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■既刊・近刊メモ(2014年9月版 Ver.2)

20149月前半に刊行された(はずの)本と、9月後半以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【9月前半に出た本から】
 
フレッド・ウェイツキン/若島正訳 『ボビー・フィッシャーを探して』 みすず書房、9/22800円+税 〔詳細〕
 *チェスの神童ジョッシュとその父親である著者が、伝説的棋士ボビー・フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ道のりを描くノンフィクション。

■ブルース・チャトウィン/池内紀訳 『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』 白水社、Uブックス、9/41400円+税  〔詳細〕
*冷戦下のプラハ、マイセン磁器の蒐集家ウッツはあらゆる手を使ってコレクションを守り続ける。蒐集家の生涯をチェコの現代史と重ね合わせながら、蒐集という奇妙な情熱を描いた傑作。元版は文藝春秋、19939月刊行。

笹原宏之 『漢字の歴史:古くて新しい文字の話』 ちくまプリマー新書、9/8820+税 〔詳細〕
 *3000年前中国で誕生した漢字。その数20万字と言われる。時々の人間の営為を反映し表出し試行錯誤しながら、今なお変わり続ける漢字の歴史を解き明かす。

植村修一『不祥事は、誰が起こすのか』日経プレミアシリーズ、9/8850円+税 〔詳細〕
 *食品偽装、データ漏洩、反社会勢力との接触……。次々に起こる組織の不祥事。その原因を探ると、起こしやすい組織に特徴的な体質があった。多くの具体例を紹介しながら、不祥事発生のメカニズムと防止法を平易に解説。

武田悠一 『フランケンシュタインとは何か:怪物の倫理学』 彩流社、9/92500円+税 〔詳細〕
*なぜ、1818年に出版された小説が、SFとして、ホラーとして、エンターテインメントとして、ポップカルチャーのなかで生き延びてきたのか、原作を知らない人のために、丁寧に解き明かす。

金水敏 『コレモ日本語アルカ?:異人のことばが生まれるとき』 岩波書店、そうだったんだ!日本語、9/101800+税 〔詳細〕
 *「これながいきの薬ある。のむよろしい。」――この台詞を見ただけで中国人が思い浮かぶ人は多いだろう。だが現実の中国人は今こんな話し方をしない。フィクションの中で中国人を表象するこうした言葉遣いは、実在した話し方が元になっているのか。また歴史的にどのようにして中国人と結びつけられるようになったのだろうか。

ハマザキカク 『ベスト珍書:このヘンな本がすごい!』 中公新書ラクレ、9/10800円+税 〔詳細〕
 *年に8万を超える新刊の全てをチェック、珍書発掘に人生を賭ける人物が発掘された本から厳選、特に「ヤバイ」本をレビューしたのがこの『ベスト珍書』である。選ばれた本は内容も体裁もさまざま。共通するのは誰が読むのかわからぬ『珍書』ということのみ。そこに『珍』へ鋭い嗅覚を持つ氏が、著者すら意図しない魅力を再発見していく。「珍書」の叫びを聞け!

■ダン・アリエリー/櫻井祐子訳 『ずる:嘘とごまかしの行動経済学』 早川書房、ハヤカワ文庫NF9/10800円+税 〔詳細〕
 *行動経済学の第一人者が、誰しも抱く「少し得したい」という「ずる」の心理を徹底解明。元版は、201212月早川書房刊行。

パオロ・マッツァリーノ 『誰も調べなかった日本文化史:土下座・先生・牛・全裸』 ちくま文庫、9/10840円+税 〔詳細〕
 *土下座のカジュアル化、先生という敬称の由来、全国紙一面の広告。――イタリア人(自称)戯作者が、資料と統計で発見した知られざる日本の姿。元版は『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』(二見書房、201110月)。

夢枕獏編 『鬼譚』 ちくま文庫、9/10950円+税 〔詳細〕
*夢枕獏がジャンルに囚われず、古今の「鬼」にまつわる作品を蒐集した傑作アンソロジー。坂口安吾、手塚治虫、山岸凉子、筒井康隆、馬場あき子、他。

島田裕巳 『予言の日本史』 NHK出版新書、9/11780円+税 〔詳細〕
 *『古事記』にある天照大神の託宣から、古代の占いである亀卜や太占、安倍晴明の陰陽道、幕末に出没した予言獣、新宗教が説いた終末論、ノストラダムスの予言まで。神からのメッセージか、はたまた虚言妄言の類なのか。日本を騒がせた数々の予言を取り上げ、あまり語られてこなかった怪力乱神の歴史をあぶりだした画期的な書。

アレクサンダー・レルネット=ホレーニア/垂野創一郎訳 『両シチリア連隊』 東京創元社、9/122300円+税 〔詳細〕
*オーストリア三大アンチミステリの一つといわれる幻魔怪奇探偵小説。1925年、ウィーン。先の大戦で両シチリア連隊を率いた退役軍人ロションヴィルは、娘と共に招かれた夜会で、初対面の騎兵から奇妙な体験談を聞く。その夜、彼の元部下が夜会のあった邸宅の一室で首の骨をねじ折られて殺された。

佐々木敦 『あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生』 慶應義塾大学出版会、9/122000円+税〔詳細〕
 *円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――メタフィクションの臨界点を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。

■板橋区立美術館・柿沼裕朋編 『種村季弘の眼:迷宮の美術家たち』 平凡社、9/122000円+税 〔詳細〕
 *没後10年の展覧会図録を兼ねた怪物タネムラの美術ラビリントス。ヤンセン、ベルメールから横尾忠則、四谷シモンまで130点を収録。

■鈴木俊幸編 『近世・近代初期 書籍研究文献目録』 勉誠出版、9/128000円+税 〔詳細〕
 *旧著『増補改訂 近世書籍研究文献目録』(ぺりかん社、2007年)未収録の前近代から近代初期における書物・出版に関わる研究文献を網羅的に分類・整理。のべ14,000以上の文献を対象に、18の大項目、280以上の小項目より検索できる要を得た編集による日本文化史・思想史研究必備の書。

アビ・ヴァールブルク/伊藤博明・加藤哲弘・石井朗訳 『怪物から天球へ:講演・書簡・エッセイ ヴァールブルク著作集』 ありな書房、9/164500円+税 〔詳細〕
 *ヴァールブルクがおこなった講演をはじめ、研究者や友人宛の書簡、そして折に触れ書き残したエッセイなど、占星術から美術史学、さまざまな文化的事象へのアプローチを収録し、古代からルネサンスを経て現代まで、忘却されかけた過去の言葉を想起の中で再生させイメージを再び感情豊かに語りださせるヴァールブルクの思考の原型と変遷をたどり、イメージと言葉との間を架橋するヴァールブルクのイコノロジーの細部を補完する集大成。

ジョー・マーチャント/木村博江訳 『ツタンカーメン死後の奇妙な物語』 文藝春秋、9/161950円+税 〔詳細〕
 *ツタンカーメンの歴史的発見からX線、CTスキャン、最新DNA鑑定に至る科学技術を駆使した調査結果を分析し、死因や血縁関係など「少年王」の実像に迫る。綿密な取材と膨大なデータから、少年王の死後の奇妙な成り行きを多角的な面から考察した科学ノンフィクション。

