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■既刊・近刊メモ(2014年10月版 Ver.2)

201410月前半に刊行された(はずの)本と、10月後半以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【10月前半に出た本から】
 
佐々木高弘『怪異の風景学』古今書院、シリーズ妖怪文化の民俗地理2、10/22800円+税 〔詳細〕
 *神話・伝説・映画・物語に描かれた風景を分析し、人々が「妖怪が出そう」と感じる風景の意味を探るユニークな日本文化論。首切れ馬が現れ、立ち去るルートからわかる藍産業地域の隠された歴史、廃墟や近代化遺産ブームの背景など。元版は古今書院、20094月刊行。なお、シリーズ1は『民話の地理学』8/12発売、3300円+税。元版は古今書院、200312月刊行)。

今野真二 『辞書からみた日本語の歴史』 ちくまプリマー新書、10/6780円+税 〔詳細〕
 *「日本語の歴史」シリーズ第二弾。現代において辞書は使うものだが、江戸以前は写す・記録するものだった。作り手・使い手の姿から、各時代の日本語を活写する。

ジャック・ヘラー/J・エリック・イングリング訳  『大麻草と文明』 築地書館、10/62700円+税 〔詳細〕
 *ロープ、建築資材、バイオマスエネルギー、製紙原料、船具、ランプ油、衣料品、医薬品――、栽培作物として華々しい経歴と能力をもった植物が、なぜ表舞台から姿を消してしまったのか。大麻草について正しい知識を得るために、今、必読の一冊。

■小泉孝一 『鈴木書店の成長と衰退』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ1510/71600円+税 〔詳細〕
 *人文書専門取次の鈴木書店誕生から2001年の破産に至るプロセスを、鈴木書店の元仕入部長が語る。→論創社のサイトに発刊のアナウンスはないが、あるブログによれば914日の週には出来上がっていたらしい(版元ドットコムでの表示によれば、書店発売日は107日とのこと)。

ウォルター・マップ/瀬谷幸男訳 『宮廷人の閑話:中世ラテン綺譚集』 論創社、10/75500円+税 〔詳細〕
 *吸血鬼、メリュジーヌ、古代ブリトン人のヘルラ王の異界巡行譚。ヘンリー二世の廷臣、ウォルター・マップの綺譚書。ケルト的民間伝承の幽霊譚や妖精譚、修道会や女性嫌悪と反結婚主義の激烈な諷刺譚などが満載。

■ベンジャミン・ブラック/小鷹信光訳 『黒い瞳のブロンド』 ハヤカワ・ミステリ、10/1018000円+税 〔詳細〕
 *マーロウの事務所に現れた美女は、昔の恋人を探して欲しいというが……。ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルが別名義で挑む、『ロング・グッドバイ』続篇。

鷲尾賢也 『新版 編集とはどのような仕事なのか:企画発想から人間交際まで』 トランスビュー、10/102000円+税 〔詳細〕
 *講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的企画を世に送り出した名編集者が、奥義の全てを披露する。2004年刊行の旧版の数字データや、現状とは異なる古くなった部分を改め、著者略年譜を付して新版として刊行。

ピンカス・ギラー/中村圭志訳 『知の教科書 カバラー』 講談社選書メチエ、10/101750円+税 〔詳細〕
*ユダヤ教自体が扱わない霊魂、死後の生、天と黄泉(よみ)の構造、世界の創造、終末の出来事といったことがカバラーのテーマになる。カバラーは、二千年以上前から、何千もの書物とたくさんの運動、神秘主義者たちを生み出してきた。その間、ユダヤ教徒の意識的滋養の源泉だったのだ。歴史としてのカバラーではなく、ユダヤ教的な神秘的実在についての思想としてのカバラーを分かりやすく解説する。

マイケル・バー=ゾウハー、ニシム・ミシャル/上野元美訳 『モサド・ファイル:イスラエル最強スパイ列伝』 ハヤカワ文庫NF10/101000円+税 〔詳細〕
*謎めく諜報活動の舞台裏が明らかに……! ナチスへの報復、テロとの果てなき戦い、各国のユダヤ人保護など、インテリジェンス作戦の真実を人気作家が活写。解説/小谷賢。元版は、早川書房、20131月刊行。

マレク・シェベル/前田耕作監修、甲子雅代監訳 『イスラーム・シンボル事典』 明石書店、10/109200円+税 〔詳細〕
 *『コーラン』やムハンマドの言行録『ハディース』そしてイスラーム教徒の日常生活の中に見られる様々な象徴(シンボル)を語句ごとに解説した事典。イスラーム文化全体に張り巡らされた象徴の体系を、簡潔かつ深く読み解く、フランスのイスラーム学の知の結晶。

日本経済新聞社編 『日本語ふしぎ探検』 日経プレミアシリーズ、10/10850円+税 〔詳細〕
 *「俺の○○」ネーミングはなぜ流行? 同学年では遅い生まれなのになぜ「早生まれ」? 時代と共に変化する言葉から新語、業界や地方ならではな言葉遣いまで、気になる日本語を記者たちが徹底調査。『謎だらけの日本語』の第2弾。

田中貴子 『猫の古典文学誌:鈴の音が聞こえる』 講談社学術文庫、10/10800円+税 〔詳細〕
 *猫の魅力、そして猫とともに生きる喜びをいきいきと描いた、数々の古典文学を紹介する。さらに、物語絵巻、涅槃図、浮世絵……寺院の天井画まで、猫図版も満載。元版は『鈴の音が聞こえる:猫の古典文学誌』のタイトルで淡交社、2001年刊行。

門脇むつみ 『巨匠狩野探幽の誕生:江戸初期、将軍も天皇も愛した画家の才能と境遇』 朝日選書、10/101700円+税 〔詳細〕
 *探幽は、徳川政権下に求められる「新しい絵」を提供した革新的な画家である。探幽様式に、当時の人々は魅せられていった。本書は探幽という巨匠の誕生を、画才、社交、組織の三つの面から考える。他の画家と比較することでその様式の魅力を明かにし、パトロンや文化人との社交のなかに画業の充実と社会的栄達を得る姿をみ、弟子や工房をまとめる組織の長としての活動も知る。

■ベン・メズリック/高山祥子訳 『月を盗んだ男』 東京創元社、10/141800円+税 〔詳細〕
 *ジョンソン宇宙センターの研修生、サド・ロバーツ。彼は2002年に、“アポロ11号が月から採取した石”を盗み出してしまう。物理学、地質学、人類学を専攻、ユタ州立大学天文ソサエティを創設、ロシア語と日本語を習得した優秀な学生だったはずの彼が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? どうやって厳重な警備を突破したのか? 信じがたい事件の真相に迫る傑作ノンフィクション!

小林康夫、大澤真幸 『「知の技法」入門』 河出書房新社、10/151500円+税 〔詳細〕
 *東大発ベストセラー『知の技法』から20年――東大新入生必読のまったく新しい基礎教養! 東大教授と知の巨人が“タイタニック”的状況を生き延びるための読書術と思考術を徹底伝授!

