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■既刊・近刊メモ(2014年3月版 Ver.2)

20143月前半に刊行された(はずの)本と、3月後半以降の近刊を掲載する。*以下に、出版社による紹介記事を中心に多少余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【3月前半に出た本から】
 
■高田智和・横山詔一編 『日本語文字・表記の難しさとおもしろさ』 彩流社、3/33800円+税 〔詳細〕
20119月のNINJALフォーラム「日本語文字・表現の難しさとおもしろさ」(国立国語研究所主催)の講演・報告を各分野の領域から展開し、それぞれ専門的関心により問題点を取り上げて、現代日本語の文字・表現の難しさとおもしろさを明らかにしていく。

今野真二 『日本語の近代:はずされた漢語』 ちくま新書、3/5800円+税 〔詳細〕
 *漢語と和語が深く結びついた日本語から日清戦争を境に漢字・漢語が外されていく。明治期小学教材を通した人為的コントロールを追う。

池上英洋 『西洋美術史入門・実践編』 ちくまプリマー新書、3/5950円+税 〔詳細〕
 *『西洋美術史入門』続編。前作で紹介の基本知識や鑑賞スキルに基き、古代エジプトから近現代までの多くの名作を読み解く実践篇。

サイモン・ウィンチェスター  『スカル:アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション』グラフィック社、3/73800円+税 〔詳細〕
*驚くべき頭骨の数々を美しい写真とともに紹介。両生類、鳥類、魚類、両生類、爬虫類と、脊椎動物のすべてのジャンルを網羅。世界的ベストセラー作家サイモン・ウィンチェスターが、アラン・ダドリーの未曾有のコレクションを味わい尽くす。

森岡督行 『荒野の古本屋』 晶文社、3/71600円+税 〔詳細〕
*就職しないで生きるには21シリーズ第2弾。写真・美術の古書を専門に扱う「森岡書店」。趣味と実益を兼ねてはじめた仕事だからこそ味わえるきびしくも充実の日々を、エピソード満載に描く。

藤本正行、鈴木眞哉『新版・偽書『武功夜話』の研究』洋泉社、歴史新書y3/7940円+税 〔詳細〕
*戦国史を書き換えた疑惑の「一級史料」の正体を暴く! 旧版(洋泉社、新書y20024月)とはほとんど違わないようだが。

■大野芳材監修・解説・著/田中久美子・栗田秀法・望月典子・小針由紀隆・船岡美穂子・吉田朋子・伊藤已令・矢野陽子共著『絵画と受容:クーザンからダヴィッドへ』ありな書房、フランス近世美術叢書Ⅱ、3/75000円+税 〔詳細〕
*頭脳的て観念的、しなやかに弧を描く曲線への愛着、異教の女神たちの官能的な姿態、イタリア人文主義に色濃く染められた難解な寓意表現、これらのフォンテーヌブロー派が切り拓いたフランス近世美術の誕生と展開の道程、クーザンからプッサンへ、ロランからヴァトーへ、シャルダンからフラゴナールへ、グルーズからダヴィッドへ、フランス近世美術の発展と精華を明らかにする。

■ヒロ・ヒライ+小澤実編 『知のミクロコスモス:中世ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』 中央公論新社、3/103700円+税 〔詳細〕
20127月に行われたシンポジウム「人知のいとなみを歴史にしるす:中世・初期近代インテレクチュアル・ヒストリーの挑戦」の論文集。シンポジウムの紹介はこちら

ミシェル・パストゥロー/平野隆文訳 『熊の歴史:〈百獣の王〉にみる西洋精神史』 筑摩書房、3/105800円+税 〔詳細〕
*西洋で無敵の動物だった熊が、宗教や政治権力によって追われ、イメージを破壊され、ライオンに王座を奪われていく転落の歴史を描く。

フランク・ウイン/小林賴子・池田みゆき訳 『フェルメールになれなかった男:20世紀最大の贋作事件』 ちくま文庫、3/101000円+税〔詳細〕
*元版は、『私はフェルメール』ランダムハウス講談社、20079→【改題新版】武田ランダムハウスジャパン、20123

菊池聡編著『錯覚の科学』放送大学教育振興会、放送大学教材、3/103000円+税 
*錯覚が日常生活や社会、文化、芸術に与える影響を学際的に検討する。これらを通して、人が世界を認識する独特の仕組みについて理解を深めていく。
 
黒川正剛『魔女狩り:西欧の三つの近代化』講談社選書メチエ、3/111700円+税 〔詳細〕
*中世ではなく、近代の黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜなのか。魔女狩りとヨーロッパ近代誕生の機制の関係を新視点から明らかにする。→早速読んではみたが、それほど新しい視点とも感じられず、論証の詰めも甘いという印象。

マイケル・ポーラン/野中香方子訳 『人間は料理をする』 上・下、NTT出版、3/13、各2600円+税 〔詳細〕
*キッチンは自然界への魔法の扉!料理は人類最大の発明である。人類は料理のおかげで高度な文明を築けた。しかし今、加工食品を買い、料理をしない人が増えている。これは人類に重大な影響をもたらすのではないか...

グスタフ・マイリンク/今村孝訳 『ゴーレム』 白水社、白水Uブックス、3/141700円+税 〔詳細〕
*夢と現実が混清する多重構造を持つ物語不安や都市生活の悪夢をゴーレム伝説に託して描く。図版多数収録。元版は河出書房新社より1973420日に発行された。

『書物学 第1巻 書物学こと始め』勉誠出版、3/141500円+税 〔詳細〕
*これまでに蓄積されてきた書物をめぐる精緻な書誌学、文献学の富を人間の学に呼び戻し、愛書家とともに、古今東西、現在・過去・未来にわたる書物論議を展開する場として、ここに『書物学(Bibliology)』を創刊する。

齋藤真麻理 『異類の歌合:室町の機智と学芸』 吉川弘文館、3/143800円+税 〔詳細〕
*御伽草子など文芸の世界を闊歩する動物たち…。「異類」はなぜ生みだされたのか。人々の知識や機智を見出し、室町文化の意義を問う。

■高山宏、中沢新一対談集『インヴェンション』明治大学出版会、シアンス・ソバージュ・ド・ポッシュ:野生の科学叢書013月、2200円+税 〔詳細〕
1999年の『武蔵野美術』での対談、『MEIDAI BOOK NAVI 2013』や『ユリイカ山口昌男特集』の対談に、新たに2編を語りおろす。丸善出版が発売元か?

■山田仁史・永山ゆかり・藤原潤子編『水・雪・氷のフォークロア:北の人々の伝承世界』勉誠出版、3月、3500円+税 〔詳細〕
*極北地域で水そして雪・氷に囲まれて暮らす人々は、その自然環境にどのように対峙し、物語や伝説の中にどう描きだしてきたのか。北方に生きる人々の自然観・世界観をフィールドワークや文献資料を通して垣間見ることで、これからの人間と自然環境の共存のあり方を考える。

竹内龍人『だまし絵:心理の迷宮を楽しむ本』KAWADE夢文庫、3/18619円+税〔詳細〕
*不思議すぎる実験室へようこそ!

江弘毅 『有次と庖丁』 新潮社、3/181600円+税 〔詳細〕
*庖丁の種類、400以上。創業1560年。つくる人とつかう人の間で京料理を支え、京都と共に歩む世界のARITSUGU全面協力のもと、その類まれな存在と軌跡をたどる。新潮社PR誌《波》連載に加筆した由。

 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆3月後半予定
ベン・アーロノヴィッチ 『空中庭園の魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課4 ハヤカワ文庫FT3/201100円+税 〔詳細〕
*魔術に魅せられた建築家が設計したスカイガーデン・タワーに隠された、驚くべき秘密。

山本義隆『世界の見方の転換』3巻、みすず書房、3/20、各3400円+税 〔詳細〕
1巻 天文学の復興と天地学の提唱
2巻 地動説の提唱と宇宙論の相克
3巻 世界の一元化と天文学の改革
*『磁力と重力の発見』『一六世紀文化革命』に続き「なぜ、どのように西欧近代において科学が生まれたのか」を探る、近代科学誕生史〈三部作〉の完結篇。“遠隔力”の問題とともに、著者が17世紀科学革命への「戦略高地」の一つであったと見る天文学の近代科学化を、16世紀文化革命はいかに準備したのか。

高槻真樹 『戦前日本SF映画創世記:ゴジラは何でできているか』 河出書房新社、3/242400円+税 〔詳細〕
*戦後「ゴジラ」から紹介されるSF映画の源泉を、埋もれた文献と残された作品から丁寧にひもとき、戦前日本におけるSF的想像力をヴィジュアル面から初めて紹介する。

■関矢悦子『シャーロック・ホームズと見るヴィクトリア朝英国の食卓と生活』原書房、3/242400円+税 〔詳細〕
*ヴィクトリア時代の「ハムエッグ」の驚くべき作り方、炭酸水製造器って何?  ほんとうは何を食べていたの?  といった食生活の真相からクラス別の収入と生活の違い、下宿屋、パブの利用法から教育事情も、「ホームズと一緒に」調べてみた。

■亀井秀雄『日本人の「翻訳」:言語資本の形成をめぐって』岩波書店、3/253000円+税 〔詳細〕
*「翻訳」という文化的営みを通じて、どのように近代の日本語と日本文化が形成されてきたのか。

■金子常規『兵器と戦術の日本史』中公文庫、3/25952円+税 〔詳細〕
*古代から現代までの戦争を殺傷力・移動力・防護力の三要素に分類して捉えた兵器の戦闘力と運用する戦略・戦術の観点から豊富な図解で分析。

■稲生平太郎、高橋洋 『映画の生体解剖:恐怖と恍惚のシネマガイド』 洋泉社、3/253700円+税 〔詳細〕
*本書は映画という「何か」を見てしまった2人による衝撃の「目撃報告」である。フリッツ・ラング、ヒッチコック、ブライアン・デ・パルマ、デイヴィウッド・クローネンバーグといった監督達の異形映画、フィルム・ノワール、怪奇映画、インド映画、Z級映画と縦横無尽に語り尽くす!

■木下直之『銅像時代:もうひとつの日本彫刻史』岩波書店、3/273500円+税 〔詳細〕
*人物の功績を後世に伝えるはずの銅像が時代によって評価を変えられていくさまを、スリリングにたどる。

■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、3/274800円+税 〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。

■今野真二『日本語のミッシング・リンク:江戸と明治の連続・不連続』新潮社、新潮選書、3/281400円+税〔詳細〕
*同じ日本語なのに江戸時代と現代では、なぜこんなにも違うのか? 「中間の時代」である明治期に注目し、「漢語・漢字=漢文脈」をキーワードに連続する面と連続しない面を微細に探り、「ことば」が変ってゆく現場を注視する。国語学のユニークかつ精緻なる冒険!

■小林芳規『角筆のひらく文化史:見えない文字を読み解く』岩波書店、3/283700円+税 〔詳細〕
*尖った先端を紙などに押し当てて凹ませ、文字や符号や絵を書く道具「角筆」。その見えにくさという性質から、鉛筆の普及以前には、漢籍や仏典の訓点、下書き、秘密の記録など多様に用いられていた。半世紀以上にわたり日本全国および中国・韓国で数多くの角筆文献を掘り起こしてきた著者が、角筆の世界のもつ広がりを解き明かす「文字の文化史」。

■海渡雄一・清水勉・田島泰彦編『秘密保護法 何が問題か:検証と批判』岩波書店、3/281900円+税 〔詳細〕
*「何が秘密? それも秘密」――中身の検討も不十分なまま可決された秘密保護法。秘密を漏らした公務員のみならず市民も罰される可能性のある危険な法律として、短期間のうちに世論が盛り上がった。本書は、この法律の論点を網羅し、第一線の研究者によってその危険性を明らかにする。逐条解釈と豊富な資料編も収録。

■平井憲太郎監修 『江戸川乱歩の「少年探偵団」大研究』上・下、ポプラ社、3/31、各3500円+税〔詳細〕
*【上巻】「少年探偵団」シリーズにでてくる言葉や地名、人物の事典、さらに26巻のあらすじなどを掲載。
【下巻】「少年探偵団」シリーズ未収録「名探偵と二十面相」などを収録、シリーズ誕生の歴史他を掲載。

■マシュー・グッドマン/杉田七重訳 『トップ記事は、月に人類発見!』柏書房、3月下旬、2700円+税〔詳細〕
*舞台は19世紀前半のアメリカ・ニューヨーク。何百社と新聞社が乱立していた活字メディアの黎明期、アイデアひとつでのし上がった男たちがいた…。新聞『サン(太陽)』紙が興した「月」の大ほら話をめぐり人類の夢と希望を綴った極上の歴史群像劇。

■ヴォルフガング・ベーリンガー/長谷川直子訳 『魔女と魔女狩り』刀水書房、刀水歴史全書873月、3500円+税〔詳細〕
*魔女や魔女狩りは人類の歴史の中で未だ終わってはいない。最近の研究に基づく新しい魔女論。Wolfgang Behringer, Wiches and Witch-Hunts: A Global History, 2004 の翻訳。

■唐澤太輔『南方熊楠の見た夢:パサージュに立つ者』勉誠出版、3月、4200円+税〔詳細〕
*「常識」に疑問符を投げつける「極端人」熊楠の思想を探る! 生と死、自己と他者、現実と夢、妄想と事実、正常と異常…。日常の中の二項対立を越えて、熊楠が考え続けたものは何だったのか。膨大に書かれ、残された記録の中から「夢」を巡る断片をつなぎ合わせ、いまなお驚きと斬新さを持ち続けるその哲学像を浮かび上がらせる。

