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■既刊・近刊メモ(2014年6月版 Ver.2)

20146月前半に刊行された(はずの)本と、6月後半以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【6月に出た本から】
 
『江戸川乱歩の迷宮世界』 洋泉社、6/21300円+税 〔詳細〕
*江戸川乱歩の生誕120周年にあわせて、乱歩の人と作品を徹底解説。全小説114作品のマニアックレビューから、乱歩ファンの三上延氏や綾辻行人氏などの作家インタビュー、乱歩作品に登場する美女、探偵、怪人名鑑など、これまでの乱歩本とは違った視点から乱歩ワールドの魅力に迫る。→ただし、ムックなので期待はできないのだろうが。

■ジョン・クラカワー『信仰が人を殺すとき』上・下、河出文庫、6/6、各820円+税 〔詳細:上〕〔詳細:下〕
 *1984年ユタ州で起きた母子惨殺事件の背景に潜む宗教の闇。「彼らを殺せ」と神が命じた――信仰、そして人間とはなにか? 人間の普遍的感情である信仰の問題をドラマチックに描いたノンフィクションを文庫化。

■東雅夫、加門七海 『ぼくらは怪談巡礼団』 KADOKAWA、幽ブックス、6/61400円+税 〔詳細〕
*日本各地に伝わる怪談の舞台を、加門七海と東雅夫と怪しい仲間たちが探訪。巡礼団一行を待ち受ける怪奇現象の数々。迫真の怪談紀行にして名作ガイドでもある、かつてないトラベル・ブック、誕生!

■ジェシー・ケラーマン/林香織訳 『駄作』 ハヤカワ・ミステリ文庫、6/61100円+税 〔詳細〕
*予測不可能の展開で読者を打ちのめす強烈スリラー。盗んだ原稿でベストセラー作家に成り上がった男は途方もない陰謀に巻き込まれる!【本書には奇想天外すぎる展開があることをあらかじめ警告しておきます】

■小杉泰・林佳世子編 『イスラーム書物の歴史』 名古屋大学出版会、6/65500円+税 〔詳細〕
*これを知らずして書物を語るなかれ——。近代以前、東アジアの木版本と並んで世界の書物文化の二大山脈を形づくったのはイスラーム世界の写本であった。聖典クルアーンから歴史書や科学書まで、また華麗な書や絵画から装丁まで、広大な地域の知と文芸を支えた書物の歴史を、デジタル時代の現在からふりかえる待望の書。

荒俣宏 『喰らう読書術:一番おもしろい本の読み方』 ワニブックスPLUS新書、6/9917円+税 〔詳細〕
 *「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千・何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。→奥付の発行日は625日だった。

■近藤和彦 『民のモラル:ホーガースと18世紀イギリス』 ちくま学芸文庫、6/101300円+税 〔詳細〕
200年前のイギリスに生きたふつうの男と女。その暮らしやもめごと、希望と連帯。民衆文化と政治文化のありようを丹念に読み解く。元版は山川出版社より199311月に刊行された。

■日本編集者学会編 《エディターシップ》Vol.3 時代の岐路に立つ、日本編集者学会(発売:トランスビュー)、6/102000円+税 〔詳細〕
 *創刊編集長・近藤信行が語る文芸誌『海』の時代、井出彰が語る「『日本読書新聞』と混沌の六〇年代」の秘話ほか、秘密保護法、集団的自衛権の行使容認による議会制民主主義と議院内閣制の崩壊にどう立ち向かうかを考える。

櫻庭美咲 『西洋宮廷と日本輸出磁器』 藝華書院、6/1030000円+税 〔詳細〕
 *西洋に輸出された肥前磁器は王侯貴族社会にどのように受け入れられたのか? 日本や中国の磁器が室内を埋め尽くす宮廷の「磁器陳列室」は、異文化である日本工芸を「空間芸術の構成要素」として三次元空間で鑑賞させる場だった。世界に広がる「磁器の道」の史実を精密に読み解きながら、西洋美術史、陶磁史、文化史という複合的視座から陶器の受容史を紐解く壮大な探求が始まった。

■ジャン=クロード・レーベンシュテイン/森元庸介訳 『猫の音楽:半音階的幻想曲』 勁草書房、6月上旬、2400円+税 〔詳細〕
*猫オルガン、猫オペラ、猫シンフォニー……。西洋音楽は猫の鳴き声をどう受けとめ、取り入れ、締め出してきたのか。猫のごとくしなやかに論じる、究極の博覧強記が優雅に踊り奏でたミラクル文化史。

藤原重雄 『史料としての猫絵』 山川出版社、日本史リブレット796月、800円+税 〔詳細〕
*一枚の猫絵を事例に、そこに流れ込むイメージの歴史を解きほぐし、図像学から中世・近世の文化を透かし見る。史料としての絵画が語る歴史に耳を傾ける、その手の内を明かす。

水野千依 『キリストの顔:イメージ人類学序説』 筑摩選書、6/122000円+税 〔詳細〕
 *見てはならないとされる神の肖像は、なぜ、いかにして描かれえたか。キリストの顔をめぐるイメージの地層を掘り起こし、「聖なるもの」が生み出される過程に迫る。《UP》(東京大学出版会)20142月号に「キリストの顔:表象の起源へ」と題した小論を掲載。

キャサリン・ゴヴィエ/モーゲンスタン陽子訳 『北斎と応為』上・下、彩流社、6/12、各2200円+税 〔詳細〕
 *浮世絵師・北斎の娘、応為(おうい)こと葛飾お栄の謎に包まれた生涯を描き出す。「美人画では娘に敵わない」と北斎をして言わしめた実在の娘・お栄(画号は応為)。緻密な描写、すぐれた色彩と陰影表現を得意とし、父と共作するだけでなく、代作もしていた。歴史の闇に消えていった「もうひとりの北斎」を、綿密な調査と豊かな想像力で描き出した歴史フィクション!

今井良 『警視庁科学捜査最前線』 新潮新書、6/14720税 〔詳細〕
*最新ツールを武器に犯人を追い詰める。防犯カメラ、Nシステム、データ解析ソフト――警視庁の捜査は、科学の力で急激な進化を続けている。最近の事件をもとに一線の記者が徹底解説。

ウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド/牧野賢治訳 『背信の科学者たち:論文捏造はなぜ繰り返されるのか?』 講談社、6/201380円+税 〔詳細〕
 *誠実で「真理の探究者」と尊敬されている科学者による不正行為が後を絶たない。なぜ、彼らは自らの名誉と職を失いかねないリスクを冒してまでも不正行為に手を染めるのか? ガリレオ、ニュートンなど大科学者から詐欺師まがいの研究者まで豊富な事例を通じて、科学の本質に迫る。元版は、『背信の科学者たち』(化学同人19882月、2200円)→改訂されて、『背信の科学者たち:論文捏造、データ改ざんはなぜ繰り返されるのか』(講談社、ブルーバックス、200611月、1140円)となる。

溝口敦 『詐欺の帝王』 文藝春秋、文春新書、6/20750円+税 〔詳細〕
*これだけ報道されながら、オレオレ詐欺の被害者が増え続けているのはなぜか?詐欺グループはどんな人間を狙い、いかなる手口で騙しているのか――闇ビジネスの実態を暴く、著者の面目躍如たる一冊です。

日本冬虫夏草の会 『冬虫夏草生態図鑑』 誠文堂新光社、6/204800円+税 〔詳細〕
*チョウ、コウチュウ目など宿主別に、日本で見られる冬虫夏草約240種の冬虫夏草を写真とともに掲載。採集・観察・分類・同定、効能から歴史まで。

マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア/井辻朱美訳 『タイタス・アウェイクス:ゴーメンガースト IV』 東京創元社、6/21880円+税 〔詳細〕
*〈ゴーメンガースト三部作〉はもともと三部作として構想されたものではなかった。著者ピークは第四部を構想し、一部の原稿とアイデアの断片を遺していたのだ。夫亡きあと、夫人のメーヴ・ギルモアがそれをもとに書き上げたのが本書。故郷の城を離れたタイタスは、さらに彷徨を重ねる。奇矯な人々に出会い、様々な出来事に遭遇するも、何処にも安住の地を見いだせず終わりなき探索を続けるタイタス。幻想文学の最高峰シリーズ幻の最終巻が、ついに姿を現す。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆6月後半予定
■安村敏信監修 『別冊太陽(日本のこころ219号) 妖怪図譜』 平凡社、6/242500円+税 〔詳細〕
 *江戸時代に多くの浮世絵師が描いた妖怪画や絵巻物の優品をはじめ、不思議でユニークな妖怪たちの珍品を盛りだくさんに紹介する。

《ミステリマガジン》20148月号 特集幻想と怪奇:生誕120周年乱歩から始まる怪奇入門、6/25876円+税 〔詳細〕
 *ミステリマガジンのバックナンバーは、この毎年夏の特集号を除き、ほとんど売り払ってしまった。では読んでいるかというと、惰性で買ってはいるものの、読んだことはほとんどない。