若林幹夫 『未来の社会学』 河出書房新社、河出ブックス、10/151500円+税 〔詳細〕
 *「未だ来たらざるもの」を人間はどのように想像し、思考し、時にそれにとりつかれてきたか――。未来の「取り扱い方」と社会のあり方との関係を浮き彫りにする、社会学的冒険の書。

P・ブランダムール校訂/高田勇・伊藤進編訳 『ノストラダムス予言集』 岩波書店、岩波人文書セレクション、10/153000円+税 〔詳細〕
 *ノストラダムスは何を語ろうとしたのか。16世紀文献研究の成果を踏まえ、新しい光のもとに予言詩を読む。終末論、新プラトン主義、占星術・錬金術、カバラなど諸思潮の渦巻くルネサンスを舞台に、この巨人はどのような顔をみせるのか。ペストと宗教戦争に脅える同時代に積極的に関わろうとした詩人の実像に迫る。元版は、岩波書店、19997月刊行。

久保亨、瀬畑源 『国家と秘密:隠される公文書』 集英社新書、10/17720円+税 〔詳細〕
 *知る権利を軽視し秘密が横行する権力は必ず暴走する。情報を隠し、責任を曖昧にする日本という国家の無責任を可能にするものは何か? その原因が情報公開と公文書管理体制の不備にあることを解説。

三上延、倉田英之 『読書狂の冒険は終わらない! 』 集英社新書、10/17760円+税 〔詳細〕
 *それぞれ大ヒット作『ビブリア古書堂の事件手帖』『R.O.D』の作者にして、ライトノベル界随一の「読書狂」の二人が「読まずにはいられない」名作・傑作・奇本・珍本の数々を、丁々発止で語り合う!

ティル・レネベルク/渡会圭子訳 『なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?』 インターシフト(発売:合同出版)、10/172200円+税 〔詳細〕
 *生物時計は私たちの細胞や代謝のリズムを制御し、心身の調子のもとになっている。そのズレがあなたの人生を狂わせる。自分本来のリズムとのズレ。恋人や家族のリズムとのズレ。社会のリズムとのズレ。進化によって育まれたリズムに逆らわない生き方がいかに大切か。

木村正人 『見えない世界戦争:「サイバー戦」最新報告』  新潮新書、10/18720円+税 〔詳細〕
*世界中のあらゆる情報通信が行きかうサイバー空間は、今や陸・海・空・宇宙に次ぐ「第五の戦場」と化している。スノーデン事件やウィキリークスはもとより、肥大化する中国のサイバー活動の脅威、諸外国と日本の対応など、国際情勢を裏で揺さぶる「情報の戦争」の実態をレポートする。

江戸狂歌研究会編  『化物で楽しむ江戸狂歌:『狂歌百鬼夜狂』をよむ』 笠間書院、10/201500円+税 〔詳細〕
 *『狂歌百鬼夜狂』は、天明5年、蔦屋重三郎が企画した狂歌会をもとに刊行された。狂歌会には四方赤良(大田南畝)をはじめ16名の狂歌師が集まり、当時人気の素材であった化物をお題に、「百物語」に倣って百首の狂歌が詠まれた。本書は、狂歌の基礎知識、各歌の原文・現代語訳・語釈、化物の挿絵を収録。江戸の化物と狂歌を、楽しみながら知ることの出来る1冊。

高橋文夫 『本の底力:ネット・ウェブ時代に本を読む』 新曜社、10/201600円+税 〔詳細〕
 *いまや風前の灯火、いつ消滅してもおかしくない紙の本や雑誌。「文化」としての本は鈍重だが、モノとしてのかたちや重さ、手触りなどの刺激が脳や皮膚を活性化させるともいわれ、ネット・ウェブ全盛の時代のいまこそ、アンカー(錨)としてその新しい役割が求められている。

尾崎俊介 『ホールデンの肖像:ペーパーバックからみるアメリカの読書文化』 新宿書房、10月、2300円+税 〔詳細〕
 *サリンジャーからハーレクイン・ロマンス、そしてブッククラブまで。ペーパーバックの歴史から浮かび上がる、アメリカの大衆出版文化。『ライ麦畑でつかまえて』の主人公のホールデンは本の表紙にどのように描かれたのか?

 
 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆10月後半予定
海野弘 『世界陰謀全史』 朝日新聞出版、10/211800税 〔詳細〕
 *フリーメーソン、テンプル騎士団、薔薇十字団など、20世紀に起きた不可思議な事件の陰には謎めいた組織が見え隠れする。裏の歴史である陰謀論・秘密結社を軸に20世紀を振り返り、21世紀への系譜を読み解く。

エリザベス・シューエル/高山宏訳『オルフェウスの声:詩とナチュラル・ヒストリー』白水社、高山宏セレクション/異貌の人文学、10/226000円+税 〔詳細〕
 *古代ギリシアのオルフェウス神話に分断された世界を統合する詩の力を重ね合わせ、詩的思考が近代の分析的思考を克服し、人間を自然/世界へと再び結びつける方法を探った画期的名著。

斎藤英喜 『陰陽師たちの日本史』 角川学芸出版、10/231700円+税 〔詳細〕
 *陰陽師は本来、天文学や占星術を修めた技術官僚だった。安倍晴明以降も指御子(さすのみこ)と称された安倍泰親、秀吉に追放された土御門久脩など、歴史の影には陰陽師がいた。現代にまで連なる影の主役をたどる。→9月発売予定が延期になり10月に。

アラン・コルバン/築山和也訳  『知識欲の誕生』  藤原書店、10/242200円+税 〔詳細〕
 *民衆は知の欲望をどのように満たしていったのか? 19世紀末のフランスの小村に暮らす普通の人々も地理・歴史・科学に関する想像力を満たし、道徳や公共心を吸収したいという欲望をもっていた。“感性の歴史家”アラン・コルバンが、百数十年前に一人の教師がおこなった連続講演会を甦らせ、人々の知識欲の開花の瞬間を捉える画期的問題作。

オリヴァー・サックス  『見てしまう人びと』  早川書房、ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス、10/242400円+税 〔詳細〕
 *幻覚は狂気の徴候でも不名誉でもない。比類なきカテゴリーの意識であり精神生活なのだ。人間のありようの根幹を伝える驚くべき実例を共感をもって紹介する、サックス渾身の「幻覚のアンソロジー」。

平川義浩  『絵はがきで愛でる富士山』 青弓社、10/242000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。7月に刊行延期。→8月に。→さらに9月に延期。→さらに10月に延期。

吉川浩満 『理不尽な進化:遺伝子と運のあいだ』 朝日出版社、10/262200円+税 〔詳細〕
 *99.9%の生物種が消える?生存も死滅も運次第?この世は公平な場所ではない?「絶滅」の視点から生命の歴史を眺めるとどうなるか。進化論が私たちに呼び覚ます「魅惑と混乱」の源泉を、科学と人文知の接点で掘り当てる、進化思想の冒険的考古学!