福井健策 『誰が「知」を独占するのか:デジタルアーカイブ戦争』 集英社新書、9/17760円+税 〔詳細〕
 *情報のデジタル化に伴い、グーグルやアマゾンなど米国発の企業に世界の情報インフラは掌握されつつある。世界中を巻き込んだ「知の覇権戦争」の最新事情と、日本独自のアーカイブ整備の必要性を説く。

杉晴夫 『論文捏造はなぜ起きたのか?』 光文社新書、9/17760円+税 〔詳細〕
 *外圧によってもたらされた、分子生物学・再生医療分野の盛況と、潤沢すぎる研究資金。大学の独立行政法人化により伝統と研究の自由を蹂躙され、政府・産業界の使用人と化した大学研究者たち。学術雑誌の正体と商業主義など、研究者を論文捏造に走らせる原因の数々を、筆者ならではの視点から、科学史を交えつつ鋭く指摘する。研究者の自由を取り戻し、論文捏造を根絶するための提言も行なう。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆9月後半予定
■大森望・牧眞司監修 『サンリオSF文庫総解説』 本の雑誌社、9/181800円+税 〔詳細〕
 *伝説の文庫「サンリオSF文庫」197点を書影、書誌データつきで一点ずつレビューした本邦初の解説書。コラムも多数収録し、完全網羅。

春日井邦夫 『情報と謀略』 上・下、国書刊行会、9/19、上:9000円+税 〔上:詳細〕/下:9500円+税 〔下:詳細〕
*「情報戦の真相を理解し、二度と情報戦で負けてはならない」という思いから、関連資料や既発表の論述を丹念に調べ、背後に隠されている各国諜報員の活動を追って記述する。本書は、内閣調査室に在籍した諜報活動の専門家によって、極めて緻密に書かれた二十世紀スパイ活動の歴史である。

岩切友里子 『カラー版国芳』 岩波新書、9/191100+税 〔詳細〕
 *時代を超えて伝わってくる楽しい奇想の世界。新しさを求め続けた江戸っ子浮世絵師の代表作70点余を紹介する。

マイケル・ケリガン/石津朋之監訳/阿部昌平訳 『幻の作戦・兵器1945-91:米ソ冷戦秘録』 創元社、9/192400円+税 〔詳細〕
 *米ソ冷戦期に東西両陣営で構想されるも、未発に終わった作戦計画の数々。近年公開された機密文書や関係者の発言をふまえつつ、こうした幻の作戦・兵器について明らかにする。

■小泉孝一 『鈴木書店の成長と衰退』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ159月中旬 〔詳細〕
 *人文書専門取次の鈴木書店誕生から2001年の破産に至るプロセスを、鈴木書店の元仕入部長が語る。

斎藤英喜 『歴史を動かした陰陽師:安倍晴明と末裔たち』 角川学芸出版、9/221700円+税 〔詳細〕
 *陰陽師は本来、天文学や占星術を修めた技術官僚だった。安倍晴明以降も指御子(さすのみこ)と称された安倍泰親、秀吉に追放された土御門久脩など、歴史の影には陰陽師がいた。現代にまで連なる影の主役をたどる。

黒田日出男 『江戸名所図屏風を読む』 角川学芸出版、9/221800円+税 〔詳細〕
*かぶき者たちと若衆歌舞伎、舟遊びや湯屋の遊興・歓楽的な景観、一軒だけ描かれた武家屋敷・向井将監邸と家紋。近世初期風俗画のさまざまな謎から、屏風の注文主と制作時期を割り出す歴史推理。絵画史料論の鮮やかな展開。

チャールズ・P・キンドルバーガー高遠裕子訳 『熱狂、恐慌、崩壊:金融恐慌の歴史(原著第6版)』 日本経済新聞出版社、9/223600円+税 〔詳細〕
 *なぜ金融危機は再来するのか、なぜ人間はそれを回避できないのか―。経済危機発生のメカニズムを歴史的アプローチで解明した名著が、リーマン・ショック、巨額詐欺のマドフ事件などの最新動向を踏まえて堂々復活。

ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター/栗原百代訳 『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』青土社、9/242700円+税 〔詳細〕
 *カウンターカルチャーは、本当に社会を変えられるのか? 消費社会への批判と、その影響を受けた運動は、現実に問題を解決してきたか。資本主義に根ざす現代社会は様々な問題を抱えているとはいえ、それを根こそぎ否定してしまうことに問題解決の道はない。人びとの協力を引き出すために具体的な制度・ルールの設計こそが求められている。異色の哲学者ヒースとポッターのコンビが、カウンターカルチャーの矛盾を徹底的に暴く。

■堀啓子 『日本ミステリー小説史:黒岩涙香から松本清張へ』 中公新書、9/25800円+税 〔詳細〕
 *黒岩涙香による本邦初のミステリー、探偵小説でデビューした泉鏡花、『新青年』と横溝正史、社会派という新ジャンルを切り開いた松本清張や「日本のクリスティー」仁木悦子まで、オールスターで描く通史。

平川義浩 『絵はがきで愛でる富士山』青弓社、9/252000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。7月に刊行延期。→8月に。→さらに9月に延期。

■八本正幸 『ゴジラの時代』 青弓社、9/251600円+税 〔詳細〕
 *われわれはゴジラとともに生きてきた! 核の恐怖の象徴、ダイナミックな巨大ヒーロー、子供たちのアイドルとして半世紀も日本の映画史に君臨してきた。その歴史をたどり、ともに歩んだわれわれの60年を回顧し再検証しながら、この不思議な怪獣の魅力を考察する。

竹岡俊樹 『考古学崩壊:前期旧石器捏造事件の深層』 勉誠出版、9/303200円+税 〔詳細〕
 *200011月に発覚した「神の手」藤村新一による旧石器捏造事件から14年、発覚に重要な役割を果たした「告発者」が当時の体験と膨大な資料から、事件の全貌を明らかにする。なぜ学界は20年間にもわたってひとりの「超能力者」を信じてオカルト的説を論じたのか、その理由を岩宿遺跡発掘以来の旧石器時代研究史と当時の社会状況から解き明かす。

ロバート・クーツバン/高橋洋訳 『だれもが偽善者になる本当の理由』 柏書房、9月下旬、2500円+税 〔詳細〕
 *なぜ、その“都合のよさ”に自分で気が付かないのか? 脳の中のさまざまな部位(モジュール)は、意識のあずかり知らぬところで、互いに矛盾する情報を処理しながら機能している―――そのシステムにこそ“矛盾に満ちた人間の行動”を解く鍵がある! 「私たちの心は、自分の矛盾に気づかないように設計されている」

マーティン・ガードナー 『ガードナーの不思議な最終講義』 青土社、9月下旬、2800円+税 〔詳細〕
 *フィボナッチ数列やコンピューターのパラドックスの面白さをユーモアたっぷりに語ったと思うと、世の中を惑わすオカルトや疑似科学を厳しく批判、果てはタイタニック号の沈没は予言されていたのかにまで話題はおよぶ。好奇心に満ち満ちたガードナーによる最後のエッセイ集。

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、9月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始!