■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、6/252800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。

高田博行 『ヒトラー演説:熱狂の真実』 中公新書、6/25880円+税 〔詳細〕
*ヒトラーの演説といえば、声を張り上げ、大きな身振りで聴衆を煽り立てるイメージが強いが、実際はどうだったのか。聴衆は演説にいつも熱狂したのか。本書では、ヒトラーの政界登場からドイツ敗戦までの25年間、150万語に及ぶ演説データを分析。レトリックや表現などの面から煽動政治家の実像を明らかにする。

千葉県立中央博物館監修 『図鑑大好き!:あなたの散歩を10 倍楽しくする図鑑の話』 彩流社、6/252000円+税 〔詳細〕
 *自然観察に欠かせない「図鑑」を徹底紹介。図鑑大国の日本で刊行された図鑑の歴史・作り方・工夫などから、身近な自然の散歩・探検に最適の図鑑をナビする。博物館初の「図鑑展」図録。

■大沢昇 『編集者になろう!』 青弓社、6/251600円+税 〔詳細〕
*小学館での長年の経験をもとに、現場の実態、編集技術のノウハウ、人脈の作り方、電子時代の編集者に必要なもの、企画の立て方を懇切にレクチャー。

NATROM 『「ニセ医学」に騙されないために:危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! メタモル出版、6/251380円+税 〔詳細〕
*「抗がん剤は毒にしかならない」「麻薬系の鎮痛剤は体に悪い」「瀉血でデトックスできる」という誤解・デマや、ホメオパシーやオーリングテスト、千島学説といった科学的根拠に乏しい主張を30項目取り上げて、批判的に言及

河出書房新社編集部編 『河鍋暁斎:戯画と笑いの天才絵師』 河出書房新社、6/272000円+税 〔詳細〕
 *7歳で国芳門下へ、狩野派にも学び、強烈無比の戯画・風刺画から美女・幽霊・動物まで縦横無尽に描いてみせて抜群の人気を誇った「画鬼」暁斎の魅力を、傑作の数々とともに。オールカラー。

矢口祐人 『奇妙なアメリカ:神と正義のミュージアム』 新潮選書、6/271200円+税 〔詳細〕
*やっぱりあの国はちょっとヘン――!? 進化論を否定し、核兵器を賞賛し、成金が美術品を買い漁り、凶悪犯が勢ぞろい……米国の奇妙な八つのミュージアムを東大教授が徹底調査、「神」と「正義」をめぐる超大国の複雑な葛藤を浮き彫りにする、異色のアメリカ論。

■山崎力/田淵アントニオ(アレンジメントオーサー) 『医師もMRも幸せにする患者のための情報吟味:ディオバン事件以降の臨床研究リテラシー』 SCICUS(サイカス)、6/273600円+税 〔詳細〕
*臨床研究の成果をねじ曲げて伝える「spin」と呼ばれる情報伝達テクニックの実例を紹介し、医療従事者や患者さんが情報に騙されないための知識や視点を提示する。→元『捏造しない・させないための臨床研究のお作法』という仮題だった本のようだ。アレジメントオーサーというのは初めて聞くが、どのような役割なのだろうか。

荒俣宏編『怪奇文学大山脈1 西洋近代名作選 19世紀再興篇』東京創元社、6/282400円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山――その中から燦然たる傑作・怪作を拾い集め紹介し続けた稀代の碩学・荒俣宏が贈る、怪奇幻想文学にまつわる仕事の集大成! 正統にして至高のアンソロジストが精選した、西洋怪奇幻想の神髄を全3巻に収める。

■杉江松恋 『路地裏の迷宮踏査』 東京創元社、キイ・ライブラリー、6/281500円+税 〔詳細〕
*作家たちの知られざる交友関係から創作にまつわる意外なエピソードまで、読んで為になる情報が満載。《ミステリーズ!》連載が加筆訂正の上、単行本に。

ブライアン・クレッグ/竹内薫訳 『世界はデタラメ:ランダム宇宙の科学と生活』 NTT出版、6/302200円+税 〔詳細〕
 *偶然の世界へようこそ! カジノのルーレット、地震を引き起こすカオス、量子の奇っ怪なふるまいまで、宇宙の驚くべき現実をときほぐす「偶然の科学」への招待。

今福龍太 『書物変身譚』 新潮社、6/303200〔詳細〕
*書物とは地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である――記憶を繋いできた魅惑の書物10冊を渉猟し、書物という形に留まらない生命と記憶の集積を探る。

辻惟雄 『奇想の発見:ある美術家の回想』 新潮社、6/302200円+税 〔詳細〕
*若冲、蕭白、又兵衛――日本美術史の片隅で忘れられていた「奇特な」画家たちを発掘し、美は花鳥風月のみに非ずを教えてくれた辻センセイ。その愉快でトホホなハミ出し人生。

湯本豪一編 『大正期怪異妖怪記事資料集成上』 国書刊行会、6/2545000円+税 〔詳細〕
 *『明治期怪異妖怪記事資料集成』(国書刊行会、20091月、45000円+税)に続き、大正期に発行された全国の邦字新聞のほぼ全てを渉猟し、怪異・妖怪事件記事を抽出、影印。上下22500ページ。下巻は7/23発売予定。

『日本のおもちゃ絵コレクション:川崎巨泉の玩具帖』(仮)青幻舎、6月下旬、1500円+税 〔詳細〕
*大正~昭和、全国各地の郷土玩具を描いた日本画家・川崎巨泉。膨大なコレクションを誇る中之島図書館・人魚洞文庫の所蔵品より、厳選の自筆写生画を紹介。

原田裕 『戦後の講談社と東都書房』(仮) 論創社、出版人に聞く146月末、1600円+税 〔詳細〕
 *当初予定タイトルは『東都書房と出版芸術社』だったが、61日現在では、上記タイトルの予定に変更。

 
◆7月予定
ジョルジュ・ミノワ/石川光一訳 『無神論の歴史:始原から今日にいたるヨーロッパ世界の信仰を持たざる人々』 法政大学出版局、叢書・ウニベルシタス 10137/813000円+税 〔詳細〕
 *キリスト教信仰とともに歩んできた2000年の西洋文明史はまた、神を否定し、宗教を拒絶する者たちによる思想闘争の歴史でもあった。古代・中世の異端説から、啓蒙の懐疑論や理神論をへて現代の唯物論に至るまで、既成秩序への抵抗と世俗化の根拠となった無神論哲学の多様な系譜を一望のもとに描く。1154頁もの大著。

■五島綾子 『〈科学ブーム〉の構造:科学技術が神話を生みだすとき』 みすず書房、7/93000円+税 〔詳細〕
*〈科学ブーム〉の具体的事例をつぶさに振り返り、ブームを支えた「神話」や利害とその奥にある科学技術の実像の関係図をあぶりだす。

《ユリイカ》20148月増刊号、特集:シャーロック・ホームズ(仮)、7月上旬 〔詳細〕

田口久美子 『書店不屈宣言:わたしたちはへこたれない』 筑摩書房、7/101500円+税
 
和田敦彦 『読書の歴史を問う:書物と読者の近代』 笠間書院、7/141900円+税 〔詳細〕
 *書物の出版、検閲、流通、保存は、読者の歴史とどうかかわってきたのだろうか。「昔」の読書を探ると、「今」が見えてくる。現在とは異なる時間、異なる場所の、読者や読書の魅力をも伝える書。

北村洋 『敗戦とハリウッド:占領下日本の文化再建』 名古屋大学出版会、7/184800円+税 〔詳細〕
*アメリカ映画を抱きしめて——。占領政策の一環としてハリウッド映画を利用したGHQと、その到来を歓迎して映画館へと押し寄せた日本人。両者の関係を多面的な交渉のプロセスと捉え、検閲・配給・宣伝をめぐる様々な試行錯誤から、ファン文化の形成まで、熱狂と葛藤に満ちた占領の文化史を描き出す。

■千街晶之『原作と映像の交叉光線(クロスライト):ミステリ映像の現在形』 東京創元社、キイ・ライブラリー、7/222500円+税 〔詳細〕
 *ミステリを原作とした映像化は人気が高く、続々と製作されている。名作『犬神家の一族』をはじめ28作品から、ミステリとしての読みどころ、映像作品としての観どころを紹介していく。

ブラッド・ハニーカット&テリー・スティッケルズ/北川玲訳 『錯視芸術図鑑:世界の傑作200点』 創元社、7/223200円+税 〔詳細〕
*目の錯覚を利用した古典的作品から「不可能を現実に変える」複雑なグラフィック作品まで、絵画、写真、コンピューターグラフィックなど、古今東西の錯視アートの最高傑作を網羅した永久保存版。

アル・セッケル編著/内藤憲吾訳 『不可能図形コレクション90選』 創元社、7/221200円+税 〔詳細〕
*あなたの眼と脳は騙されている! 平面では描けるのに3次元では作れない不可能な図形の数々を3次元の偽立体モデルとともに、古典作品から未公開の新作まで多数集めた驚異の錯視図形コレクション。