和田秀寿編著、片山章雄・掬月誓成著 『二楽荘史談』 国書刊行会、10/273600円+税 〔詳細〕
 *大谷光瑞が六甲山中に築いた別邸二楽荘。各国様式を模した部屋、探検隊将来品の展示、園芸や気象観測、不審火による炎上……。当時の新聞や資料を渉猟しながら「本邦無二の珍建築」(伊東忠太)と称された二楽荘の謎を追う。→京都の龍谷ミュージアムで「二楽荘と大谷探検隊:シルクロード研究の原点と隊員たちの思い」が始まっている(10/411/30)。月末に京都へ行くので、できれば寄ってみたい。

■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、10/291700円+税 〔詳細〕
*のらくら者の主人公が執筆中の小説の主人公もまた作家であり、彼が作中で創造した人物たちはやがて作者の意思に逆らって勝手に動き始める。実験小説と奇想が交錯する豊饒な文学空間。元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行(同書は『第三の警官』併録)。

■井家上隆幸 『三一新書の時代』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ1610月、1600円+税 〔詳細〕

 
◆11月以降予定
酒井潔著/大橋崇行解説 『らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】』 彩流社、11/48000円+税 〔詳細〕
 *原本は、厳しい検閲に引っかかるところは空欄にて印刷。本書は、その空欄を埋めたものを忠実に再現! これまでの著作以上に時代の綾が垣間見える、資料性に富むマニア必携の保存版! 本文の二色刷も再現! なお、元版は『らぶ・ひるたァ:秘薬論』文芸市場社、談奇館随筆第1編、19293月刊(総革装、本文2色刷り)。

池上英洋 『官能美術史:ヌードが語る名画の謎』 ちくま学芸文庫、11/10950円+税 〔詳細〕
 *西洋美術に溢れるエロティックな裸体たち。その姿にはどんな歴史と謎が秘められているのか? 220点の魅惑的な図版から読む珠玉の美術案内。

ルイス・キャロル/高橋康也・高橋迪訳 『少女への手紙』 平凡社ライブラリー、11/101200円+税〔詳細〕
 *少女たちを楽しませたい一心で綴られた物語パワー全開のノンセンスの精髄七十余通。キャロル撮影の少女たちの写真も収録。

臼田捷治 『工作舎物語:眠りたくなかった時代』 左右社、11/122200円+税 〔詳細〕
 *1970年代、松岡正剛が率いた初期工作舎。オブジェマガジン『遊』を刊行し、昼夜を問わず一時は200人が出入りした不夜城。従来にない編集方法と集団体制から、とてつもなく凄いことが始まっていた。松岡、戸田ツトム、松田行正、祖父江慎らに取材し、破天荒な、夢のような、最低で最高の日々をよみがえらせるノンフィクション。

フィッツ=ジェイムズ・オブライエン/南條竹則訳 『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』 光文社古典文庫、11/12 〔詳細〕
 *19世紀半ばアメリカで活躍したオブライエンの奇抜な想像力と自在な物語性、絵画的な魅力にあふれる短篇集。「完全な顕微鏡」を完成させた素人学者が、覗いてみた水滴の中に完璧な美を持つ女性を見出す「ダイヤモンドのレンズ」など8篇を収録。

横田冬彦編 『読書と読者』 平凡社、本の文化史 111/122800円+税 〔詳細〕
 *近世初頭の出版業の開始以降を中心に、書籍を読む歴史を多角的に明らかにする論集の第1弾。

鈴木俊幸編 『書籍の宇宙:広がりと体系』 平凡社、本の文化史 211/123000円+税 〔詳細〕
 *版本を中軸に据えて、書籍メディアのさまざまなあり方を紹介、社会・歴史のなかでそれらが持っていた力を鮮明に描き出す。

植村八潮、野口武悟、電子出版制作・流通協議会 『電子図書館・電子書籍貸出サービス』 ポット出版、11/132600円+税 〔詳細〕
 *公共図書館の「電子図書館・電子書籍サービス」アンケート結果。図書館の電子書籍貸出サービスの現状と課題、将来展望を取り上げる。

綿抜豊昭 『戦国武将と連歌師:乱世のインテリジェンス』 平凡社新書、11/14780円+税 〔詳細〕
 *戦国時代の武将たちの社交の場に臨み、諸国を回った「連歌師」は、インテリジェンス、ネゴシエイターでもあった。

宇都宮健児、堀敏明、足立昌勝、林克明 『秘密保護法:社会はどう変わるのか』 集英社新書、11/14700円+税 〔詳細〕
 *12月から施行される秘密保護法。その成立の経緯と、それがもたらす具体的影響について、一般的法律論、刑法学の見地、知る権利との関係、憲法との整合性など多様な視点から概説する。

■荒俣宏編 『怪奇文学大山脈 III 西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇』 東京創元社、11/212700円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山──稀代の碩学が満を持して贈る、至高の怪奇幻想文学アンソロジー第3巻。パルプ雑誌の絢爛たる世界。

山本貴光 『文体の科学』 新潮社、11/271900円+税 〔詳細〕
 *聖書、数式、ツイッター。言葉のスタイルは思考のスタイルだ。理と知と情が綾なす文体と人との関係を徹底解読。電子時代の文章読本。

■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、11月下旬、2800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。→6月刊行予定が遅れる。→さらに遅れ、10月下旬刊行予定。→さらに遅れ、11月下旬刊行予定。

植田康夫  『「週刊読書人」と戦後の書評史』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ1711月 〔詳細〕

マーク・ソールズバーリー/株式会社Bスプラウト訳 『エイリアンアーカイヴ:究極のSF映画の舞台裏』() ボーンデジタル、12/255000円+税 〔詳細〕
 *SF映画の金字塔「エイリアン」 4部作を網羅した初のアート&メイキング集。ストーリーボード、コンセプトデザイン、カットシーン、没アイデア、コスチューム、武器など、制作舞台裏を紹介。リドリー・スコット、シガーニー・ウィーヴァー、ギーガーらのインタビューも収録。

■アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 312月 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。


◆2014年中に出るかどうか
■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、2014年内?
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、2014年内?
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、2014年内?
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、2014年内?、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始。第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。→発行元のアナウンスは9月とあるものの、遅延か?

前川久美子 『中世パリ装飾写本と読者』 工作舎、2014年冬 〔詳細〕
*美術史家が書き下ろす装飾写本入門書。工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載中。

中島岳志  『下中彌三郎:大衆と愛国』 平凡社新書〔詳細〕
 *どんな内容になるのだろうか期待。9月末頃に脱稿とのこと。年内刊行か。

 
◆2015年に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
風間賢二  『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮) 彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。→この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015123日刊行予定に延期!

アンドルー・ペティグリー/桑木野幸司訳 『印刷という革命:ルネサンス時代の本と日常生活』 白水社、2015
 *書籍のみならず、印刷メディア全般および出版業についての本でもあり、単なるメディア史を超えて、当時を重層的に捉えられる一冊。
 
岡留安則  『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
中島篤巳訳 『完本万川集海』  国書刊行会、5600
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。
 
■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

Laurence Maslon, Michael Kantor 『スーパー・ヒーロー』 東洋書林
 *アメコミ・ヒーローの研究書。
 
高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?


