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■2013年展覧会総括

2013年に見た、主に美術関連の展覧会51件について、個人的な感想と評価を記した。あくまでも主観的なものである。特に騒音・混み具合などは、たまたまその時だけの現象かもしれない。
行った月別に並べているが、必ずしも会期順ではない。
 
◆評価ポイント (5)・・・(1)までの5段階評価
A:展示内容(作品、解説)・構成・展示品の質
B:展示方法・動線設計・照明
C:雰囲気・騒音・混み具合
 
2月
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●江戸東京博物館「尾張徳川家の至宝」
A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*豪華絢爛と言うべきか。展示品自体は素晴らしいものばかりではあるのだが、なぜか印象に残らない。展示に工夫が乏しいというか、驚きを感じさせるものがない。
 
●東京国立博物館「書聖王羲之展」
A★★☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*王羲之筆とされていてもそもそも真筆は存在しないので、写しや拓本ばかり。さまざまな蘭亭序も展示されていたが、《蘭亭曲水図屏風》などは面白かったものの、他はほとんど興味を覚えず。
 
 
3月
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○上野の森美術館「第44回 龜甲展」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*中国古代文字である甲骨・金文をベースにした創作書の展示。毎回楽しんでいるが、今回もエネルギッシュなざわめきが心地よかった。どちらかというと大作よりも小品のほうが力まずに、良い作品が多いようなのだが。
 
 
4月
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Bunkamura ザ・ミュージアム「ルーベンス:栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」
A☆☆☆☆B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*《眠る二人の子供たち》など若干の作品を除けば、展示作品の大半は大味というか退屈。それがルーベンスと言ってしまえばそれまでだが。
 
●玉川高島屋「高島屋史料館が語る日本美術の輝き」
A☆☆☆☆ B☆☆☆☆ C★★☆☆☆
*高島屋史料館はいろいろと美術作品を持っているんだな、といった程度。横山大観の《蓬莱山》など愚作の典型。展示場所もバーゲン会場などに使用しているアレーナホールであり、照明が一部消えていたりして、慣れない美術展示は無理だった模様。ただし、4~6月開催の「龍村平蔵「時」を織る。」「美の競演」「暮らしと美術と髙島屋」と合わせて4つの展覧会を「たかしまやアートウォーキング」と称して組んだのは秀逸。
 
 
5月
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●インターメディアテク
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
2013321日にオープンしたばかり。特別展ではなく常設展示。東京大学所蔵の主に自然科学系の標本類中心。特段の解説もなく、ただひたすらその造形の美しさ、奇妙さ、驚きを愉しむことにある。まさに「センス・オブ・ワンダー」。無料公開もいい。なお、最近、西野嘉章編『インターメディアテク:東京大学 学術標本コレクション』(平凡社、201311月)が出て、展示を追体験してくれる。
 
●日本橋高島屋「龍村平蔵「時」を織る。」
A★★☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*龍村美術織物の創業者・初代龍村平蔵から四代平蔵にいたるまでの、さまざまな織物を開発した新技法とともに展示。織物作品としてみると、すべてが優品というわけでもないが。
 
●大阪歴史博物館「幽霊妖怪画大全集」
A★★★☆☆ B☆☆☆☆ C☆☆☆☆
*観客の誘導が最低。入ったばかりの掛軸のコーナーに人が溜ってしまい、後はガラガラ。わざわざ大阪へ見に行ったのだが、福岡市博物館所蔵になる吉川観方コレクションによる展示内容はそこそこ(大阪限定で大阪ゆかりの資料が10点ほど追加展示されていた)。「YKH48総選挙」などという馬鹿企画はやめてほしい。ちなみに、本展で最も怖かったのは、とある幽霊画を見ていた時、ふと胸騒ぎがして隣にいた人物を見たら、頭部が通常の倍以上の男が立っていたこと。いまだに思い出す。
 
●泉屋博古館「吉祥のかたち」
A☆☆☆☆ B★★★☆☆ C★★★★
*展示内容は期待外れで貧弱。当館には初めて行ったのだが、常設の古代中国青銅器のコレクションに圧倒される。ボランティアの解説者がとても上手な話し手だったので、青銅器の見方を教えられる。
 