塩澤実信 『倶楽部雑誌研究』 論創社、3月、1600円+税 〔詳細〕
*昭和の初期および戦後の一時期に大衆文学の隆盛をもたらした倶楽部雑誌は1960年代の中間小説雑誌の勃興とともにその姿を消した。倶楽部雑誌とは何だったのか。初めて語られる倶楽部雑誌の世界。

プランセス・サッフォー/野呂康・安井亜希子訳『チュチュ:世紀末巴里風俗奇譚』水声社、3月頃、2800円+税 〔詳細〕
*知られざる19世紀最大の奇書。世紀末のパリを舞台に俗悪ブルジョワの主人公が繰り広げる奇想天外、荒唐無稽な露悪趣味の極北。社会の病巣をキッチュに描いた世にも奇妙な珍書中の珍書。ハチャメチヤすぎる内容に抱腹絶倒間違いなし。

 
◆4月予定
『歌川国芳奇想天外:江戸の劇作家 国芳の世界』(仮)、青幻舎、4/72300円+税 〔詳細〕
*迫力のドクロ絵に、躍動感あふれる捕鯨の図。江戸時代に活躍した浮世絵師・国芳の作画は、ユーモアと斬新さに満ちている。出世作“水滸伝”シリーズを含む「武者絵のはじまり・豪傑・合戦の図」、動物を擬人化した「戯画」、庶民の光景を描いた「江戸名所と地方名所」など、国芳作品を網羅。

ニコラス・J・ベーカー=ブライアン/青木健訳『マーニー教:再発見された古代の信仰』青土社、4月上旬、2600円+税 〔詳細〕
*キリストの敵か?真のキリスト教か?未曾有の大宗教の謎に迫る!イエスを教義の枢要な地位におくマーニー教は、ゾロアスターや仏教の要素を接収しつつ東西に拡散、未曾有の大宗教となった。ローマ帝国においては初期キリスト教会と覇権を争い、一時は全ローマをマーニー化する勢いをしめしたが、その教勢も今日までにほぼ消滅、真の姿はいまだベールをかぶったままだ。キリスト教会に根源的な恐怖を植え付けたマーニー教とはいかなる宗教だったのか?この古代の魅力的な宗教について考察し紹介する、絶好の入門書。

大澤千恵子 『見えない世界の物語:超越性とファンタジー』 講談社選書メチエ、4/11〔詳細〕
*いまや大人をも魅了するファンタジーは、宗教的な神話や伝説、昔話が源泉。いかに文学的な物語に変容したか、歴史を辿る。

小中千昭『恐怖の作法:ホラー映画の技術』河出書房新社、4/142500円+税 〔詳細〕
*ホラー映画やアニメの第一線で活躍してきた著者が、小説や映像など様々な形で人を惹きつけ続ける「ホラー」つまり「怖い物語」がどのように作られるかを論じ、技術を伝授する実践的な一冊。

塩澤幸登『編集の砦』河出書房新社、4/143000円+税 〔詳細〕
*大衆娯楽雑誌の編集とはどういう仕事なのか。編集者とはどういった人間なのか。著者が在籍した平凡出版=マガジンハウスの雑誌づくりを具体的に活写し、木滑良久の編集思想に迫る。

東雅夫・下楠昌哉編 『幻想と怪奇の英文学』春風社、4/152700円+税 〔詳細〕
*ジェイムズ・ホッグからアンジェラ・カーターまで、気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成。巻末には編者2名によるブックガイドと新たな展望を示す対談を収める。

岡部紘三『図説ヒエロニムス・ボス:世紀末の奇想の画家』河出書房新社、ふくろうの本、4/171800円+税 〔詳細〕
15世紀末、忽然と現れた謎の画家ボス。その絵は幻想と異形のものたちに埋め尽くされ、今なお見るものに、衝撃を与え続ける。作品に残された画家の意図を探る、画家ボスへの恰好の案内書。

■ティム・インゴルド/管啓次郎解説、工藤晋訳『ラインズ:線の文化史』 左右社、4/202800円+税 〔詳細〕
*人間世界に遍在する〈線〉という意外な着眼から、まったく新鮮な世界が開ける。知的興奮に満ちた驚きの人類学! 刊行されるというアナウンスがあってから、いつまでも出なかったのだが、果たして215日に刊行できるか・・・→320日発売予定に変更。→420日に発売予定。

ロビン・スローン/島村浩子訳 『ペナンブラ氏の24時間書店』 東京創元社、4/211900円+税 〔詳細〕
*サンフランシスコの片隅に、24時間営業している不思議な書店があるという。この書店にはふつうの本も置かれてはいるが、多くは「この世に存在しないはずの本」なのだという。すべての読書好きに贈る冒険と友情の物語。

■モーリー・グリーン/秋山晋吾訳『海賊と商人の地中海:マルタ騎士団とギリシア商人の近世海洋史』NTT出版、4/233600円+税〔詳細〕
*海賊が黄金期を迎えた大航海時代。地中海では、カトリックのマルタ騎士団が略奪を正当化・一大ビジネスにまで発展させた。標的は同じキリスト教徒とはいえオスマン帝国に仕える正教徒のギリシア商人。商人は商品奪還のため、大使館や教会、ときには教皇を動かし訴訟戦術を繰り広げる!

デボロ・ノイス/千葉茂樹訳/荒俣宏監修『「死」の百科事典』あすなろ書房、4/252800円+税 〔詳細〕
*古今東西、人は「死」とどのように向きあってきたのか。歴史、宗教、民俗学、科学……さまざまな角度から、「死」の謎に迫る、ほとんど類をみないユニークな事典。中学生以上とあるので子供向け?

ギャリー・マーヴィン/南部成美訳『オオカミ』(仮)白水社、4/272500円+税 〔詳細〕
*人間が歴史的にオオカミに投影してきたものとは何か? 最新の研究に基づいた生態学的側面から文化史的側面までを幅広く紹介。

柴野拓美/牧眞司編 『柴野拓美SF評論集:理性と自走性――黎明より』 東京創元社、キイ・ライブラリー、4/303700円+税〔詳細〕
*数多のSF作家を送り出した〈宇宙塵〉編集長による、貴重な論考とファン活動にまつわる歴史的エッセイを集成。

喜国雅彦 『本棚探偵最後の挨拶』 双葉社、4/302800円+税〔詳細〕
*「蒐めた本は墓場まで持っていけない!」ある日そのことに気づいた著者が、厳選に厳選を重ねトランク一つ分に本を詰めたり、遂に私家版『暗黒館の殺人』の製作に着手したり……。本を愛してやまない本棚探偵シリーズ、待望の第4弾!

■溝井裕一『動物園の文化史:ひとと動物の5000年』 勉誠出版、4月、2600円+税〔詳細〕
*古代動物コレクションから生態系改造計画まで。生活スタイル、環境、宗教、植民地支配などに影響されながら変遷するひとと動物の関係史を探り、ひとの自然観を表す鏡としての動物園の魅力に迫る。「絶滅動物を再生せよ!―ナチス・ドイツの仰天計画」という項もある。

 
◆5月以降予定
■小野俊太郎『ゴジラの精神史』彩流社、フィギュール彩、5/101900円+税〔詳細〕
*『モスラの精神史』『大魔神の精神史』の著者による、目からウロコのウンチク満載、究極の深読み、そして新たなゴジラ像が出現する書下ろしゴジラ論。

乾石智子『沈黙の書』東京創元社、5月以降
*火の時代、絶望の時代が近づいている。戦がはじまる。おだやかな日々は吹き払われ、人々は踏み潰される。予言者が火の時代と呼んだそのさなか、いまだ無垢である〈風森村〉に、〈風の息子〉は生をうけた。彼が笑えばそよ風が吹き、泣けば小さなつむじ風が渦を巻いた。だが〈長い影の男〉がやってきたとき、すべてが変わった。天と地のあいだ、オルリアエントの激動の時代を描く、人気ファンタジー〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ最新刊。
 
岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』双葉社、5月以降、1200円+税 〔詳細〕
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。

荒俣宏編『怪奇文学大山脈 荒俣宏アンソロジー(1) 西洋近代名作編』(仮)東京創元社、全3巻、6月より隔月刊行予定
 
マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア『タイタス・アウェイクス』東京創元社、6
*〈ゴーメンガースト〉三部作の続き。
 
■杉江松恋『路地裏の迷宮踏査』(仮)東京創元社、キイ・ライブラリー、6
*ミステリマニア必携、《ミステリーズ!》連載が加筆訂正の上、単行本に。
 
風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、6/251600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。

■ポール・コリンズ/山田和子訳『バンヴァードの阿房宮:世界を変えなかった13人』(仮)白水社、夏
*壮大な夢と特異な才能をもちながら、世界を変えることなく歴史から忘れられた天才13人を紹介したポートレイト集。
 
MH・ニコルソン/浜口稔訳『ピープスの日記と新科学』白水社、高山宏セレクション/異貌の人文学、夏 〔詳細〕

J・B・ホラーズ編/古屋美登里訳『モンスターズ』白水社、8
*吸血鬼、ゴジラ、モスマン、ビッグフット、ミイラ、ゾンビなど異形の「怪物たち」をテーマに、曲者ぞろいの新鋭・中堅作家18人が腕を競う、異色の短篇アンソロジー。
 
■カート・ヴォネガット/大森望訳『ヴォネガット未発表短篇集』河出書房新社、夏
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳『黄金時代』河出書房新社、夏
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳『図書館司書』河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
 
2014年中に出るかどうか
水野千依 『キリストの顔』 筑摩選書
 *《UP》(東京大学出版会)20142月号に「キリストの顔:表象の起源へ」と題した小論を掲載。
 
中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。なお、明治書院からも『万川集海』が出る予定のようだ。伊賀忍者研究会編『忍者の教科書新萬川集海』笠間書院、2/10600円+税(A5 48ページ)という本(小冊子?)も出ている。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー『評伝・パラケルスス』勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■ブルース・チャトウィン/池内紀訳『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』
*元版は文藝春秋、19939月刊行。
 
■フラン・オブライエン/大澤正佳訳『スウィム・トゥー・バーズにて』
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
■原田裕『戦後の講談社と東都書房』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳『マルセル・シュオッブ全集』国書刊行会
 
■臼田捷治『工作舎物語』左右舎〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗『デザイン・プレゼンテーションの哲学』左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕

石川九楊『九楊先生の文字学入門』左右社、3500円+税 〔詳細〕
 *版元ドットコムのURLでは別な本が表示されてしまう。刊行されないのか?

『猟奇 復刻版』全6、三人社、60000〔詳細〕
*昭和初期に出た探偵小説雑誌。

■ポール・ホフマン/持田鋼一郎訳 『魔都ウィーン』 作品社、2800円+税
 
『博物図の歴史』東洋書林
 
『黒の歴史』東洋書林

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■2013年読書総括

2013年には以下に示すように210冊読んだことになる。この中には一般書籍のみならず、ムック、図録なども含む。また再読のものも含まれる。読んだとするのは、原則として巻頭から巻末の奥付に至るまで目を通したもので、部分的に読んだもの、飛ばし読みしたものなどは含まない。佐藤優氏の言う「超速読」および「普通の速読」(48参照)は含まないことになるが、すべてが熟読というわけでもない。ただし、上下巻は2冊とカウントしている。
読書記録をつけ始めたのが2001年からで、通算すると2013年末で2602冊読了した結果となった。したがって、年平均200冊(月平均16.7冊)となる。最も多かった年は2012年で245冊(次点の2006年は244冊)、最も少なかった年は2001年で147冊であった。

グラフ_2013年読書  

購入記録も並行してつけているが、2001年をピーク(297冊)として年々減少してきており、ここ数年は100冊を切るほど少ない(最近では書店に行くことすら稀だし、オンライン書店で購入するのは好きではないので、ますます購入減となっている)。最も少なかったのは2012年(85冊)で読書量と反比例しているかのようである。実は、読んでいる本の多くは購入した本ではなく、むしろ図書館から借りた本が多い。2013年では210冊中、191冊は図書館の本である(91%)。購入した本はレファレンス用や公共図書館にはあまり置かないであろう本が主という傾向はある。読むためには返却期限があったほうが適度なプレッシャーとなって効率的(?)でもある。さらにはすぐに読みたくなった時に、持っている本であることを知りながら、すぐに見つからないという理由で借りることも多い(岡崎武志『蔵書の苦しみ』光文社新書173にも、<あるとわかっていて見当たらない本を借りる。これが私の図書館利用法の極意だ>(p.197)とある)。図書館の本を読んでから、所持していたことに気づくこともよくあるのだが。したがって所持している本のほとんどは未読となっている(仮にあと20年生きるとして、年に200冊ずつ読んだとしても4000冊。ということは今後一切購入もせず、図書館にも行かなくとも、十分まかなえるという計算になるのだが)。
読書のジャンルなどは、長年の惰性もあるが、かなり狭いと言えよう。2013年前半ではまだ多少仕事絡みの本も少なくなかったので、やや傾向は見えにくいが、本人としてはいくつかのテーマを持って読んでいこうとはしている(拡散気味だが)。フィクションはほとんど読まないし(2013年で17冊)、読んでもミステリかファンタジー、ホラー、SFに限られる。間違っても村上春樹なぞ読まない。他のジャンルでもかなり偏っているが…。
 
下記のリストはほぼ読了順に記載して、通し番号を付した。読書記録の出版情報は簡易であるため、多くは発行年月止まりとなっており、年月日表示は少ない。一部の本には、*以下に簡単なコメントを付記した。ただし、ほとんどは忘却のかなたである。
はフィクション。は本ブログで取り上げた本。
 