■安村敏信著/守屋正彦監修 『江戸の十二支〈+α〉どうぶつえん』 東京美術、江戸アートシリーズ、9月、1600円+税 〔詳細〕
*十二支にちなんだ12種の動物たちの傑作選。その魅力を文化的・美術史的な背景を含めて解説する。ネズミに対する猫など、それぞれの動物から連想する他の動物も併載し、多様な展開を遂げた江戸期の動物画を堪能できる。→8月予定が9月に。

 
◆10月以降予定
■杉浦康平 『空間のシワ、時間のヒダ――時間地図の試み:杉浦康平のダイアグラム・デザイン』 鹿島出版会、10/13500円+税 〔詳細〕
 *数々の伝説的なヴィジュアルデザインをつくりあげた杉浦康平。空間や都市にまつわる膨大な事象やデータを図解し、一枚の平面に落とし込んだダイアグラムと時間地図の全貌。多木浩二による解読、松岡正剛との対談、そして現代のクリエイターによる時間地図のデジタイズ化など、ダイアグラムにまつわる刺激的なコンテンツ満載の一冊。→8月予定が10月に延期。

今野真二 『辞書からみた日本語の歴史』 ちくまプリマー新書、10/6780円+税
 
ベンジャミン・ブラック/小鷹信光訳 『黒い瞳のブロンド』 ハヤカワ・ミステリ、10/1018000円+税 〔詳細〕
 *マーロウの事務所に現れた美女は、昔の恋人を探して欲しいというが……。ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルが別名義で挑む、『ロング・グッドバイ』続篇。

鷲尾賢也 『新版 編集とはどのような仕事なのか:企画発想から人間交際まで』 トランスビュー、10/102000円+税 〔詳細〕
 *講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的企画を世に送り出した名編集者が、奥義の全てを披露する。2004年刊行の旧版の数字データや、現状とは異なる古くなった部分を改め、著者略年譜を付して新版として刊行。

ピンカス・ギラー/中村圭志訳 『知の教科書 カバラー』 講談社選書メチエ、10/10
 
■ベン・メズリック/高山祥子訳 『月を盗んだ男』 東京創元社、10/141800円+税 〔詳細〕
 *ジョンソン宇宙センターの研修生、サド・ロバーツ。彼は2002年に、“アポロ11号が月から採取した石”を盗み出してしまう。物理学、地質学、人類学を専攻、ユタ州立大学天文ソサエティを創設、ロシア語と日本語を習得した優秀な学生だったはずの彼が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? どうやって厳重な警備を突破したのか? 信じがたい事件の真相に迫る傑作ノンフィクション!

小林康夫、大澤真幸 『「知の技法」入門』 河出書房新社、10/141500円+税 〔詳細〕
 *東大発ベストセラー『知の技法』から20年――東大新入生必読のまったく新しい基礎教養! 東大教授と知の巨人が“タイタニック”的状況を生き延びるための読書術と思考術を徹底伝授!

若林幹夫 『未来の社会学』 河出書房新社、河出ブックス、10/151500円+税 〔詳細〕
 *「未だ来たらざるもの」を人間はどのように想像し、思考し、時にそれにとりつかれてきたか――。未来の「取り扱い方」と社会のあり方との関係を浮き彫りにする、社会学的冒険の書。

三上延、倉田英之 『読書狂の冒険は終わらない! 』 集英社新書、10/17760円+税 〔詳細〕
 *それぞれ大ヒット作『ビブリア古書堂の事件手帖』『R.O.D』の作者にして、ライトノベル界随一の「読書狂」の二人が「読まずにはいられない」名作・傑作・奇本・珍本の数々を、丁々発止で語り合う!

木村正人 『見えない世界戦争:「サイバー戦」最新報告』 新潮新書、10/18720円+税 〔詳細〕

アラン・コルバン/築山和也訳 『知識欲の誕生』 藤原書店、10/242200円+税 〔詳細〕
 *民衆は知の欲望をどのように満たしていったのか? 19世紀末のフランスの小村に暮らす普通の人々も地理・歴史・科学に関する想像力を満たし、道徳や公共心を吸収したいという欲望をもっていた。“感性の歴史家”アラン・コルバンが、百数十年前に一人の教師がおこなった連続講演会を甦らせ、人々の知識欲の開花の瞬間を捉える画期的問題作。

オリヴァー・サックス 『見てしまう人びと』 早川書房、ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス、10/242400円+税 〔詳細〕
 *幻覚は狂気の徴候でも不名誉でもない。比類なきカテゴリーの意識であり精神生活なのだ。人間のありようの根幹を伝える驚くべき実例を共感をもって紹介する、サックス渾身の「幻覚のアンソロジー」。

■荒俣宏編 『怪奇文学大山脈 III 西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇』 東京創元社、10/312700円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山──稀代の碩学が満を持して贈る、至高の怪奇幻想文学アンソロジー第3巻。パルプ雑誌の絢爛たる世界。

酒井潔著/大橋崇行解説『らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】』 彩流社、10/258000円+税 〔詳細〕
 *原本は、厳しい検閲に引っかかるところは空欄にて印刷。本書は、その空欄を埋めたものを忠実に再現! これまでの著作以上に時代の綾が垣間見える、資料性に富むマニア必携の保存版! 本文の二色刷も再現! なお、元版は『らぶ・ひるたァ:秘薬論』文芸市場社、談奇館随筆第1編、19293月刊。

■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、10月下旬、2800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。→6月刊行予定が遅れる。→さらに遅れ、10月下旬刊行予定。

P・ブランダムール校訂/高田勇・伊藤進編訳 『ノストラダムス予言集』 岩波書店、岩波人文書セレクション、10
 *元版は、岩波書店、19997月刊行。
 
マイケル・バー=ゾウハー、ニシム・ミシャル/上野元美訳『モサド・ファイル:イスラエル最強スパイ列伝』 ハヤカワ文庫NF10月、1000円+税
*元版は、早川書房、20131月刊行。
 
■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、夏?
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、夏?
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■杉浦康平 『文字の霊力(れいりき)』 工作舎、杉浦康平デザインの言葉シリーズ、秋 〔詳細〕
*文字、漢字を読み解く卓抜なイマジネーションは、日本語タイポグラフィに新たな息吹を与えてきた。白川静の漢字学はもとより、タイポグラフィ、デジタル・フォント、文字のクレオール化など、縦横無尽に語られる文字の可能性を語る。

■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、11
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
■アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 312月 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。
■井家上隆幸 『三一新書の時代』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ162014年内、1600円+税 〔詳細〕

植田康夫 『「週刊読書人」と戦後の書評史』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ172014年内 〔詳細〕

 
 
◆2014年中に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
FJ・オブライエン/南條竹則訳 『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』 光文社古典文庫 〔詳細〕
 *19世紀半ばアメリカで活躍したオブライエンの奇抜な想像力と自在な物語性、絵画的な魅力にあふれる短篇集。「完全な顕微鏡」を完成させた素人学者が、覗いてみた水滴の中に完璧な美を持つ女性を見出す「ダイヤモンドのレンズ」など8篇を収録。

■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

Laurence Maslon, Michael Kantor『スーパー・ヒーロー』東洋書林
 *アメコミ・ヒーローの研究書。
 
前川久美子 『中世パリ装飾写本と読者』 工作舎、2014年冬 〔詳細〕
*美術史家が書き下ろす装飾写本入門書。工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載中。

ヴィンチェンツォ・カルターリ/大橋喜之訳 『西欧古代神話図像大鑑[続編] 東洋・新世界編』 八坂書房、2014年 〔詳細〕
 *V・カルターリ『西欧古代神話図像大鑑』(八坂書房、2012年)の続編。

高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林、2014年予定
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015125日刊行予定に延期!
 
