漆芸作品《野菜涅槃図蒔絵盆》は、若冲の《果蔬涅槃図》を彷彿とさせる涅槃図のパロディ。また、三羽の大鷲に対する滝と深い谷底を描いた狩野芳崖の《谿間雄飛図》も、写真で見ていただけだったが、ようやく実物を見ることができた。象牙彫刻なのにすべての関節が動く旭玉山の《人体骨格》など、キッチュな工芸品も同格で扱っていて好感。
かなり混み合ってはいたが、本展は今年前半期のベストかもしれない。
 
◆ランチ◆
上野の菜の花に行く。12時少し過ぎていたら、満席。しばし待ちようやく入ることができたが、その後1人は入れただけで、ランチ終了に。えっ、まだ12時半なのに! 14時まで営業となっているのだが、ビブグルマンに選定されたためか。
料理は前回以上にご主人の故郷・佐渡にこだわり、自家栽培ものなど中心(ランチは1種類のみとなった)。おいしくいただきました。

 Tohaku2 001
東京国立博物館 コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏:仏教美術の源流」 会期:3/17~5/17
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆
*驚いたことにかなりの混雑。行ったときは平成館の「鳥獣戯画展」開催初日だったが、外から見た限りではさほどの混雑でもない様子(どうやら初日だけのことで、二日目からは混雑しているらしい)。これに引き換えこちらは大変な混みようで、混雑の「トリプル・インパクト」でした。ともあれインドの仏像はやはり日本の仏像とは随分異なる。たぶん裏面は見えないような状態で置かれていただろうが、一部の石仏はそれでも裏面も手抜きをせず、しっかり彫ってあったのには感心。
 

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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