1月                                                                
1とんじ、けんじ共著『トン考:ヒトとブタをめぐる愛憎の文化史』アートダイジェスト、20015
 *このころ猪と豚に関する文献を少々読む。ほかに5][10][11][15][19][21なども。ただし、2012年に読んだ菊屋奈良義『イノシシ母ちゃんにドキドキ』(白水社、201210月)と福井栄一『イノシシは転ばない:「猪突猛進」の文化史』(技報堂出版、200612月)がいちばん面白くためになった。内澤旬子『飼い喰い:三匹の豚とわたし』(岩波書店、20122月)もありましたね。
2中西輝政、小谷賢編著『インテリジェンスの20世紀:情報史から見た国際政治〔増補新装版〕』千倉書房、20122
 *インテリジェンス関係文献の読書については、ごくわずかしか着手できていないので、とりあえずのアウトラインを把握するため。にもかかわらずノートもとらなかったため、内容をきれいさっぱり忘れている。その後、50][51][101][183][195などを読む。
3スティーヴン・グリーンブラット/河野純治訳『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』柏書房、201212
 *15世紀のイタリアのブックハンター、ポッジョ・ブラッチョリーニが、紀元前50年頃に書かれた詩人ルクレティウスの『物の本質について』を発見する。これがルネサンスの底流となっていく。これは本が世界を変えうることの事例の一つだ。
4河原啓子『「空想美術館」を超えて』美術年鑑社、20116
 *展覧会の変質について示唆が得られるかと期待したが、はずれ。
5H.-D.ダネンベルク/福井康雄訳『ブタ礼讃』博品社、19957
6山口晃『ヘンな日本美術史』祥伝社、201211
7立木鷹志『夢と眠りの博物誌』青弓社、201212
 *随分前に読んだ著者の本が感心できなかったのだが、これはなかなか面白かった。
8榎本まみ『督促OL修行日記』文藝春秋、20129
 *壮絶な督促コールセンター業務の実情。これもまた一種のブラック職業か。
9金子信久『旅する江戸絵画:琳派から銅版画まで』ピエブックス、201010
 *それなりに構成の工夫や関連作品の収集はしているものの、期待したほどではなかった。どうもこの版元の本は、外観の印象・期待感と、読んだ後の虚しさが反比例する。
10ライアル・ワトソン/福岡伸一訳『思考する豚』木楽舎、200911
11武田雅哉『猪八戒の大冒険:もの言うブタの怪物誌』三省堂、19959
 *再読。
12福田浩至『企業のためのソーシャルメディア安全運用とリスクマネジメント』翔泳社、20128
 *情報セキュリティ関連書については必要箇所のみ目を通すことがほとんどで、こういった軽い本以外は読了していないことが多かった。この関連では、13][20][38][164なども。
13大石哲也SNSが会社をツブす!:分ったフリする上司たち』双葉社、双葉新書、201212
 *読了後もタイトルが意味不明のまま。
14ベアント・ブルンナー/山川純子訳『月:人との豊かなかかわりの歴史』白水社、201212
 *月の文化史。人工物の文化史とともに、自然界の文化史についても、もう少し勉強してみないと。
15田中智夫『ブタの動物学』東京大学出版会、アニマルサイエンス 4200110
16井出彰『書評紙と共に歩んだ五〇年』論創社、「出版人に聞く」シリーズ9201212
 *このシリーズはインタビュアーがでしゃばらなければいい企画なのだが。本によっては情報量がものすごく薄っぺらなことがある。本書も期待外れ。
17乾石智子『闇の虹水晶』朝日新聞出版、201212
 *和製ファンタジー。この著者の本はだいたい読んでいるが、最近では同工異曲の感が強い。その後も41][114などを読む。
18トマス・レヴェンソン/寺西のぶ子訳『ニュートンと贋金づくり:天才科学者が追った世紀の大犯罪』白揚社、201212
 *こういった人文系の読ませる本は、やはり海外の書物に限る。日本人の著作はともすると出典・典拠が不明・不確かで、さらに言えば勉強不足が多いし、読ませる本づくりとなると全くだめ。
19高橋春成編『イノシシと人間:共に生きる』古今書院、200112
20デロイトトーマツリスクサービス株式会社編『「炎上リスク」に備えるWebモニタリングのすすめ方』中央経済社、201212
 *コンサル会社の宣伝本。
21ジェフリー・ムセイエフ・マッソン/村田綾子訳『豚は月夜に歌う:家畜の感情世界』バジリコ、20053
 *菜食主義者の弁。
22大森望『新編SF翻訳講座』河出書房新社、河出文庫、201210
 *元版は所有しているが当然読んでいない。図書館で借りると返却期限があるので読む。
 
2月
23森耕治『マグリット光と闇に隠された素顔』マール社、20131
 *マグリットについてさほどの新しい知見は得られず。
24横浜美術館企画・監修『はじまりは国芳:江戸スピリットのゆくえ』大修館書店、201211
*同題の展覧会図録を兼ねる本だが、展覧会には結局行けなかった。これはぜひ見たかった。最近は随分図録を一般書として作成・販売することが増えている。2013年でも64][81][115][208などがある。
25川畑秀明『脳は美をどう感じるか:アートの脳科学』筑摩書房、ちくま新書、201210
26高宮利行『本の世界はへんな世界』雄松堂書店、201211
 *稀覯本との出会いなどを記した雑文集。
27田村俊作編『文読む姿の西東:描かれた読書と書物史』慶應義塾大学出版会、200712
 *このころ読書する姿の図像を集めていた。29][30はその関連。
28伊藤計劃、円城塔『屍者の帝国』河出書房新社、20128
 *伊藤計劃が書きかけて亡くなったため、円城塔が書き継いだもの。ゾンビ、フランケンシュタイン、吸血鬼などのありふれたギミックを強引に料理。
29アルベルト・マングェル/原田範行訳『読書の歴史あるいは読者の歴史』柏書房、19999
 *これも所有しているが見つからなかったので、図書館で借りる。
30石井美樹子『聖母のルネサンス:マリアはどう描かれたか』岩波書店、20049
 *聖母の読書像は膨大に描かれているので参考に。
31『いしいひさいち:総特集 仁義なきお笑い デビュー40周年・『バイトくん』から『ののちゃん』まで』KAWADE夢ムック、20126
 *まんが・コミックは全く見ないが、いしいひさいちだけが例外。
32サラ・モス、アレクサンダー・バデノック/堤理華訳『チョコレートの歴史物語』原書房、お菓子の図書館、20131
33菊地章太『妖怪学の祖井上圓了』角川学芸出版、角川選書、20131
 *内容の乏しい本。
34森洋子『子供とカップルの美術史:中世から18世紀へ』日本放送出版協会、NHKブックス、200210
 *子供の図像を勉強。35はその関連で。
35柴田純『日本幼児史:子どもへのまなざし』吉川弘文館、20131
36『深海世界』パイインターナショナル、201211
 
3月
37サンディ・ネアン/中山ゆかり訳『美術品はなぜ盗まれるのか:ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い』白水社、20132
 *前半はターナーの作品が盗まれたテート・ギャラリー学芸員による不屈の調査、後半は美術品盗難全般について論じる。特にフィクションの世界にまで論及して、美術品盗難が映画などで描かれるような格好の良いものではないことを力説。
38西本逸郎、三好尊信『国・企業・メディアが決して語らないサイバー戦争の真実』中経出版、20122
 *それほどの内容ではなかった。
39ジャック・ラング/塩谷敬訳『ルーヴル美術館の闘い:グラン・ルーヴル誕生をめぐる攻防』未来社、20132
 *ミッテラン社会党政権時代の当時まだ30代の若手文化大臣ジャック・ラングによる文化政策推進の紆余曲折。政治家の本でありながら、なかなか読ませる。
40西野嘉章『モバイルミュージアム 行動する博物館:21世紀の文化経済論』平凡社新書、201212
 *どうもこの著者の本は胡散臭い印象が拭えない。
41乾石智子『太陽の石』東京創元社、201210
42中村圭志『宗教のレトリック』トランスビュー、201212
 *かなり期待して読んだが、レトリック分析が不十分。
43石川九楊『日本の文字:「無声の思考」の封印を解く』ちくま新書、20132
44内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』論創社、「出版人に聞く」シリーズ1020133
 *もっと出版活動について詳しく聞いてほしかった。巻末の薔薇十字社の目録はありがたい。
45三井秀樹『琳派のデザイン学』NHK出版、NHKブックス、20132
 *琳派について勉強不足だったので、とりあえず軽いものから。
46宇佐和通『都市伝説の正体』祥伝社、20094
47堀江貴文『刑務所なう。:PRISON DIARY from Nagano-シーズン2前歯が抜けたぜぇ。ワイルドだろぉ?の巻)』文藝春秋、20132
 *前年に『刑務所なう。:ホリエモンの獄中日記195日』(文藝春秋、20123月)を読んでいたので、その続き。刑務所生活の実態が具体的にわかる。最近、『刑務所わず。:塀の中では言えないホントの話』(文藝春秋、20141月)という本も出たようなので、機会があったら読んでみよう。
48佐藤優『読書の技法:誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』東洋経済新報社、20128
                  
4月
49今野真二『百年前の日本語:書きことばが揺れた時代』岩波新書、2012920
 *明治期の日本語において、漢字・仮名の表記などは大きな「揺れ」の中にあった。その揺れは<むしろ「豊富な選択肢があった」と捉えたい>(p.iii)とする。字形、語形、語の書き方、仮名字体などの揺れが次第に統一されてゆく。しかし著者の本は、このところ毎月のように刊行されているのだが、筆が荒れていませんか?
50デイヴィッド・ワイズ/石川京子・早川麻百合訳『中国スパイ秘録:米中情報戦の真実』原書房、2012228
 *アメリカにおける中国スパイの実態。中国人はどこに住んでいても、常に中国につながっているがゆえに(例:中国の発展のためにこれこれの情報を集めてほしい、と言われれば断れないようだ)、スパイになる可能性は高いという。
51柏原竜一『中国の情報機関:世界を席巻する特務工作』祥伝社新書、2013310
 *なぜか参考文献に50がない。
52仁科邦男『犬の伊勢参り』平凡社新書、2013315
 *以前、平岩米吉『犬と狼』(築地書館、199012月、元版1942年刊)だったかを読んでいたら、犬の伊勢参りの記述があったので気になっていた。江戸時代でも虚説とされたりしていたようだが、村々の送り状なども残っており、人について伊勢へ行ったのが実情だったようだ。豚や牛まで伊勢参りをするなど、本書で多数の事例が紹介されている。
53田村圭介『迷い迷って渋谷駅:日本一の「迷宮ターミナル」の謎』光文社、2013320
 *渋谷駅周辺の昔話はとても興味深いが、直近のことについては調査不足。渋谷の地形を右手上のx,yで示す説明はわかりやすい(p.44)。
54繁田信一『陰陽師:安倍晴明と蘆屋道満』中公新書、20064
 *京都に遊びに行くにあたって、清明神社に行こうと思って読む。
55佐藤優『野蛮人のテーブルマナー:ビジネスを勝ち抜く情報戦術』講談社、2007123
 *何でもインテリジェンスと唱えれば済むといった粗製濫造の本。傑作なのは、巻末に河合洋一郎が、《諸君》20075月号に書かれた柏原竜一の佐藤優批判(情報のプロとは思えないほど脇が甘かった、とする)に対し、一生懸命反論しようとしているところ。
56森達也『虚実亭日乗』紀伊國屋書店、2013117
 *ノンフィクション・エッセイと思わせて(実在の人物多数登場)、実はフィクション。
57安村敏信『江戸絵画の非常識:近世絵画の定説をくつがえす』敬文舎、日本文化私の最新講義012013323
 *江戸絵画の13の常識を検証するというスタイル。面白いのは巻末にある言葉。<展覧会を開催して図録をつくると、それ以降、奇跡か魔法のように作品が出てくる。ワラワラと出てくれば、当然、重要な作品や代表作なども出てくる。>(p.299)そういうものですかね。
58ヒヨコ舎編『本棚』アスペクト、2008131
 *雑な作りの本。肝腎な本棚の中身を見せず、斜めだったりピンボケだったり、前に人が立っていたりブーツで隠れていたり。
59ケネス・L.フィーダー/福岡洋一訳『幻想の古代史』上、楽工社、20091120
 *本来は教育(特に考古学)目的で執筆された疑似科学、捏造考古学批判の優れた書。アメリカの話題がやや多いか。下巻は60
 