『秘密結社の謎がよくわかる本』 明治書院、学びやぶっく 〔詳細〕

岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■臼田捷治 『工作舎物語』 左右舎〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?


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■2014年8月展覧会総括

20148月に見た、主に美術関連の展覧会3件(201418月では計42件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は必ずしも会期順ではない。
8月もあまりの暑さで足も遠のいたまま。さらにカミさんが足を捻挫してしまい、外出は困難に。
 
◆評価ポイント ★★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
8月
 
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○日本民藝館 「生誕120年記念 濱田庄司展」会期:6/178/31
A★★☆☆B★★☆☆C☆☆
*以前、近くに用事があって何度も建物の前を通ったことがあり、いつも気にはなっていたのだが、今回初めて入ってみた。入るまでは静かなので誰も入っていないかと思ったら大間違い。引き戸を開けると靴が溢れんばかり(ここでは靴を脱がねばならない)。中は人だらけで、騒々しいことおびただしい。
濱田庄司の作品だけでなく、蒐集して影響を受けたと思しきものなども展示。ただ、動線設計が全くなされておらず、入館時に渡されたチラシ以外に展示作品付近には解説が一切なく、何らかの構成を考えて配置してあったようだが、素人には大変わかりづらい。
濱田庄司の作品と同時に展示されていたバーナード・リーチの作品何点かは、しっかりした素描の力量を感じさせるが、残念ながら濱田庄司は素描もデザインも下手でどうにもうまくできなかったということがよくわかった。スケッチ帳がいくつか展示されていたものの、先月に見た波山のスケッチと比べると、その技術の拙劣さ・観察力のなさなど大幅に見劣りがする。だからこそ、偶然性による「流掛」の技法にこだわったのだろうか。朝鮮陶磁器の手法を真似、赤絵の技法は宋・明や琉球の赤絵を模し、あるいは英国などの日用雑器の模様に倣ったのは、勉強の成果というより、独自の世界が描けなかったためではないだろうか。
本館の展示を見た後、旧柳宗悦邸である西館を見る。月に4回のみ開館する。柳の蔵書の一部が残されており、見ることができた。かつては1万冊を超えていたというが、少なくとも書斎に残されていたのはざっとみても1000冊足らずか。面白いことに、美術や芸術関係の書籍はほとんどなく、小説(武者小路実篤全集など)・随筆とともに、政治・経済関係書などが目立った。オルガナイザーとしての柳宗悦は、むしろ現実生活のほうに関心が高かったと言うべきか。
 
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Bunkamuraザ・ミュージアム 「だまし絵II 会期:8/9~10/5
A★★☆☆☆B★★C  ■図録購入
*上記の日本民藝館に行ったついでに入ったのが大失敗。夏休み時期のせいか、立錐の余地もないほどの混みようだし、子供たちの喚声が追い討ちをかける。
展示内容も新味に乏しく、展示方法も凡庸。解説も見方を説明したり、画家の略伝を示したり、首尾一貫せず。こうしたテーマ性のある企画なら、画家についての説明は省いて、どのように一つ一つの作品を楽しむべきかの示唆を与えるものに統一すべきだった。構成自体が退屈で、せっかくの素材を十分に生かし切れていない。
ちなみに前回2009年の「だまし絵」展も見に行っていたらしく、書棚の奥からその図録が出てきた。記憶は全くない。
 
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山種美術館 「水の音:広重から千住博まで」 会期:7/199/15
A★★★★B★★C★★
*山種美術館は、なかなか面白いテーマを設定して、館蔵品を次々と見せてくれる。もとより館蔵品の制約から、必ずしも優品ばかりとは限らないが、今回のように何点か素晴らしい作品に出会える機会をつくってくれれば、それでよいだろう。本展でも館蔵品がほとんどで、ごく数点(2点のみ)館外からであったが、十分楽しめた。
なかでも岩橋英遠の《懸泉》は、本展のなかで最も優れていたと思う。滝の流れるさまは、轟々と音を立てて流れ落ちるかのようなダイナミックな動きを感じさせてくれる。手前に架かった微かな虹もわざとらしくなく、ふと気がつくとあったと思わせるようなすがすがしさ。この絵ばかりはしばし見とれてしまった。
また奥村土牛の《鳴門》、宮廻正明の《水花火(螺)》、牛尾武の《晨響(銀河と流星の滝)》なども、水の動きや変化のさまを実に的確に捉えて表現しており、素晴らしい作品だった。
それに比べ、22年ぶりに六曲二双のすべてを公開したと謳った橋本関雪の《生々流転》などは、水の表現も類型的で、造形も構成も稚拙というべきだろう。横山大観の《龍》など、龍の子どもかといわんばかりに力のない有様。もとより量産品である千住博の《ウォーターフォール》などは論外だが、総じて夏の暑さをしばし忘れさせてくれる佳作が半分くらいはあった。
 

■既刊・近刊メモ(2014年9月版 Ver.1)

20148月に刊行された(はずの)本と、9月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【8月に出た本から】
 
■ジェレミー・スケイヒル/益岡賢・塩山花子訳 『ブラックウォーター:世界最強の傭兵企業』 作品社、8/23400円+税 〔詳細〕
 *殺しのライセンスを持つ米の影の軍隊は、世界で何をやっているのか? イラク戦争での民間人の虐殺、アルカイダ幹部など反米分子の暗殺、シリア反体制派への軍事指導などの驚くべき実態、そして米の政財界の暗部との癒着を初めて暴き、世界に衝撃を与えた書!

『ゾンビ・マニアックス:ジョージ・A・ロメロとリビングデッドの世界』 徳間書店、8/41800円+税 〔詳細〕
 *ホラー映画の永遠のクラシック『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』ほか、ロメロ監督の名作群の魅力をあらゆる角度から捉えた決定版ムック。

『別冊宝島 日本の妖怪』 宝島社、8/5880円+税 〔詳細〕
*妖怪たちはなぜ誕生したのか。大徳寺真珠庵所蔵を始めとする百鬼夜行絵巻や、鳥山石燕の妖怪画を始めとする多彩な図版とともに徹底解説します。

■澁澤龍彦 『プリニウスと怪物たち』 河出文庫、8/6740円+税 〔詳細〕
 *古代ローマの大博物学者プリニウスが書いた『博物誌』は当時の世界の見聞を収めた大事典として名高いが、なかでも火とかげサラマンドラや海坊主、大山猫など幻想的な動物たちが面白い!新アンソロジー。

湯本豪一編 『大正期怪異妖怪記事資料集成下』 国書刊行会、8/645000税 〔詳細〕
6月刊行の上巻に続く下巻。上下巻総2500ページ。民俗学、文学、美術、歴史──さまざまな分野における圧倒的な第一級資料。

■三浦悦子 『実録 あなたの知らないオカルト業界』 彩図社、彩図社文庫、8/7590円+税 〔詳細〕
 *祈祷師、能力開発セミナー、フリーエネルギー、気功、生き霊、霊媒師、預言者、若返りの水……。信じたらどうなるのか? オカルト業界に翻弄され続けた女性ライターによる、体当たりルポタージュ!