平山優 『検証長篠合戦』 吉川弘文館、歴史文化ライブラリー3827/221800円+税 〔詳細〕
*今一度の史料批判、鉄炮玉化学分析などの新成果を加味。両軍の鉄炮装備、兵農分離軍隊の実態など、合戦の諸問題を徹底的に検証する。

湯本豪一編 『大正期怪異妖怪記事資料集成下』 国書刊行会、7/2345000円+税 〔詳細〕
6月刊行の上巻に続く下巻。上下巻総2500ページ。民俗学、文学、美術、歴史──さまざまな分野における圧倒的な第一級資料。

渡辺考 『プロパガンダ・ラジオ;日米電波戦争 幻の録音テープ』 筑摩書房、7/232300円+税
 
平川義浩 『絵はがきで愛でる富士山』青弓社、7/252000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。7月に刊行延期。

種村季弘 『詐欺師の勉強あるいは遊戯精神の綺想』 幻戯書房、7/268500円+税 〔詳細〕
 *種村季弘単行本未収録論集。没10年、あたかも美しい無権力状態(アナーキー)の螺旋。文学、美術、吸血鬼、怪物、悪魔、錬金術、エロティシズム、マニエリスム、ユートピア、迷宮、夢――聖俗混淆を徘徊する博覧強記の文章世界。種村季弘の全体像を1冊にした大著愛蔵版。

ジョエル・F・ハリントン/日暮雅通訳 『死刑執行人:残された日記と、その真相』 柏書房、7月下旬、2200円+税 〔詳細〕
*恐れられ、蔑まれ、差別された処刑人が最新の医療技術を担い、進歩的な思想を持つまでに至る、16世紀西欧の光景を解き明かす歴史ノンフィクション。

初見健一 『昭和ちびっこ怪奇画報』 青幻舎、7月下旬、1200円+税 〔詳細〕
196070年代に巻き起こり、当時の子どもたちを熱狂させた「オカルト」ブーム。宇宙人、超能力、ネッシー、ミイラ、キングコング、食人種、死後の世界…。当時の児童向け雑誌、書籍に掲載された小松崎茂、石原豪人をはじめとする人気画家が描いた「怪奇画」を収録。ビジュアル文庫「昭和ちびっこ」シリーズ最新刊。

ポール・ホフマン/持田鋼一郎訳 『魔都ウィーン:栄光・黄昏・亡命』 作品社、7月、2800円+税 〔詳細〕
16世紀、オスマン・トルコによるウィーン包囲、20世紀ヒトラーによるオーストリア併合など時代の荒波に翻弄されながら、数多の才能を輩出し、西欧文化の一翼を担い続けた栄光の都。モーツァルト、クリムト、フロイト、ヒトラーなど多方面の異才たちの事跡を通して描出する華麗な魔都の全貌。

■ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、7月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始! 第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。

中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、7月?、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。


■ブルース・チャトウィン/池内紀訳 『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』 白水社、Uブックス、7月?
*元版は文藝春秋、19939月刊行。
 
◆8月以降予定
■ポール・コリンズ/山田和子訳 『バンヴァードの阿房宮:世界を変えなかった13人』(仮)白水社、夏
*壮大な夢と特異な才能をもちながら、世界を変えることなく歴史から忘れられた天才13人を紹介したポートレイト集。
 
J・B・ホラーズ編/古屋美登里訳 『モンスターズ』 白水社、8
*吸血鬼、ゴジラ、モスマン、ビッグフット、ミイラ、ゾンビなど異形の「怪物たち」をテーマに、曲者ぞろいの新鋭・中堅作家18人が腕を競う、異色の短篇アンソロジー。
 
アルカジー・ワクスベルク/松宮克昌訳 『クレムリン、毒殺テロリズムの近現代史』(仮)柏書房、8月下旬、2800円+税 〔詳細〕
*レーニンの毒殺実験室から秘密警察KGBへ。異なる意見の持ち主を許容することを認めない「排除」の思想。「秩序を維持するため」に正当化される暴力の姿を扶るノンフィクション!

荒俣宏編 『怪奇文学大山脈II 西洋近代名作選 20世紀革新篇』 東京創元社、8月以降
*西洋怪奇小説の鉱脈は、無尽蔵の宝の山――その中から燦然たる傑作を拾い集め紹介し続けた稀代の碩学・荒俣宏が「怪奇幻想文学のライフワーク」として贈る、西洋怪奇幻想の神髄全54編を収める全3巻の至高のアンソロジー。第2巻は名匠ウェイクフィールド、メトカーフ、デ・ラ・メアの初訳ほか、海洋怪談の傑作「甲板の男」(F・マリオン・クロフォード)など17篇を収める。
 
秋梨惟喬 『矢澤潤二の微妙な陰謀』 東京創元社、8月以降
 
■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、夏
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、夏
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、9月?
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 勁草書房、BH叢書 312月 〔詳細〕
 *旧約聖書にある記述とギリシア・ローマ以前の人類の古代史をつなごうとした一連の試みが生んだ思潮を探究する。

 
2014年中に出るかどうか
『秘密結社の謎がよくわかる本』 明治書院、学びやぶっく 〔詳細〕

岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

プランセス・サッフォー/野呂康・安井亜希子訳 『チュチュ:世紀末巴里風俗奇譚』 水声社、2800円+税
*知られざる19世紀最大の奇書。世紀末のパリを舞台に俗悪ブルジョワの主人公が繰り広げる奇想天外、荒唐無稽な露悪趣味の極北。社会の病巣をキッチュに描いた世にも奇妙な珍書中の珍書。
 
■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■臼田捷治 『工作舎物語』 左右舎〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕

『猟奇 復刻版』全6、三人社、60000 〔詳細〕
*昭和初期に出た探偵小説雑誌。既刊?

『黒の歴史』 東洋書林
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015125日刊行予定に延期!

 

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■既刊・近刊メモ(2014年6月版 Ver.1)

20145月に刊行された(はずの)本と、6月以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
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【5月に出た本から】
 
■松村昌家 『大英帝国博覧会の歴史:ロンドン・マンチェスター二都物語』 ミネルヴァ書房、5/13800円+税 〔詳細〕
 *第一回ロンドン万国博覧会の「水晶宮」から日英博覧会まで、イギリス各博覧会の全体像を鮮やかに描く。

■シシリー・メアリー・バーカー/井村君江訳 『花の妖精:英国の花たち』 主婦の友社、5/15000円+税 〔詳細〕
19世紀前半のヴィクトリア時代英国で生まれた妖精画集『フラワーフェアリーズ』。残されている164本の画と詩を、妖精、英国文化研究の第一人者・井村君江が全面新訳。また、当時の英国の自然や風習などの解説を描き下ろし。

井村宏次 『霊術家の黄金時代』 ビイング・ネット・プレス、5/12250円+税 〔詳細〕
 *明治末から昭和初めにかけて出現し、病気治しや催眠術、健康法、霊との交流などに活躍した霊術家たちの破天荒な生涯と共に、その歴史的な意味を探る。西洋医学と科学に対する対立軸として、裏の医術として代替医療家的な役割を果たし、急激な近代化によって失われていった日本的なる者たち。彼らはどのような社会的・文化的背景の中で歴史に登場し、去って行ったのか。

小林朋道 『先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!:「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学』 築地書館、5/11600円+税 〔詳細〕
 *黒ヤギ・ゴマはビール箱をかぶって草を食べ、コバヤシ教授はツバメに襲われ全力疾走、そして、さらに、モリアオガエルに騙された!自然豊かな大学を舞台に起こる動物と植物と人間をめぐる、笑いあり、涙ありの事件の数々を人間動物行動学の視点で描く。

G・ベシュテル&JC・カリエール/守能信次訳 『万国奇人博覧館』 ちくま文庫、5/81500円+税 〔詳細〕
*無名の変人から、ゴッホ、ルソーらの有名人、「聖遺物」「迷信」といった各種事象や営みまで。人間の業と可能性を感じさせる超絶の人生カタログ。元版は筑摩書房、199611月に刊行。

北村薫・宮部みゆき編 『読まずにいられぬ名短篇』 ちくま文庫、5/8900円+税〔詳細〕
*松本清張のミステリを倉本聰が時代劇に!? あの作家の知られざる逸品から時代に埋もれた名品まで厳選の18作。北村・宮部の解説対談付き。

佐藤卓己 『増補 大衆宣伝の神話:マルクスからヒトラーへのメディア史』 ちくま学芸文庫、5/81500円+税〔詳細〕
*祝祭、漫画、シンボル、デモなど政治の視覚化は大衆の感情をどのように動員したか。ヒトラーが学んだプロパガンダを読み解く「メディア史」の出発点。元版は弘文堂、199212月に刊行。増補版らしい。

宮田親平 『「科学者の楽園」をつくった男:大河内正敏と理化学研究所』 河出文庫、5/8920円+税〔詳細〕
*所長大河内正敏の型破りな采配のもと、仁科芳雄、朝永振一郎、寺田寅彦ら傑出した才能が集い、「科学者の自由な楽園」と呼ばれた理化学研究所。その栄光と苦難の道のりを描く。うまくいけば絶妙なタイミングで刊行というわけだったのだが・・・。