5月
60ケネス・L.フィーダー/福岡洋一訳『幻想の古代史』下、楽工社、20091120
61ティモシー・ライバック/赤根洋子訳『ヒトラーの秘密図書館』文藝春秋、2010110
 *ヒトラーの生涯に大きな影響を与えたであろう10冊を中心に、ヒトラーの読書傾向、思想形成、本の来歴などを語る。ヒトラーの旧蔵書を内容だけでなく、欄外の書き込み、アンダーラインまで読み込み、恐らく読んでいないであろう本の判別も。<ヒトラーの読書は余暇とか楽しみとかはまったく無縁のものだった。それは、「死ぬほど真剣な仕事」だった。>(pp.191-2
62高山宏『「夢十夜」を十夜で:『新人文感覚1風神の袋』『新人文感覚2雷神の撥』副読本』羽鳥書店、はとり文庫、201112
 *副読本(?)だけ読んで、『新人文感覚』の2冊はあまりに分厚すぎて置いたまま。
63宮田珠己『おかしなジパング図版帖:モンタヌスが描いた驚異の王国』パイインターナショナル、20134
 *来日経験のないオランダ人モンタヌスが1669年に出した『日本誌』。当然とんでもない図版の数々。
64中村圭子『魔性の女挿絵集:大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち』河出書房新社、2013330
 *弥生美術館で開催した展覧会の本。サブタイトルに「大正」とあるが「明治末」からの内容。
65《骨董「緑青」》Vol.29 特集:世界を魅了した明治の七宝 その技と美-清水三年坂美術館、マリア書房、200665
 *京都から帰ってきたら、清水三年坂美術館に行かなかったことを悔やんだ(12月に京都再訪時に行くことができたが)。ムックの特集などを何冊か慌てて見る。関連は66][68][69][141など。
66村田理如『幕末・明治の工芸:世界を魅了した日本の技と美』淡交社、2006214
 *清水三年坂美術館館長による、七宝・京薩摩・印籠・根付・刀装具・金工・蒔絵などのコレクションのエッセンス紹介。それにしてもすごい作品ばかり。20144月には、三井記念美術館で「超絶技巧!明治工芸の粋:村田コレクション一挙公開」が開かれる。
67田中淳『中国ニセモノ観光案内』講談社+α文庫、2008520
 *中国のニセモノ事情。<もはや「ニセモノは文化」であり、中国の国民性、政治システムと切っても切れない縁で結ばれている>(p.3)。中国の偽装食品・危険食材78][176や偽装義歯166などニセモノには事欠かない。
68《骨董「緑青」》Vol.35 特集森田藻己の世界-根付・提物と細密彫刻、マリア書房、20071215
69《骨董「緑青」》Vol.32 特集:世界を驚かせた幕末・明治の金工、マリア書房、200735
70中島誠之助『ニセモノ師たち』講談社、講談社文庫、2005715
 *ニセモノをつかまされる<いちばん大きな条件としていえることは、ダマサレタあなたが権威に弱い人間であったということです。>(p.50)基本的には骨董商なので、ニセモノを見極められないのが悪いという立場。
71菊池聡『超常現象をなぜ信じるのか:思い込みを生む「体験」のあやうさ』講談社ブルーバックス、1998920
 *「信じる心」を生む「体験」のあやうさを詳しく解説。<「私は体験したのだから、不思議現象(霊でも超能力でも)はたしかに存在するのだ」と考えるとしたら、その考えが誤りだと言いたいだけなのです。>(p.208
72須藤靖『主役はダーク:宇宙究極の謎に迫る』毎日新聞社、20133
 *漫談調の天文学。
73山本芳明『カネと文学:日本近代文学の経済史』新潮社、新潮選書、2013330
 *「日本近代における文学の経済史」を目指した本。明治後期から昭和40年代までの文学作家の商品化の歴史。
74中島誠之助『「開運!なんでも鑑定団」の十五年』平凡社、2008916
 *表題作のみ書き下ろしで、他は既発表のエッセイを収録。
 
6月
75ベン・アーロノヴィッチ/金子司訳『女王陛下の魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課 1ハヤカワ文庫FT20134
 *魔術ミステリのジャンルが好み。本書は実際のロンドンを少しずらした設定。2146
76トレヴァー・ノートン/赤根洋子訳『世にも奇妙な人体実験の歴史』文藝春秋、2012710
 *「マッド・サイエンティスト」ではなく、皆「シリアス」かつ冷静に自らを被験体とすることにためらいを感じなかった科学者たちの物語。
77福井健太『本格ミステリ鑑賞術』東京創元社、キーライブラリー、2012330
 *なかなかうまくまとめている。
78富坂聰『中国ニセ食品のカラクリ』角川学芸出版、20071215
 *これでもかと登場してくるニセ食品の数々。ただし、ほとんどが中国メディアからの引用。
79高島俊男『漢字雑談』講談社現代新書、2013320
 *いつまでも似たような調子の雑文なのだが、はまると心地いいのだろうか。
80菊池良生『検閲帝国ハプスブルク』河出ブックス、2013430
 *<独創的なまでに非独創に徹してきた>ハプスブルク家の混乱に満ちた検閲政策の歴史。女帝マリア・テレジアの跡継ぎであるヨーゼフ2世は<「検閲の唯一の利点は発禁となったすべての本がウィーンで手に入ることだ」と書いている。>(pp.167-8
81町田市立国際版画美術館編『空想の建築:ピラネージから野又穫へ展』エクスナレッジ、2013425
 *この展覧会も行かず。図録のみ読む。編集が粗雑でカタログNo,の誤記が目立つ。本文書体の選択が悪く、非常に読みにくい。サブタイトルは「『エジプト誌』から…」とすべきだったが、町田市立国際版画美術館の所蔵品自慢の故か。
82飯間浩明『辞書を編む』光文社新書、2013420
 *国語辞典編纂者による『三省堂国語辞典(第7版)』(2013年末刊行予定)編集過程をリアルタイムに紹介。著者は、佐々木健一『辞書になった男:ケンボー先生と山田先生』(文藝春秋、2014210日)にも随所に登場している。
83西崎憲編訳『短篇小説日和:英国異色作家傑作集』ちくま文庫、20133
 *奇妙な味の小説集。
84鈴木浩三『江戸の風評被害』筑摩選書、2013515
 *「風評」に対する幕府側の対応・規制(特に経済分野中心)が描かれている。しかし、「風評被害」という言葉に危うさを感じる。あたかも実体がないかのように、単なる「風評」に過ぎないかのように。
85原田実『オカルト「超」入門』星海社新書、20125 24
 *さまざまなオカルト・テーマに関する、ごく簡単な早わかり。
86山村修『増補 遅読のすすめ』ちくま文庫、20118 10
 *福田和也や立花隆のような速読派を批判。もっとも、読む本のジャンルや読む目的がそもそも違うのだが。
87宮田昇『図書館に通う:当世「公立無料貸本屋」事情』みすず書房、20135 17
 *「当世「公立無料貸本屋」事情」という副題に惹かれて読んだが、「公立無料貸本屋」議論に関しては何もなし。単にリタイア後に図書館でエンターテインメントを借りるようになったという話。
88古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』河出書房新社、20135
 *長く雑誌に書き継いできたらしいが、長いばかりで構成は破綻。「輪廻転生(ロックンロール)」が主題か。
 
7月
89吉川敏明『ホントは知らないイタリア料理の常識・非常識』柴田書店、20103
90秦郁彦『陰謀史観』新潮新書、20124
 *日本近代史上のいくつかのターニングポイントの見方について。陰謀論についてはその後も99][134][139などを読む。
91岡田剛『十三番目の王子』東京創元社、20135
 *タイトルにある「十三番目の王子」の存在と登場が、本来中核であるべきだろうが、あまりにもいい加減。お粗末な破綻だらけの粗製ファンタジー。
92岡照雄『官僚ピープス氏の生活と意見』みすず書房、201361
 *『日記』に即して、「官僚」としてのサミュエル・ピープスの行動を描く。
93川上新一著/伊沢正名写真『変形菌ずかん:森のふしぎな生きもの』平凡社、201365
 *かつて南方熊楠が変形菌の研究に打ち込んだことを知ったときは、どのような生物なのか定かではなかった。変形菌の入門書としてうってつけ。107の粘菌も変形菌と同じ(厳密にいえば「真性粘菌」が変形菌)。
94『若冲の衝撃:ザプライスコレクションと江戸絵画』小学館、和樂ムック、201011
 *盛岡にプライスコレクションを見に行ったので、再読。雑誌《和樂》掲載記事をそのまま寄せ集めたため、何度もプライス氏の略歴が出てきたりする、お手軽編集ムック。
95大熊肇『文字の骨組み:字体/甲骨文から常用漢字まで』彩雲出版、200944
96安斎育郎『だまし世を生きる知恵:科学的な見方・考え方』新日本出版社、20101020
 *「だまし」の種々相を述べているが、表面的になため、その対比としての「科学的な見方・考え方」も皮相的。
97秋山豊解説『直筆で読む「坊っちやん」』集英社新書ヴィジュアル版、200710
 *厳密には読了したとはいえない。というのは、直筆原稿の写真版は途中でリタイアしてしまい、ひたすら注釈を読んだだけなので。
98アレックス・ボーズ/小林浩子訳『ウソの歴史博物館』文春文庫、20067
 *古代から現代までの「ウソ」の出来事史。
99竹下節子『陰謀論にダマされるな!』ベスト新書、20107
 *内容の薄い本。
100辻口博啓『辻口スタイル』中央公論新社、20133
 *どうも著者の多角化戦略は危ういのではないのか。傘下の店から食中毒が起きたりしているところからも、目が行き届かなくなっているような気がする。
101小谷賢編『名著で学ぶインテリジェンス』日経ビジネス人文庫、200810
 *インテリジェンス関係の勉強用。
102溝口敦・荒井香織編著『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム:大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相』宝島社、宝島NF201356
 *猪瀬直樹のツィートでの盗作指摘がきっかけとなったという。盗作問題についてはその後も105などを読む。
103小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!』築地書院、鳥取環境大学の森の人間動物行動学、20135
 *このシリーズも7冊目。どれも鳥取環境大学の自然環境に囲まれたキャンパスにおいて、ヤギ部のヤギやさまざまな動物たちがいろいろな事件を引き起こし、著者や学生たちが飛び回る。
104原田実『もののけの正体:怪談はこうして生まれた』新潮新書、2010820
105栗原裕一郎『〈盗作〉の文学史:市場・メディア・著作権』新曜社、2008630
 *<文芸における盗作事件のデータをここまで揃えた書物は過去に例がなく、類書が絶無にちかいことだけは自信をもって断言できる。>(p.11)と宣言するだけあって、情報の出所も明示されている労作。
106村松美賀子、伊藤存『標本の本:京都大学総合博物館の収蔵室から』青幻舎、20133
*一方、東大は西野嘉章編『インターメディアテク:東京大学学術標本コレクション』(平凡社、201311月)を出したが、京大のこの本の方が好ましい。
107中垣俊之『粘菌:その驚くべき知性』PHPサイエンス・ワールド新書、2010517
 *<粘菌が最短経路をとることは、生存タスク実現にうまく貢献しています。>(p.76)ということで、粘菌が迷路を解くという論文が話題になり、イグ・ノーベル賞(113参照)を受賞。
108武田康男『世界一空が美しい大陸南極の図鑑』草思社、201082
109大島真生『公安は誰をマークしているか』新潮新書、2011820
 *公安警察の中核をなす警視庁公安部の活動を、部署ごとに解説。エピソード中心。
110宮下規久朗『欲望の美術史』光文社新書、2013520
 *内容の乏しい軽いエッセイ。日本の文学者による自画像解釈を批判。
111彦坂裕『夢みるスケール:スケール・寸法・サイズの博物誌』彰国社、2013330
 *中心は第II編「スケール千一夜」。意外性のある組み合わせをシュルレアリスムの異化原理に則って60通り考案。次第にスケールが大きくなっていくのだが、やや組み合わせが無理かつマンネリに。
112笹原宏之『方言漢字』角川学芸出版、角川選書、2013225
 *<漢字のさまざまな地域差>(p.236)を、地域別に現地調査から紹介。<地域の独自性を表すもの>なのだから、<日本の漢字の多様性を生み出す>(p.243)と「方言漢字」を擁護する。果たしてそうなのだろうか。単なる誤字を容認しているだけということはないのか。
113志村幸雄『笑う科学イグ・ノーベル賞』PHPサイエンス・ワールド新書、2009114
 *イグ・ノーベル賞のあらましを知る。
                  
8月
114乾石智子『オーリエラントの魔道師たち』東京創元社、2013628
 *<異なる四つの魔法に絡む魔道師たちの物語四篇>(カバー袖の紹介文より)。
115巖谷國士監修・著『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』平凡社、コロナ・ブックス、2013424
 *同題の展覧会図録を兼ねた本。これも行かず。正誤表がついていて、ダリの版画のサイン部分をカットせよと、ガラ-サルヴァドール・ダリ財団が指摘してきたらしい。
116七尾和晃『銀座の怪人』講談社、講談社BIZ2006529
 *イライ・サカイというユダヤ系イラン人による数々の贋作事件ノンフィクション。構成が冗漫で、肝腎の内容は最後までおぼろげ。最近、改題して『世紀の贋作画商』(草思社文庫、2014210日)文庫化された。
117ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳『もうひとつの街』河出書房新社、2013228
 *破綻した貧相な想像力、シュルレアリスム的な紛い物の味付け、単なる夢オチの構成力のなさ、安易な展開。
118安斎育郎『霊はあるか:科学の視点から』講談社ブルーバックス、2002920
 *著者は幽霊をあくまでも「物質系」でとらえることしかできない。霊の存在を非物質系で信じている者の蒙を拓くことはこれでは困難。
119ブリギッテ・シテーガ/畔上司訳『世界が認めたニッポンの居眠り:通勤電車のウトウトにも意味があった!』阪急コミュニケーションズ、2013621
 *着眼点はよかったのだが、腰砕け。<日本人の睡眠習慣には明白な意味があるのだということもはっきりした。>(p.15)というわりには、いつまでもはっきりしない。
120武田正倫・西田賢司『世界の美しい透明な生き物』エクスナレッジ、201371
 *主に海洋生物を中心とした美しい写真集。透明生物がこれほど多種多様に存在しているとは驚き。
121河鍋暁斎記念美術館編『河鍋暁斎絵日記:江戸っ子絵師の活写生活』平凡社、コロナ・ブックス、201373
 *日記を絵で描くなんて、やはり河鍋暁斎は達者な絵師だったと思う。非常にマメに描き尽しているかと思うと、人物をハンコにして省力化を図ったりしてもいるのはさすが。
122小林雅一『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』文春新書、2003520
 *マスコミ騙し屋ジョイ・スカッグスは、メディアが外部からの情報操作に意外に脆いことを、身をもって示した。こういった事例を挙げて、マスコミの危うさを警告。
123箱田裕司、仁平義明編『嘘とだましの心理学:戦略的なだましからあたたかい嘘まで』有斐閣、2006730
 *教科書的な本なので、各テーマが短い内容。参考文献は充実。このあとも「嘘」について144][152などを読む。
124東雅夫編『怪獣文藝』メディアファクトリー、幽BOOKS2013311
 *2編以外はすべて書下ろし。<怪奇に象徴される閉塞感が怪獣にはない。怪獣は開放的なんです。>(p.298
125池田清彦『科学とオカルト:際限なき「コントロール願望」のゆくえ』PHP研究所、PHP新書、199916
126松本清張『真贋の森』中公文庫、2009625
 *贋作をテーマにした表題作と他に4篇の短篇を収録。
127小山進『丁寧を武器にする:なぜ小山ロールは11600本売れるのか?祥伝社、20121110
128クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ/木村博江訳『錯覚の科学:あなたの脳が大ウソをつく』文藝春秋、2011210
129菊池誠『科学と神秘のあいだ』筑摩書房、双書Zero2010325
 *軽いエッセイ風の漫談。著者自身のどうでもいい性向やロック好き・テルミン演奏など無駄な与太話ばかり。
130藤井非三四『「レアメタル」の太平洋戦争:なぜ日本は金属を戦力化できなかったのか』学研パブリッシング、2013716
 *戦争を<爆発物を詰めた鋼鉄の塊を投げつけ合う行為>(p.3)と定義したのは卓見。こうした認識から、レアメタルに限らない金属資源や金属関連技術を戦前期の日本で軽視していたことがよくわかる。
131シェリー・シーサラー/今西康子訳『「悪意の情報」を見破る方法:ニセ科学、デタラメな統計結果、間違った学説に振り回されないためのリテラシー講座』飛鳥新社、20128
132フェデリコ・ゼーリ/大橋喜之訳『イメージの裏側:絵画の修復・鑑定・解釈』八坂書房、200014
133皆神龍太郎UFO学入門:伝説と真相』楽工社、20083
 *UFOについて、少し読み始める。
134辻隆太朗『世界の陰謀論を読み解く:ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ』講談社現代新書、20122
 *コンパクトに陰謀論の基本をまとめあげている重要文献。きちんと陰謀側の論者と陰謀批判論者の文献を読みこなしている。
135静嘉堂文庫美術館『国宝等収蔵品概要』静嘉堂文庫美術館、1998411
136千足伸行『隠れ名画の散歩道』論創社、2013515
 *掲載されているモノクロの作品画像が不鮮明。《図書》(岩波書店)の表紙エッセイを収録したものだが、同じ言い回しの繰り返しに辟易。
 