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■2014年9月展覧会総括

20149月に見た、主に美術関連の展覧会7件(201419月では計49件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は必ずしも会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
9月
 
img288.jpg
ブリヂストン美術館 「ブリヂストン美術館コレクション展 絵画の時間:24のエピソード」会期:8/29/23
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★★☆☆
*展示品自体は、従来から見たことのある作品が多く、初めて見るものは少なかった。前月に見た山種美術館のコレクション展と異なり、うまくテーマ設定をすることができなかったようだ。「絵画の時間:24のエピソード」というタイトルの趣旨が、どのように観客に伝わると考えているのだろうか。どうも苦し紛れにつけたとしか思えない。24のエピソードも、いわば24点の作品にだけ解説をつけました、というに過ぎず、エピソードを織りなす何かが見えない。どうせなら24点だけにして、これに徹底した解説をパネルでもしつらえて掲示したらよかったのに。出光美術館の「日本の美・発見IX 日本絵画の魅惑」展 では、「鑑賞のツボ」というミニ解説をポイントとなる作品ごとに掲出し、作品の部分図を示して観客の目の付け所を教えてくれたし、文字も大き目で非常に読みやすかった。せっかくのいい所蔵品を見せるのに、もうひとつ工夫があってもよかったのではないだろうか。
今回見た中で、少し気になったのは、ルノワールの《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》。思っていた以上に青味が画面全体を覆っていたこと。美術館のサイトにある解説文でも「画面を支配する青色」とは記されているし、今までも何回も見ていたのだが、画面中央の女の子の肌もここまで蒼ざめていたかな、というくらい青かった。照明の関係だろうか。
ザオ・ウーキーの07.06.85は、(多分)いつ行っても架かっていたので鮮やかなブルーの深みが好ましかった。今回改めて見ているうちに、これは「滝」でもあるのではないかと思った。そうして見ると、千住博のあざといばかりの滝の連作とに、遥かに大きな隔たりを感じた。
細い線ばかりで構成されたハンス・アルトゥングの《T1963K7》も何度か見ているような気がするが、現代作家の作品のなかで一番好ましかった。
そして最後に見た岡鹿之助の《雪の発電所》。これも何度も目にしながらも、やはり考え抜かれた堅牢な構成、絶妙な色合い、的確な表現ということを再確認できた。
 
 img289.jpg
サントリー美術館 「耀きの静と動:ボヘミアン・グラス」 会期:8/29/28
A★★★★B★★★★C★★★☆☆
15世紀から現代に至るボヘミアン・グラスの精華。プラハ国立美術工芸博物館の収蔵品より。1945年以降、大きくその姿を変え、純粋にガラスの美しさのみに特化していくが、それまでの長い歴史の中では、いったいどうやって使っていたのだろうかと訝しく思うモノもあったにせよ、実用の範囲から逸脱していたわけではなかった。しかし、第二次世界大戦後、急速に考え方が変化し、美のためのガラス作品が生まれることになった。そうした歴史的な配置により、ボヘミアン・グラスの全貌が見える構成となっている。
今回の展示の大半は旧来のボヘミアン・ガラスではあったし、時代ごとの技法の変化、新しい素材の登場、などにより、デザインも変わり、より洗練されてくるので、見応えは十二分にある。だが、戦後の、それもごく最近の優れた作品は、素材を自由に使いこなすその技術の高さと、研ぎ澄まされたデザイン・センスゆえに、強烈なインパクトがあった。
 
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国立新美術館 「オルセー美術館展:印象派の誕生-描くことの自由」 会期:7/9~10/20
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★☆☆☆
*展示作品のほとんどが、画集で何度も見たことのあるものばかりであり、現物での再確認ということになる。ただし、展覧会のサブタイトルで誤解されそうなのは、今回の展示がいわゆる印象派作家の作品ばかりではないこと。クールベ、ミレー、コロー、ドービニーといった印象派に先立つ画家たちの作品も展示。
しかし、日本でここまで印象派が人気なのは、それまでの歴史画、宗教画などが知的背景を知らなければ理解できないのに対し、ただ描かれているものだけ見ればよいのだし、描かれているものはわかりやすいと思われているからに他ならない。その後の現代美術になると、描かれているものなどよりもその先を読まなければならないし、一体画家が何を考えて描いたのかが理解できないので、これも敬遠せざるを得ない。したがって、印象派作品のわかりやすさが心地よいのだろう。逆に言えば、一見したところのわかりやすさが曲者でもあるのだが。
したがって、今回の展覧会も印象派作品ということで大賑わいであった。なかでは、モネの未完の大作《草上の昼食》が圧巻だったろうか。大家に取り上げられ、やっと返してもらったときは半分以上が駄目になっていて、分断せざるを得なかった作品。残った部分だけでも巨大なのに、実際はその倍はあったとされる。
展示会場での解説表示は並み、というかあってもなくてもいいレベル。
 
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東京ステーションギャラリー 「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン:「遠く」へ行きたい」 会期:9/13~11/9
A☆☆☆☆B☆☆☆☆C★★☆☆☆
*この展覧会は、むしろ無料にして、東京駅を訪れた人すべてに開放し、誰もが見ることができるようにすべきだった。ガランとした人気のない会場。
展示品の多くは70年代の古いポスターや雑然とした関連グッズの類い。国鉄が「ディスカバー・ジャパン」を標榜して一大キャンペーンを張ったものの単なる回顧にすぎない。それがなぜ起きたのかを問うことなく、時代性を明確に示すこともなく、ただこれまでと違ったキャンペーンをやりました、雑誌《anan》などでおわかりのように「旅」のイメージがその後変わりました(変わったはずです)、というだけ。全体の展示がせいぜい高校の文化祭レベルの展示方法でしかないので、どれも断片の堆積でしかない。
同時代の写真との関係ということで、「ディスカバー・ジャパン」の写真の虚構性に反発した中平卓馬のような神経症的な写真作品をいくつか掲げていたが。それも、ブレた写真を使ったりしたことのアリバイ作りのためか。
 
 
インターメディアテク 「アヴェス・ヤポニカエ:日本の鳥」 会期:8/59/28
A★★☆☆☆B☆☆☆☆C★★☆☆☆
*毛利元寿によって江戸末期に描かれた「梅園禽譜」の写本と、山階鳥類研究所より寄託された鳥の剥製を並べてみせる企画。せっかくのユニークな展示企画ではあったが、いかんせん展示自体がただ写本の近くに剥製を置くだけで何の説明もなしという安易さ。
江戸時代の博物画を、総合的に、じっくり見せてくれるような展覧会は企画できないものだろうか。
 
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インターメディアテク 「マリリンとアインシュタイン:神話的イコンに捧げる讃歌」 会期:6/710/5
A☆☆☆☆B☆☆☆☆C★★★☆☆
*退屈。どうもインターメディアテクの展示企画は頭でっかちなのに、実体が伴わないことが多い。つまり言うほどには内容もなく、思い付き優先で観客への訴求力もない。本展などその典型。展示されていたウォーホルのように、中身のない薄っぺらな現代そのものなのかもしれないが。そうそう、ウォーホルがかつて発行していた《Interview》という月刊誌の表紙を眺めることができたのだけは良かったが。こんな表紙だったんだ、という確認のためだけ。
マリリン・モンロー旧蔵真珠ネックレスは、来日時にジョー・ディマジオが贈ったもので、モンローが所有していた宝石類のほとんどが模造品であった中に、数少ない本物であった。だからといって、どうということのない真珠ネックレスなのだが。しかるに、もしこのネックレスに価値を見出すとするなら、<それに込められている社会の信仰と伝説によるもの>(東京大学総合研究博物館ニュース《Ouroboros51号、p.3)、という。どうやら展示者はこれを「神話的イコン」と称したいらしい。もちろんオークションにでもかければ、もっともらしい来歴は売りになる。所有者が単に自慢できるからであり、感心するふりをする追随者がいるから。その意味においてのみ、こうした付属エピソードが価値を持つに過ぎない。
 