樋渡啓祐 『沸騰!図書館:100万人が訪れた驚きのハコモノ』KADOKAWA、角川oneテーマ215/8800円+税〔詳細〕
*人口5万人の九州の小さな町・佐賀県武雄市に、全国から100万人が訪れるすごい図書館がある。市民も観光客も満足するさまざまなアイデアの数々と、建設を実現するまでの奮闘を仕掛け人である市長自らが解説する。→ちなみに、小田光雄氏の「出版状況クロニクル72201441日~430日)」には、武雄市長とCCCTSUTAYAとのひそかな関係が示唆されている。
一方で、テレビ西日本放送のインタビューに答えて、「万人に受けようと思ったら、ものすごいつまんない図書館しか出来ないんですよ。この図書館が嫌だったら他所の図書館に行きゃあいいんですよ」と発言しているようです。

米澤穂信選 『世界堂書店』 文春文庫、5/9700〔詳細〕
*不思議な物語、いじわるな話、おそろしい結末、驚愕の真相。あの米澤穂信が世界の名作から厳選した最愛の短編小説が一堂に。

■吉丸雄哉・山田雄司・尾西康充編著 『忍者文芸研究読本』 笠間書院、5/91800円+税 〔詳細〕
 *「忍者像」はどのように創られたのか。小説・芸能・漫画・映画…フィクションの世界における忍者像を、国内外の視点から解き明かす!

生田耕作編訳『愛書狂』 平凡社ライブラリー、5/101400円+税 〔詳細〕
 *19世紀フランス、古本道楽黄金時代のフローベール、デュマら名だたる書物狂いが遺した愛書小説アンソロジー。本の病は不治の病! 元版は白水社、198012月刊。

■中村圭志 『宗教で読み解く ファンタジーの秘密』III、トランスビュー、5/10、各2000円+税 〔詳細I〔詳細II
 *バーチャル宗教としてのファンタジー。なぜ魅了されるのか、その圧倒的なパワーはどこから来るのか。フェミニズムも法華経もパラレル・ワールドもある不思議な夢空間。

L.クリス=レッテンベック/津山拓也訳 『図説西洋護符大全:魔法・呪術・迷信の博物誌』 八坂書房、5/106800円+税 〔詳細〕
 *かたちに封じ込められた、不思議な力の源。鉱物、植物、動物由来の品々から、魔術や宗教起源の図形や記号、人々のしぐさまで、西洋古来の〈護符=お守り〉850点を、文化的背景とともに紹介する。

ミステリー文学資料館編 『古書ミステリー倶楽部 2』 光文社文庫、5/13800円+税 〔詳細〕
*推理文壇の名匠たちが古書への深い知識と卓抜した技巧を凝らして綴った粒揃いの傑作を収録。好評を博した推理アンソロジー第二集!

霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』 講談社、5/142200+税〔詳細〕
*クリスティー作品の魅力、そしてクリスティー作品を語ることの魅力をあますところなく伝える、クリスティー評論&エッセイの決定版。

グレン・グリーンウォルド/田口俊樹・濱野大道・武藤陽生訳 『暴露:スノーデンが私に託したファイル』 新潮社、5/141700円+税〔詳細〕
 *世界24ヵ国同時刊行! 未公表の最高機密文書、多数収録! 国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)という合衆国の二大情報機関に在籍したエドワード・スノーデンは、自身の運命と膨大な機密文書を著者に託した。香港で密会した情報提供者の実像、そして文書の戦慄すべき全貌――。一連の報道で英紙〈ガーディアン〉にピューリッツァー賞をもたらした当人がいま、すべてを明かす。

■小野俊太郎『ゴジラの精神史』 彩流社、フィギュール彩、5/151900円+税 〔詳細〕
*『モスラの精神史』『大魔神の精神史』の著者による、目からウロコのウンチク満載、究極の深読み、そして新たなゴジラ像が出現する書下ろしゴジラ論。

■金山弘昌責任編集 『変身の形態学:マンテーニャからプッサンへ』 ありな書房、イメージの探検学V5/155000円+税 〔詳細〕
 *マンテーニャの《美徳の庭から悪徳を追放するミネルウァ》、ドッソ・ドッシの《魔女図》、パルミジャニーノのロッカ・サンヴィターレの《カメリーノ装飾》、ミケランジェロの《囚人》たちとグロッタ・グランデ、プッサンの《フローラの勝利》と《フローラの王国》、これらのイタリア・ルネサンス美術を舞台に自在無碍に変身するイメージ/表象の存在と意味を探り、それらの内部に生き続ける創造の秘跡を探検する!創造の秘跡を探検する!

久保正行 『警視庁捜査一課長の「人を見抜く」極意』 光文社新書、5/15760円+税 〔詳細〕
 *第62代警視庁捜査第一課長は、42年間にわたる警察官生活の中で、どのようにして犯人のウソを見抜き、どのようにして群衆の中から不審者を発見してきたか? プロの視点が満載。

石川幹人 『「超常現象」を本気で科学する』 新潮社、新潮新書、5/16700円+税 〔詳細〕
*どこまでが解明され、何が未だに謎なのか? 幽霊・テレパシー・透視・念力・予知……。「非科学的」とされがちな現象に、それでもあえて「科学的」に挑戦する異端の科学者たち。知られざる世界の最先端とは?

■垂水雄二 『科学はなぜ誤解されるのか:わかりにくさの理由を探る』 平凡社新書、5/16760円+税 〔詳細〕
 *科学は難しい。なぜか? 科学の拠って立つ論理と、人間の理解の仕方、言葉による伝達を見ながら、難しさの理由を明らかにしていく。

小中千昭  『恐怖の作法:ホラー映画の技術』 河出書房新社、5/192800円+税〔詳細〕
*ホラー映画やアニメの第一線で活躍してきた著者が、小説や映像など様々な形で人を惹きつけ続ける「ホラー」つまり「怖い物語」がどのように作られるかを論じ、技術を伝授する実践的な一冊。

■中良子編 『災害の物語学』 世界思想社、5/203500円+税 〔詳細〕
*災害の記憶を語り継ぎ、小さくても声を上げ、歴史に残す。その記録の営みに文学がいかに、自由に、関わっていくか、それが災害の物語学。自然災害・環境破壊・疫病から超常現象まで、アメリカ的想像力の結晶である災害表象の諸相を解明する。

陶山幾朗 『「現代思潮社」という閃光』 現代思潮新社、5/202400円+税 〔詳細〕
 *“現代思潮社”という名の風が吹いていた。同時代の希求する空気を吸い込み、出版という形態に変換して送り返す、ふいご。

田中浩也 『SFを実現する:3Dプリンタの想像力』 講談社現代新書、5/20840円+税 〔詳細〕
*遠隔転送装置もスモールライトも万能工作機も実現可能!? 昨今話題の3Dプリンタは序章でしかなかった。大注目の次世代工学者が未来の「ものづくり」を描き出す、興奮に満ちた一冊。

■ティム・インゴルド/管啓次郎解説、工藤晋訳 『ラインズ:線の文化史』 左右社、5/212800円+税 〔詳細〕
*人間世界に遍在する〈線〉という意外な着眼から、まったく新鮮な世界が開ける。知的興奮に満ちた驚きの人類学! 刊行されるというアナウンスがあってから、いつまでも出なかったのだが、果たして215日に刊行できるか・・・→320日発売予定に変更。→420日に発売予定。→521日に発売予定。→21日めでたく販売開始となった模様。

一柳廣孝 『無意識という物語:近代日本と「心」の行方』 名古屋大学出版会、5/214600円+税〔詳細〕
 *重なりあう科学とフィクション——。フロイト精神分析や「無意識」の受容は、日本における「心」の認識をどのように変化させたのか。民俗的な霊魂観と近代的な心身観がせめぎあう転換期を捉え、催眠術の流行や文学における表象をも取り上げつつ、「無意識」が紡ぎ出した物語をあとづける「心」の文化史。

シドニー・パーコウィッツ/阪本芳久訳 『遅い光と魔法の透明マント:クローキング、テレポーテーション、メタマテリアルを実現した光の科学の最先端』 草思社、5/211800円+税 〔詳細〕
*「透明人間」が物理学の重要研究テーマに! 自転車並の速さの光が実現! ビックリするほど進展している光の科学の現状を、SFと比較しつつ、物理学者が解説する。

■高橋豊 『精神障害と心理療法:「悪魔祓い」から「精神分析」、「親-乳幼児心理療法」への概念の変遷』 河出書房新社、5/213800円+税 〔詳細〕
*歴史の中で変化する「正常」と「異常」の線引き、時代により学派により大きく異なってきた「精神障害」とそれを治療してきた「心理療法」、その研究と概念の変遷を追う。

諏訪部浩一 『ノワール文学講義A Study in Black』 研究社、5/222000税 〔詳細〕
*出口がなく閉塞したこの世界で、不条理な運命に翻弄されてあえぐ人間を、犯罪ドラマのスタイルで描く「ノワール」――ジム・トンプスンの復活やジェイムズ・エルロイの活躍以降、文学・映画において、今日ますます切実な表現として求められているジャンルの起源と根源を、『「マルタの鷹」講義』の新鋭が究明する。

『本屋の雑誌 別冊本の雑誌17』 本の雑誌社、5/221980円+税 〔詳細〕
 *創刊から39年、本とともに本屋さんを見つめ続けてきた「本の雑誌」が送る、まるごと一冊「本屋」の雑誌。過去の記事と新原稿を合わせた400ページを越える本屋大全。

C・L・アドラー/松浦俊輔訳 『広い宇宙で人類が生き残っていないかもしれない物理学の理由』 青土社、5/223200円+税 〔詳細〕
*世界の数々のSF・ファンタジーの傑作のしくみを物理学的に読み解いていく。と同時にSF的想像力と現実世界の齟齬を掘り起こす。人類と宇宙の未来をスリリングに考察する、奇妙な世界を紐解く物理学の大冒険。空想科学読本の決定版!