●京都国立博物館「狩野山楽・山雪」
A★★★★☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*京狩野の流れを作った狩野山楽・山雪の作品展。とても充実した内容で、見応え十分。狩野永徳の画風を受け継いだのは彼ら京狩野だといった知識はなくとも、迫力のある造形に圧倒される。ただ、京博の展示はどうも見にくいのはなぜだろうか。特別展示館の設計の問題か。
 
●国立西洋美術館「ラファエロ」
A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*ルネサンスの三大巨匠の一人と言われるラファエロはもちろん上手な画家だとは思うが、どうもあまり好みではない。ゲーテが「彼は自然のごとく常に正しい」などと言うから、余計に敬遠してしまうのかもしれないが。《聖ゲオルギウスと竜》(ルーヴル美術館蔵)は良かった。
 
●東京国立博物館「大神社展」
A★★★☆☆B★★☆☆☆ C★★★☆☆
*期待していなかったが、《春日神鹿御正体》(細見美術館蔵)などなかなか楽しい作品にも出会えた。
 
○三菱一号館美術館「奇跡のクラーク・コレクション:ルノワールとフランス絵画の傑作」
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*ルノワールがサブタイトルに謳われているので、ルノワール嫌いな人間には敬遠だが、実はそれ以外の作品――例えばジェローム《蛇使い》、ティソ《菊》、ボナール《犬と女》、モネ《エトルタの断崖》など――にいいものが多かったので収穫あり。タイトルの「奇跡」は勘弁してほしいが。
 
●練馬区立美術館「牧野邦夫:写実の精髄」
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*寡聞にして知らなかった画家だったが、デモーニッシュとも言うべきこだわりの作風はとても感動した。描くことへの執着――なかでも自らを描くことに、とても関心が高かったのだと思う。サブタイトルの「写実」というよりは、シュルレアリスムという意味での写実を超えた世界を希求した画家だったのだろう。黒いユーモアを漂わせて。
 
 
6月
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●岩手県立美術館「若冲が来てくれました:プライスコレクション江戸絵画の美と生命」
A★★★★★ B★★★ C★★★★★
*これは大変素晴らしい展示内容だった。無駄にゆったりとした美術館なので閑散としていたが(入口に至るまでの長いアプローチに誰一人いない!)、おかげでじっくりと鑑賞できた。わざわざこれだけのために東京から行った甲斐があった。ただ、図録は物足りない。葛蛇玉筆の《雪夜松兎梅鴉図屏風》は、残念ながら右隻・左隻が逆のまま(今橋理子『兎とかたちの日本文化』東京大学出版会、2013年、pp.71-96参照)。
 
●日本橋高島屋「美の競演 京都画壇と神坂雪佳:100年の時を超えて」
A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*「たかしまやアートウォーキング」の一つ。京都市美術館と細見美術館のコレクション中心の展示。竹内栖鳳や上村松園ら京都画壇と、琳派の末裔たる神坂雪佳は同時代に活動していながら出会うことがなかったらしい。作品の性格があまりにも違うからであったろうけど。デパート展なので、騒々しいのは已む無きか。
 
●東京ステーションギャラリー「エミール・クラウスとベルギー印象派展」
A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★★☆☆
*これは意外な収穫。ベルギーの印象派というのは知識がなかったが、エミール・クラウスはなかなかの力量。ただいわゆるフランスの印象派とはどこか異質。そのクラウスに学んだ二人の日本人画家の作品は、教えを忠実に守っているなあ、という印象。新装なった東京ステーションギャラリーの建物もなかなかよいのだが、スペースが限られ動線に無理がある。
 
●世田谷美術館「暮らしと美術と髙島屋」展
A★★☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*「企業と文化」というテーマの展示だが、なかなかユニーク。いわゆるメセナのような胡散臭い文化事業ではなく、企業活動の結果として生み出された文化としてどんなものが残されたか、ということを示すとこうなった。美術染織の作品や戦前の広告宣伝、とりわけポスター類は見ていて飽きさせない。企業博物館的ではあったが。
 
●戸栗美術館(渋谷)「古伊万里金襴手展:元禄のきらめき」
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*「金襴手」と呼ばれる派手な古伊万里中心の展示。初心者向けに解説等も丁寧で、工芸品として素晴らしいものを多数見ることができた。初めての美術館だったが、再度訪問したくなる。
 