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板橋区立美術館 20世紀検証シリーズ No.4 種村季弘の眼:迷宮の美術家たち」 会期:9/610/19
A☆☆☆☆B★★☆☆☆C★★★☆☆  ■図録購入
*遠路はるばる行ってみたものの、残念ながら期待外れ。種村季弘の視点からセレクトした美術作品が並んでいるはずなのだが、個々の作家・作品について種村がどのように見ていたのかが、展示では何も触れていないため、会場にいる限りは何もわからない。以前、「夏目漱石の美術世界展」という漱石の目を通した美術展が東京藝術大学大学美術館であったが、それには必要に応じて漱石と美術作品との関わりが展示説明として付されていた。それが本展にはないので、来館客は勝手に想像をたくましくするだけだ。まあ、種村の書いたものを全部読んでいますといったマニアックな読者しか相手にしていないので、ということかもしれないが。翻訳を除く処女作である『怪物のユートピア』を高校時代に購入して読んで以来の読者ではあるが、全くいい読者ではなかったので、ゾンネンシュターンとか何人かの作家の名前だけは種村季弘に教えられていただけで、何が書いてあったかなど丸っきり忘れている。
図録巻末には、各作家についてどんな批評で触れているかの一覧があるが、その中の適切な一文でも作品の隣に掲出していれば、種村がどのように評価していたか、なぜここに展示しているのかの一端が窺えたかもしれない。図録には、各章に見開き2ページずつの簡単な解説と、巻末にほんの少々ゾンネンシュターンについてのエッセイが再録されているだけ。図録の編集も不十分極まりない。
展示の最後に種村の著書の一部が並んでいたが、図録にはほんの数点しか掲載されていないのは問題だ。ここでも図録編集の杜撰さがわかる。なお、図録は平凡社が発行元となっている。
なお、展示とは関係ないのだが、1階の男子トイレには、デュシャンの《泉》のレプリカが、実際に使用できるようになっている。
 

■既刊・近刊メモ(2014年10月版 Ver.1)

20149月に刊行された(はずの)本と、10月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【9月に出た本から】
 
フレッド・ウェイツキン/若島正訳 『ボビー・フィッシャーを探して』 みすず書房、9/22800円+税 〔詳細〕
 *チェスの神童ジョッシュとその父親である著者が、伝説的棋士ボビー・フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ道のりを描くノンフィクション。

福島香織 『中国食品工場のブラックホール』 扶桑社新書、9/2760円+税 〔詳細〕
 *世界を震撼させた期限切れ肉流用事件。他にもメラミンミルクや下水溝油、偽食品がなぜ絶えないのか。厳罰化では抑止できない背景を、中国の食の安全事情を熟知する著者が解説。

ヴィンチェンツォ・カルターリ/大橋喜之訳 『西欧古代神話図像大鑑[続編] 東洋・新世界編』 八坂書房、9/34800円+税 〔詳細〕
 *V・カルターリ『西欧古代神話図像大鑑』(八坂書房、2012年)の後代の増補部分をまとめた続編。ギリシア・ローマ神話を扱う正篇への補註のほか、日本の神仏、さらには安土城の一部を奇蹟的に描きとどめたとされる東洋・新世界篇など、バロック期の増補を完全収録。→しかし、どうして出版社のサイトに何も載っていないのだろう(2014925日午後1024分確認)。

■ブルース・チャトウィン/池内紀訳 『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』 白水社、Uブックス、9/41400円+税〔詳細〕
*冷戦下のプラハ、マイセン磁器の蒐集家ウッツはあらゆる手を使ってコレクションを守り続ける。蒐集家の生涯をチェコの現代史と重ね合わせながら、蒐集という奇妙な情熱を描いた傑作。元版は文藝春秋、19939月刊行。

笹原宏之 『漢字の歴史:古くて新しい文字の話』 ちくまプリマー新書、9/8820+税 〔詳細〕
 *3000年前中国で誕生した漢字。その数20万字と言われる。時々の人間の営為を反映し表出し試行錯誤しながら、今なお変わり続ける漢字の歴史を解き明かす。

植村修一『不祥事は、誰が起こすのか』日経プレミアシリーズ、9/8850円+税 〔詳細〕
 *食品偽装、データ漏洩、反社会勢力との接触……。次々に起こる組織の不祥事。その原因を探ると、起こしやすい組織に特徴的な体質があった。多くの具体例を紹介しながら、不祥事発生のメカニズムと防止法を平易に解説。

武田悠一 『フランケンシュタインとは何か:怪物の倫理学』 彩流社、9/92500円+税 〔詳細〕
*なぜ、1818年に出版された小説が、SFとして、ホラーとして、エンターテインメントとして、ポップカルチャーのなかで生き延びてきたのか、原作を知らない人のために、丁寧に解き明かす。

金水敏 『コレモ日本語アルカ?:異人のことばが生まれるとき』 岩波書店、そうだったんだ!日本語、9/101800税 〔詳細〕
 *「これながいきの薬ある。のむよろしい。」――この台詞を見ただけで中国人が思い浮かぶ人は多いだろう。だが現実の中国人は今こんな話し方をしない。フィクションの中で中国人を表象するこうした言葉遣いは、実在した話し方が元になっているのか。また歴史的にどのようにして中国人と結びつけられるようになったのだろうか。

ハマザキカク 『ベスト珍書:このヘンな本がすごい!』 中公新書ラクレ、9/10800円+税 〔詳細〕
 *年に8万を超える新刊の全てをチェック、珍書発掘に人生を賭ける人物が発掘された本から厳選、特に「ヤバイ」本をレビューしたのがこの『ベスト珍書』である。選ばれた本は内容も体裁もさまざま。共通するのは誰が読むのかわからぬ『珍書』ということのみ。そこに『珍』へ鋭い嗅覚を持つ氏が、著者すら意図しない魅力を再発見していく。「珍書」の叫びを聞け!

■ダン・アリエリー/櫻井祐子訳 『ずる:嘘とごまかしの行動経済学』 早川書房、ハヤカワ文庫NF9/10800円+税 〔詳細〕
 *行動経済学の第一人者が、誰しも抱く「少し得したい」という「ずる」の心理を徹底解明。元版は、201212月早川書房刊行。

パオロ・マッツァリーノ 『誰も調べなかった日本文化史:土下座・先生・牛・全裸』 ちくま文庫、9/10840円+税 〔詳細〕
 *土下座のカジュアル化、先生という敬称の由来、全国紙一面の広告。――イタリア人(自称)戯作者が、資料と統計で発見した知られざる日本の姿。元版は『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』(二見書房、201110月)。

夢枕獏編 『鬼譚』 ちくま文庫、9/10950円+税 〔詳細〕
*夢枕獏がジャンルに囚われず、古今の「鬼」にまつわる作品を蒐集した傑作アンソロジー。坂口安吾、手塚治虫、山岸凉子、筒井康隆、馬場あき子、他。元版は、天山出版(発売:大陸書房)、19915月刊行(立風書房から199312月再刊されている)。

島田裕巳 『予言の日本史』 NHK出版新書、9/11780円+税 〔詳細〕
 *『古事記』にある天照大神の託宣から、古代の占いである亀卜や太占、安倍晴明の陰陽道、幕末に出没した予言獣、新宗教が説いた終末論、ノストラダムスの予言まで。神からのメッセージか、はたまた虚言妄言の類なのか。日本を騒がせた数々の予言を取り上げ、あまり語られてこなかった怪力乱神の歴史をあぶりだした画期的な書。

アレクサンダー・レルネット=ホレーニア/垂野創一郎訳 『両シチリア連隊』 東京創元社、9/122300円+税 〔詳細〕
*オーストリア三大アンチミステリの一つといわれる幻魔怪奇探偵小説。1925年、ウィーン。先の大戦で両シチリア連隊を率いた退役軍人ロションヴィルは、娘と共に招かれた夜会で、初対面の騎兵から奇妙な体験談を聞く。その夜、彼の元部下が夜会のあった邸宅の一室で首の骨をねじ折られて殺された。