フォルカー・デース/石橋正孝訳 『ジュール・ヴェルヌ伝』 水声社、5/2210000円+税 〔詳細〕
*ブルジョワとして、保守主義者の価値観を奉じる穏当な市民の顔と、自らを語らず、読書と個人の経験を文学の素材とする作家の顔。一次資料、未刊行資料を博捜しながら「驚異の旅」の読み直しを提唱する研究者による評伝。

乾石智子 『沈黙の書』 東京創元社、5/231800円+税 〔詳細〕
*天と地のあいだ、オルリアエントの激動の時代を描く、人気ファンタジー〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ最新刊。

MH・ニコルソン/浜口稔訳  『ピープスの日記と新科学』白水社、高山宏セレクション/異貌の人文学、5/234200円+税 〔詳細〕
*サミュエル・ピープスの『日記』を通して、ロンドン王立協会と科学者たち、光学器械、顕微鏡、空気の計量実験、初めての輸血、双底船の発明、科学狂いの〈ヴァーチュオーソ〉に向けられた辛辣な諷刺など、17世紀英国〈新科学〉時代の諸相を描いた文化史研究の好著。

植田樹 『ロシアを動かした秘密結社:フリーメーソンと革命家の系譜』 彩流社、5/232900円+税 〔詳細〕
*歴史の水面下で改革と革命を担った政治思潮の視点から、知られざるフリーメーソンの思想と組織、歴史的役割を史実と実話のエピソード、手記などを積み重ねて掘り起こした労作。

■西成活裕 『誤解学』 新潮社、新潮選書、5/231200円+税 〔詳細〕
 *なぜ自分のことを正確に理解してくれないのだろうか? 恨み、嫉妬、断絶、争い――。人類誕生以来、人間関係で国家間で、それを解消することはできないでいる。種類、メカニズム、原因、対策など、気鋭の渋滞学者が世界で初めて「誤解」を系統立てた話題の書。

■齋藤希史 『漢字世界の地平:私たちにとって文字とは何か』 新潮社、新潮選書、5/231200円+税 〔詳細〕
 *漢字はいつどのようにして漢字となり、日本人はこれをどう受けとめてきたのか。そもそも話し言葉にとって文字とは何なのか。和語、訓読、翻訳とは? 古代中国の甲骨文字から近代日本の言文一致まで――漢字世界の地平を展望し、そのダイナミズムを解き明かす。

■ブラム・ストーカー/田内志文訳 『吸血鬼ドラキュラ』 角川文庫、5/24840円+税 〔詳細〕
 *『ドラキュラ』の新訳。

河出書房新社編集部編 『月岡芳年:血と怪奇の異才絵師』 河出書房新社、5/242200円+税 〔詳細〕
12歳で国芳の門に入り、衝撃の残酷絵で一躍人気絵師へ。武者絵から歴史画まで多様な画風をこなし、維新後は時事報道に新生面を見出した芳年の魅力を、傑作の数々とともに。

■アルベルト・マングェル/野中邦子訳 『読書礼讃』 白水社、5/253800円+税 〔詳細〕
*ボルヘスをはじめとする先人を偲びつつ、何よりも「読者」である自身の半生を交えて、書物との深い結びつきを語る。

■星野渉 『出版産業の変貌を追う』 青弓社、5/252000円+税 〔詳細〕
*激動する出版業界に伴走して「文化通信」で問題点をえぐり、改革を提言し、マーケティングと流通に対する積極的で大胆な発言で刺激を与えている敏腕編集長のこの10年の発言をテーマごとにまとめる。

■吉田典史 『ビジネス書の9割はゴーストライター』 青弓社、5/251600円+税 〔詳細〕
*ゴーストライター経験豊富な著者が、とくにビジネス書にまつわる仕事の実態や収入、トラブルや確執の内実とその対処法、ライターとしての心構えなどを紹介し、著者・出版社・ライターの知られざる関係性を明らかにする。ゴーストライターにまつわる基礎知識をまとめたQ&Aも所収する初めての書。

柳宗悦 『蒐集物語』 中公文庫、5/251000税 〔詳細〕
 *民芸運動を創始し、「日本民藝館」を創立した著者が、蒐集に対する心構えとその要諦を、豊富なエピソードとともに解き明かす。

■本村凌二 『世界史の叡智:悪役・名脇役篇:辣腕、無私、洞察力の51人に学ぶ』 中公新書、5/25820円+税 〔詳細〕
*史学の成果を生かしつつ、古今東西の事例を検証。時代の波に翻弄された悪役たちの横顔を紹介し、隠れた名脇役たちの活躍にも光を当てる。古代ペルシャの大王からイタリア映画全盛期の巨匠まで、バラエティに富んだ五一人の列伝。

■日高勝之 『昭和ノスタルジアとは何か:記憶とラディカル・デモクラシーのメディア学』 世界思想社、5/253700円+税 〔詳細〕
*メディア表象や言説の詳細な検証を通して通説に挑み、背後に隠れたモダニティへの抵抗、戦後の光と闇を炙り出す斬新な戦後文化論。

■エリック・ハズペス 『異形再生:付「絶滅動物図録」』 原書房、5/262800円+税 〔詳細〕
 *19世紀末、スフィンクス、ケンタウロスにハルピュイアなど伝説の奇獣の解剖図を『絶滅動物図録』として記し、消息を絶ったスペンサー・ブラック博士。その数奇な人生をたどり、代表作『絶滅動物図録』を付したゴシック風味に満ちた奇書。→奇書『鼻行類』のエピゴーネンか。

菊地信義 『菊地信義の装幀』 集英社、5/269000円+税 〔詳細〕
*ここに、本がある──世紀をまたぎ出版文化を牽引しつづける菊地信義のブックデザイン集。1997年から現在までの仕事から約1400点を厳選し、「形体」「文字」「図像」からなる三部構成で提示する。

■リチャード・ルービン/根本彰訳 『図書館情報学概論』 東京大学出版会、5/265600円+税 〔詳細〕
*いま、司書の養成をおもな目的とした図書館学が、より包括的な課題に対処するために、図書館情報学へと変貌しつつある。その背景のもと、発祥の地であるアメリカの大学院でレクチャーされている図書館情報学の全貌を紹介し、その最前線へと誘う。

■中江克己 『江戸大名の好奇心』 第三文明社、5/261500円+税 〔詳細〕
 *自身の趣味にすべてをかけた殿様の生き様を紹介。27人それぞれの趣味から学ぶ殿様の生涯。

■奥野卓司 『江戸〈メディア表象〉論:イメージとしての〈江戸〉を問う』 岩波書店、5/272700円+税 〔詳細〕
 *歴史事実の検証によってではなく、「イメージとしての江戸」が、テレビ、小説、マンガ、教科書などの〈メディア表象〉によって、いかにつくられたのか、それがその時代の人々の意識にどう影響してきたかを解読する。

■松浦寿輝『明治の表象空間』 新潮社、5/305000円+税 〔詳細〕
*表象とは思考によって反復された「現在」である。つまり世界は表象なのだ――。太政官布告から教育勅語まで、博物誌から新聞記事まで、諭吉から一葉まで、明治期のあらゆる言説アーカイヴを横断的に俯瞰し、現代に直結する言語のダイナミズムを剔抉する知の大著。

NHK「幻解!超常ファイル」制作班編著 『NHK幻解!超常ファイルダークサイド・ミステリー』 NHK出版、5/301100円+税 〔詳細〕
 *UFO、未確認生物、超能力、心霊現象、超古代文明、都市伝説……、闇世界の妖しげな幻を徹底検証。怪現象を生み出す自然の神秘、錯覚を呼び起こす脳のメカニズム、先人たちの驚くべき技術力など、「不思議」を生み出す謎を解き明かしていく。→見たらうすっぺらな軽い本。

