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■2015年1月展覧会総括

20151月に見た、主に美術関連の展覧会5件について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は見た順であって、会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
1月
 
 2015a 001
日本橋高島屋 「川瀬巴水展:郷愁の日本風景」 会期:1/2~1/12
A★★★★B★★★C★★
*驚いたことに満員の入り。そもそも川瀬巴水に風景版画を勧めた渡辺木版美術画舗の所蔵作品から展示しているので、刷の状態がとてもよい。これまで風景版画の展覧会の一部としてしか巴水の作品を見たことがなく、まとまって見るのは初めて。今回の展示では、スケッチから下絵、試し刷り、そして完成刷と一つの作品が生まれるまでを垣間見せてくれたので、巴水のうまさを今更ながら実感。完成度は意外にも下絵――実に丁寧に完成させている――の方がよくできていたりする。スケッチもうまい。最後にビデオで巴水の作品を例にとって、何回の刷で完成させているかを紹介していた。江戸期の版画であればせいぜい7~8度刷のところ、四十数回も刷り分けていたのには驚いた。ある意味ではかつては刷り師に任せていた部分(例えばあてなしぼかし、など)も、絵師が厳密にコントロールするようになったのかもしれない。
 
 2015B 001
日本橋三越本店 「東山魁夷:わが愛しのコレクション展」 会期:12/26~1/19
A☆☆☆☆B★★C★★
*東山魁夷が集めた古美術品と、そこからインスピレーションを受けて描いた作品とを展示。川瀬巴水展に比べガラ空き。コレクションもさほどのものはないし、作品もやっぱり下手だな、ということを再確認しただけ。スケッチがとくに力量を物語る。直前に見た川瀬巴水のスケッチのうまさと比較にならないほど。面白かったのは絵の具を収納する木製の大きなケース。きれいに並べて入っていたのだが、東山魁夷の青の使用量からして、到底足りないだろうから、きっと裏にドラム缶に入った青の絵の具があったに違いない。
 
 
◆ランチ◆
大丸東京店のブラッスリーポールボキューズに行く。木製でペンキを塗ったような椅子が冷たい。料理は悪くなかったのだが、ナイフの切れが悪いため、老生のみならず、あちこちの席で苦心惨憺して肉を切ろうとして歯を喰いしばっていた。デザートはおいしい。昼時の込み合う時間帯でもあったが、ホールスタッフは何人もいても客を見ていないので、料理の間が空きすぎ。満席だったが、これではせっかくの書き入れ時も回転が悪くていけない。

 2015c 001
松屋銀座 没後400年 古田織部展」 会期:2014/12/30~1/19
A★★★☆☆B★★★C★★★
*とりわけ入ってすぐに展示されていた織部の「かぶいた」時代ならではの変り兜に感激。複製品が多かったが、それでも概ねその時代を映していたと見れば、感動もの。織部の茶道具の数々については、はっきり言ってよくわからない。形の整ったものがきらいだったんだろうな、千利休の一番弟子でありながら、それをひっくり返したような奇抜な歪んだ茶碗や水指を見ると、しがらみやしきたりを打破したかったのだと思う。にもかかわらず、茶の湯は結局は今に至るまで形式主義に堕してしまったわけだ。面白いのは大量に織部茶碗の破片(それも欠けた程度のもの)が出土していること。修復したら、きっととんでもなく高い値で売れるのでは。
 
2015d 001  
万画廊 「吉島信広新作展2015」 会期:1/10~1/20
A★★★★B★★★C★★★
*銀座の裏道を彷徨していたら偶然見つけた展覧会。陶器をベースに幻想的な動物を作り上げる。ファンタジックでありながら、どことなくユーモラスな動物たち。作家ご本人(たぶん)に案内していただき、大きなカブトムシは脚などが動いたり、背面に引っ掛けるところがあって、壁に着けられるなどを教わる。作者のHPこちら
 
◆ランチ◆
銀座三越のレロジェエギュスキロールに行く。こちらはガラガラ。事前にメニューも決めていたので、スムーズに出てくるし、とてもおいしかった。ただし、ネットでの予約メニューが一種類でしかなく、1か月か1か月半たたないと新メニューにならないとのことで、残念。ネットの口コミでは料理が軽すぎと批判されていたが、老人には丁度の分量。

 2015e 001
日本橋三越本店 琳派400年記念 岡田美術館所蔵 琳派名品展:知られざる名作初公開」 会期:1/21~2/2
A★★★★B★★★C★★★
*さすがに岡田美術館は、保存状態のいいものを持っている。一級品ではないにしても、宗達・光琳・抱一など有名どころを揃えている。なかでも尾形光琳の《菊図屏風》《雪松群禽図屏風》、酒井抱一の《月に秋草図屏風》などはすばらしい。ユニークだったのは鈴木守一の《富士図屏風》で実にモダンな富士を描いていた。作者名を見なければ近代の作としか思えない。最後に驚かされたのは加山又造の《初月屏風》。1967年の作。これが琳派の本歌取りと言うべく、その伝統を咀嚼してさらに豪勢に再構築したもの。銀箔の月も煌々と輝き、江戸期以前の銀の月(《月に秋草図屏風》の月はもとよりススキも銀だったか)もきっとこのように輝いていたのだなあ、と思わせる仕上がり。
 

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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