●国立新美術館「貴婦人と一角獣展:クリュニー中世美術館所蔵」
A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*《貴婦人と一角獣》しか目玉作品がなかったので、細々としたものを集めるなど無理な展示内容になった。大画面のシアターも疲れるばかり。もう少しましな企画――例えば、一角獣の象徴性を文化史的にさまざまな角度から検証するとか――が欲しかった。
 
TOTOギャラリー間「中村好文展:小屋においでよ!」
A:★★☆☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*想像上の小屋や、実験的に作られた小屋など、面白い仕掛け。なかでも中庭(屋上?)に建てられたひとり暮らし用の小屋は、ミニマムな生活に必要なものだけ、をイメージしてつくられたもの。そこに置かれていた本の中に長沼弘毅の『シャーロック・ホームズの大学』なんてマイナーな本があって、ちょっと驚き。
 
 
7月
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●東京藝術大学大学美術館「夏目漱石の美術世界展」
A★★★★ B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*漱石の目を通した美術展という発想がユニーク。漱石の文学作品や美術批評に登場する作品をできるだけ集め、漱石の追体験ができる。さらに漱石本の装幀デザインの下絵なども。漱石自身の文人画は平凡だが。
 
●江戸東京博物館「ファインバーグ・コレクション展:江戸絵画の奇跡」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*アメリカの江戸絵画コレクション展。なかなか優れた作品も多かった(たった6点しか現存が確認されていない葛蛇玉の作品のうち《鯉図》を所蔵)が、「奇跡」などという大袈裟な言葉はやめてほしい。
 
●調布市文化会館たづくり「深堀隆介金魚作品展」
A★★★☆☆ B☆☆☆ C★★☆☆☆
*作品は素晴らしいのだが、いかんせん会場がお粗末。今の金魚一筋になる前の学生時代の作品もあったが、全体の作品数が乏しかった(本当に約60点もあったのだろうか)。
 
○三井記念美術館「大妖怪展:鬼と妖怪&ゲゲゲ」
A★★☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★★☆☆
*期待外れの展示。結局あまり目新しい作品もなく、ワンパターンのマンネリを脱することはできないか。こういった企画に水木しげるを置きたがるのは客引き用かもしれないが、構成に無理を生じてしまう。会場が空いているのは良かったが。
 
●横浜美術館「プーシキン美術館展:フランス絵画300年」
A★★★☆☆B★★★☆☆ C★★★☆☆
*震災で一旦中止となったが、ようやく開催にこぎつけた展覧会。作品も充実していてそれなりに良かったのだが、いささか駆け足でフランス絵画史を見て回るような印象。
 
 
8月
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○武蔵野美術大学美術館「タイポグラフィ 2つの潮流」
A★★★★ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*充実した展示内容。しかし、一番面白かった入口壁面のクロニクルが図録になく、せっかくの労作を見直すことができないのがとても残念。ほとんど誰もいなかったので、一匹の蜘蛛が展示品の上を悠々と歩いていた。
 
●サントリー美術館「谷文晁展」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*「この絵師、何者!?」というキャッチフレーズは大袈裟だったが、決して谷文晁は異様な画家ではなく、いたって生真面目な、だが器用でどんな様式でもできる人物にすぎなかったのではないだろうか。無理矢理変なレッテルを貼られて損をしたようだ。
 
●東京国立博物館「和様の書」
A★★☆☆☆ B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*書の展覧会はほとんど行かない。興味が薄いこともあるが、感度が鈍いせいか、感動も覚えない。本展も結局同様ではあった。
 
ホテルオークラ別館地下2階アスコットホール「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち:フランスの美しき街と村のなかで」
A★★★☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*メジャーな作品はないものの、いい雰囲気の作品が多かった。それにしても、知っている画家の名前をただ並べただけのタイトルはやめてほしい。会場は良くないが、費用をかけずに精一杯やっている印象を受けた。
 
●大倉集古館「大倉コレクションの精華II 近代日本画名品選」
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*大倉喜七郎がパトロンとなって、1930年に開催されたローマ展向けに出品された絵画作品が中心。多くはないが、展示作品の多くはとても良かった。横山大観ですら《夜桜》は珍しく良くできていた。
 