《書物学》2巻 特集「書物古今東西」、勉誠出版、5/301500税 〔詳細〕
*世界三大宗教の思想を伝える書物をはじめ、忍術書や艶本、アジア世界に生まれた擬似漢字による典籍、そして電子書籍まで、洋の東西を越え、古今の書物文化の海を航海する。

田中聡 『陰謀論の正体!  幻冬舎新書、5/30820円+税 〔詳細〕
 *3.11以降、マスメディアへの信用が失墜し、ネットの情報に依存して、いつのまにか陰謀論が世界を覆っている。その理由を解き明かし、「陰謀論の時代」を生きるためのリテラシーを提示する。→という触れ込みなのだが、幻冬舎新書では副島隆彦『陰謀論とは何か:権力者共同謀議のすべて』という思いっ切り陰謀論信仰の本を出しているから、どうなのか。

■明治大学公開文化講座編 『書物としての宇宙』 風間書房、明治大学公開文化講座325/31880円+税 〔詳細〕
*書物について松岡正剛、鹿島茂、安藤礼二の3人の研究者が語り尽す講演集。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆6月予定
『江戸川乱歩の迷宮世界』 洋泉社、6/21300円+税 〔詳細〕
*江戸川乱歩の生誕120周年にあわせて、乱歩の人と作品を徹底解説。全小説114作品のマニアックレビューから、乱歩ファンの三上延氏や綾辻行人氏などの作家インタビュー、乱歩作品に登場する美女、探偵、怪人名鑑など、これまでの乱歩本とは違った視点から乱歩ワールドの魅力に迫る。→ただし、ムックなので期待はできないのだろうが。

■ジョン・クラカワー『信仰が人を殺すとき』上・下、河出文庫、6/6、各820円+税 〔詳細:上〕〔詳細:下〕
 *1984年ユタ州で起きた母子惨殺事件の背景に潜む宗教の闇。「彼らを殺せ」と神が命じた――信仰、そして人間とはなにか? 人間の普遍的感情である信仰の問題をドラマチックに描いたノンフィクションを文庫化。

東雅夫、加門七海 『ぼくらは怪談巡礼団』 KADOKAWA、幽ブックス、6/61400円+税 〔詳細〕
*日本各地に伝わる怪談の舞台を、加門七海と東雅夫と怪しい仲間たちが探訪。巡礼団一行を待ち受ける怪奇現象の数々。迫真の怪談紀行にして名作ガイドでもある、かつてないトラベル・ブック、誕生!

ジェシー・ケラーマン/林香織訳 『駄作』 ハヤカワ・ミステリ文庫、6/61100円+税 〔詳細〕
*予測不可能の展開で読者を打ちのめす強烈スリラー。盗んだ原稿でベストセラー作家に成り上がった男は途方もない陰謀に巻き込まれる!【本書には奇想天外すぎる展開があることをあらかじめ警告しておきます】

小杉泰・林佳世子編 『イスラーム書物の歴史』 名古屋大学出版会、6/65500円+税 〔詳細〕
*これを知らずして書物を語るなかれ——。近代以前、東アジアの木版本と並んで世界の書物文化の二大山脈を形づくったのはイスラーム世界の写本であった。聖典クルアーンから歴史書や科学書まで、また華麗な書や絵画から装丁まで、広大な地域の知と文芸を支えた書物の歴史を、デジタル時代の現在からふりかえる待望の書。

■山崎力 『捏造しない・させないための臨床研究のお作法』 SCICUS(サイカス)、6/103600円+税 〔詳細〕
*臨床研究の成果をねじ曲げて伝える「spin」と呼ばれる情報伝達テクニックの実例を紹介し、医療従事者や患者さんが情報に騙されないための知識や視点を提示する。

■近藤和彦 『民のモラル:ホーガースと18世紀イギリス』 ちくま学芸文庫、6/101300円+税 〔詳細〕
200年前のイギリスに生きたふつうの男と女。その暮らしやもめごと、希望と連帯。民衆文化と政治文化のありようを丹念に読み解く。元版は山川出版社より199311月に刊行された。

日本編集者学会編 《エディターシップ》Vol.3 時代の岐路に立つ、日本編集者学会(発売:トランスビュー)、6/102000円+税 〔詳細〕
 *創刊編集長・近藤信行が語る文芸誌『海』の時代、井出彰が語る「『日本読書新聞』と混沌の六〇年代」の秘話ほか、秘密保護法、集団的自衛権の行使容認による議会制民主主義と議院内閣制の崩壊にどう立ち向かうかを考える。

櫻庭美咲 『西洋宮廷と日本輸出磁器』 藝華書院、6/1030000円+税 〔詳細〕
 *西洋に輸出された肥前磁器は王侯貴族社会にどのように受け入れられたのか? 日本や中国の磁器が室内を埋め尽くす宮廷の「磁器陳列室」は、異文化である日本工芸を「空間芸術の構成要素」として三次元空間で鑑賞させる場だった。世界に広がる「磁器の道」の史実を精密に読み解きながら、西洋美術史、陶磁史、文化史という複合的視座から陶器の受容史を紐解く壮大な探求が始まった。

ジャン=クロード・レーベンシュテイン/森元庸介訳 『猫の音楽:半音階的幻想曲』 勁草書房、6月上旬、2400円+税 〔詳細〕
*猫オルガン、猫オペラ、猫シンフォニー……。西洋音楽は猫の鳴き声をどう受けとめ、取り入れ、締め出してきたのか。猫のごとくしなやかに論じる、究極の博覧強記が優雅に踊り奏でたミラクル文化史。

ブライアン・クレッグ/竹内薫訳 『世界はデタラメ:ランダム宇宙の科学と生活』 NTT出版、6/122200円+税 〔詳細〕
 *偶然の世界へようこそ! カジノのルーレット、地震を引き起こすカオス、量子の奇っ怪なふるまいまで、宇宙の驚くべき現実をときほぐす「偶然の科学」への招待。

水野千依 『キリストの顔:イメージ人類学序説』 筑摩選書、6/122000円+税 〔詳細〕
 *《UP》(東京大学出版会)20142月号に「キリストの顔:表象の起源へ」と題した小論を掲載。

キャサリン・ゴヴィエ/モーゲンスタン陽子訳 『北斎と応為』上・下、彩流社、6/12、各2200円+税 〔詳細〕
 *浮世絵師・北斎の娘、応為(おうい)こと葛飾お栄の謎に包まれた生涯を描き出す。「美人画では娘に敵わない」と北斎をして言わしめた実在の娘・お栄(画号は応為)。緻密な描写、すぐれた色彩と陰影表現を得意とし、父と共作するだけでなく、代作もしていた。歴史の闇に消えていった「もうひとりの北斎」を、綿密な調査と豊かな想像力で描き出した歴史フィクション!

■今井良 『警視庁科学捜査最前線』 新潮新書、6/14720円+税 〔詳細〕
*最近の事件をもとに、一線の記者が舞台裏まで徹底解説。犯罪捜査の最前線が丸ごとわかる一冊!「犯罪ビッグデータ」とは何か? 逆探知はどこまで可能? 科捜研、鑑識の仕事とは? 「パソコン遠隔操作ウイルス事件」等、最近の事件をもとに一線の記者が徹底解説。

平川義浩 『絵はがきで愛でる富士山』青弓社、6/152000円+税 〔詳細〕
*広告・年賀に乗り物・干支・登頂・風景・見立てなどのジャンルに分けて、明治期から昭和初期までのアンティーク絵はがきで富士山を味わう。フルカラー・200点の絵はがきから日本人が愛した様々な富士山が浮かび上がる。

日本冬虫夏草の会 『冬虫夏草生態図鑑』 誠文堂新光社、6/204800円+税 〔詳細〕
*チョウ、コウチュウ目など宿主別に、日本で見られる冬虫夏草約240種の冬虫夏草を写真とともに掲載。採集・観察・分類・同定、効能から歴史まで。

マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア/井辻朱美訳 『タイタス・アウェイクス:ゴーメンガースト IV』 東京創元社、6/21880円+税 〔詳細〕
*〈ゴーメンガースト三部作〉はもともと三部作として構想されたものではなかった。著者ピークは第四部を構想し、一部の原稿とアイデアの断片を遺していたのだ。夫亡きあと、夫人のメーヴ・ギルモアがそれをもとに書き上げたのが本書。故郷の城を離れたタイタスは、さらに彷徨を重ねる。奇矯な人々に出会い、様々な出来事に遭遇するも、何処にも安住の地を見いだせず終わりなき探索を続けるタイタス。幻想文学の最高峰シリーズ幻の最終巻が、ついに姿を現す。

■安村敏信監修 『別冊太陽(日本のこころ219号) 妖怪図譜』 平凡社、6/242500円+税 〔詳細〕
 *江戸時代に多くの浮世絵師が描いた妖怪画や絵巻物の優品をはじめ、不思議でユニークな妖怪たちの珍品を盛りだくさんに紹介する。

《ミステリマガジン》20148月号 特集幻想と怪奇:生誕120周年乱歩から始まる怪奇入門、6/25876円+税
 *ミステリマガジンのバックナンバーは、この毎年夏の特集号を除き、ほとんど売り払ってしまった。では読んでいるかというと、惰性で買ってはいるものの、読んだことはほとんどない。
 