■塚田泰彦 『読む技術:成熟した読書人を目指して』 創元社、8/81300円+税 〔詳細〕
 *本があるのに読まないのはもったいないし、読むならよりよい読み方をすすめたい。しかも、生涯にわたって読み続けたほうがいい。本書は、そのような視点から、読書という広大な世界を楽しむ「成熟した読者」になるためにどうするかを、読書の基本をおさえながら、日本で初めて「読書科学」の成果を活用して述べたものである。

■紅野謙介、高榮蘭ほか編 『検閲の帝国:文化の統制と再生産』 新曜社、8/85100円+税 〔詳細〕
*戦前の帝国期の内地と植民地で、検閲がどのように行なわれ、どう違っていたかをつぶさに検証。さらには、戦前・戦中だけでなく、戦後のアメリカ占領期にまでわたって、「検閲」をキーワードに権力というものの多様な在り方──露骨・強圧的な検閲から見えない検閲まで──を追跡・解読します。

■ピエール=フランソワ・ラスネール/小倉孝誠、梅澤礼訳 『ラスネール回想録』 平凡社ライブラリー、8/81500円+税 〔詳細〕
 *ドストエフスキーやユゴーの作品の源となりブルトン、カミュ、ワイルドらの関心をひき『天井桟敷の人々』にも登場、あのルパンのモデルともなった伝説的犯罪者が、処刑の直前まで書き続けた獄中記。

ヴォルフガング・ベンツ/斉藤寿雄訳 『第三帝国の歴史:画像でたどるナチスの全貌』現代書館、8/113300円+税 〔詳細〕
 *ナチスの歴史を150枚もの画像で紹介する。1933年ナチス政権樹立して今年で80年を迎える。いま世界はナチスの歴史から何を学んだのかを問われている。指導者の資格とは? 民主主義の責任とは? 譲ってはならない権利とは?

■上原善広 『石の虚塔:発見と捏造、考古学に憑かれた男たち』 新潮社、8/121500円+税 〔詳細〕
 *新発見の裏で巻き起こる学術論争、学閥抗争、誹謗中傷……岩宿遺跡から旧石器捏造事件まで、考古学に魅せられた者の天国と地獄。

■ナイジェル・マクレリー/沼尻由起子訳 『世界が驚いた科学捜査事件簿』 河出書房新社、8/122000円+税 〔詳細〕
 *犯罪捜査の手法を大きく塗り替えた技術はいつ、誰が思いつき、どんな成果を上げたのか。過去200年にわたって実際に起きた数々の難事件を再現しつつ検証する、科学捜査の発達史!

■安藤淳 『天気予報はこの日「ウソ」をつく』 日経プレミアシリーズ、8/12850円+税 〔詳細〕
 *なぜ「雨」の予報は「晴れ」より外れやすいのか? 民間会社が気象庁より正確に予報できる秘密とは。予測に使われる、知られざるハイテク技術とは。―世界トップレベルの日本の天気予報の裏側を数々の事例と共に紹介。

■柳田国男 『禁忌習俗事典:タブーの民俗学手帳』 河出書房新社、8/132000円+税 〔詳細〕
 *タブーに関する言葉をジャンル別に網羅し、徹底的に解説。全集未収録の超貴重な本を、新字新仮名の読みやすい形で完全復刊。全国のタブーに関する慣習から探る日本人論の白眉。

《美術手帖》20149月号、特集:贋作ってなに?、美術出版社、8/181600円+税 〔詳細〕
 *有名画家を騙って名画を装い、人を欺く巧妙な美術犯罪──。長い美術史の影には、密かに営まれる「贋作」の歴史があった。いつも、どこかで、とめどなくつくられてきた贋作の数々。そのカラクリと、怪しげな世界をたっぷりご案内!

佐々木健一 『論文ゼミナール』 東京大学出版会、8/203700円+税 〔詳細〕
 *論文とはどういう文章か? 論文のモラルとは? 主題の見つけ方、設計と構築の仕方は? 論文を書くこと=技術(アート)として捉えて、この創造的な仕事の基本姿勢から実践方法までを懇切に解説する。

■秋梨惟喬 『矢澤潤二の微妙な陰謀』 東京創元社、8/221500円+税 〔詳細〕
 *謎の男ヤザワジュンジがもっともらしく語る超能力、UFO、徳川埋蔵金、百匹の猿理論……。アヤシイ陰謀に巻き込まれた人々の幸と不幸を予測しがたい展開で描くケッタイな連作集。

H・オールダシー=ウィリアムズ 『人体の物語』 早川書房、ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス、8/222600円+税 〔詳細〕
*人体とは私たちに最も身近な精密機械であり、征服すべき最後のフロンティアであり、読んで楽しく有益な書物でもある。『元素をめぐる美と驚き』で化学世界へ誘った名キュレーターの解剖学案内。

J・B・ホラーズ編/古屋美登里訳 『モンスターズ:現代アメリカ傑作短編集』 白水社、8/222400円+税 〔詳細〕
*吸血鬼、ゴジラ、モスマン、ビッグフット、ミイラ、ゾンビなど異形の「怪物たち」をテーマに、曲者ぞろいの新鋭・中堅作家18人が腕を競う、異色の短篇アンソロジー。

■ニコラウス・ペヴスナー/蛭川久康訳 『英国美術の英国らしさ:芸術地理学の試み』 研究社、8/223800円+税 〔詳細〕
*ホガース、ブレイク、モリス、コンスタブル、ターナー、レノルズから、イングリッシュ・ガーデン、教会建築、最新の都市デザインに至るまで一貫して見出される、英国らしさとは何か。広いパースペクティヴで英国的なるものの特質と精神を解明する、イギリス美術・文化の入門書。

■ヨハネス・ベルガーハウゼン、シリ・ポアランガン/小泉均監修 『世界の文字と記号の大図鑑:Unicode 6.0の全グリフ』 研究社、8/2216000円+税 〔詳細〕
 *本書は、文字の「国際標準」ユニコード6.0に登録された109449キャラクターのすべてを一望。主要言語の文字はもちろん、普段あまり見る機会のない古今東西の少数言語や希少言語の〈珍しい文字〉も眺めて愉しむことができる。

■イアン・グレイアム/松田和也訳 『詐欺と詐称の大百科』 青土社、8/222800円+税 〔詳細〕
 *巨額のカネを稼ぐため、なりたい職業に就くため、生活に刺激を得るため、戦争に行くため、差別を逃れるため・・・・・・職業・性別・年齢・人種・血統・学歴を詐称し人びとを欺く、それぞれの理由。多種多様な「なりすまし」たちの、笑いも感動もひっくるめた実話集。

■ポール・コリンズ/山田和子訳 『バンヴァードの阿房宮:世界を変えなかった13人』 白水社、8/253600円+税 〔詳細〕
*世界最長のパノラマ画家、地球空洞説の提唱者、驚異の放射線「N線」の発見者など、壮大な夢をもち、特異な才能を有しながら、世界を変えることなく、歴史から忘れられた13人に光を当て、愛情とユーモアをこめて紹介したポートレイト集。

■山田雄司 『怨霊とは何か:菅原道真・平将門・崇徳院』 中公新書、8/25800円+税 〔詳細〕
 *菅原道真、平将門、崇徳院の怨霊はいかに恐れられたのか。霊魂の行方から怨霊の祟りとその鎮魂、近代の霊魂文化までを概観する。