9月
137川上和人『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』技術評論社、生物ミステリーシリーズ、2013425
 *漫談調の語り口ながら、恐竜学者ではないと宣言して、慎重な学者なら断言を控えるような仮説の数々も、鳥類研究のバックグラウンドゆえに妙に説得力がある。
138芦辺拓『奇譚を売る店』光文社、2013720
139吉本光宏『陰謀のスペクタクル:〈覚醒〉をめぐる映画論的考察』以文社、201221
 *<映画というメディアと陰謀論のあいだに存在する親和性>(p.16)を理解するために、覚醒と睡眠状態との対比で検証しようとする。論のための論というきらいが強い。
140大山真人『悪徳商法:あなたもすでに騙されている』文藝春秋、文春新書、2003620
141《骨董「緑青」》Vol.34 特集:幕末・明治の鐔・刀装金工-清水三年坂美術館コレクション、マリア書房、20079
142今野真二『漢字からみた日本語の歴史』筑摩書房、ちくまプリマー新書、2013710
143芦辺拓『三百年の謎匣』早川書房、ハヤカワ・ミステリワールド、2005430
144若狭勝『嘘の見抜き方』新潮社、新潮新書、2013530
145松井孝典『「わかる」と「納得する」:人はなぜエセ科学にはまるのか』ウェッジ、2007627
 *第2部は著者・山折哲雄・鷲田清一の鼎談。「わかる」と「納得する」がわからず、納得できない二人との支離滅裂なまま終わる。
146ベン・アーロノヴィッチ/金子司訳『顔のない魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課 2ハヤカワ文庫FT2013725
147岩井希久子『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん:修復家・岩井希久子の仕事』美術出版社、2013615
148山田奨治『〈海賊版〉の思想:18世紀英国の永久コピーライト論争』みすず書房、200712
149丁 宗鐵『名医が伝える漢方の知恵』集英社新書、2013722
 *ゴミ本の一つ。
150吉田公一『筆跡鑑定人は見た!:あの大事件の舞台裏』主婦の友インフォス情報社(発売:主婦の友社)、2012520
151松井栄一『出逢った日本語・50万語:辞書作り三代の軌跡』筑摩書房、ちくま文庫、2013810
152荘司雅彦『嘘を見破る質問力:反対尋問の手法に学ぶ』日本実業出版社、2008620
153佐藤眞一『ご老人は謎だらけ:老年行動学が解き明かす』光文社新書、20111220
 *<なぜ、都合のよいことしか覚えていないのか?>(p.13)とか、<なぜキレやすいのか?>(p.129)とか、老人の仲間入りをしているので、老人行動学を学んで老人らしい老人に。
154デイヴィッド・クレイ・ラージ/高儀進訳『ベルリン・オリンピック1936:ナチの競技』白水社、2008810
 *オリンピックの欺瞞性について学ぶ(ソチの冬期オリンピック終了直後、ロシアはウクライナに攻め込んだが、ナチス・ドイツとそっくり)。すぐ続いて156も読むも、本書で十分だった。
155高橋輝次編著『誤植読本 増補版』筑摩書房、ちくま文庫、2013610
 *作家が大半で、プロの編集者・校正者はほとんどいない。
156ダフ・ハート・デイヴィス/岸本完司訳『ヒトラーへの聖火:ベルリン・オリンピック』東京書籍、シリーズ・ザ・スポーツノンフィクション 21988517
157新海均『カッパ・ブックスの時代』河出書房新社、河出ブックス、2013730
158鍛治恵『ぐっすり。:明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60新潮社、2013825
 *怠惰な隠居生活の故か、「ぐっすり」感に乏しい。老化のためとも思うが、快眠処方箋をと読んでみるが、当然何も従わないので、効果なし。他にも168など。
159小鷹信光、逢坂剛『ハードボイルド徹底考証読本』七つ森書館、201395
 *ハードボイルドは昔から読んでいない。にもかかわらず、小鷹信光氏のエッセイだけは比較的よく読んでいるので、つい。
160内堀弘『古本の時間』晶文社、2013910
 
10月
161山田敏弘『その一言が余計です。:日本語の「正しさ」を問う』ちくま新書、2013510
 *「余計な一言」を正そうとして発した一言が「余計な一言」になる。指摘した者・指摘された者双方の調停することが本書の目的というのだが、なかなか難しい。著者も正書法はない派。
162角田浩司『恐ろしい「振り込め詐欺師」の話術。:携帯電話・ITの進化でさらに猛威! 本書を読めばあなただけは騙されない!マーブルトロン、20081220
 *さまざまな詐欺を再現して紹介。ただし<詐欺の手口は千差万別で、定まった手口はありません>(p.8)し、ある事件が報道されれば、もう別の手口が主流になる(p.154)。
163山本武利GHQの検閲・諜報・宣伝工作』岩波書店、岩波現代全書0072013718
164岡嶋裕史『個人情報ダダ漏れです!』光文社新書、2013920
 *軽いノリの本。情報漏洩のパターンを示して、どのように漏洩してしまうかの仕組みを説明。
165綿貫智人『リストラなう!』新潮社、2010730
166鈴木譲仁『ルポ「中国製品」の闇』集英社新書、2013918
 *ベリリウムという非常に危険な素材を混ぜた中国製義歯は、日本の厚生労働省や歯科業界のまずコストありきの姿勢が助長していると論じる。
167石田収『中国の黒社会』講談社、講談社現代新書、2002420
168菅原洋平『あなたの人生を変える睡眠の法則:朝昼夕3つのことを心がければOK!』自由国民社、2012921
 *著者は作業療法士で、<脳のリハビリテーションに従事。脳の回復には、睡眠が重要であることに着目して臨床実践をする>(巻末「著者紹介」)。<質の良い睡眠に重要なのは、夜ではなく、昼間の過ごし方です。>(p.28)ということで、理論的に睡眠メカニズムを説明してくれる。
169クライヴ・ポンティング/伊藤綺訳『世界を変えた火薬の歴史』原書房、2013430
170岩合光昭『ネコライオン』クレヴィス、2013817
 *ネコとライオンの良く似た生態の写真を並べる。一見簡単そうな編集だが、そっくりな写真で並べるのは膨大なストックと、それを見て選ぶという地道な努力に感心。
171吉田則昭『緒方竹虎とCIA:アメリカ公文書が語る保守政治家の実像』平凡社新書、2012518
172橋本麻里『変り兜:戦国のCOOL DESIGN新潮社、とんぼの本、2013920
 *近い場所で変り兜の展覧会をやってくれないかな。
173岡崎武志『蔵書の苦しみ』光文社新書、2013720
 *<本を必要以上に際限なく溜め込む人は、個人差はあるだろうけど、どこか真っ当な人生を投げてしまっているのではないか。>(p.62)にドキッ。
174宇都宮健児『わるいやつら』集英社新書、2013918
 *サラ金・ヤミ金・振り込め詐欺に整理屋と悪徳提携弁護士ら、貧困者を標的にした悪質な「貧困ビジネス」の実態。<根本的には、「貧困と格差の広がりを解消する政治」こそが求められている。>(p.183)とするが、現在の劣化した政治と愚かな有権者にはそうした視点は皆無だろう。
175トム・ミューラー/実川元子訳『エキストラバージンの嘘と真実:スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界』日経BP社、20121126
 *これを読んだら、安物のエキストラバージン・オリーブオイルは絶対に使えない。古代ローマ以来現代までオリーブオイルの偽装は横行し続けてきた。名の知れた大手食品企業のオリーブオイルは、まずニセモノ。
176『週刊文春』特別取材班編『中国食品を見破れ:スーパー・外食メニュー徹底ガイド』文藝春秋、2013810
 *中国から輸入される食料品はアメリカに次ぐ輸入量。にもかかわらず、残留農薬・水質汚染・成長ホルモン剤や抗生物質の大量投与など危険がいっぱい。しかし、外食産業などでは表示義務はなく、そのまま食べてしまっている。
177堀川大樹『クマムシ博士の「最強生物」学講座:私が愛した生きものたち』新潮社、20139
 *クマムシの記述は半分あるかないか。
 
11月
178大日方純夫『維新政府の密偵たち:御庭番と警察のあいだ』吉川弘文館、歴史文化ライブラリー、2013101
 *サブタイトルの御庭番については全く触れず。密偵たちの報告を受けて、<政府側はこうした内部情報を念頭において制作活動を展開していたものと考えられる。>(p.185)というが、具体的に政策とのつながりを示せないのか。
179トビー・レスター/宇丹貴代実訳『ダ・ヴィンチ・ゴースト:ウィトルウィウス的人体図の謎』筑摩書房、2013911
 *タイトルは原書通り(Da Vinci’s Ghost)なのだが、キワ物としか思えず損している。
180デイヴィッド・ゴードン/青木千鶴訳『二流小説家』早川書房、ハヤカワ・ミステリ文庫HM2013125
181クリス・ターニー/古田治訳『骨・岩・星:科学が解き明かす歴史のミステリー』日本評論社、2013910
182南條竹則『泥鰌地獄と龍虎鳳:中華料理秘話』ちくま文庫、20131010
 *本当に「泥鰌地獄」なる中華料理が存在するのか、といった中華料理にまつわる薀蓄エッセイ。
183ベン・マッキンタイアー/小林朋則訳『英国二重スパイ・システム:ノルマンディー上陸を支えた欺瞞作戦』中央公論新社、20131010
 *第2次世界大戦における英国二重スパイ・システムの詳細な実態。ナチス・ドイツに対しては完璧に実施できたが、対ソ連に関しては、アントニー・ブラント以下ソ連の二重スパイがいることを<一瞬たりとも疑わなかった>(p.99)。195の主人公エディー・チャップマンは、ノルマンディー上陸作戦当時、パリにいて欺瞞作戦には参加できなかった。
184日本経済新聞社編『謎だらけの日本語』日本経済新聞出版社、日経プレミアシリーズ、201399
 *「全然いい」誤用説があるが、<研究者の間ではこれが国語史上の“迷信”であることは広く知られている>(p.121)のだそうだ。
185坂川栄治+坂川事務所『本の顔:本をつくるときに装丁家が考えること』芸術新聞社、2013107
186内澤旬子『内澤旬子のこの人を見よ』小学館、2013826
 *<一応普通の範疇に入る人たち>が、<ふとした瞬間に図らずも見せてしまった“何か”を、捕らえてみた>(p.3)もの。188の続編。
187佐藤栄作『見えない文字と見える文字:文字のかたちを考える』三省堂、2013530
 *手書きすると<動的に文字を把握>(p.148)することができるが、印刷された文字から動きを読み取るのは難しい。そうすると、漢字は選べても漢字の字体は知らないため、<「ぼんやりした字体」の登場です>(p.150)。
188内澤旬子『おやじがき:絶滅危惧種中年男性圖鑑』にんげん出版、2008121
 *186の前身とも言うべき本だが、もともと本にするつもりもなく書き溜めた<落書き>(186p.221)なので、笑える度合いは本書の方が勝る。
189デイヴィッド・ゴードン/青木千鶴訳『ミステリガール』早川書房、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS2013615
190ビー・ウィルソン/高儀進訳『食品偽装の歴史』白水社、2009720
191増井元『辞書の仕事』岩波書店、岩波新書、20131018
192図録『平野甲賀の仕事展』武蔵野美術大学美術館・図書館
 *展覧会自体は、簡単に2013年の展覧会総括に書いた。
 