■歴史科学協議会編 『歴史の「常識」をよむ』 東京大学出版会、6/252800円+税 〔詳細〕
*歴史の「常識」とされている事象を、歴史学研究の側から再点検し、学問の最先端としての最新の日本列島の歴史を提示する。「偽文書は無価値か?」(近藤成一)、「書物・出版が日本の社会を変えた」(若尾政希)、「[浮世絵]傍流が脚光を浴びる」(山本陽子)など。

千葉県立中央博物館監修 『図鑑大好き!:あなたの散歩を10 倍楽しくする図鑑の話』 彩流社、6/252000円+税 〔詳細〕
 *自然観察に欠かせない「図鑑」を徹底紹介。図鑑大国の日本で刊行された図鑑の歴史・作り方・工夫などから、身近な自然の散歩・探検に最適の図鑑をナビする。博物館初の「図鑑展」図録。

大沢昇 『編集者になろう!』 青弓社、6/251600円+税 〔詳細〕
*小学館での長年の経験をもとに、現場の実態、編集技術のノウハウ、人脈の作り方、電子時代の編集者に必要なもの、企画の立て方を懇切にレクチャー。

河出書房新社編集部編 『河鍋暁斎:笑いと狂気の天才絵師』(仮) 河出書房新社、6/272000円+税 〔詳細〕
 *7歳で国芳門下へ、狩野派にも学び、強烈無比の戯画・風刺画から美女・幽霊・動物まで縦横無尽に描いてみせて抜群の人気を誇った「画鬼」暁斎の魅力を、傑作の数々とともに。オールカラー。

荒俣宏編『怪奇文学大山脈1 西洋近代名作選 19世紀再興篇』東京創元社、6/272400円+税 〔詳細〕
 *西洋怪奇小説の鉱脈は、汲めども尽きぬ宝の山――その中から燦然たる傑作・怪作を拾い集め紹介し続けた稀代の碩学・荒俣宏が贈る、怪奇幻想文学にまつわる仕事の集大成! 正統にして至高のアンソロジストが精選した、西洋怪奇幻想の神髄を全3巻に収める。

矢口祐人 『奇妙なアメリカ:神と正義のミュージアム』 新潮選書、6/271200円+税 〔詳細〕
*やっぱりあの国はちょっとヘン――!? 進化論を否定し、核兵器を賞賛し、成金が美術品を買い漁り、凶悪犯が勢ぞろい……米国の奇妙な八つのミュージアムを東大教授が徹底調査、「神」と「正義」をめぐる超大国の複雑な葛藤を浮き彫りにする、異色のアメリカ論。

■杉江松恋 『路地裏の迷宮踏査』 東京創元社、キイ・ライブラリー、6/281500円+税 〔詳細〕
*作家たちの知られざる交友関係から創作にまつわる意外なエピソードまで、読んで為になる情報が満載。《ミステリーズ!》連載が加筆訂正の上、単行本に。

今福龍太 『書物変身譚』 新潮社、6/303200円+税 〔詳細〕
*書物とは地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である――電脳化されてもなお遺る、魅力の本質を探る。

辻惟雄 『奇想の発見:ある美術家の回想』 新潮社、6/302200円+税 〔詳細〕
*若冲、蕭白、又兵衛――日本美術史の片隅に忘れ去られた画家たちを再発見した「変わりモノ」先生。その愉快でトホホなハミ出し人生。

湯本豪一 『大正期怪異妖怪記事資料集成上』 国書刊行会、6月、45000円+税
 *大正期に発行された全国の邦字新聞のほぼ全てを渉猟し、怪異・妖怪事件記事を抽出、影印。2000頁を越える驚愕の記事の数々。
 
ポール・ホフマン/持田鋼一郎訳 『魔都ウィーン:栄光・黄昏・亡命』 作品社、6月、2800円+税
16世紀、オスマン・トルコによるウィーン包囲、20世紀ヒトラーによるオーストリア併合など時代の荒波に翻弄されながら、数多の才能を輩出し、西欧文化の一翼を担い続けた栄光の都。モーツァルト、クリムト、フロイト、ヒトラーなど多方面の異才たちの事跡を通して描出する華麗な魔都の全貌。
 
■国文学研究資料館、コレージュ・ド・フランス日本学高等研究所編 『集と断片:類聚と編纂の日本文化』 勉誠出版、6月、8000円+税 〔詳細〕
 *日本の古典籍には「―集」という標題をもつ書物が大量にある。短い作品や断片(Fragment)を集成し、一つの著作や集(Collection)にまとめる手法は、日本文化の特筆すべき編成原理であるといえる。この類聚・編纂という行為は、一方では知を切り出し断片化していくことと表裏を為す。すなわち「断片」と「集」の相互連環が新たな知の体系を不断に創り出していくのである。和田博文「「知」の編成と、個人全集という制度」など収録。

『日本のおもちゃ絵コレクション:川崎巨泉の玩具帖』(仮)青幻舎、6月下旬、1500円+税 〔詳細〕
*大正~昭和、全国各地の郷土玩具を描いた日本画家・川崎巨泉。膨大なコレクションを誇る中之島図書館・人魚洞文庫の所蔵品より、厳選の自筆写生画を紹介。

原田裕 『戦後の講談社と東都書房』(仮)論創社、出版人に聞く146月末、1600円+税 〔詳細〕
 *当初予定タイトルは『東都書房と出版芸術社』だったが、61日現在http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20140601/1401548443では、上記タイトルの予定に変更。

 
◆7月予定
五島綾子 『〈科学ブーム〉の構造:科学技術が神話を生みだすとき』 みすず書房、7/103000円+税 〔詳細〕
*〈科学ブーム〉の具体的事例をつぶさに振り返り、ブームを支えた「神話」や利害とその奥にある科学技術の実像の関係図をあぶりだす。

《ユリイカ》20148月増刊号、特集:シャーロック・ホームズ(仮)、7月上旬 〔詳細〕

■千街晶之『原作と映像の交叉光線(クロスライト):ミステリ映像の現在形』 東京創元社、キイ・ライブラリー、7/252500円+税 〔詳細〕
 *ミステリを原作とした映像化は人気が高く、続々と製作されている。名作『犬神家の一族』をはじめ28作品から、ミステリとしての読みどころ、映像作品としての観どころを紹介していく。

ジュール・ヴェルヌ/石橋正孝訳、解説 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』 インスクリプト、7月、3900円+税 〔詳細〕
*ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション全5巻刊行開始! 第1巻は完訳ガンクラブ三部作より。

中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、7月?、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。なお、明治書院からも『万川集海』が出る予定のようだ。伊賀忍者研究会編『忍者の教科書新萬川集海』笠間書院、2/10600円+税(A5 48ページ)という本(小冊子?)も出ている。

■ブルース・チャトウィン/池内紀訳 『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』 白水社、Uブックス、7月?
*元版は文藝春秋、19939月刊行。
 
◆8月以降予定
■ポール・コリンズ/山田和子訳 『バンヴァードの阿房宮:世界を変えなかった13人』(仮)白水社、夏
*壮大な夢と特異な才能をもちながら、世界を変えることなく歴史から忘れられた天才13人を紹介したポートレイト集。
 
J・B・ホラーズ編/古屋美登里訳 『モンスターズ』 白水社、8
*吸血鬼、ゴジラ、モスマン、ビッグフット、ミイラ、ゾンビなど異形の「怪物たち」をテーマに、曲者ぞろいの新鋭・中堅作家18人が腕を競う、異色の短篇アンソロジー。
 
■カート・ヴォネガット/大森望訳 『ヴォネガット未発表短篇集』 河出書房新社、夏
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳 『黄金時代』 河出書房新社、夏
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳 『図書館司書』 河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
■フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『スウィム・トゥー・バーズにて』 白水社、Uブックス、9月?
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
 
2014年中に出るかどうか
岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』 双葉社、1200円+税
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。→双葉社の6月発行予定にもなし。
 
■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、4800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。→刊行遅延。平凡社サイトでは一切アナウンスなし。

プランセス・サッフォー/野呂康・安井亜希子訳 『チュチュ:世紀末巴里風俗奇譚』 水声社、2800円+税
*知られざる19世紀最大の奇書。世紀末のパリを舞台に俗悪ブルジョワの主人公が繰り広げる奇想天外、荒唐無稽な露悪趣味の極北。社会の病巣をキッチュに描いた世にも奇妙な珍書中の珍書。
 
■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー 『評伝・パラケルスス』 勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳 『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳 『マルセル・シュオッブ全集』 国書刊行会
 
■臼田捷治 『工作舎物語』 左右舎〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗 『デザイン・プレゼンテーションの哲学』 左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕

『猟奇 復刻版』全6、三人社、60000 〔詳細〕
*昭和初期に出た探偵小説雑誌。

『黒の歴史』 東洋書林
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、15/1/231600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。→遂に2015125日刊行予定に延期!