■澄田喜広 『古本屋になろう!』 青弓社、8/251600円+税 〔詳細〕
 *リアル古本屋経営の基礎とは何か、開店の準備、仕入れのノウハウ、棚作りのコツ、値付け方法、専門店か総合店か、どのようにして利益を上げるのか――激戦区で長年店をかまえる著者が、イロハからそろばん勘定までを指南する。  

■渡辺考 『プロパガンダ・ラジオ;日米電波戦争 幻の録音テープ』 筑摩書房、8/252300円+税 〔詳細〕
 *戦前・戦中、海外に向けて放送された短波ラジオ。さまざまなプロパガンダを繰り広げ、最後は和平交渉の手段ともなったその実態とは。迫真の歴史ドキュメンタリー。

■酒井潔 『日本歓楽郷案内』 中公文庫、8/25880円+税 〔詳細〕
 *狂騒と退廃の昭和初期の色街探訪。大震災後に増殖した新風俗の実態と社交場の男女の乱倫を活写。80年を経て新字新仮名にて初文庫化。〈解説〉下川耿史

■北村新三、原勝洋 『暗号に敗れた日本:太平洋戦争の明暗を分けた米軍の暗号解読』 PHP研究所、 8/253200円+税 〔詳細〕
*本書は、米国史料を多数実例として示しながら、太平洋戦争時の米軍の日本外交暗号、日本海軍暗号の解読ぶりを明らかにする。また、当時の暗号についての基礎知識を、電波工学の権威である北村新三が解説。日米の暗号戦のすべてを描く。

リサ・モートン/大久保庸子訳 『ハロウィーンの文化誌』 原書房、8/252800円+税 〔詳細〕
 *ハロウィーンとは何か? 異教徒の新年の祝祭として始まったものが、時の流れとともに姿を変え、そのときどきの役割を担ってきた。不思議なお祭り「ハロウィーン」の「起源」と「歴史」そして「現在」を豊富な図版とともに解説。

《芸術新潮》20149月号、ヒエロニムス・ボスの奇想天国、1435円+税 〔詳細〕

ローレンス・M・プリンチーペ/菅谷暁・山田俊弘訳 『科学革命』 丸善出版、サイエンス・パレット、8/261000円+税 〔詳細〕
 *1500年から1700年までの、初期近代科学の世界をコンパクトに案内。「世界=宇宙(コスモス)」をキーワードに、時代の特徴や世界の見方、科学的な知識の諸分野、それを探究する人間の世界(学界)を整理する。

■ジャン=リュック・ナンシー/西宮かおり訳 『思考の取引:書物と書店』 岩波書店、8/261900円+税 〔詳細〕
 *「書店とは、陳列された実体としての、みずからを提示し紹介する主体としての、書物のイデアにほかならない」──ネットの普及、電子書籍の登場、減少する書店……、出版界が激変を迎える中、物質としての書物の意義を示し、書物には書店が不可欠であることを説く。

■アルカジー・ワクスベルク/松宮克昌訳 『毒殺:暗殺国家ロシアの真実』 柏書房、8/262800円+税 〔詳細〕
*レーニンの毒殺実験室から秘密警察KGBへ。異なる意見の持ち主を許容することを認めない「排除」の思想。「秩序を維持するため」に正当化される暴力の姿を扶るノンフィクション!

■平松洋 『猫の西洋絵画』 東京書籍、8/272100円+税 〔詳細〕
 *西洋美術を通じて古代から20世紀まで、猫の絵画を総合的かつ美術史的な視点で語る。

真山知幸 『大富豪破天荒伝説 Best100』 東京書籍、8/271500円+税 〔詳細〕
 *古代から現代まで、ありあまる富の力で成し遂げられた、歴史に残る大事業から、なんでこんなことを?という無駄遣いまで、世界をゆるがしてきた大富豪たちの事績をランキング形式で紹介!

濱田浩一郎 『教科書には載っていない大日本帝国の情報戦』 彩図社、8/271200円+税 〔詳細〕
 *本書では、大日本帝国が勃興し滅びるまでに世界を相手に死力を尽くし展開された諜報・謀略・スパイ戦の全貌をあますところなく紹介する。気鋭の歴史学者が描くインテリジェンスの光と闇。

キャロル・ローズ『世界の怪物・神獣事典普及版』原書房、8/272800円+税 〔詳細〕
 *ティタン、ナーガ、サラマンダー、麒麟……怪物・巨人・ドラゴンなどの、人類の恐怖と畏怖を具現化した空想の生き物の連綿たる系譜を世界中から集大成。2004年刊の普及版。

間川清 『ダマされない技術:乗せられ、操られ、ダマされないために…弁護士が教える7つの盾』 法研、8/281300円+税 〔詳細〕
 *詐欺、悪徳商法、脅迫、不当請求、虚偽の訴え…。ある日突然襲ってくる罠からあなたを守る。

■岡澤浩太郎 『巨匠の失敗作』 東京書籍、8/281500円+税 〔詳細〕
 *巨匠といえども人間、残した作品は傑作ばかりではなく、実は「失敗作」もあった。巨匠の名作を再検証し、新たな視点でその本質を探る。

荒俣宏編 『怪奇文学大山脈II 西洋近代名作選 20世紀革新篇』 東京創元社、8/292300税 〔詳細〕
*西洋怪奇小説の鉱脈は、無尽蔵の宝の山――その中から燦然たる傑作を拾い集め紹介し続けた稀代の碩学・荒俣宏が「怪奇幻想文学のライフワーク」として贈る、西洋怪奇幻想の神髄全54編を収める全3巻の至高のアンソロジー。第2巻は名匠ウェイクフィールド、メトカーフ、デ・ラ・メアの初訳ほか、海洋怪談の傑作「甲板の男」(F・マリオン・クロフォード)など17篇を収める。

■松田哲夫、南伸坊 『縁もたけなわ:ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち』 小学館、8/291800円+税 〔詳細〕
*松田哲夫が編集人生で出会った愉快な人々。

リン・カーター&ロバート・M・プライス/森瀬繚・立花圭一訳 『クトゥルーの子供たち』 エンターブレイン、8/302000円+税 〔詳細〕
 *クトゥルー神の三柱の子供たちを巡る恐怖に満ちた探索物語。リン・カーター「赤の供物」「墳墓に棲みつくもの」「奈落の底のもの」「時代より」「陳列室の恐怖」「ウィンフィールドの遺産」「夢でたまたま」、その後日談であるロバート・M・プライス「悪魔と結びし者の魂」の全8篇。加えてクトゥルー神話研究家・森瀬繚による詳細の用語解説付き。

■ヘレン・ロス、コーネリス・プラグ/東山篤規訳 『月の錯視:なぜ大きく見えるのか』 勁草書房、8/313700円+税 〔詳細〕
 *地平線付近の月が大きく見え、天高く昇るにつれて小さくなるのはなぜなのか。数千年にわたって多くの哲学者や科学者を魅了し続けてきた謎を解明する。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆9月予定
フレッド・ウェイツキン/若島正訳  『ボビー・フィッシャーを探して』  みすず書房、9/22800円+税 〔詳細〕
 *チェスの神童ジョッシュとその父親である著者が、伝説的棋士ボビー・フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ道のりを描くノンフィクション。

■ブルース・チャトウィン/池内紀訳 『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』 白水社、Uブックス、9/41400円+税〔詳細〕
*冷戦下のプラハ、マイセン磁器の蒐集家ウッツはあらゆる手を使ってコレクションを守り続ける。蒐集家の生涯をチェコの現代史と重ね合わせながら、蒐集という奇妙な情熱を描いた傑作。元版は文藝春秋、19939月刊行。