12月
193と学会『タブーすぎるトンデモ本の世界』サイゾー、2013811
 *タイトルは大袈裟。「フリーメイソン・おススメ本50連発」(皆神龍太郎)を読みたいために手に取ったが、期待外れ。
194正木香子『文字の食卓』本の雑誌社、20131025
 *著者は書体に対する感性が実に鋭敏。写植の書体に対し、ほとんど妄想に近い思いを抱く。例えば、<私にとって〈石井太明朝ニュースタイル〉は、「言葉を食べる」悦びを与えてくれる書体だ。>(p.20)という具合に。
195ベン・マッキンタイアー/高儀進訳『ナチが愛した二重スパイ:英国諜報員「ジグザグ」の戦争』白水社、2009215
196『図説江戸の幽霊:江戸怪談と幽霊画』洋泉社、洋泉社MOOK20138
197藤森照信、山口晃『藤森照信×山口晃日本建築集中講義』淡交社、201386
 *両者の掛け合いがなかなか面白い。編集者の裏事情も書かれてしまっていたり。
198ポール・ホワイトヘッド、ジョージ・ウィングフィールド/野間ゆう子訳『未確認飛行物体:UFOの奇妙な真実』創元社、アルケミスト双書、20138
 *これはほとんど無駄な本。『兎園小説』に載ったうつろ舟の有名な図版につけたキャプションが、<古代中国の版画には、賢人と着陸した宇宙船のようなものが描かれている。>(p.5)では(加門正一『江戸「うつろ舟」ミステリー』楽工社、2009115日、参照)。
199デイナ・プリースト、ウィリアム・アーキン/玉置悟訳『トップシークレット・アメリカ:最高機密に覆われる国家』草思社、201310
 *情報機関は自己増殖し続けることを裏付けた本。日本もそうしたいのだろう。しかし、民間にもトップ・シークレットの世界が拡大するにつれて、第2・第3のスノーデンが生まれるだけだし、機密が漏れれば中国あたりのスパイ(50参照)が活躍するだけ。
200フランク・M・アハーン、アイリーン・C・ホラン/寺西のぶ子訳『完全履歴消去マニュアル』河出書房新社、20131130
 *元は行方不明の人間を見つけるのが仕事。今は逆に行方をくらまそうとしている人に手を貸す仕事へ。プライバシーを守るためのいろいろな対策や、失踪するための極意などを詳述。履歴を完全に消すのも大変だ。
201谷本真由美『キャリアポルノは人生の無駄だ』朝日新聞出版、朝日新書、2013630
 *キャリアポルノ=自己啓発書。<自己啓発書を買っては読んで、何となく自分が凄い人になったような気になり、実は何もしない>(p.53)人びとにとって、救いはなさそう。
202角川歴彦『グーグル、アップルに負けない著作権法』KADOKAWA、角川EPUB選書、20131010
 *紙面設計もできてなく、読みにくい本(まともな編集者もいないのかね)。「エコシステム2.0」なる珍妙な提案をしているが、始める前から失敗を約束されている代物。第一、著作権で戦おうとしてもグーグルやアップルには太刀打ちできないと書いているのだから。
203今野真二『正書法のない日本語』岩波書店、そうだったんだ!日本語、2013424
 *<「正書法」とはこれ以外の書き方は認めないということ>(p.5)と規定した上で、現代以前は<多様な日本語表記が展開していた>(p.6)のであり、「正書法」などなかったということを延々と述べる。<現代は、具体的な、目に見えるかたちにきわめて敏感である>一方で、<背後にある「原理」にあまり目を向けない>(p.185)とする。著者の持ちネタもだんだん尽きてきた模様。
204今和泉隆行『みんなの空想地図』白水社、20131110
 *子どもの頃から空想地図作成に打ち込んできた著者による、本物とも見紛うほどの出来栄えの地図。
205吉田智子『江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし』洋泉社、2013724
 *東京・本郷に金魚卸問屋がいまもあったことが驚き。
206草森紳一『本の読み方:墓場の書斎に閉じこもる』河出書房新社、2009830
 *<本を読むのは楽しいが、楽しいから読書するというわけではない。…ともかく読むのである。>(p.8
207小林章『まちモジ:日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』グラフィック社、20131125
 *どう見ても1冊の本にするには乏しい内容を無理に増やした水増し本。サブタイトルの疑問に対する答えは、日本では丸ゴシックが多い理由になるのかもしれないが、ヨーロッパ・中国・香港では角ゴシック系なのだから答えになっていない。
208飯沢耕太郎『きのこ文学ワンダーランド』ディスクユニオン、DU BOOKS201371
  *本書も展覧会図録を兼ねたもの。
209山田俊幸編著『年賀絵はがきグラフィティ』青弓社、20131114
 *総じて、個々の絵はがきに付けられた解説はなくもがなのことばかり。コウモリが新年にふさわしい絵柄であること(蝙蝠=福)もわかっていないし(p.32)。
210今橋理子『兎とかたちの日本文化』東京大学出版会、2013926


■2014年2月展覧会総括

20142月に見た、主に美術関連の展覧会について個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。2月は前半が超多忙で、ほとんど外出もままならない状態だったため、見に行くことができたのは2月後半のみであった。
配列は必ずしも会期順ではない。
 
◆評価ポイント ★★★(5)・・・(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
2月
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●泉屋博古館分館(東京)「木島櫻谷:京都日本画の俊英」会期: 1/112/16
A★★★★ B★★ C★★★★
*昨年、京都で本展を見ていたのだが、再見。木島櫻谷はとりわけ動物画がうまいのだが、人物画になるとどうも類型的な描き方になってしまう。今回は、住友家が注文して描いた光琳風の四季連作屏風が、金地にとても鮮やかな色彩を誇り、ダイナミックな仕上がりとなっていたのに感動。
残念だったのは傑作《寒月》が、京都展よりも照明が明るすぎるのか、あるいは照明の温度が合っていないのか、画中の竹が真っ黒に見えてしまって、奥行き感も失せてしまっていたこと。<竹幹や広葉樹下草の葉などの墨のうえに暗青色をかけた繊細な色彩>(図録p.22)が台無し。ちなみに、その数日後に行った方の話では、そんなことはなかった由だったが。
 
●山種美術館Kawaii(かわいい)日本美術:若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで」会期:(後期)2/43/2
A★★★☆☆ B★★ C
*伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》 (静岡県立美術館所蔵)は後期のみ展示であったので、それを見に行く。プライス・コレクションの《鳥獣花木図屏風》と図柄・作風が似ているようで、随分異なる印象であった。
それ以外では、柴田是真の《古代雛図》《墨林筆哥》や橋本関雪《霜の朝》など何点かいいものがあったものの、奥村土牛とか竹内栖鳳・上村松園・熊谷守一なぞは粗製濫造としか思えないような作品ばかりであった。
館長らしき人物が、美術になぞ興味もないような男を案内していちいち作品説明する声がうるさくてたまらなかった。全然聞いていませんよ。
 
●太田記念美術館「葛飾応為〈吉原格子先之図〉:光と影の美」会期:2/12/26
A★★★★ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*応為は北斎の娘であり、自らも絵師として活躍した女性で、美人画においては北斎を超える力量であったともいう。応為の作品は肉筆画《吉原格子先之図》1点だけだが、これは格子の中の部屋と提灯の明かりに対し、周囲の暗さのコントラストの作り方が実に効果的。応為は晩年の北斎の代作をしていたとまで言われているが、北斎自身にはこんな作風はなかったのではないだろうか。ただ、思っていたより、はるかに小さいサイズではあった。
他の作家による光と影の作品として、浮世絵であるとか、小林清親の風景版画の夜景(光線画)などもそこそこ楽しめた。
 
●ニューオータニ美術館「野見山暁治展:いつかは会える」会期:1/253/23
A★★☆☆☆ B★★ C★★★☆☆
*ステンドグラスの原画とごく部分だけステンドグラスの見本が展示されていたが、圧倒的にステンドグラスの方が色はきれい。原画は暗く濁っているのがほとんどだが、透過光と反射光の違いだけでなく、ステンドグラスが明るくてよい。若い頃の作品が何点かあったが、かつては印象派に影響されていたのかもしれない。
他に一人だけ観客が来ていたが、館内の椅子で寝込んでいた。

■既刊・近刊メモ(2014年3月版 Ver.1)

20142月に刊行された(はずの)本と、3月以降の近刊を掲載する。若干の本には出版社の紹介記事を中心に、余計なコメントを付した。日付は発行日ではなく、発売日。発売日順を原則としているが、WEBでの確認が中心なので、違っているかもしれない。
●:前回掲載のものから追加・変更した本。ただし、細部の変更等は含まず。
なお、近刊の本についてはあくまでも予定であり、タイトル・発売日・価格ともに変更の可能性はある。
次の行は私的メモ。
■:読んだ本(▲:元版で読んだ)、■:買った本(▲:元版所有)
 
【2月に出た本から】
 
宮武外骨 『アメリカ様』 ちくま学芸文庫、2/61000円+税 〔詳細〕
*占領という外圧によりもたらされた言論の自由は、結局外圧によって葬り去られることを明らかにする、ジャーナリズムの記念碑的名著。元版は、蔵六文庫、1946年、表紙を含めてたった64ページの薄い本だが。国会図書館デジタル化資料として読める。

早川タダノリ 『神国日本のトンデモ決戦生活』 ちくま文庫、2/6950円+税 〔詳細〕
*元版は、『神国日本のトンデモ決戦生活:広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか』合同出版、20108月、1800円+税。

宇佐和通 『最新 都市伝説の正体』 祥伝社黄金文庫、2/7590円+税 〔詳細〕
 *前作『都市伝説の真実』の出版から3年ちょっと経過し、この間、さまざまな新しい都市伝説が生まれ、昔からあるトラディショナルな話も進化を遂げている。日常生活の一部となった各種SNSの普及にあわせ、都市伝説の居場所も広がった。

■貴田庄『西洋の書物工房:ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで』  朝日選書、2/71400円+税〔詳細〕
 *花切れ、天金や小口の装飾、見返しなど、本を成立させる各部の起源と変遷をパリで学んだ著者が辿る西洋の書物史。元版は芳賀書店から200012月、5000円、B5判で出たもの(オールカラーだったのは記憶違いだったようだ)。

福王寺一彦、大家重夫編著  『美術作家の著作権:その現状と展望』  里文出版、2/75000円+税〔詳細〕
*絵画、版画、彫刻、工芸、書、建築、現代・前衛美術からデザイン、漫画、イラスト、アニメ、写真まで、ビジュアルの権利は守られているのか?

七尾和晃 『世紀の贋作画商』草思社文庫、2/10900円+税〔詳細〕
*バブル期前夜、銀座を舞台に暗躍、全国に数多の贋作をばらまきFBIに捕えられた「銀座の怪人」の軌跡を追う。日本社会の裏面が見えてくる傑作ノンフィクション。元版は『銀座の怪人』講談社、講談社BIZ2006529日、1800円+税。

《本の雑誌》 3月号、特集=造本・装丁は楽しい!、本の雑誌社、2/11648円+税〔詳細〕
*平野甲賀と日下潤一の装丁あまから問答、生涯一版下職人・多田進インタビュー、おじさん三人組の花布屋さんと製函屋さん訪問記ほか。

佐々木健一 『辞書になった男:ケンボー先生と山田先生』 文藝春秋、2/121800円+税〔詳細〕
 *国民的辞書『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』は、元をたどれば、一冊の辞書に行き着く。その名は『明解国語辞典』。東大の同期生だった見坊豪紀と山田忠雄が作った辞書である。二人はやがて己の理想を求めて別々の道を歩み、見坊は『三省堂国語辞典』、山田は『新明解国語辞典』を作る。そして、ある事件をきっかけに決別してしまう。一冊の辞書がなぜ二つに分かれたのか?二人はなぜ決別したのか?

池上英洋 『死と復活:「狂気の母」の図像から読むキリスト教』筑摩選書、2/121800円+税〔詳細〕
*「狂気の母」という凄惨な図像に読み取れる死と再生の思想。それがなぜ育まれ、絵画、史料、聖書でどのように描かれたか、キリスト教文化の深層に迫る。

樫原辰郎 『海洋堂創世記』 白水社、2/151800税 〔詳細〕
*日本が世界に誇るガレージキット&フィギュア製造会社、海洋堂公認。原型師たちの活躍を描く1980年代の青春グラフィティ。

小林朋道  『ヒト、動物に会う:コバヤシ教授の動物行動学』  新潮新書、2/15700円+税〔詳細〕
*どうしよう、プレーリードッグが書斎に穴を掘っていた! 動物行動学のエッセンスに触れる、忘れがたき動物たちをめぐる十一の物語。

ティム・ワイナー/山田侑平訳  FBI秘録:その誕生から今日まで』上・下、文藝春秋、2/17、各1800円+税〔詳細〕
NSA(国家安全保障局)が最も頼りにする「FBI」の誕生から今日までを解きあかす衝撃の書。FBIは、テロリストやスパイに対する秘密諜報こそが、第一の主要任務であり、それは発足時から今日まで変わらないのであって、そこに焦点を当ててFBIの歴史、功罪をみなくてはいけないと指摘している。

井伊順彦編・解説/井伊順彦・今村楯夫・他訳  『自分の同類を愛した男:英国モダニズム短編集』 風濤社、英国20世紀モダニズム小説集成、2月、3200円+税〔詳細〕
*第一次大戦後の価値観が転換した激動の時代に生まれた小説作品群を、純文学、大衆文学の垣根なく未訳を中心に発掘する叢書。チェスタートン、セイヤーズ、フリーマン、アリンガムらの短編が収録される。

エリック・ラスムッセン/安達まみ訳 『シェイクスピアを追え!:消えたファースト・フォリオ本の行方』岩波書店、2/212100円+税 〔詳細〕
*コレクター垂涎の稀書が、400年の間にたどってきた数奇な運命をめぐるエピソードを集めたもの。奇想天外なフォリオの運命をたどるにつれて見えてくるのが、このフォリオにとり憑かれた富豪、泥棒、愚者、変人、さまざまな人々がその人生を翻弄される姿。