佐々木敦 『あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生』 慶應義塾大学出版会、9/122000円+税 〔詳細〕
 *円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――メタフィクションの臨界点を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。

板橋区立美術館・柿沼裕朋編 『種村季弘の眼:迷宮の美術家たち』 平凡社、9/122000円+税 〔詳細〕
 *没後10年の展覧会図録を兼ねた怪物タネムラの美術ラビリントス。ヤンセン、ベルメールから横尾忠則、四谷シモンまで130点を収録。ただし、板橋区立美術館で行われた展覧会「20世紀検証シリーズ No.4 種村季弘の眼:迷宮の美術家たち」は期待外れだった。

■鈴木俊幸編 『近世・近代初期 書籍研究文献目録』 勉誠出版、9/128000円+税 〔詳細〕
 *旧著『増補改訂 近世書籍研究文献目録』(ぺりかん社、2007年)未収録の前近代から近代初期における書物・出版に関わる研究文献を網羅的に分類・整理。のべ14,000以上の文献を対象に、18の大項目、280以上の小項目より検索できる要を得た編集による日本文化史・思想史研究必備の書。

アビ・ヴァールブルク/伊藤博明・加藤哲弘・石井朗訳 『怪物から天球へ:講演・書簡・エッセイ ヴァールブルク著作集』 ありな書房、9/164500円+税 〔詳細〕
 *ヴァールブルクがおこなった講演をはじめ、研究者や友人宛の書簡、そして折に触れ書き残したエッセイなど、占星術から美術史学、さまざまな文化的事象へのアプローチを収録し、古代からルネサンスを経て現代まで、忘却されかけた過去の言葉を想起の中で再生させイメージを再び感情豊かに語りださせるヴァールブルクの思考の原型と変遷をたどり、イメージと言葉との間を架橋するヴァールブルクのイコノロジーの細部を補完する集大成。

■ジョー・マーチャント/木村博江訳 『ツタンカーメン死後の奇妙な物語』 文藝春秋、9/161950円+税 〔詳細〕
 *ツタンカーメンの歴史的発見からX線、CTスキャン、最新DNA鑑定に至る科学技術を駆使した調査結果を分析し、死因や血縁関係など「少年王」の実像に迫る。綿密な取材と膨大なデータから、少年王の死後の奇妙な成り行きを多角的な面から考察した科学ノンフィクション。

福井健策 『誰が「知」を独占するのか:デジタルアーカイブ戦争』 集英社新書、9/17760円+税 〔詳細〕
 *情報のデジタル化に伴い、グーグルやアマゾンなど米国発の企業に世界の情報インフラは掌握されつつある。世界中を巻き込んだ「知の覇権戦争」の最新事情と、日本独自のアーカイブ整備の必要性を説く。

杉晴夫 『論文捏造はなぜ起きたのか?』 光文社新書、9/17760円+税 〔詳細〕
 *外圧によってもたらされた、分子生物学・再生医療分野の盛況と、潤沢すぎる研究資金。大学の独立行政法人化により伝統と研究の自由を蹂躙され、政府・産業界の使用人と化した大学研究者たち。学術雑誌の正体と商業主義など、研究者を論文捏造に走らせる原因の数々を、筆者ならではの視点から、科学史を交えつつ鋭く指摘する。研究者の自由を取り戻し、論文捏造を根絶するための提言も行なう。

大森望・牧眞司監修 『サンリオSF文庫総解説』 本の雑誌社、9/181800円+税 〔詳細〕
 *伝説の文庫「サンリオSF文庫」197点を書影、書誌データつきで一点ずつレビューした本邦初の解説書。コラムも多数収録し、完全網羅。

竹岡俊樹 『考古学崩壊:前期旧石器捏造事件の深層』 勉誠出版、9/183200円+税 〔詳細〕
 *200011月に発覚した「神の手」藤村新一による旧石器捏造事件から14年、発覚に重要な役割を果たした「告発者」が当時の体験と膨大な資料から、事件の全貌を明らかにする。なぜ学界は20年間にもわたってひとりの「超能力者」を信じてオカルト的説を論じたのか、その理由を岩宿遺跡発掘以来の旧石器時代研究史と当時の社会状況から解き明かす。

春日井邦夫 『情報と謀略』 上・下、国書刊行会、9/19、上:9000円+税 〔上:詳細〕/下:9500円+税 〔下:詳細〕
*「情報戦の真相を理解し、二度と情報戦で負けてはならない」という思いから、関連資料や既発表の論述を丹念に調べ、背後に隠されている各国諜報員の活動を追って記述する。本書は、内閣調査室に在籍した諜報活動の専門家によって、極めて緻密に書かれた二十世紀スパイ活動の歴史である。

岩切友里子 『カラー版国芳』 岩波新書、9/191100+税 〔詳細〕
 *時代を超えて伝わってくる楽しい奇想の世界。新しさを求め続けた江戸っ子浮世絵師の代表作70点余を紹介する。

マイケル・ケリガン/石津朋之監訳/阿部昌平訳 『幻の作戦・兵器1945-91:米ソ冷戦秘録』 創元社、9/192400円+税 〔詳細〕
 *米ソ冷戦期に東西両陣営で構想されるも、未発に終わった作戦計画の数々。近年公開された機密文書や関係者の発言をふまえつつ、こうした幻の作戦・兵器について明らかにする。

黒田日出男 『江戸名所図屏風を読む』 角川学芸出版、9/221800円+税 〔詳細〕
*かぶき者たちと若衆歌舞伎、舟遊びや湯屋の遊興・歓楽的な景観、一軒だけ描かれた武家屋敷・向井将監邸と家紋。近世初期風俗画のさまざまな謎から、屏風の注文主と制作時期を割り出す歴史推理。絵画史料論の鮮やかな展開。

チャールズ・P・キンドルバーガー/高遠裕子訳 『熱狂、恐慌、崩壊:金融恐慌の歴史(原著第6版)』 日本経済新聞出版社、9/223600円+税 〔詳細〕
 *なぜ金融危機は再来するのか、なぜ人間はそれを回避できないのか―。経済危機発生のメカニズムを歴史的アプローチで解明した名著が、リーマン・ショック、巨額詐欺のマドフ事件などの最新動向を踏まえて堂々復活。

マーティン・ガードナー 『ガードナーの不思議な最終講義』 青土社、9/222800円+税 〔詳細〕
 *フィボナッチ数列やコンピューターのパラドックスの面白さをユーモアたっぷりに語ったと思うと、世の中を惑わすオカルトや疑似科学を厳しく批判、果てはタイタニック号の沈没は予言されていたのかにまで話題はおよぶ。好奇心に満ち満ちたガードナーによる最後のエッセイ集。

■安村敏信著/守屋正彦監修 『江戸の十二支〈+α〉どうぶつえん』 東京美術、江戸アートシリーズ、9/231600円+税 〔詳細〕
*十二支にちなんだ12種の動物たちの傑作選。その魅力を文化的・美術史的な背景を含めて解説する。ネズミに対する猫など、それぞれの動物から連想する他の動物も併載し、多様な展開を遂げた江戸期の動物画を堪能できる。→8月予定が9月に。

ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター/栗原百代訳 『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』青土社、9/242700円+税 〔詳細〕
 *カウンターカルチャーは、本当に社会を変えられるのか? 消費社会への批判と、その影響を受けた運動は、現実に問題を解決してきたか。資本主義に根ざす現代社会は様々な問題を抱えているとはいえ、それを根こそぎ否定してしまうことに問題解決の道はない。人びとの協力を引き出すために具体的な制度・ルールの設計こそが求められている。異色の哲学者ヒースとポッターのコンビが、カウンターカルチャーの矛盾を徹底的に暴く。

■堀啓子 『日本ミステリー小説史:黒岩涙香から松本清張へ』 中公新書、9/25800円+税 〔詳細〕
 *黒岩涙香による本邦初のミステリー、探偵小説でデビューした泉鏡花、『新青年』と横溝正史、社会派という新ジャンルを切り開いた松本清張や「日本のクリスティー」仁木悦子まで、オールスターで描く通史。

■八本正幸 『ゴジラの時代』 青弓社、9/251600円+税 〔詳細〕
 *われわれはゴジラとともに生きてきた! 核の恐怖の象徴、ダイナミックな巨大ヒーロー、子供たちのアイドルとして半世紀も日本の映画史に君臨してきた。その歴史をたどり、ともに歩んだわれわれの60年を回顧し再検証しながら、この不思議な怪獣の魅力を考察する。

■杉浦康平 『文字の霊力(れいりき)』 工作舎、杉浦康平デザインの言葉シリーズ、9/252800円+税 〔詳細〕
*文字、漢字を読み解く卓抜なイマジネーションは、日本語タイポグラフィに新たな息吹を与えてきた。白川静の漢字学はもとより、タイポグラフィ、デジタル・フォント、文字のクレオール化など、縦横無尽に語られる文字の可能性を語る。

ロバート・クーツバン/高橋洋訳 『だれもが偽善者になる本当の理由』 柏書房、9/252500円+税 〔詳細〕
 *なぜ、その“都合のよさ”に自分で気が付かないのか? 脳の中のさまざまな部位(モジュール)は、意識のあずかり知らぬところで、互いに矛盾する情報を処理しながら機能している―――そのシステムにこそ“矛盾に満ちた人間の行動”を解く鍵がある! 「私たちの心は、自分の矛盾に気づかないように設計されている」

■杉浦康平 『空間のシワ、時間のヒダ――時間地図の試み:杉浦康平のダイアグラム・デザイン』 鹿島出版会、9/263500円+税 〔詳細〕
 *数々の伝説的なヴィジュアルデザインをつくりあげた杉浦康平。空間や都市にまつわる膨大な事象やデータを図解し、一枚の平面に落とし込んだダイアグラムと時間地図の全貌。多木浩二による解読、松岡正剛との対談、そして現代のクリエイターによる時間地図のデジタイズ化など、ダイアグラムにまつわる刺激的なコンテンツ満載の一冊。→8月予定が10月に延期。
 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆10月予定
佐々木高弘『怪異の風景学』古今書院、シリーズ妖怪文化の民俗地理2、10/22800円+税 〔詳細〕
 *神話・伝説・映画・物語に描かれた風景を分析し、人々が「妖怪が出そう」と感じる風景の意味を探るユニークな日本文化論。首切れ馬が現れ、立ち去るルートからわかる藍産業地域の隠された歴史、廃墟や近代化遺産ブームの背景など。元版は古今書院、20094月刊行。なお、シリーズ1は『民話の地理学』8/12発売、3300円+税。元版は古今書院、200312月刊行)。

今野真二 『辞書からみた日本語の歴史』 ちくまプリマー新書、10/6780円+税 〔詳細〕
 *「日本語の歴史」シリーズ第二弾。現代において辞書は使うものだが、江戸以前は写す・記録するものだった。作り手・使い手の姿から、各時代の日本語を活写する。

■小泉孝一 『鈴木書店の成長と衰退』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ1510/71600円+税 〔詳細〕
 *人文書専門取次の鈴木書店誕生から2001年の破産に至るプロセスを、鈴木書店の元仕入部長が語る。→論創社のサイトに発刊のアナウンスはないが、あるブログによれば914日の週には出来上がっていたらしい(版元ドットコムでの表示によれば、書店発売日は107日とのこと)。

■ベンジャミン・ブラック/小鷹信光訳 『黒い瞳のブロンド』 ハヤカワ・ミステリ、10/1018000円+税 〔詳細〕
 *マーロウの事務所に現れた美女は、昔の恋人を探して欲しいというが……。ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルが別名義で挑む、『ロング・グッドバイ』続篇。

鷲尾賢也 『新版 編集とはどのような仕事なのか:企画発想から人間交際まで』 トランスビュー、10/102000円+税 〔詳細〕
 *講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的企画を世に送り出した名編集者が、奥義の全てを披露する。2004年刊行の旧版の数字データや、現状とは異なる古くなった部分を改め、著者略年譜を付して新版として刊行。

ピンカス・ギラー/中村圭志訳 『知の教科書 カバラー』 講談社選書メチエ、10/101750円+税 〔詳細〕
*ユダヤ教自体が扱わない霊魂、死後の生、天と黄泉(よみ)の構造、世界の創造、終末の出来事といったことがカバラーのテーマになる。カバラーは、二千年以上前から、何千もの書物とたくさんの運動、神秘主義者たちを生み出してきた。その間、ユダヤ教徒の意識的滋養の源泉だったのだ。歴史としてのカバラーではなく、ユダヤ教的な神秘的実在についての思想としてのカバラーを分かりやすく解説する。

マイケル・バー=ゾウハー、ニシム・ミシャル/上野元美訳『モサド・ファイル:イスラエル最強スパイ列伝』 ハヤカワ文庫NF、10/101000円+税 〔詳細〕
*謎めく諜報活動の舞台裏が明らかに……! ナチスへの報復、テロとの果てなき戦い、各国のユダヤ人保護など、インテリジェンス作戦の真実を人気作家が活写。解説/小谷賢。元版は、早川書房、20131月刊行。

マレク・シェベル/前田耕作監修、甲子雅代監訳 『イスラーム・シンボル事典』 明石書店、10/109200円+税 〔詳細〕
 *『コーラン』やムハンマドの言行録『ハディース』そしてイスラーム教徒の日常生活の中に見られる様々な象徴(シンボル)を語句ごとに解説した事典。イスラーム文化全体に張り巡らされた象徴の体系を、簡潔かつ深く読み解く、フランスのイスラーム学の知の結晶。

日本経済新聞社編 『日本語ふしぎ探検』 日経プレミアシリーズ、10/10850円+税 〔詳細〕
 *「俺の○○」ネーミングはなぜ流行? 同学年では遅い生まれなのになぜ「早生まれ」? 時代と共に変化する言葉から新語、業界や地方ならではな言葉遣いまで、気になる日本語を記者たちが徹底調査。『謎だらけの日本語』の第2弾。

■ベン・メズリック/高山祥子訳 『月を盗んだ男』 東京創元社、10/141800円+税 〔詳細〕
 *ジョンソン宇宙センターの研修生、サド・ロバーツ。彼は2002年に、“アポロ11号が月から採取した石”を盗み出してしまう。物理学、地質学、人類学を専攻、ユタ州立大学天文ソサエティを創設、ロシア語と日本語を習得した優秀な学生だったはずの彼が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? どうやって厳重な警備を突破したのか? 信じがたい事件の真相に迫る傑作ノンフィクション!