 
9月
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●ブリヂストン美術館「色を見る、色を楽しむ。:ブリヂストン美術館コレクション展」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*「色」をキーワードにブリヂストン美術館所蔵作品をおさらい。そういった目で見直すと、何度か出会っている作品にも意外な印象が。マティスの『ジャズ』は好きになれないが。
 
 
10月
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●損保ジャパン「トスカーナと近代絵画:もうひとつのルネサンス」
A★★☆☆☆B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*ちょうど1日だけ無料日があり、行くことができた。ピッティ宮近代美術館所蔵でそれなりの作品なのだろうが、見るそばから忘れてしまいそうな作品ばかり。ついでに常設のゴッホ《ひまわり》等も見る。
 
●泉屋博古館分館「伊万里染付の美:図変り大皿の世界」
A★★★★☆ B★★★ C★★★☆☆
*伊万里大皿の圧倒的な力強さ。ただ、来館者が展示と無関係なおしゃべりを声高にし続けていたのは残念。
 
●大倉集古館「描かれた都」
A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*少し期待していたが、残念な結果に。8月の展示とは打って変わってレベルダウン。ただ少々集めただけで展示内容が乏しいし、迫ってくるものがない。スペースに見合うよう、テーマをもっと絞って作品を集め、展示を工夫すべき。細密な絵が大半なので、もっと見やすい展示が必要。
 
 
11月
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●東京国立博物館「京都:洛中洛外図と障壁画の美」
A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*前半の洛中洛外図は展示方法も見にくく、説明も不十分。会場に入ってすぐの映像(《洛中洛外図屏風 舟木本》をただクローズアップしてみましたというだけ)や龍安寺の映像(1年間ひたすら撮りましたというだけ)は全く無意味。後半、人も少なくなってからの展示は多少持ち直したが(二条城の障壁画など現地では複製品しか見ることはできないので)。
 
●東京国立博物館「上海博物館中国絵画の至宝」
A☆☆☆☆ B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*リニューアル後の東博東洋館に初めて行く。フロア構造が複雑すぎる難はあるが、常設展は充実。ただし、本展の内容は貧相。展覧会タイトルに「至宝」の乱発はやめてほしい。
 
○東京都美術館「ターナー展」
A★★☆☆☆B★★☆☆☆ C★★☆☆☆
*展示内容は残念ながらやや期待はずれ。精緻に描かれたスケッチブックや使用していた画材が展示されており、絵具チューブがない時代に野外で絵を描くのは大変だったことはよくわかった。
 
○ギンザ・グラフィック・ギャラリー「ヤン・チヒョルト展」
A★★★★☆ B★★★ C★★★☆☆
*ヤン・チヒョルトを総合的に日本で展示したのは初めてか。充実した内容。展示キャプションは簡素だったが、たとえば使用している主要なフォント名なども付記してくれればもっとよかった。
 
●ブリヂストン美術館「カイユボット展:都市の印象派」
A★★★★ B★★★ C★★★☆☆
*カイユボットの初の本格的紹介。印象派の中にあって、珍しく有産階級の出身。したがって、印象派の画家は皆カイユボットが買ってくれて助かった。本人の作風は印象派と言うにはもう少しおとなしいが、それだけソフィストケートされていた。弟マルシャル・カイユボットの撮影した写真も多数展示され、当時のリアルな都市風景の傍証となる。数種類あったデジタル展示も工夫されていて、とてもよい展覧会となった。
 
●三の丸尚蔵館「美を伝えゆく:名品にみる20年の歩み」後期
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C☆☆☆☆
*展示品は《萬国絵図屏風》や若冲の《動植綵絵》2幅など、ごく少ないながらも悪くはなかったが、入場料無料のせいか狭いところで非常に混雑して騒々しかった。
 
○武蔵野美術大学美術館・図書館「平野甲賀の仕事 1964−2013
A★★★★ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*ほとんど客がおらず静かな中で、じっくり平野甲賀氏のポスターや装丁などの仕事振りを通覧することができた。氏の装丁は以前のものの多くには馴染みがあったが、最近のものは初めてが多い。本屋に行くことが少なくなったせいか。図録にコウガフォントのCD-ROMが付くが、ただ挟んであるだけなので、うっかりすると抜け落ちそう。
 