岡田温司『黙示録:イメージの源泉』岩波新書、2/21840円+税 〔詳細〕
*謎めいた表象に溢れ返るテクスト「黙示録」。古代から現代に至る各種の芸術作品を参照しながら、歴史の結節点で繰り返し変奏されてきたその〈終末〉と〈再生〉イメージの系譜をたどり、この書が人間の想像力に与えてきた影響の本質に迫る。

『文藝別冊 夢野久作:あらたなる夢』河出書房新社、2/241200円+税 〔詳細〕
 *単行本未収録のエッセイ、猟奇歌、書簡を発掘公開するほか、あらゆる角度からその魅力にせまる。

マーク・ベコフ/高橋洋訳   『動物たちの心の科学:仲間に尽くすイヌ、喪に服すゾウ、フェアプレイ精神を貫くコヨーテ』 青土社、2/242400円+税 〔詳細〕
*動物たちはただ喜怒哀楽を感じるだけでなく、他者への共感能力までも身につけている。動物行動学者の第一人者がさまざまな逸話や科学的根拠をもとに、動物たちの、人間に勝るとも劣らない豊かな感情世界を解明し、種を超えた共存に向けて提言する。

今野真二 『かなづかいの歴史:日本語を書くということ』中公新書、2/25860円+税 〔詳細〕
*なぜ発音と表記は違うのか、表記はいかに揺れてきたのか。仮名が生まれた十世紀の『土左日記』に始まり、藤原定家の「定家かなづかい」、契沖のかなづかい、そして明治。「かなづかい」でたどる日本語の歴史。

菊池章太『魔女とほうきと黒い猫』KADOKAWA/角川学芸出版、角川ソフィア文庫、2/25560円+税〔詳細〕
*私たちが共通して持つ魔女のイメージはいつ生まれたのか。そもそも魔女とはどのような姿だったのか。人々の暮らしや心情を映し、変容し続けてきた「身近な存在」を読み解く新しい魔女論! 貴重な図版も豊富に収録。この著者なので期待はできないが。

古谷経衡 『クールジャパンの嘘:アニメで中韓の「反日」は変わらない』 総和社、2/271500円+税 〔詳細〕
*本書は「クールジャパン」にみられる文化外交への過剰な期待を日本独特の社会現象ととらえ、戦後史まで遡った批判を軸に、アニオタ保守を自認する著者ならではのクールジャパン=日本文化私観を展開。

坂本貴志 『秘教的伝統とドイツ近代:ヘルメス、オルフェウス、ピュタゴラスの文化史的変奏』 ぷねうま舎、2/274600円+税 〔詳細〕
*ヘルメス主義、オルフェウス教、ピュタゴラス派……いずれも古代中東とエジプト・ギリシアに起源をもつ神秘主義的思想の潮流である。そしてこれらは、思想史のメインストリームに対する、ダークサイドの系譜を形づくってきた。これまでの通史的記述からは見えてこない、二つの思潮の密やかでダイナミックな関係を浮かび上がらせる。

ASIOS『謎解き古代文明DX彩図社、2/27537円+税〔詳細〕
*元版は彩図社、20115月、1429円か。

■メイ・シンクレア/南條竹則編訳 『胸の火は消えず』  創元推理文庫、2/281260円+税 〔詳細〕
*女性の深層心理や性の問題に取り組んだ異色怪談から、死後の世界や心優しき幽霊の登場する軽妙な作品まで、全11篇。

▲■都筑道夫著/日下三蔵編 『未来警察殺人課[完全版]』  東京創元社、創元SF文庫2/281300円+税 〔詳細〕
*「殺人課」とは「殺人事件を捜査する部署」ではなく「殺人を行う部署」である。SFミステリ全15編。元版は、『未来警察殺人課 : ハードボイルドSFミステリー』徳間書店、19794月、980 (税込)+『未来警察殺人課 : SFハードボイルド』徳間書店、19862月、680 (税込)となる。

紀田順一郎編『書物愛(日本篇)』東京創元社、創元ライブラリ、2/281000円+税 〔詳細〕
*書物に取り憑かれた人間の悲喜劇を本の達人が選び抜いた傑作集・日本篇。古書店での万引きの意外な真相、古書展でいつも同じ本を買う老人の秘密とは? 網棚に忘れられた本にはさまれた名刺は何を意味するのか。元版は、晶文社、20055月、1900円。

紀田順一郎編『書物愛(海外篇)』東京創元社、創元ライブラリ、2/281000円+税 〔詳細〕
*滑稽でもあり悲しくもある書痴たちの諸相を、書物の達人紀田順一郎が選びに選び抜いた、傑作アンソロジー。ある人は身につまされ、ある人は笑い転げ、書物の魔力に改めて溜息をつくこと間違いなし。元版は、晶文社、20055月、1900円。

《ユリイカ》20143月号、特集『週刊少年サンデー』の時代、青土社、2/271300円+税 〔詳細〕
*トキワ荘から『うる星やつら』『タッチ』『名探偵コナン』そして『マギ』『銀の匙』へ――マンガの青春は終わらない。創刊55周年。話題作を連発し続ける週刊少年サンデーを特集。

松原隆一郎、堀部安嗣『書庫を建てる:1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト』新潮社、2/281900円+税 〔詳細〕
*“イエ”の歴史そのものである祖父の半生を遡りながら新たな“家”を建てる――気鋭の建築家に思いを託し、たった8坪で始まった家づくり。土地探しから竣工まで、その過程を施主(松原)と建築家(堀部)、それぞれの立場から描いたドキュメント。

赤坂治績『ザ・富士山:対決! 北斎vs.広重』 新潮社、2/281600円+税 〔詳細〕
*祝世界遺産! でも同じ場所から同じ富士山を描いて、なぜこんなにちがうの? 強烈個性の北斎『富嶽三十六景』か、じっくりリアルの広重『富士三十六景』『名所江戸百景』か? 同一箇所で描かれた2人の富士山を並べて、細かく検証する、見て読んで楽しいヴィジュアルブック。果たして軍配は、どちらに?

 
 
【これから出る本】(タイトル・発売日・価格等はすべて予定)
 
◆3月予定
■高田智和・横山詔一編 『日本語文字・表記の難しさとおもしろさ』 彩流社、3/33800円+税  〔詳細〕
20119月のNINJALフォーラム「日本語文字・表現の難しさとおもしろさ」(国立国語研究所主催)の講演・報告を各分野の領域から展開し、それぞれ専門的関心により問題点を取り上げて、現代日本語の文字・表現の難しさとおもしろさを明らかにしていく。

今野真二 『日本語の近代:はずされた漢語』ちくま新書、3/5800円+税 〔詳細〕
 *漢語と和語が深く結びついた日本語から日清戦争を境に漢字・漢語が外されていく。明治期小学教材を通した人為的コントロールを追う。

池上英洋 『西洋美術史入門・実践編』ちくまプリマー新書、3/5950円+税 〔詳細〕
 *『西洋美術史入門』続編。前作で紹介の基本知識や鑑賞スキルに基き、古代エジプトから近現代までの多くの名作を読み解く実践篇。

サイモン・ウィンチェスター  『スカル:アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション』グラフィック社、3/73800円+税   〔詳細〕
*驚くべき頭骨の数々を美しい写真とともに紹介。両生類、鳥類、魚類、両生類、爬虫類と、脊椎動物のすべてのジャンルを網羅。世界的ベストセラー作家サイモン・ウィンチェスターが、アラン・ダドリーの未曾有のコレクションを味わい尽くす。

森岡督行 『荒野の古本屋』 晶文社、3/71600円+税  〔詳細〕
*就職しないで生きるには21シリーズ第2弾。写真・美術の古書を専門に扱う「森岡書店」。趣味と実益を兼ねてはじめた仕事だからこそ味わえるきびしくも充実の日々を、エピソード満載に描く。

大野芳材監修・解説・著/田中久美子・栗田秀法・望月典子・小針由紀隆・船岡美穂子・吉田朋子・伊藤已令・矢野陽子共著『絵画と受容:クーザンからダヴィッドへ』ありな書房、フランス近世美術叢書Ⅱ、3/75000円+税  〔詳細〕
*頭脳的て観念的、しなやかに弧を描く曲線への愛着、異教の女神たちの官能的な姿態、イタリア人文主義に色濃く染められた難解な寓意表現、これらのフォンテーヌブロー派が切り拓いたフランス近世美術の誕生と展開の道程、クーザンからプッサンへ、ロランからヴァトーへ、シャルダンからフラゴナールへ、グルーズからダヴィッドへ、フランス近世美術の発展と精華を明らかにする。

■ヒロ・ヒライ+小澤実編 『知のミクロコスモス:中世ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』 中央公論新社、3/103700円+税   〔詳細〕
20127月に行われたシンポジウム「人知のいとなみを歴史にしるす:中世・初期近代インテレクチュアル・ヒストリーの挑戦」の論文集。シンポジウムの紹介はこちら

ミシェル・パストゥロー/平野隆文訳 『熊の歴史:〈百獣の王〉にみる西洋精神史』 筑摩書房、3/105800円+税 〔詳細〕
*西洋で無敵の動物だった熊が、宗教や政治権力によって追われ、イメージを破壊され、ライオンに王座を奪われていく転落の歴史を描く。

フランク・ウイン/小林賴子・池田みゆき訳 『フェルメールになれなかった男:20世紀最大の贋作事件』 ちくま文庫、3/101000円+税  〔詳細〕
*元版は、『私はフェルメール』ランダムハウス講談社、20079→【改題新版】武田ランダムハウスジャパン、20123

黒川正剛 『魔女狩り:西欧の三つの近代化』 講談社選書メチエ、3/111700円+税  〔詳細〕
*中世ではなく、近代の黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜなのか。魔女狩りとヨーロッパ近代誕生の機制の関係を新視点から明らかにする。視覚文化論、哲学、宗教学的な知見を盛り込み、魔女狩りの歴史研究を通したヨーロッパ近代化論、および人間存在と人間文化を探究。

マイケル・ポーラン/野中香方子訳 『人間は料理をする』上・下、NTT出版、3/13、各2600円+税  〔詳細〕
*キッチンは自然界への魔法の扉!料理は人類最大の発明である。人類は料理のおかげで高度な文明を築けた。しかし今、加工食品を買い、料理をしない人が増えている。これは人類に重大な影響をもたらすのではないか...

グスタフ・マイリンク/今村孝訳 『ゴーレム』 白水社、白水Uブックス、3/141700円+税  〔詳細〕
*夢と現実が混清する多重構造を持つ物語不安や都市生活の悪夢をゴーレム伝説に託して描く。図版多数収録。元版は河出書房新社より1973420日に発行された。

『書物学 第1巻 書物学こと始め』勉誠出版、3/141500円+税 〔詳細〕
*これまでに蓄積されてきた書物をめぐる精緻な書誌学、文献学の富を人間の学に呼び戻し、愛書家とともに、古今東西、現在・過去・未来にわたる書物論議を展開する場として、ここに『書物学(Bibliology)』を創刊する。

齋藤真麻理『異類の歌合:室町の機智と学芸』吉川弘文館、3/143800円+税  〔詳細〕
*御伽草子など文芸の世界を闊歩する動物たち…。「異類」はなぜ生みだされたのか。人々の知識や機智を見出し、室町文化の意義を問う。

岡留安則 『こんな日本に誰がした!休刊10年『噂の真相』編集長の嘆きと怒り』双葉社、3/181200円+税 〔詳細〕
*数々のスキャンダルを白日の下に晒し、「権力の監視」というメディアの役割を担い続けてきた伝説の雑誌『噂の真相』が休刊して今年で10年。『噂の真相』なき10年を編集長・岡留安則はどう見てきたのか。

江弘毅『有次と庖丁』新潮社、3/181600円+税 〔詳細〕
*庖丁の種類、400以上。創業、1560年。京都・錦の店舗は鰻の寝床だが、いまや世界中の料理人が集う新“名所”だ。つくる人とつかう人の間で京料理を支え、京都と共に歩む世界のARITSUGU――全面協力のもと、その類まれな存在と軌跡をたどる。新潮社PR誌《波》連載に加筆。

ベン・アーロノヴィッチ 『空中庭園の魔術師:ロンドン警視庁特殊犯罪課4 ハヤカワ文庫FT3/201100円+税 〔詳細〕
*魔術に魅せられた建築家が設計したスカイガーデン・タワーに隠された、驚くべき秘密。

高槻真樹『戦前日本SF映画創世記:ゴジラは何でできているか』河出書房新社、3/242400円+税 〔詳細〕
*戦後「ゴジラ」から紹介されるSF映画の源泉を、埋もれた文献と残された作品から丁寧にひもとき、戦前日本におけるSF的想像力をヴィジュアル面から初めて紹介する。

関矢悦子『シャーロック・ホームズと見るヴィクトリア朝英国の食卓と生活』原書房、3/242400円+税 〔詳細〕
*ヴィクトリア時代の「ハムエッグ」の驚くべき作り方、炭酸水製造器って何?  ほんとうは何を食べていたの?  といった食生活の真相からクラス別の収入と生活の違い、下宿屋、パブの利用法から教育事情も、「ホームズと一緒に」調べてみた。

亀井秀雄『日本人の「翻訳」:言語資本の形成をめぐって』岩波書店、3/253000円+税 〔詳細〕
*「翻訳」という文化的営みを通じて、どのように近代の日本語と日本文化が形成されてきたのか。

金子常規『兵器と戦術の日本史』中公文庫、3/25952円+税  〔詳細〕
*古代から現代までの戦争を殺傷力・移動力・防護力の三要素に分類して捉えた兵器の戦闘力と運用する戦略・戦術の観点から豊富な図解で分析。

木下直之『銅像時代:もうひとつの日本彫刻史』岩波書店、3/273500円+税  〔詳細〕
*人物の功績を後世に伝えるはずの銅像が時代によって評価を変えられていくさまを、スリリングにたどる。

■ハンス・ベルティング/仲間裕子訳 『イメージ人類学』 平凡社、3/274800円+税  〔詳細〕
*美術史を広くイメージの学として構想し直し、美術作品、考古学・人類学遺産、映画や広告、あらゆるイメージを対象とする学のパースペクティヴを説く。

今野真二『日本語のミッシング・リンク:江戸と明治の連続・不連続』新潮社、新潮選書、3/281400円+税 〔詳細〕
*同じ日本語なのに江戸時代と現代では、なぜこんなにも違うのか? 「中間の時代」である明治期に注目し、「漢語・漢字=漢文脈」をキーワードに連続する面と連続しない面を微細に探り、「ことば」が変ってゆく現場を注視する。国語学のユニークかつ精緻なる冒険!