小林康夫、大澤真幸 『「知の技法」入門』 河出書房新社、10/151500円+税 〔詳細〕
 *東大発ベストセラー『知の技法』から20年――東大新入生必読のまったく新しい基礎教養! 東大教授と知の巨人が“タイタニック”的状況を生き延びるための読書術と思考術を徹底伝授!

若林幹夫 『未来の社会学』 河出書房新社、河出ブックス、10/151500円+税 〔詳細〕
 *「未だ来たらざるもの」を人間はどのように想像し、思考し、時にそれにとりつかれてきたか――。未来の「取り扱い方」と社会のあり方との関係を浮き彫りにする、社会学的冒険の書。

P・ブランダムール校訂/高田勇・伊藤進編訳 『ノストラダムス予言集』 岩波書店、岩波人文書セレクション、10/153000円+税 〔詳細〕
 *ノストラダムスは何を語ろうとしたのか。16世紀文献研究の成果を踏まえ、新しい光のもとに予言詩を読む。終末論、新プラトン主義、占星術・錬金術、カバラなど諸思潮の渦巻くルネサンスを舞台に、この巨人はどのような顔をみせるのか。ペストと宗教戦争に脅える同時代に積極的に関わろうとした詩人の実像に迫る。元版は、岩波書店、19997月刊行。

三上延、倉田英之 『読書狂の冒険は終わらない! 』 集英社新書、10/17760円+税 〔詳細〕
 *それぞれ大ヒット作『ビブリア古書堂の事件手帖』『R.O.D』の作者にして、ライトノベル界随一の「読書狂」の二人が「読まずにはいられない」名作・傑作・奇本・珍本の数々を、丁々発止で語り合う!

木村正人 『見えない世界戦争:「サイバー戦」最新報告』 新潮新書、10/18720円+税 〔詳細〕

江戸狂歌研究会編 『化物で楽しむ江戸狂歌:『狂歌百鬼夜狂』をよむ』 笠間書院、10/201500円+税 〔詳細〕
 *『狂歌百鬼夜狂』は、天明5年、蔦屋重三郎が企画した狂歌会をもとに刊行された。狂歌会には四方赤良(大田南畝)をはじめ16名の狂歌師が集まり、当時人気の素材であった化物をお題に、「百物語」に倣って百首の狂歌が詠まれた。本書は、狂歌の基礎知識、各歌の原文・現代語訳・語釈、化物の挿絵を収録。江戸の化物と狂歌を、楽しみながら知ることの出来る1冊。

海野弘 『世界陰謀全史』 朝日新聞出版、10/211800円+税 〔詳細〕
 *フリーメーソン、テンプル騎士団、薔薇十字団など、20世紀に起きた不可思議な事件の陰には謎めいた組織が見え隠れする。裏の歴史である陰謀論・秘密結社を軸に20世紀を振り返り、21世紀への系譜を読み解く。

斎藤英喜 『陰陽師たちの日本史』 角川学芸出版、10/231700円+税 〔詳細〕
 *陰陽師は本来、天文学や占星術を修めた技術官僚だった。安倍晴明以降も指御子(さすのみこ)と称された安倍泰親、秀吉に追放された土御門久脩など、歴史の影には陰陽師がいた。現代にまで連なる影の主役をたどる。→9月発売予定が延期になり10月に。

アラン・コルバン/築山和也訳 『知識欲の誕生』 藤原書店、10/242200円+税 〔詳細〕
 *民衆は知の欲望をどのように満たしていったのか? 19世紀末のフランスの小村に暮らす普通の人々も地理・歴史・科学に関する想像力を満たし、道徳や公共心を吸収したいという欲望をもっていた。“感性の歴史家”アラン・コルバンが、百数十年前に一人の教師がおこなった連続講演会を甦らせ、人々の知識欲の開花の瞬間を捉える画期的問題作。

オリヴァー・サックス 『見てしまう人びと』 早川書房、ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス、10/242400円+税 〔詳細〕
 *幻覚は狂気の徴候でも不名誉でもない。比類なきカテゴリーの意識であり精神生活なのだ。人間のありようの根幹を伝える驚くべき実例を共感をもって紹介する、サックス渾身の「幻覚のアンソロジー」。

平川義浩 『絵はがきで愛でる富士山』青弓社、10/252000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。7月に刊行延期。→8月に。→さらに9月に延期。→さらに10月に延期。

■荒俣宏編 『怪奇文学大山脈 III 西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇』 東京創元社、10/312700円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山──稀代の碩学が満を持して贈る、至高の怪奇幻想文学アンソロジー第3巻。パルプ雑誌の絢爛たる世界。

尾崎俊介 『ホールデンの肖像:ペーパーバックからみるアメリカの読書文化』 新宿書房、10月、2300円+税 〔詳細〕
 *サリンジャーからハーレクイン・ロマンス、そしてブッククラブまで。ペーパーバックの歴史から浮かび上がる、アメリカの大衆出版文化。『ライ麦畑でつかまえて』の主人公のホールデンは本の表紙にどのように描かれたのか?

 
◆11月以降予定
酒井潔著/大橋崇行解説 『らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】』 彩流社、11/48000円+税 〔詳細〕
 *原本は、厳しい検閲に引っかかるところは空欄にて印刷。本書は、その空欄を埋めたものを忠実に再現! これまでの著作以上に時代の綾が垣間見える、資料性に富むマニア必携の保存版! 本文の二色刷も再現! なお、元版は『らぶ・ひるたァ:秘薬論』文芸市場社、談奇館随筆第1編、19293月刊(総革装、本文2色刷り)。

■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、11月、1700円+税〔詳細〕
*のらくら者の主人公が執筆中の小説の主人公もまた作家であり、彼が作中で創造した人物たちはやがて作者の意思に逆らって勝手に動き始める。実験小説と奇想が交錯する豊饒な文学空間。元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行(同書は『第三の警官』併録)。

■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、11月下旬、2800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。→6月刊行予定が遅れる。→さらに遅れ、10月下旬刊行予定。→さらに遅れ、11月下旬刊行予定。

■アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 312月 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、2014年内?
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、2014年内?
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、2014年内?
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、2014年内?、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始。第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。→発行元のアナウンスは9月とあるものの、遅延か?

■井家上隆幸 『三一新書の時代』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ162014年内、1600円+税 〔詳細〕

植田康夫 『「週刊読書人」と戦後の書評史』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ172014年内 〔詳細〕

前川久美子 『中世パリ装飾写本と読者』 工作舎、2014年冬 〔詳細〕
*美術史家が書き下ろす装飾写本入門書。工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載中。

中島岳志 『下中彌三郎:大衆と愛国』 平凡社新書 〔詳細〕
 *どんな内容になるのだろうか期待。9月末頃に脱稿とのこと。年内刊行か。

 
◆2014年中に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5600
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。
 
FJ・オブライエン/南條竹則訳 『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』 光文社古典文庫 〔詳細〕
 *19世紀半ばアメリカで活躍したオブライエンの奇抜な想像力と自在な物語性、絵画的な魅力にあふれる短篇集。「完全な顕微鏡」を完成させた素人学者が、覗いてみた水滴の中に完璧な美を持つ女性を見出す「ダイヤモンドのレンズ」など8篇を収録。

■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

Laurence Maslon, Michael Kantor『スーパー・ヒーロー』東洋書林
 *アメコミ・ヒーローの研究書。
 
高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林、2014年予定
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。→この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015123日刊行予定に延期!

 
岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■臼田捷治 『工作舎物語』 左右舎 〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?


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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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