 

■2014年5月展覧会総括

20145月に見た、主に美術関連の展覧会8件(201415月では計34件)について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
配列は必ずしも会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★★★(5)・・・☆☆☆☆(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
5月

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サントリー美術館 「のぞいてびっくり江戸絵画:科学の眼、視覚のふしぎ」 会期:前期3/29~4/22/後期4/23~5/11
A★★★★B★★★☆☆C★★★☆☆■図録購入(前回)
*前期と後期とではほとんどの作品が展示替えとなるため、5月に再び後期を見に行く。今回、図録の表紙に大きく描かれている河鍋暁斎の化け猫の絵(<惺々狂斎画帖>より)にようやく会えた。図録や館内ディスプレイにも大きく出ていたので、現物もさぞかし大きいのかと思っていたら、あまりにも小さくて拍子抜け(12.8×17.6cmB6よりちょっと小さい程度)。さすが暁斎、それほど小さい絵でも極端な拡大に十分耐えられる絵であるわけだ。
前期で見ることができなかった絵などもあって、そこそこ楽しめたものの、最初の感動までには至らず。
 
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●山種美術館 「富士山世界文化遺産登録記念 富士と桜と春の花」会期:3/11~5/11
A★★★☆☆B★★☆☆C★★★☆☆
*これはあまり期待せずに訪問。それでもなかなかいい富士山や桜の絵もあって、楽しめた。
富士山の絵としては、加藤東一の<新雪富士>、松尾敏明の<湧雲富士>、川崎春彦の<霽るる>、小室翠雲の<富士草花図>など。桜や春の花の絵としては、奥村土牛の<醍醐>、加山又造の<夜桜>、鈴木其一の<牡丹図>、川端龍子の<花の袖>、石本正の<罌粟>など。これらが素晴らしい作品だった。
 
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●三井記念美術館 「超絶技巧!明治工芸の粋:村田コレクション一挙公開」会期:4/19~7/13
A★★★★★B★★★★★C★★★★★ ■図録購入
*これは今年最高の展覧会か。京都の清水三年坂美術館(村田コレクション)の逸品ばかりを集めた展示なので、大いに期待していたが、期待にたがわず素晴らしい作品群であった。とりわけ京都では狭いため裏側まで見ることがかなわなかった作品も、主要なものは全方位から見ることができ、ゆったりした館内で文字通り堪能することができた。
明治以来の観察眼もなければ、観察したものを写し出す技術もないへたな絵画や彫刻などが、あたかも良いものであるかのような錯覚をさせられてきたが、こうした幕末から明治前半にかけての超絶技巧の数々を見ると、美術史は大いに書き換えられなければならないと思う。
 
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根津美術館 「燕子花図と藤花図:光琳、応挙 美を競う」 会期:4/19~5/18
A★★★☆☆B★★★☆☆C★★★☆☆
*カキツバタの花ももう終わりかけていたが、根津美術館に光琳の<燕子花図屏風>を見に行く。意外に左隻が褪色あるいは剥落(?)していることに驚いた。しかし、リズミカルな構成とともに、パターン化された燕子花は微妙に違いをつけており、かなり技巧的な描き方をしていることを再確認。
応挙の<藤花図屏風>は、写生の円山四条派といわれるが、写生というよりはむしろ大胆な描き方をしており、さすがと思わせる構成美。
鈴木其一の<夏秋渓流図屏風>は、いま描かれたばかりと思わせるような保存状態の良さ。あまりにも鮮やかすぎるので、心配になるほど。
 
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岡田美術館(箱根) 「再発見 歌麿「深川の雪」」 会期:4/4~6/30
A★★★★★B★★★★C★★★★
1日がかりになったが、箱根に昨年10月に開館したばかりの岡田美術館へ行く。パチスロ製造企業を経営する岡田和生氏が15年ほど前から蒐集を始めて、あっという間に厖大なコレクションを形成した。海外オークションなどで買い集めたのかと思っていたら、本美術館に関係する方の話では、収蔵家に直接談判して購入していったものだそうだ。入館料がとっても高い(大人2800円:ただし箱根湯本駅には200円引きの割引券があるので、それをゲットしておくと、1枚でグループ全員割引となる)にもかかわらず、館内は非常に混雑していた。セキュリティが厳しく、カメラ・携帯電話・スマホは持ち込み禁止だし、金属探知機のゲートを通って初めて入館できる。ちなみに、建物には窓を設けていない由。
話題の歌麿が最晩年に描いた<深川の雪>という超巨大肉筆浮世絵を見る。さすがに大きいものの、それぞれの人物はとても巧みに描き分けられ、また構成に破綻がない。歌麿作ではないという説もあるようだが、非常に良く描けているように感じた。
コレクションの一端が5フロアに分かれて展示されているが、どれも優品ばかり。最初はじっくり見ていたものの、後になると日頃の不摂生が祟って疲れ切ってしまう(それでも5階までエレベータで上り下りできるのだが)。展示品の一部には、小さいタブレット端末が手前に設置され、ごく簡単ながら図解説明が得られるようになっていた。ようやく最上階の仏像のコーナーを見た後、庭園に入る手前で喫茶をやっていたので入る。
お茶を飲むと、岡田美術館のチョコレートブランド責任者である三浦直樹氏によるチョコが一つついてくる。三浦氏は、TVドラマ「失恋ショコラティエ」のチョコの製作および手タレも務めた方だ。う~ん、まあきれいにできてはいたが、ミルクのせいか、少し柔らかくなっていた。作ったチョコは冷凍しておいて、提供する1日前にワインセラーで適温に戻すようにしているとのこと。プロならやはりカチッとした歯ざわりがチョコに必要だと思うのだが、常温に戻す際に問題があるのか。ワインセラーの湿度も気になるし。5個入りで2500円から3000円程度で売り出す計画だそうだが、箱根で高級チョコを買うかなあ、という気もしないわけでもない(夏場なんて持って帰れないですよ)。現状のミュージアムショップは、なぜか一番手抜きの状態だから、温度管理もできそうにないし。
2014年中には食の複合施設「箱根蔵町」が順次開業するそうだが、さすがに蕎麦は近辺にいっぱいあるのでやめたとのこと。焼肉とかのアイデアがあるようだが、どうなんでしょう。
 
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河鍋暁斎記念美術館 「妖怪図:奇々怪々あやしの世界」 会期:5/2~6/25
A★★★★B★★☆☆C★★★☆☆
*展示品はとても興味深く、暁斎の凄さを感じさせるものばかりなのだが、いかんせん暁斎の曾孫にあたる館長のご自宅を改装した美術館であるため、展示スペースの制約に伴う展示数の少なさはやむを得ない。
サントリー美術館の「のぞいてびっくり江戸絵画」展で見ることができた化け猫の図は、類似のものが本美術館にも収蔵されているとのことで期待していたのだが、残念ながら展示されていなかった(後日、「のぞいてびっくり江戸絵画」展図録を読み直したら、<惺々狂斎画帖>と同種の画帖が2冊あるということであって、化け猫の図があるわけではなかった。そう言えば『反骨の画家 河鍋暁斎』〔新潮社、とんぼの本〕の表紙にもこの化け猫の絵が登場していました)。
本展の図録ではないが、河鍋暁斎記念美術館編『画鬼暁斎読本』と京都国立博物館編『絵画の冒険者 暁斎:近代へ架ける橋』を購入。前者は小冊子ながらもコンパクトにまとめられ、また参考文献も紹介されている。後者は2008年に行われた京博での暁斎展図録。暁斎の再認識に大きな原動力となった重要な展覧会で、代表作が網羅されているということで、前から欲しかったもの。
 
河鍋暁斎記念美術館 「暁斎プラスワンシリーズ22 野坂稔和 波の戯画展」会期:5/2~6/25
A★★★☆☆B★★☆☆C★★★☆☆
*暁斎に何らかの影響を受けた現代アーティストによる小品展。画家であり、また文身作家・スケートボーダーとしての野坂氏が、波をモチーフにした作品を展示。どこか暁斎のエスプリと通底するものを感じさせる。
 
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戸栗美術館 「古伊万里動物図鑑展」 会期:4/12~6/29
A★★★★B★★★★C★★★★
*二度目の訪問だが、比較的マイナーな古伊万里の数々ではあっても、飽きさせないものが多かったのはさすが。素人向けに丁寧な説明もあり、前回以上に静かな展示だったので、十分に堪能。本美術館の約7000点にのぼるコレクションは、小佐野賢治と親しかった建設業者・戸栗亨氏が昭和40年代に買い始めたものだそうだ。それにしても幅広くかつ厖大なコレクションだと思う。中庭に無造作に置いてある幕末の大砲は、当時の唯一のものとのこと。
今回の展示は古伊万里と鍋島焼のなかから動物をモチーフとしたものをピックアップ。以前、TVの鑑定団に出ていたのと同じ兎で象った<染付 兎形皿>も展示されていた(TVでは十二支に仕立てられているのだが、兎しか古伊万里にはない由)。
 
 

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夢幻庵主人

Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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