小林芳規『角筆のひらく文化史:見えない文字を読み解く』岩波書店、3/283700円+税 〔詳細〕
*尖った先端を紙などに押し当てて凹ませ、文字や符号や絵を書く道具「角筆」。その見えにくさという性質から、鉛筆の普及以前には、漢籍や仏典の訓点、下書き、秘密の記録など多様に用いられていた。半世紀以上にわたり日本全国および中国・韓国で数多くの角筆文献を掘り起こしてきた著者が、角筆の世界のもつ広がりを解き明かす「文字の文化史」。

海渡雄一・清水勉・田島泰彦編『秘密保護法 何が問題か:検証と批判』岩波書店、3/281900円+税 〔詳細〕
*「何が秘密? それも秘密」――中身の検討も不十分なまま可決された秘密保護法。秘密を漏らした公務員のみならず市民も罰される可能性のある危険な法律として、短期間のうちに世論が盛り上がった。本書は、この法律の論点を網羅し、第一線の研究者によってその危険性を明らかにする。逐条解釈と豊富な資料編も収録。

■平井憲太郎監修 『江戸川乱歩の「少年探偵団」大研究』 上・下、ポプラ社、3/31、各3500円+税 〔詳細〕
*【上巻】「少年探偵団」シリーズにでてくる言葉や地名、人物の事典、さらに26巻のあらすじなどを掲載。
【下巻】「少年探偵団」シリーズ未収録「名探偵と二十面相」などを収録、シリーズ誕生の歴史他を掲載。

マシュー・グッドマン/杉田七重訳 『トップ記事は、月に人類発見!』柏書房、3月下旬、2700円+税 〔詳細〕
*舞台は19世紀前半のアメリカ・ニューヨーク。何百社と新聞社が乱立していた活字メディアの黎明期、アイデアひとつでのし上がった男たちがいた…。新聞『サン(太陽)』紙が興した「月」の大ほら話をめぐり人類の夢と希望を綴った極上の歴史群像劇。

■ヴォルフガング・ベーリンガー/長谷川直子訳 『魔女と魔女狩り』刀水書房、刀水歴史全書873月、3500円+税 〔詳細〕
*魔女や魔女狩りは人類の歴史の中で未だ終わってはいない。最近の研究に基づく新しい魔女論。Wolfgang Behringer, Wiches and Witch-Hunts: A Global History, 2004 の翻訳。

■高山宏、中沢新一対談集『インヴェンション』明治大学出版会、シアンス・ソバージュ・ド・ポッシュ:野生の科学叢書013月、2200円+税 〔詳細〕
1999年の『武蔵野美術』での対談、『MEIDAI BOOK NAVI 2013』や『ユリイカ山口昌男特集』の対談に、新たに2編を語りおろす。丸善出版が発売元か?

唐澤太輔 『南方熊楠の見た夢:パサージュに立つ者』勉誠出版、3月、4200円+税 〔詳細〕
*「常識」に疑問符を投げつける「極端人」熊楠の思想を探る! 生と死、自己と他者、現実と夢、妄想と事実、正常と異常…。日常の中の二項対立を越えて、熊楠が考え続けたものは何だったのか。膨大に書かれ、残された記録の中から「夢」を巡る断片をつなぎ合わせ、いまなお驚きと斬新さを持ち続けるその哲学像を浮かび上がらせる。

山田仁史・永山ゆかり・藤原潤子編 『水・雪・氷のフォークロア:北の人々の伝承世界』勉誠出版、3月、3500円+税 〔詳細〕
*極北地域で水そして雪・氷に囲まれて暮らす人々は、その自然環境にどのように対峙し、物語や伝説の中にどう描きだしてきたのか。北方に生きる人々の自然観・世界観をフィールドワークや文献資料を通して垣間見ることで、これからの人間と自然環境の共存のあり方を考える。

プランセス・サッフォー/野呂康・安井亜希子訳『チュチュ:世紀末巴里風俗奇譚』水声社、3月頃、2800円+税 〔詳細〕
*知られざる19世紀最大の奇書。世紀末のパリを舞台に俗悪ブルジョワの主人公が繰り広げる奇想天外、荒唐無稽な露悪趣味の極北。社会の病巣をキッチュに描いた世にも奇妙な珍書中の珍書。ハチャメチヤすぎる内容に抱腹絶倒間違いなし。

 
◆4月予定
ニコラス・J・ベーカー=ブライアン/青木健訳『マーニー教:再発見された古代の信仰』青土社、4月上旬、2600円+税 〔詳細〕
*キリストの敵か?真のキリスト教か?未曾有の大宗教の謎に迫る!イエスを教義の枢要な地位におくマーニー教は、ゾロアスターや仏教の要素を接収しつつ東西に拡散、未曾有の大宗教となった。ローマ帝国においては初期キリスト教会と覇権を争い、一時は全ローマをマーニー化する勢いをしめしたが、その教勢も今日までにほぼ消滅、真の姿はいまだベールをかぶったままだ。キリスト教会に根源的な恐怖を植え付けたマーニー教とはいかなる宗教だったのか?この古代の魅力的な宗教について考察し紹介する、絶好の入門書。

■ティム・インゴルド/管啓次郎解説、工藤晋訳 『ラインズ:線の文化史』 左右社、4/202800円+税 〔詳細〕
*人間世界に遍在する〈線〉という意外な着眼から、まったく新鮮な世界が開ける。知的興奮に満ちた驚きの人類学! 刊行されるというアナウンスがあってから、いつまでも出なかったのだが、果たして215日に刊行できるか・・・→320日発売予定に変更。→420日に発売予定。

ロビン・スローン/島村浩子訳『ペナンブラ氏の24時間書店』東京創元社、4/211900円+税 〔詳細〕
*サンフランシスコの片隅に、24時間営業している不思議な書店があるという。この書店にはふつうの本も置かれてはいるが、多くは「この世に存在しないはずの本」なのだという。すべての読書好きに贈る冒険と友情の物語。

モーリー・グリーン/秋山晋吾訳 『海賊と商人の地中海:マルタ騎士団とギリシア商人の近世海洋史』NTT出版、4/233600円+税 〔詳細〕
*海賊が黄金期を迎えた大航海時代。地中海では、カトリックのマルタ騎士団が略奪を正当化・一大ビジネスにまで発展させた。標的は同じキリスト教徒とはいえオスマン帝国に仕える正教徒のギリシア商人。商人は商品奪還のため、大使館や教会、ときには教皇を動かし訴訟戦術を繰り広げる!

ギャリー・マーヴィン/南部成美訳『オオカミ』(仮)白水社、4/272500円+税 〔詳細〕
*人間が歴史的にオオカミに投影してきたものとは何か? 最新の研究に基づいた生態学的側面から文化史的側面までを幅広く紹介。

柴野拓美/牧眞司編 『柴野拓美SF評論集:理性と自走性――黎明より』 東京創元社、キイ・ライブラリー、4/303700円+税 〔詳細〕
*数多のSF作家を送り出した〈宇宙塵〉編集長による、貴重な論考とファン活動にまつわる歴史的エッセイを集成。

喜国雅彦『本棚探偵最後の挨拶』双葉社、4/302800円+税  〔詳細〕
*「蒐めた本は墓場まで持っていけない!」ある日そのことに気づいた著者が、厳選に厳選を重ねトランク一つ分に本を詰めたり、遂に私家版『暗黒館の殺人』の製作に着手したり……。本を愛してやまない本棚探偵シリーズ、待望の第4弾!

■杉江松恋 『路地裏の迷宮踏査』(仮)東京創元社、キイ・ライブラリー、4月以降
*ミステリマニア必携、《ミステリーズ!》連載が加筆訂正の上、単行本に。

溝井裕一 『動物園の文化史:ひとと動物の5000年』 勉誠出版、4月、2600円+税  〔詳細〕
*古代動物コレクションから生態系改造計画まで。生活スタイル、環境、宗教、植民地支配などに影響されながら変遷するひとと動物の関係史を探り、ひとの自然観を表す鏡としての動物園の魅力に迫る。「絶滅動物を再生せよ!―ナチス・ドイツの仰天計画」という項もある。

 
◆5月以降予定
小野俊太郎 『ゴジラの精神史』 彩流社、フィギュール彩、5/101900円+税  〔詳細〕
*『モスラの精神史』『大魔神の精神史』の著者による、目からウロコのウンチク満載、究極の深読み、そして新たなゴジラ像が出現する書下ろしゴジラ論。

風間賢二 『ファミリー・ブラッド:家族にはつねにすでにモンスターが潜んでいる!』(仮)彩流社、6/251600円+税 〔詳細〕
*カルトな「文学」と「映画」を素材として家族内部にすでに潜在する恐るべき「怪物/モンスター」を白日のもとに曝す。この本もアナウンスばかりで刊行が遅れている。

■ポール・コリンズ/山田和子訳 『バンヴァードの阿房宮:世界を変えなかった13人』(仮)白水社、夏
*壮大な夢と特異な才能をもちながら、世界を変えることなく歴史から忘れられた天才13人を紹介したポートレイト集。
 
J・B・ホラーズ編/古屋美登里訳『モンスターズ』白水社、8
*吸血鬼、ゴジラ、モスマン、ビッグフット、ミイラ、ゾンビなど異形の「怪物たち」をテーマに、曲者ぞろいの新鋭・中堅作家18人が腕を競う、異色の短篇アンソロジー。
 
MH・ニコルソン/浜口稔訳『ピープスの日記と新科学』白水社、高山宏セレクション/異貌の人文学、夏 〔詳細〕

■カート・ヴォネガット/大森望訳
『ヴォネガット未発表短篇集』河出書房新社、夏
*天才ヴォネガットの生前未発表短編14篇。
 
■ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳『黄金時代』河出書房新社、夏
*虚構の島とく無限に増殖する本〉をめぐる異形の紀行文学。『もうひとつの街』のチェコ作家がおくる、想像力と技巧に満ちた大作。
 
■ミハイル・エリザーロフ/北川和美訳『図書館司書』河出書房新社、秋
*失われた奇書をめぐり図書館で戦争が始まる。現代ロシアが生んだ破壊的スプラッターノヴェル。
 
 
2014年中に出るかどうか
水野千依 『キリストの顔』 筑摩選書
 *《UP》(東京大学出版会)20142月号に「キリストの顔:表象の起源へ」と題した小論を掲載。
 
中島篤巳訳 『完本万川集海』 国書刊行会、5600円+税
*伊賀・甲賀四十九流につたわる忍術を集大成した伝説の書物が現代語訳で刊行。詳細な注のついた読み下し文を付す。なお、明治書院からも『万川集海』が出る予定のようだ。伊賀忍者研究会編『忍者の教科書新萬川集海』笠間書院、2/10600円+税(A5 48ページ)という本(小冊子?)も出ている。

■ラリー・プリンチーペ/ヒロ・ヒライ訳 『錬金術の秘密』 勁草書房、BH 叢書 〔詳細〕

U.ペンツェンホーファー『評伝・パラケルスス』勁草書房、BH 叢書(未定)
 
■ブルース・チャトウィン/池内紀訳『ウッツ男爵:ある蒐集家の物語』
*元版は文藝春秋、19939月刊行。
 
■フラン・オブライエン/大澤正佳訳『スウィム・トゥー・バーズにて』
*元版は、筑摩書房『筑摩世界文学大系68 ジョイス2・オブライエン』19985月刊行。同書は『第三の警官』併録。
 
■鈴木宏『書肆風の薔薇から水声社へ』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
■原田裕『戦後の講談社と東都書房』(仮)論創社、「出版人に聞く」シリーズ
 
ジャン・クロード・シュミット/小池寿子・廣川暁生・古本高樹訳『イメージにひそむ身体:中世の視覚文化』刀水書房、5000円 〔詳細〕

■高橋洋、稲生平太郎 『映画の生体解剖』(仮)洋泉社
*シネマ対談
 
ウンベルト・エーコ 『プラハの墓地』 東京創元社
*偽書ものの大作が準備中。
 
大浜甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫ほか訳『マルセル・シュオッブ全集』国書刊行会
 
■東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学』(仮)
 
■臼田捷治『工作舎物語』左右舎〔詳細〕

■松田行正、ミルキィ・イソベ、木内達朗『デザイン・プレゼンテーションの哲学』左右舎、神戸芸術工科大学レクチャーブックス 〔詳細〕

石川九楊『九楊先生の文字学入門』左右社、3500円+税 〔詳細〕
 *版元ドットコムのURLでは別な本が表示されてしまう。刊行されないのか?

『猟奇 復刻版』全6、三人社、60000 〔詳細〕
*昭和初期に出た探偵小説雑誌。

■ポール・ホフマン/持田鋼一郎訳『魔都ウィーン』作品社、2800円+税
 
『博物図の歴史』 東洋書林
 
『黒の歴史』 東洋書林

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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