笹原宏之 『漢字の歴史:古くて新しい文字の話』 ちくまプリマー新書、9/8820+税 〔詳細〕
 *3000年前中国で誕生した漢字。その数20万字と言われる。時々の人間の営為を反映し表出し試行錯誤しながら、今なお変わり続ける漢字の歴史を解き明かす。

金水敏 『コレモ日本語アルカ?:異人のことばが生まれるとき』 岩波書店、そうだったんだ!日本語、9/101800+税 〔詳細〕
 *「これながいきの薬ある。のむよろしい。」――この台詞を見ただけで中国人が思い浮かぶ人は多いだろう。だが現実の中国人は今こんな話し方をしない。フィクションの中で中国人を表象するこうした言葉遣いは、実在した話し方が元になっているのか。また歴史的にどのようにして中国人と結びつけられるようになったのだろうか。

ハマザキカク 『ベスト珍書:このヘンな本がすごい!』 中公新書ラクレ、9/10800円+税 〔詳細〕
 *年に8万を超える新刊の全てをチェック、珍書発掘に人生を賭ける人物が発掘された本から厳選、特に「ヤバイ」本をレビューしたのがこの『ベスト珍書』である。選ばれた本は内容も体裁もさまざま。共通するのは誰が読むのかわからぬ『珍書』ということのみ。そこに『珍』へ鋭い嗅覚を持つ氏が、著者すら意図しない魅力を再発見していく。「珍書」の叫びを聞け!

■ダン・アリエリー/櫻井祐子訳 『ずる:嘘とごまかしの行動経済学』 早川書房、ハヤカワ文庫NF9/10800円+税 〔詳細〕
 *行動経済学の第一人者が、誰しも抱く「少し得したい」という「ずる」の心理を徹底解明。元版は、201212月早川書房刊行。

パオロ・マッツァリーノ 『誰も調べなかった日本文化史:土下座・先生・牛・全裸』 ちくま文庫、9/10840+税 〔詳細〕
 *土下座のカジュアル化、先生という敬称の由来、全国紙一面の広告。――イタリア人(自称)戯作者が、資料と統計で発見した知られざる日本の姿。元版は『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』(二見書房、201110月)。

アレクサンダー・レルネット=ホレーニア/垂野創一郎訳  『両シチリア連隊』 東京創元社、9/122300円+税 〔詳細〕
*オーストリア三大アンチミステリの一つといわれる幻魔怪奇探偵小説。1925年、ウィーン。先の大戦で両シチリア連隊を率いた退役軍人ロションヴィルは、娘と共に招かれた夜会で、初対面の騎兵から奇妙な体験談を聞く。その夜、彼の元部下が夜会のあった邸宅の一室で首の骨をねじ折られて殺された。

佐々木敦 『あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生』 慶應義塾大学出版会、9/122000円+税 〔詳細〕
 *円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――メタフィクションの臨界点を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。

福井健策 『誰が「知」を独占するのか:デジタルアーカイブ戦争』 集英社新書、9/17760円+税 〔詳細〕
 *情報のデジタル化に伴い、グーグルやアマゾンなど米国発の企業に世界の情報インフラは掌握されつつある。世界中を巻き込んだ「知の覇権戦争」の最新事情と、日本独自のアーカイブ整備の必要性を説く。

■大森望・牧眞司監修 『サンリオSF文庫総解説』 本の雑誌社、9/181800円+税 〔詳細〕
 *伝説の文庫「サンリオSF文庫」197点を書影、書誌データつきで一点ずつレビューした本邦初の解説書。コラムも多数収録し、完全網羅。

岩切友里子 『カラー版国芳』 岩波新書、9/191100+税 〔詳細〕
 *時代を超えて伝わってくる楽しい奇想の世界。新しさを求め続けた江戸っ子浮世絵師の代表作70点余を紹介する。

マイケル・ケリガン/石津朋之監訳/阿部昌平訳 『幻の作戦・兵器1945-91:米ソ冷戦秘録』 創元社、9/192400円+税 〔詳細〕
 *米ソ冷戦期に東西両陣営で構想されるも、未発に終わった作戦計画の数々。近年公開された機密文書や関係者の発言をふまえつつ、こうした幻の作戦・兵器について明らかにする。

■小泉孝一 『鈴木書店の成長と衰退』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ159月中旬 〔詳細〕
 *人文書専門取次の鈴木書店誕生から2001年の破産に至るプロセスを、鈴木書店の元仕入部長が語る。

斎藤英喜 『歴史を動かした陰陽師:安倍晴明と末裔たち』 角川学芸出版、9/221700円+税 〔詳細〕
 *陰陽師は本来、天文学や占星術を修めた技術官僚だった。安倍晴明以降も指御子(さすのみこ)と称された安倍泰親、秀吉に追放された土御門久脩など、歴史の影には陰陽師がいた。現代にまで連なる影の主役をたどる。

黒田日出男 『江戸名所図屏風を読む』 角川学芸出版、9/221800円+税 〔詳細〕
*かぶき者たちと若衆歌舞伎、舟遊びや湯屋の遊興・歓楽的な景観、一軒だけ描かれた武家屋敷・向井将監邸と家紋。近世初期風俗画のさまざまな謎から、屏風の注文主と制作時期を割り出す歴史推理。絵画史料論の鮮やかな展開。

■堀啓子 『日本ミステリー小説史:黒岩涙香から松本清張へ』 中公新書、9/24800円+税 〔詳細〕
 *ホームズの「赤毛連盟」は、なぜ「はげ頭クラブ」と訳されてしまったのか? 幕末から現代まで、推理小説の誕生と苦難のドラマをたどる。

ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター/栗原百代訳 『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』青土社、9/242700円+税 〔詳細〕
 *カウンターカルチャーは、本当に社会を変えられるのか? 消費社会への批判と、その影響を受けた運動は、現実に問題を解決してきたか。資本主義に根ざす現代社会は様々な問題を抱えているとはいえ、それを根こそぎ否定してしまうことに問題解決の道はない。人びとの協力を引き出すために具体的な制度・ルールの設計こそが求められている。異色の哲学者ヒースとポッターのコンビが、カウンターカルチャーの矛盾を徹底的に暴く。

武田悠一 『フランケンシュタインとは何か:怪物の倫理学』 彩流社、9/252500円+税 〔詳細〕
*なぜ、1818年に出版された小説が、SFとして、ホラーとして、エンターテインメントとして、ポップカルチャーのなかで生き延びてきたのか、原作を知らない人のために、丁寧に解き明かす。

■板橋区立美術館・柿沼裕朋編 『種村季弘の眼:迷宮の美術家たち』 平凡社、9/252000円+税 〔詳細〕
 *没後10年の展覧会図録を兼ねた怪物タネムラの美術ラビリントス。ヤンセン、ベルメールから横尾忠則、四谷シモンまで130点を収録。

春日井邦夫 『情報と謀略』 上・下、国書刊行会、9/25、上:9000円+税 〔上:詳細〕/下:9500円+税 〔下:詳細〕
*「情報戦の真相を理解し、二度と情報戦で負けてはならない」という思いから、関連資料や既発表の論述を丹念に調べ、背後に隠されている各国諜報員の活動を追って記述する。本書は、内閣調査室に在籍した諜報活動の専門家によって、極めて緻密に書かれた二十世紀スパイ活動の歴史である。