○武蔵野美術大学美術館・図書館「しかけ絵本I:技法の歴史 開く、覗く、聞く、動く絵本」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*甲賀展のついでに見る。しかけ絵本のさまざまな形態が、図書館の小さい展示スペースに凝縮。別の場所に何冊か実際に操作できるようになっていたのはとてもよい。
 
 
12月
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●静嘉堂文庫美術館「幕末の北方探検家 松浦武四郎」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*美術作品ではないが、同館の所蔵品中心の展示。松浦武四郎が幕末という時期において、どのような苦心の末、北海道の地図を作り、住民の生活を調べ上げ、それらを膨大な報告として刊行したか。狭いスペースだが、工夫された展示となっていた。次の「描かれた風景:絵の中を旅する」展の後、1年半改修工事に入る。
 
●泉屋博古館「木島櫻谷:京都日本画の俊英」
A★★★★☆ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*木島櫻谷はとりわけ動物画に優れており、なかでも《寒月の狐はぞくぞくする凄みを感じる。人物画は凡庸。2014年には東京でも開催されるが、再度ぜひ行きたい。ちなみに、《角とぐ鹿の解説に「落葉樹」とあるが「欅」である。《孔雀の解説中「ウツギ」とあるのは「百日紅」か。
 
●清水三年坂美術館「刀の拵」
A★★★★☆ B★★☆☆☆ C★★★☆☆
*何度も京都に来て、来そびれてしまっていた美術館をようやく訪問。1階の常設展示は1年ですべてが展示替えされるそうだが、どれも素晴らしい超絶技巧の工芸品ばかり。2階で「刀の拵」展示があり、これもまた精密極まりない造作に圧倒。4月には、三井記念美術館において「超絶技巧!明治工芸の粋:村田コレクション一挙公開」が開催されるので、関東在住の方はぜひご覧になるといい。
 
●並河靖之七宝記念館「七宝 手のひらの宇宙」
A★★★★ B★★☆☆☆ C★★★☆☆
清水三年坂美術館にも数点並河靖之の七宝作品が展示されていたが、この記念館は並河靖之が住み、作品を作り出していた工房そのままなので、優れた作品を見るばかりでなく、どのように作っていたのかまでよくわかる。
 
●京都国立近代美術館「皇室の名品:近代日本美術の粋」
A★★☆☆☆ B★★★☆☆ C☆☆☆☆
*工芸品には並河靖之や十二代沈寿官《菊貼付香炉》などの優品がいくつか展示されていたが、絵画作品はどれもお粗末。画家のやる気がなかったのか、当時のレベルが低かったのか、それとも拙速で描かせたのか。肖像画など、本人は怒り心頭にこなかったのか不思議。
 
●樂美術館「利休/少庵/元伯/千家の時代と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念」
A★★★★ B★★★☆☆ C★★★☆☆
*多い数ではなかったが、楽焼の素晴らしさを痛感できる優品が並ぶ。等伯の松林架橋図襖は、東博にある松林図屏風の原型とも言われるが、かなり痛みが激しく、修復後でもかなり見づらい。
 
●京都国立博物館「魅惑の清朝陶磁」
A★★★☆☆ B★★★☆☆ C★★☆☆☆
*江戸時代の日本人があこがれた清朝陶磁と、それに影響を受けた日本の陶工たち。沈没船からの引き揚げ品(質は高くなくとも時代が特定できるのが最大の利点)や出土品なども交えて、どのように受容されていったかを知ることができる。面白いのは、わざわざ日本から注文して中国に作ってもらい、それを輸入した陶磁器があること。
 
○群馬県立館林美術館「山口晃展:画業(ほぼ)総覧―お絵かきから現在まで」
A★★★★★ B★★★ C:★★★
2013年は本展で打ち止め。掉尾を飾る素晴らしい展覧会であった。とりわけ細密な絵の良さは、ガラスケースなしで間近で見て初めてわかるのがありがたい。山口晃の画才を堪能できた。ただし図録が間に合わず、会期後の20143月になる。2001年にできた館だが、とても明るくて気持ちのいい建物。フランソワ・ポンポンのアトリエが移設されており、ポンポンのコレクションとともに必見。難はアクセスが悪いこと。
 

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Author:夢幻庵主人
隠居生活続行中。

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