平川義浩 『絵はがきで愛でる富士山』青弓社、9/252000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。7月に刊行延期。→8月に。→さらに9月に延期。

八本正幸 『ゴジラの時代』 青弓社、9/251600円+税 〔詳細〕
 *われわれはゴジラとともに生きてきた! 核の恐怖の象徴、ダイナミックな巨大ヒーロー、子供たちのアイドルとして半世紀も日本の映画史に君臨してきた。その歴史をたどり、ともに歩んだわれわれの60年を回顧し再検証しながら、この不思議な怪獣の魅力を考察する。

ロバート・クーツバン/高橋洋訳 『だれもが偽善者になる本当の理由』 柏書房、9月下旬、2500円+税 〔詳細〕
 *なぜ、その“都合のよさ”に自分で気が付かないのか? 脳の中のさまざまな部位(モジュール)は、意識のあずかり知らぬところで、互いに矛盾する情報を処理しながら機能している―――そのシステムにこそ“矛盾に満ちた人間の行動”を解く鍵がある! 「私たちの心は、自分の矛盾に気づかないように設計されている」

竹岡俊樹 『考古学崩壊:前期旧石器捏造事件の深層』 勉誠出版、9月、3200円+税 〔詳細〕
 *200011月に発覚した「神の手」藤村新一による旧石器捏造事件から14年、発覚に重要な役割を果たした「告発者」が当時の体験と膨大な資料から、事件の全貌を明らかにする。なぜ学界は20年間にもわたってひとりの「超能力者」を信じてオカルト的説を論じたのか、その理由を岩宿遺跡発掘以来の旧石器時代研究史と当時の社会状況から解き明かす。

■鈴木俊幸編 『近世・近代初期 書籍研究文献目録』 勉誠出版、9月、8000円+税 〔詳細〕
 *旧著『増補改訂 近世書籍研究文献目録』(ぺりかん社、2007年)未収録の前近代から近代初期における書物・出版に関わる研究文献を網羅的に分類・整理。のべ14,000以上の文献を対象に、18の大項目、280以上の小項目より検索できる要を得た編集による日本文化史・思想史研究必備の書。

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、9月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始! 第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。

■安村敏信著/守屋正彦監修 『江戸の十二支〈+α〉どうぶつえん』 東京美術、江戸アートシリーズ、9月、1600円+税 〔詳細〕
*十二支にちなんだ12種の動物たちの傑作選。その魅力を文化的・美術史的な背景を含めて解説する。ネズミに対する猫など、それぞれの動物から連想する他の動物も併載し、多様な展開を遂げた江戸期の動物画を堪能できる。→8月予定が9月に。

 
◆10月以降予定
■杉浦康平 『空間のシワ、時間のヒダ――時間地図の試み:杉浦康平のダイアグラム・デザイン』 鹿島出版会、10/13500円+税 〔詳細〕
 *数々の伝説的なヴィジュアルデザインをつくりあげた杉浦康平。空間や都市にまつわる膨大な事象やデータを図解し、一枚の平面に落とし込んだダイアグラムと時間地図の全貌。多木浩二による解読、松岡正剛との対談、そして現代のクリエイターによる時間地図のデジタイズ化など、ダイアグラムにまつわる刺激的なコンテンツ満載の一冊。→8月予定が10月に延期。

鷲尾賢也 『新版 編集とはどのような仕事なのか:企画発想から人間交際まで』 トランスビュー、10/102000円+税 〔詳細〕
 *講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的企画を世に送り出した名編集者が、奥義の全てを披露する。2004年刊行の旧版の数字データや、現状とは異なる古くなった部分を改め、著者略年譜を付して新版として刊行。

■ベン・メズリック/高山祥子訳 『月を盗んだ男』 東京創元社、10/141800円+税 〔詳細〕
 *ジョンソン宇宙センターの研修生、サド・ロバーツ。彼は2002年に、“アポロ11号が月から採取した石”を盗み出してしまう。物理学、地質学、人類学を専攻、ユタ州立大学天文ソサエティを創設、ロシア語と日本語を習得した優秀な学生だったはずの彼が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? どうやって厳重な警備を突破したのか? 信じがたい事件の真相に迫る傑作ノンフィクション!

■荒俣宏編 『怪奇文学大山脈 III 西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇』 東京創元社、10/312700円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山──稀代の碩学が満を持して贈る、至高の怪奇幻想文学アンソロジー第3巻。パルプ雑誌の絢爛たる世界。

酒井潔著/大橋崇行解説 『らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】』 彩流社、10/258000円+税 〔詳細〕
 *原本は、厳しい検閲に引っかかるところは空欄にて印刷。本書は、その空欄を埋めたものを忠実に再現! これまでの著作以上に時代の綾が垣間見える、資料性に富むマニア必携の保存版! 本文の二色刷も再現! なお、元版は『らぶ・ひるたァ:秘薬論』文芸市場社、談奇館随筆第1編、19293月刊。

■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、10月下旬、2800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。→6月刊行予定が遅れる。→さらに遅れ、10月下旬刊行予定。

P・ブランダムール校訂/高田勇・伊藤進編訳 『ノストラダムス予言集』岩波書店、岩波人文書セレクション、10
 *元版は、岩波書店、19997月刊行。
 
マイケル・バー=ゾウハー、ニシム・ミシャル/上野元美訳 『モサド・ファイル:イスラエル最強スパイ列伝』 ハヤカワ文庫NF10月、1000円+税
*元版は、早川書房、20131月刊行。
 
■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、夏?
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、夏?
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■杉浦康平 『文字の霊力(れいりき)』 工作舎、杉浦康平デザインの言葉シリーズ、秋 〔詳細〕
*文字、漢字を読み解く卓抜なイマジネーションは、日本語タイポグラフィに新たな息吹を与えてきた。白川静の漢字学はもとより、タイポグラフィ、デジタル・フォント、文字のクレオール化など、縦横無尽に語られる文字の可能性を語る。

■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、11
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
■アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 312月 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

中島篤巳訳  『完本万川集海』 国書刊行会、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。
■井家上隆幸 『三一新書の時代』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ162014年内、1600円+税 〔詳細〕

植田康夫 『「週刊読書人」と戦後の書評史』 論創社、「出版人に聞く」シリーズ172014年内 〔詳細〕

 
◆2014年中に出るかどうか(時々知らない間に刊行されていることもあります)
■鏡明 『マンハントとその時代』(仮)フリースタイル 〔詳細〕
*雑誌《フリースタイル》連載。

Laurence Maslon, Michael Kantor『スーパー・ヒーロー』東洋書林
 *アメコミ・ヒーローの研究書。
 
前川久美子 『中世パリ装飾写本と読者』 工作舎、2014年冬 〔詳細〕
*美術史家が書き下ろす装飾写本入門書。工作舎サイト[Planetalogue]で予告を兼ねて連載中。

高山宏訳 『完訳 ポリフィロス狂恋夢』 東洋書林、2014年予定
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015125日刊行予定に延期!
 
『秘密結社の謎がよくわかる本』 明治書院、学びやぶっく 〔詳細〕

岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■臼田捷治 『工作舎物語』 左右舎 〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕
*いつの間にか近刊予告からはずされていた。刊行中止か?


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Author:夢幻庵主人
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